悪役令嬢だけど、私としては推しが見れたら十分なんですが?

榎夜

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40話      last

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建国祭から数ヶ月がたった。

今日はついに学園の卒業パーティー。

なんか...色々あったけど、ついにエンディングなんだなぁ。

寂しいような、嬉しいような......。

ゲームではキャラをイメージした花をヒロインに贈ってハッピーエンド、って感じなんだよね。

あ、ヒロインが居なくなったから告白イベントは起こらないのか。

なんてことを考えながら、殿下の隣でひたすら微笑み続ける、という...まぁ、挨拶回りってやつだね。

罪人の姉が、次期王妃ってどうなのか、っていう話が出ると思ってたんだけど、今のところはそんな話は一切ないらしく、私と殿下の婚約は続行。

なんなら私の方から、婚約はどうするのか、と言ったんだけど、陛下も王妃も、まさかの他の貴族達も、是非王妃になってください、の状態。

そんなに気になるなら、他の家に養子に入って......とか話まで出てきたからもう諦めたよね。

あ、それから、無事にお母様が出産した。

生まれたのは男の子だったのよ。

初めて男の子が生まれたからお父様もお母様もそれはもう喜んで喜んで...。

まぁ、私も弟が可愛くて仕方なくなってるんだけどね。


そういえば、アルム様は卒業パーティーを迎える前に国に帰ってしまった。

最後まで美しいです、ありがとうございます。

って感じだったんだけど

「もし本当にハルト殿下と妹さんが恋仲だったらナナリー嬢を連れて帰ろうとしたんだけどな......」

なんて言われた時には必死に冷静を保ったよね。

本当は発狂したくて堪らなかったけどさ。

まぁ、私がアルム様について行く、なんて選択肢はなかったから、ただただ笑って誤魔化した。


そして最後にスカーレットのことだね。

スカーレットは先月処刑された。

最後に見たスカーレットは、今まで見たことがないくらいボロボロで人形のような状態だった。

本当は目を逸らしたかったけど、ちゃんと目に焼き付けた。

だって、こんなことになってしまったけどスカーレットが私の妹だっていうことは変わらないから。

次、生まれ変われるなら、人を蹴落とすようなことはしないで真っ当に生きて幸せになって欲しい。



今まであった出来事を思い出していると

「ナナリー嬢」

ふいに殿下に名前を呼ばれたから顔を向けた。

すると目の前には真っ赤なバラの花が。

しかも1本とかじゃない。

大量の...もう手に持てないくらいのバラの花束を差し出された。

「殿下......?」

思わずそう呟くと殿下は深呼吸をしてから

「ナナリー嬢は俺と政略結婚だと思っているかもしれない。俺も最初はそう思っていた」

そう言った。

確かに、政略結婚だから、という理由ではないけど、私と殿下の婚約はそういう設定だから、とずっと思っていた。

「だが、ナナリー嬢と一緒に過ごしていくうちに、その考えは変わっていった。今の俺は、ナナリー嬢を愛している」

............え?

「俺と結婚して欲しい」

え?え?え?

これって....プロポーズ.........だよね?

いや...うん。

そうだよね!?

殿下が私のことを好き、だと?

推しが見れたしありがたい言葉を頂いてたから勝手にそれで満足してたわ...。

でもそっか...推しを見る、っていう願いは叶ったし、これからは自分の人生を考えなきゃいけないよね。

てか、この状況で断れないよね!

でも殿下とならきっと良い関係を築けるよ!

なんて答えはわかっているはずなのに、なぜか自分に言い聞かせた。

私の答えは

「喜んで...っ」

以外ないですよね?







☆★☆

数年後ーーーー

「聞きました?王妃様が懐妊なさったって...!」

「まぁ!本当ですの!?」

「陛下が今からソワソワしているらしいって噂になっていますわよ」

「あらまぁ...相変わらず仲睦まじいですわね」

「そうねぇ。なんだかんだ、我が国1番のおしどり夫婦ですもの」

ハルト陛下とナナリー王妃はおしどり夫婦として他国でも有名なほど仲睦まじい関係を築き上げていた。

それは、ナナリー王妃が歳の離れた弟を可愛がっているだけでも嫉妬するほどだ、という。

平民の間でも、陛下たちのような夫婦になりたい、と憧れている人が多いんだとか。



「ハルト様」

「ん?どうしたんだ?ナナリー」

「私、幸せですわ」

ゲームのシナリオとは全然違うけど、とりあえずハッピーエンドだよね?











ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

最後まで読んでくれてありがとうございました!

名前ミスったり誤字が多すぎたりで、いい加減にしろ!って感じなのに見捨てず読んでくれた方々には感謝しかありません。






宣伝です

「旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました」

新連載です。読んでもらえたらうれしいです!





最後に

まだ他にも連載しているのもありますので、覗いていってくださいm(_ _)ⅿ

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