41 / 41
40話 last
しおりを挟む
建国祭から数ヶ月がたった。
今日はついに学園の卒業パーティー。
なんか...色々あったけど、ついにエンディングなんだなぁ。
寂しいような、嬉しいような......。
ゲームではキャラをイメージした花をヒロインに贈ってハッピーエンド、って感じなんだよね。
あ、ヒロインが居なくなったから告白イベントは起こらないのか。
なんてことを考えながら、殿下の隣でひたすら微笑み続ける、という...まぁ、挨拶回りってやつだね。
罪人の姉が、次期王妃ってどうなのか、っていう話が出ると思ってたんだけど、今のところはそんな話は一切ないらしく、私と殿下の婚約は続行。
なんなら私の方から、婚約はどうするのか、と言ったんだけど、陛下も王妃も、まさかの他の貴族達も、是非王妃になってください、の状態。
そんなに気になるなら、他の家に養子に入って......とか話まで出てきたからもう諦めたよね。
あ、それから、無事にお母様が出産した。
生まれたのは男の子だったのよ。
初めて男の子が生まれたからお父様もお母様もそれはもう喜んで喜んで...。
まぁ、私も弟が可愛くて仕方なくなってるんだけどね。
そういえば、アルム様は卒業パーティーを迎える前に国に帰ってしまった。
最後まで美しいです、ありがとうございます。
って感じだったんだけど
「もし本当にハルト殿下と妹さんが恋仲だったらナナリー嬢を連れて帰ろうとしたんだけどな......」
なんて言われた時には必死に冷静を保ったよね。
本当は発狂したくて堪らなかったけどさ。
まぁ、私がアルム様について行く、なんて選択肢はなかったから、ただただ笑って誤魔化した。
そして最後にスカーレットのことだね。
スカーレットは先月処刑された。
最後に見たスカーレットは、今まで見たことがないくらいボロボロで人形のような状態だった。
本当は目を逸らしたかったけど、ちゃんと目に焼き付けた。
だって、こんなことになってしまったけどスカーレットが私の妹だっていうことは変わらないから。
次、生まれ変われるなら、人を蹴落とすようなことはしないで真っ当に生きて幸せになって欲しい。
今まであった出来事を思い出していると
「ナナリー嬢」
ふいに殿下に名前を呼ばれたから顔を向けた。
すると目の前には真っ赤なバラの花が。
しかも1本とかじゃない。
大量の...もう手に持てないくらいのバラの花束を差し出された。
「殿下......?」
思わずそう呟くと殿下は深呼吸をしてから
「ナナリー嬢は俺と政略結婚だと思っているかもしれない。俺も最初はそう思っていた」
そう言った。
確かに、政略結婚だから、という理由ではないけど、私と殿下の婚約はそういう設定だから、とずっと思っていた。
「だが、ナナリー嬢と一緒に過ごしていくうちに、その考えは変わっていった。今の俺は、ナナリー嬢を愛している」
............え?
「俺と結婚して欲しい」
え?え?え?
これって....プロポーズ.........だよね?
いや...うん。
そうだよね!?
殿下が私のことを好き、だと?
推しが見れたしありがたい言葉を頂いてたから勝手にそれで満足してたわ...。
でもそっか...推しを見る、っていう願いは叶ったし、これからは自分の人生を考えなきゃいけないよね。
てか、この状況で断れないよね!
でも殿下とならきっと良い関係を築けるよ!
なんて答えはわかっているはずなのに、なぜか自分に言い聞かせた。
私の答えは
「喜んで...っ」
以外ないですよね?
☆★☆
数年後ーーーー
「聞きました?王妃様が懐妊なさったって...!」
「まぁ!本当ですの!?」
「陛下が今からソワソワしているらしいって噂になっていますわよ」
「あらまぁ...相変わらず仲睦まじいですわね」
「そうねぇ。なんだかんだ、我が国1番のおしどり夫婦ですもの」
ハルト陛下とナナリー王妃はおしどり夫婦として他国でも有名なほど仲睦まじい関係を築き上げていた。
それは、ナナリー王妃が歳の離れた弟を可愛がっているだけでも嫉妬するほどだ、という。
平民の間でも、陛下たちのような夫婦になりたい、と憧れている人が多いんだとか。
「ハルト様」
「ん?どうしたんだ?ナナリー」
「私、幸せですわ」
ゲームのシナリオとは全然違うけど、とりあえずハッピーエンドだよね?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後まで読んでくれてありがとうございました!
名前ミスったり誤字が多すぎたりで、いい加減にしろ!って感じなのに見捨てず読んでくれた方々には感謝しかありません。
宣伝です
「旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました」
新連載です。読んでもらえたらうれしいです!
