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26話
しおりを挟むいや、だから、スカーレットの姉である私との婚約なんて多分納得しない人の方が多いよ?
しかも、今は魅了のことを知らされていないからいいと思うけど、知られた時よ。
私まで使っているんじゃないかって言われたらどうすんだよって話。
あぁ、もちろん使っていないよ?
使っていないけど、他から見たらやっぱり違うじゃん?
「ナナリー!お前は何を言っているんだ...っ」
「そうよ!魅了に関しては注意していなかったハルトが悪いのよ!ナナリーちゃんは悪くないわ!」
「その通りだ!婚約破棄なんて言わないでくれっ!」
えぇ......なんでこんなに引き止められるの?
私、何かした?
何もしていないよね?
え?本当に私が魅了使っちゃってるとか...そういう感じだったりする?
いやいや、全く身に覚えが無さすぎて......。
「えーっと......本当に私なんかで良いんですかね?」
「まさか......ナナリーちゃん、周りからの自分の評価を知らないの!?」
......え?ん?
周りからの評価?
いや、あれでしょ?あいつの妹って頭おかしいんだぜーとかでしょ?
と思いながら首を傾げていると
「本当に知らないのね......」
そう言いながら王妃様がガックリ項垂れてしまった。
えぇ?だって、周りの評価なんてしらないよ!?
助けを求めるように殿下を見ると、何を思ったのか
「ナナリー嬢は優秀で、優しくて、しっかり者で頼りになる。王妃に相応しい......という評価なんだが.........」
と説明してくれた。
いや、評価高いな!
誰!?そんなの神様じゃん!女神よ、女神!
「人違いでは...?」
思わずそう呟くと殿下は苦笑しながら首を横に振った。
あ、本当なんですね。
あのー...ね?
確かに優秀なのは認める。自分で言うと嘘っぽいけど頭はいいほうだと思う。
だって、ステータスのために上げまくってるからね。
でも優しくて頼りになる?それから、美人って......。
いや、美人も納得か。
ナナリーのキャラデザインを考えた人素晴らしいと思ってるし......。
あー............わかった。わかったよ。
優しいに関しては私の自己満足でやった攻略キャラ達へのお節介でしょ?
確かに他から見たら悩み相談にのっている姿でしかなかったよなぁ......。
頼りになる、は問題児の対応してるからそう見られたとかじゃない?
あ、そう考えたら辻褄が合うわ。
でも私はここで負けるわけにはいかないんだ...っ!
「...でも、私と婚約したままだと、またスカーレットが何をするか.........」
あえて悲しげに目を伏せてそう言ってみた。
これで、殿下を心配しています、に見えるでしょ!
陛下も、さっさと私の思いを受け取ってくれ!
心の底からそう願っていると私の想像とは違う答えが返ってきた。
「そのことなんだが、俺にいい提案があるんだ」
その殿下の考えは、正直驚くしかなかった。
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