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9話
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パーティーから一夜明けて次の日、私は今日も王宮に来ていますわ。
というのも、今日の朝になぜか殿下から王宮に来るように、と命令されたんですが......もしかして、昨日のパーティーで誰よりも先に帰ったから、とかでしょうか?
それに関して何か言われるようなことがあったら、あのような状況では私が居ても、皆気まずくなってしまうだけですし.....と言うしかありませんわよね。
まぁ、元々そう思って会場を後にしましたし。
なんて思いながら、応接室のソファーで足をブラブラとさせて殿下が来るのを待っていますわ。
応接室で待機して、大体10分ほど、でしょうか?
コンコンという控えめなノックの後に
「すまない、父上と話をしていて遅くなってしまった」
そう言って、レオンハルト殿下が中に入ってきましたわ。
忙しいのに、急いで来てくれたのか少し息が切れていますわね。
私のような貧乏令嬢は殿下にとって待たせておくような立場でしかないのに、本当に優しい人ですわよね。
そう思いながら、私の正面の椅子に座る殿下に
「そんなに待っていないので、気にしないでくださいませ」
と微笑みながら言うと、用意したお茶を一気に飲み干して
「昨日は大変だったね」
あら、早速本題に入った、という感じでしょうか?
てっきり普段通り他愛のない話をしてからの本題、だと思ったので、少し驚きましたわ。
殿下の言葉に
「申し訳ございません。挨拶も無しに勝手に帰ってしまって........」
と軽く謝罪をすると、
「その件なんだけど、あまり詳しいことを知らなくてね。婚約破棄をされたから家に帰ったのかい?」
殿下はそう言って、何とも言えないような表情をしましたわね。
あ、何があったのか聞いていませんのね。
まぁ、だったら当事者に聞いた方が確実ですし、私を呼びだすのも納得ですわね。
なんて思いながら
「うーん......まぁ、そうだと言えばそうなんですが........」
と苦笑した後に、昨日の話を殿下にしっかりとお話ししましたわ。
まぁ、そうは言っても大体は聞いていることでしょうし、追加で私から言えるのは会場の雰囲気があまりにも最悪なことになってしまったので、原因を作ることなってしまった私は帰宅しましたよ、ということくらいですわね。
私が貧乏貴族なのはその通りですし、キーン様が素晴らしい完璧な人だとは思ったことがありませんが、隣にいた令嬢は私よりも魅力的でしたもの。
あちらが良いと思ってしまうのも仕方がない事ですわよね。
殿下に話をしながら、改めてそう思っていると、全てを聞き終えた殿下は深くため息をついた後に
「最低だな。自分を何だと勘違いしているんだ」
と小さく呟きましたわ。
ですが、ただ呟いただけではなく、どこか怒っているような、そんな声色だったので、咄嗟に
「まぁ、私自身キーン様と婚約破棄はしたかったので良いんですけどね」
上手く笑えたかはわかりませんが、ニッコリと微笑みながらそう言うと、
「そう?だったらいいんだけどさ」
と殿下も納得?してくれましたわ。
というのも、今日の朝になぜか殿下から王宮に来るように、と命令されたんですが......もしかして、昨日のパーティーで誰よりも先に帰ったから、とかでしょうか?
それに関して何か言われるようなことがあったら、あのような状況では私が居ても、皆気まずくなってしまうだけですし.....と言うしかありませんわよね。
まぁ、元々そう思って会場を後にしましたし。
なんて思いながら、応接室のソファーで足をブラブラとさせて殿下が来るのを待っていますわ。
応接室で待機して、大体10分ほど、でしょうか?
コンコンという控えめなノックの後に
「すまない、父上と話をしていて遅くなってしまった」
そう言って、レオンハルト殿下が中に入ってきましたわ。
忙しいのに、急いで来てくれたのか少し息が切れていますわね。
私のような貧乏令嬢は殿下にとって待たせておくような立場でしかないのに、本当に優しい人ですわよね。
そう思いながら、私の正面の椅子に座る殿下に
「そんなに待っていないので、気にしないでくださいませ」
と微笑みながら言うと、用意したお茶を一気に飲み干して
「昨日は大変だったね」
あら、早速本題に入った、という感じでしょうか?
てっきり普段通り他愛のない話をしてからの本題、だと思ったので、少し驚きましたわ。
殿下の言葉に
「申し訳ございません。挨拶も無しに勝手に帰ってしまって........」
と軽く謝罪をすると、
「その件なんだけど、あまり詳しいことを知らなくてね。婚約破棄をされたから家に帰ったのかい?」
殿下はそう言って、何とも言えないような表情をしましたわね。
あ、何があったのか聞いていませんのね。
まぁ、だったら当事者に聞いた方が確実ですし、私を呼びだすのも納得ですわね。
なんて思いながら
「うーん......まぁ、そうだと言えばそうなんですが........」
と苦笑した後に、昨日の話を殿下にしっかりとお話ししましたわ。
まぁ、そうは言っても大体は聞いていることでしょうし、追加で私から言えるのは会場の雰囲気があまりにも最悪なことになってしまったので、原因を作ることなってしまった私は帰宅しましたよ、ということくらいですわね。
私が貧乏貴族なのはその通りですし、キーン様が素晴らしい完璧な人だとは思ったことがありませんが、隣にいた令嬢は私よりも魅力的でしたもの。
あちらが良いと思ってしまうのも仕方がない事ですわよね。
殿下に話をしながら、改めてそう思っていると、全てを聞き終えた殿下は深くため息をついた後に
「最低だな。自分を何だと勘違いしているんだ」
と小さく呟きましたわ。
ですが、ただ呟いただけではなく、どこか怒っているような、そんな声色だったので、咄嗟に
「まぁ、私自身キーン様と婚約破棄はしたかったので良いんですけどね」
上手く笑えたかはわかりませんが、ニッコリと微笑みながらそう言うと、
「そう?だったらいいんだけどさ」
と殿下も納得?してくれましたわ。
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