最後に
まだ他にも連載しているのもありますので、覗いていってくださいm(_ _)ⅿ
今日はついに学園の卒業パーティー。
なんか...色々あったけど、ついにエンディングなんだなぁ。
寂しいような、嬉しいような......。
ゲームではキャラをイメージした花をヒロインに贈ってハッピーエンド、って感じなんだよね。
あ、ヒロインが居なくなったから告白イベントは起こらないのか。
なんてことを考えながら、殿下の隣でひたすら微笑み続ける、という...まぁ、挨拶回りってやつだね。
罪人の姉が、次期王妃ってどうなのか、っていう話が出ると思ってたんだけど、今のところはそんな話は一切ないらしく、私と殿下の婚約は続行。
なんなら私の方から、婚約はどうするのか、と言ったんだけど、陛下も王妃も、まさかの他の貴族達も、是非王妃になってください、の状態。
そんなに気になるなら、他の家に養子に入って......とか話まで出てきたからもう諦めたよね。
あ、それから、無事にお母様が出産した。
生まれたのは男の子だったのよ。
初めて男の子が生まれたからお父様もお母様もそれはもう喜んで喜んで...。
まぁ、私も弟が可愛くて仕方なくなってるんだけどね。
そういえば、アルム様は卒業パーティーを迎える前に国に帰ってしまった。
最後まで美しいです、ありがとうございます。
って感じだったんだけど
「もし本当にハルト殿下と妹さんが恋仲だったらナナリー嬢を連れて帰ろうとしたんだけどな......」
なんて言われた時には必死に冷静を保ったよね。
本当は発狂したくて堪らなかったけどさ。
まぁ、私がアルム様について行く、なんて選択肢はなかったから、ただただ笑って誤魔化した。
そして最後にスカーレットのことだね。
スカーレットは先月処刑された。
最後に見たスカーレットは、今まで見たことがないくらいボロボロで人形のような状態だった。
本当は目を逸らしたかったけど、ちゃんと目に焼き付けた。
だって、こんなことになってしまったけどスカーレットが私の妹だっていうことは変わらないから。
次、生まれ変われるなら、人を蹴落とすようなことはしないで真っ当に生きて幸せになって欲しい。
今まであった出来事を思い出していると
「ナナリー嬢」
ふいに殿下に名前を呼ばれたから顔を向けた。
すると目の前には真っ赤なバラの花が。
しかも1本とかじゃない。
大量の...もう手に持てないくらいのバラの花束を差し出された。
「殿下......?」
思わずそう呟くと殿下は深呼吸をしてから
「ナナリー嬢は俺と政略結婚だと思っているかもしれない。俺も最初はそう思っていた」
そう言った。
確かに、政略結婚だから、という理由ではないけど、私と殿下の婚約はそういう設定だから、とずっと思っていた。
「だが、ナナリー嬢と一緒に過ごしていくうちに、その考えは変わっていった。今の俺は、ナナリー嬢を愛している」
............え?
「俺と結婚して欲しい」
え?え?え?
これって....プロポーズ.........だよね?
いや...うん。
そうだよね!?
殿下が私のことを好き、だと?
推しが見れたしありがたい言葉を頂いてたから勝手にそれで満足してたわ...。
でもそっか...推しを見る、っていう願いは叶ったし、これからは自分の人生を考えなきゃいけないよね。
てか、この状況で断れないよね!
でも殿下とならきっと良い関係を築けるよ!
なんて答えはわかっているはずなのに、なぜか自分に言い聞かせた。
私の答えは
「喜んで...っ」
以外ないですよね?
☆★☆
数年後ーーーー
「聞きました?王妃様が懐妊なさったって...!」
「まぁ!本当ですの!?」
「陛下が今からソワソワしているらしいって噂になっていますわよ」
「あらまぁ...相変わらず仲睦まじいですわね」
「そうねぇ。なんだかんだ、我が国1番のおしどり夫婦ですもの」
ハルト陛下とナナリー王妃はおしどり夫婦として他国でも有名なほど仲睦まじい関係を築き上げていた。
それは、ナナリー王妃が歳の離れた弟を可愛がっているだけでも嫉妬するほどだ、という。
平民の間でも、陛下たちのような夫婦になりたい、と憧れている人が多いんだとか。
「ハルト様」
「ん?どうしたんだ?ナナリー」
「私、幸せですわ」
ゲームのシナリオとは全然違うけど、とりあえずハッピーエンドだよね?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後まで読んでくれてありがとうございました!
名前ミスったり誤字が多すぎたりで、いい加減にしろ!って感じなのに見捨てず読んでくれた方々には感謝しかありません。
宣伝です
「旦那様は私に隠れて他の人と子供を育てていました」
新連載です。読んでもらえたらうれしいです!
