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36話
しおりを挟む「まずこれは、皆に訂正しておきたい。俺はスカーレットのことを好きになったことは1度もない!」
殿下がそう言うと、会場中が静まり返った。
皆頭にはてなマークが浮かんでいる。
あれだけ人前でイチャついておいてそれは無いだろーって感じだよね。
すると、1人の子息が手を挙げて
「じゃあ、あれは何だったんですか?最近の殿下はスカーレット嬢にベタ惚れだったじゃないですか?」
と聞いてきた。
殿下は
「あぁ、そのことを今から説明させてもらう」
と頷いてから私の方を見てきた。
なるほど。ここからは私のターンってことだね。
はぁ......面倒だけど、仕方ないかぁ。
そう思いながら1歩前に出た。
皆私に注目して、何を話すのか、と待っている。
「では、それは私から説明しますわ。まず生徒会メンバーはわかっていると思いますが、殿下が急に様子がおかしくなったのが約2週間前くらいです」
そう言うと、皆も覚えがあるのか頷いている。
まぁ、おかしくなったその日に生徒会室から追い出したからね。
皆廊下で見ただろう。
周りを見渡しながら話を続けます。
皆も続きが気になるのか、凄く静かに私の話を聞いてくれている。
「スカーレットが生徒会室に勝手に入ってくるまではいつもと変わらず、スカーレットのことを避けていました。ですが、スカーレットが近付くと、急に人が変わったかのように殿下の様子がおかしくなったんです」
「確かに......」
「急に変わったよな......」
多分今呟いていたのは生徒会メンバーだね。
ありがとう。貴女方が呟いてくれたおかげで本当のことだと証明されたよ。
呟きに頷いてから
「でも、様子がおかしくなる直前、殿下の目の色が一瞬だけピンク色に変わったんです。そこで私は思いました。スカーレットが何かをしたのでは?と」
私がそう言うと、あからさまにスカーレットの顔色が変わった。
顔が真っ青になっているのが少し離れたところからでもわかる。
全く......なんでバレないと思ったのかね?
はぁ...と小さくため息をついてから
「でも確信があったわけではありません。なので1週間くらい様子を見たんです。ですが、これ以上あの状態が続くと殿下の立場が危ういと考え、陛下に伝えました」
そう言って陛下を見ると頷いています。
それを見た人は私の言っていることが本当だ、とわかるでしょう。
なんか、皆私が嘘を言っていないことをさりげなく証明してくれるからありがたいね。
でも、衝撃的なことはこれからですよ。
「全てを話終えると、陛下が魅了を使った可能性があると教えてくれたんです」
私がそう言うと、会場がざわつきました。
でも、まだ続きますよ。
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