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7話 スカーレットside
しおりを挟むお姉様に王宮について行きたいって言ったらすぐに拒否された。
「王宮に行ってるのは遊びじゃないのよ?」
だって。
なんでよ!別に良いじゃないの!
どうせお姉様は婚約破棄されるんだから!
そう思ったけど、前に余計なことを言ったことがあるし、ぐっと堪えたわ。
これ以上一緒にいても無駄だから内緒で行くことにしたわ。
お父様とお母様にも王宮に行くことは内緒。
だって、最近
「いつまで遊び歩いてるの?」
とか
「勉強しなさい」
とか煩いんだもん!
お姉様が無駄に勉強熱心のせいで私まで何かしら言われることになったわ。
ホント、嫌になっちゃう!
ということで、王宮に向かうとすぐに殿下を見つけたわ!
ほら、やっぱり殿下に会いに来てるんじゃない。
と思ったのに、挨拶だけして2人は別々の場所に行ってしまった。
お姉様はどこに向かったんだろう?
まぁ、いいや!
2人が一緒じゃないなら丁度いいし。
そう思って早速殿下を追いかけた。
「殿下ぁ~」
と私が声をかけると
「スカーレット嬢?なぜ王宮に?」
殿下は驚いた顔をしていた。
そりゃ、そうだよね。だって、私が来るなんて聞いてないだろうし。
「殿下とお茶したくてお姉様についてきちゃいましたぁ~」
なるべく甘えるようにそう言うと苦笑しながら、じゃあナナリー嬢も一緒に、とか言ってきた。
それはダメ。だって内緒で来てるんだもん!
いつの間にか自分の婚約者が奪われてる方が面白いし!
そう思ったから
「お姉様には許可をとっていますよぉ~。2人でお茶しましょ!」
とにっこり笑うと困った顔をしながら、仕方ないな、と頷いてくれた。
まぁ、私にお願いされて断る人なんていないよね!
その日から、暇さえあれば王宮に行った。
殿下とお話をするために。
ちゃんとお姉様の悪い話も忘れずにね。
私の物を奪う、とか、私が作ったデザートを食べてくれない、とかね。
これでお姉様の評価は下がるでしょ!
そう思っていたのに、
「スカーレット嬢、王宮に何をしに来ているんだ?ここは遊ぶ場所じゃないんだぞ」
とある日言われてしまった。
ヒロインに対してそんなことを言うなんて思ってもいなかったから驚いちゃった!
どうりで最近、すれ違う人達の目が鋭かったわけだ。
しかも
「俺だって毎回お茶をするほど暇じゃない。ナナリー嬢の妹だから相手をしているだけだ」
と言って殿下は私を置いてどこかに行ってしまった。
この時、待機していたメイドが私をバカにしたように笑ったのを今でも覚えているわ。
いつもより早い私の帰りに、王宮に来ていた貴族達もクスクス笑っていたし。
最悪!笑った奴らは皆死刑なんだから!
その一件で王宮には行きずらくなっちゃったけど、学園に入学しちゃえばこっちのものよ!
そう思っていたのに、現実はそう甘くなかった。
殿下は私をあからさまに避けだした。
追いかけてもお姉様が邪魔してくるし、他の生徒達も私をバカにしてくるのよ!
許せないわ!
なんでそんなに殿下を追いかけるのか?って?
そりゃ、最初に攻略するのは王子様がいいじゃん?
他の人達もカッコイイ人はいるけど、やっぱり殿下を攻略したら次の王妃っていうのが良いよねぇ。
一応、保険みたいな感じでカッコイイなって思った人に声をかけたけどさ、皆婚約者とラブラブで私なんて眼中ないみたい。
ヒロインが声をかけてあげたんだから、喜んで頷きなさいよね!
まぁ、なんかのイベント?が起これば好感度がなんとかって友達が言ってたような気がする。
どんなのかは知らないけど、それさえ起こっちゃえばすぐに私が好きになると思うし。
早く婚約破棄されてよね?お姉様!
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