最後に
まだ他にも連載しているのもありますので、覗いていってくださいm(_ _)ⅿ
110
お気に入りに追加
4,989
この作品は感想を受け付けておりません。
あなたにおすすめの小説
ご令嬢は一人だけ別ゲーだったようです
バイオベース
恋愛
魔法が有り、魔物がいる。
そんな世界で生きる公爵家のご令嬢エレノアには欠点が一つあった。
それは強さの証である『レベル』が上がらないという事。
そんなある日、エレノアは身に覚えの無い罪で王子との婚約を破棄される。
同じ学院に通う平民の娘が『聖女』であり、王子はそれと結ばれるというのだ。
エレノアは『聖女』を害した悪女として、貴族籍をはく奪されて開拓村へと追いやられたのだった。
しかし当の本人はどこ吹く風。
エレノアは前世の記憶を持つ転生者だった。
そして『ここがゲームの世界』だという記憶の他にも、特別な力を一つ持っている。
それは『こことは違うゲームの世界の力』。
前世で遊び倒した農業系シミュレーションゲームの不思議な力だった。

処刑から始まる私の新しい人生~乙女ゲームのアフターストーリー~
キョウキョウ
恋愛
前世の記憶を保持したまま新たな世界に生まれ変わった私は、とあるゲームのシナリオについて思い出していた。
そのゲームの内容と、今の自分が置かれている状況が驚くほどに一致している。そして私は思った。そのままゲームのシナリオと同じような人生を送れば、16年ほどで生涯を終えることになるかもしれない。
そう思った私は、シナリオ通りに進む人生を回避することを目的に必死で生きた。けれど、運命からは逃れられずに身に覚えのない罪を被せられて拘束されてしまう。下された判決は、死刑。
最後の手段として用意していた方法を使って、処刑される日に死を偽装した。それから、私は生まれ育った国に別れを告げて逃げた。新しい人生を送るために。
※カクヨムにも投稿しています。

ヒロイン? 玉の輿? 興味ありませんわ! お嬢様はお仕事がしたい様です。
彩世幻夜
ファンタジー
「働きもせずぐうたら三昧なんてつまんないわ!」
お嬢様はご不満の様です。
海に面した豊かな国。その港から船で一泊二日の距離にある少々大きな離島を領地に持つとある伯爵家。
名前こそ辺境伯だが、両親も現当主の祖父母夫妻も王都から戻って来ない。
使用人と領民しか居ない田舎の島ですくすく育った精霊姫に、『玉の輿』と羨まれる様な縁談が持ち込まれるが……。
王道中の王道の俺様王子様と地元民のイケメンと。そして隠された王子と。
乙女ゲームのヒロインとして生まれながら、その役を拒否するお嬢様が選ぶのは果たして誰だ?
※5/4完結しました。

【完結】己の行動を振り返った悪役令嬢、猛省したのでやり直します!
みなと
恋愛
「思い出した…」
稀代の悪女と呼ばれた公爵家令嬢。
だが、彼女は思い出してしまった。前世の己の行いの数々を。
そして、殺されてしまったことも。
「そうはなりたくないわね。まずは王太子殿下との婚約解消からいたしましょうか」
冷静に前世を思い返して、己の悪行に頭を抱えてしまうナディスであったが、とりあえず出来ることから一つずつ前世と行動を変えようと決意。
その結果はいかに?!
※小説家になろうでも公開中

【完結済み】王子への断罪 〜ヒロインよりも酷いんだけど!〜
BBやっこ
恋愛
悪役令嬢もので王子の立ち位置ってワンパターンだよなあ。ひねりを加えられないかな?とショートショートで書こうとしたら、短編に。他の人物目線でも投稿できたらいいかな。ハッピーエンド希望。
断罪の舞台に立った令嬢、王子とともにいる女。そんなよくありそうで、変な方向に行く話。
※ 【完結済み】
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです
完膚なきまでのざまぁ! を貴方に……わざとじゃございませんことよ?
せりもも
恋愛
学園の卒業パーティーで、モランシー公爵令嬢コルデリアは、大国ロタリンギアの第一王子ジュリアンに、婚約を破棄されてしまう。父の領邦に戻った彼女は、修道院へ入ることになるが……。先祖伝来の魔法を授けられるが、今一歩のところで残念な悪役令嬢コルデリアと、真実の愛を追い求める王子ジュリアンの、行き違いラブ。短編です。
※表紙は、イラストACのムトウデザイン様(イラスト)、十野七様(背景)より頂きました
リリィ=ブランシュはスローライフを満喫したい!~追放された悪役令嬢ですが、なぜか皇太子の胃袋をつかんでしまったようです~
汐埼ゆたか
恋愛
伯爵令嬢に転生したリリィ=ブランシュは第四王子の許嫁だったが、悪女の汚名を着せられて辺境へ追放された。
――というのは表向きの話。
婚約破棄大成功! 追放万歳!!
辺境の地で、前世からの夢だったスローライフに胸躍らせるリリィに、新たな出会いが待っていた。
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
リリィ=ブランシュ・ル・ベルナール(19)
第四王子の元許嫁で転生者。
悪女のうわさを流されて、王都から去る
×
アル(24)
街でリリィを助けてくれたなぞの剣士
三食おやつ付きで臨時護衛を引き受ける
▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃┄▸◂┄▹◃
「さすが稀代の悪女様だな」
「手玉に取ってもらおうか」
「お手並み拝見だな」
「あのうわさが本物だとしたら、アルはどうしますか?」
**********
※他サイトからの転載。
※表紙はイラストAC様からお借りした画像を加工しております。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる