桃太のおだんご(隠語)は大人気

ぱぴっぷ

文字の大きさ
上 下
16 / 61

こんな田舎は嫌だ (輝衣 過去)

しおりを挟む
 こんな田舎は嫌だって、小さな頃からずっとそんなことを思っていた。

 見渡せば果物畑など緑ばかり、スーパーなど買い物をする所も遠いし、遊ぶといっても外か家の中、冬になれば雪が多くて大変。

 おやつは果物ばかりだし、食事だって家の畑や近所からおすそ分けされた野菜が中心でパッとしない。

 あーあ、都会に住んでいる子みたいにカラオケに行ったりファミレスやファストフード店なんかでおしゃべりしながら美味しい食べ物や飲み物を食べて飲んでとしたいなぁ……


 そんな憧れから、親の猛反対を押しきって都会にある高校に進学した。

 仕送りも最低限だし、何より反対されたから学費の安い定時制にしか行けなかったけど夢だった都会に出る事ができた。

 しかし田舎者のあたしは、地味でファッションや流行りの物も分からず、クラスに馴染めずにいた。

 話しかけてくれる人もいるが、訛りからかキツイ喋り方で怖がられたり、話題についていけず、いつの間にか輪から外れていたりと、思っていたのとはかけ離れた都会での生活を送っていた。

 とにかく仕送りだけでは足りないのでアルバイトを掛け持ちでしたりと、忙しくしているうちに、一年、また一年と過ぎ、気付けば高校三年生、結局都会に出てもあたしの生活は劇的には変わらず空しい日々が続いた。

 友達も出来ないし、唯一の楽しみといえば、たまにご褒美として食べるファミレスのご飯やハンバーガーくらい。

 クラスメイトとは慣れてきたので話はするけど、定時制に通う生徒だからか、みんなプライベートも忙しそうにしている人が多く、暇そうにしている人は…… ちょっと不良っぽくて怖くて近付けない。

 しかも最近知ったのだが、ここはあたしが住んでいた所よりは都会だが、どちらかといえば都会から外れた田舎だったみたいで、遊びに行く所も少ないらしい。

 だから余計に遊びに誘われない理由になっていたとは…… 三年生になって初めて知った事実だった。
 あたしからしたら十分都会なんだけどなぁ。

 そして、卒業したら大人しく実家に帰ろうと思っていたある日、バイト先で出会いがあった。

 大学生のバイト先の先輩に誘われ、賑やかな繁華街に遊びに行った時、彼と出会った。

 先輩と同じ大学の友達らしく、少しチャラチャラしていたが、爽やかな青年って感じの人だった。

 話も上手くて、地味だったあたしの事も可愛いと言ってくれて…… 初めてあたしは恋をした。

 それから彼と連絡を取り合い、何度か遊びに連れてってもらって…… 彼とお付き合いを始めた。

 好きだったから彼の好みに合わせてファッションやメイクを勉強してデートに行ったり、彼が喜ぶような物をプレゼントしたり…… 

 初めての彼氏だったのもあるし、思い描いていたような都会の生活を送ることができて、あたしはのめり込むように彼との予定を優先した結果、学校もサボりがちになってしまった。

 幸い単位は足りていたが、出席日数がギリギリになってしまったが、その時はそれでも良かった。

 ただ…… 身体の関係になるのはまだ怖くて、やんわり拒んでいたのが良くなかったのかな? 一ヶ月もしないうちに、彼からの連絡の頻度が少なくなってきた。

 最初は大学が忙しいのかと思ったが、遊びに行った時の違和感で、その日の帰り、あたしは彼のあとをつけてみると…… 

 黒髪で綺麗なお姉さんと待ち合わせて楽しそうに腕を組んで歩いていく彼を見てしまった。
 そして二人はそのままホテルの中へと入っていった……


 夢のような都会での生活が、光を失いガラガラと崩れていったような気がした。
 家に帰って、泣いて、後悔して、そうしているうちに段々と彼に対して怒りが沸いてきた。

 あたしは彼のために、彼の好みの女の子になるためにこんな露出の多い恥ずかしい格好をしていたのに! メイクだって髪色だって……

 そしてあたしは彼と別れるために話をつけようと呼び出したら

「俺、ギャルより清楚系が好きなんだよね」

 ……はっ? おめー、なにいってんだ? おめーがギャル好きっていったんだべ? バカでないの!? 

 ふん! 頭に来た! 可愛いくなってぜってー見返してやるからな!

 そして彼に別れを告げたあたしは、トボトボと家に帰っていると、帰り道に一軒の団子屋を見つけた。

 普段この道は使わないから知らなかったけど、団子屋かぁ…… おっ母がたまに作ってくれた団子、久しぶりに食べたいなぁ…… よし、ついでだから団子を買って帰ろう! 

「いらっしゃいませー」

 へっ? あっ…… クラスで『団子バカ』って言われてる吉備がいる! 
 へぇー、吉備の家が団子屋だっていうのは聞いていたけど、こんな所にあったのか。

 ふーん、他の従業員もいて…… 若い女性が二人と吉備だけ? あれ? 確か両親が店をやってるとか……

 あの娘、可愛い顔をしていて背が低いのに、デカいな……
 もう一人は店の中なのにサングラスとマスクをして怪しい…… だけどスラッとしてスタイルがめちゃくちゃいいのが分かる。

 こんな女の子達と仕事してんのかぁ…… 団子バカとか言われてたけど、あたしより吉備の方が充実した生活をしてんじゃないのか?

 ……んっ? 怪しい女性がサングラスを外して汗を拭いている。

 あれ? どこかで見たような……

『HATOKOじゃん! 復帰したんだー! 綺麗になったな』

 あのクソバカ男が言ってたグラビアアイドルだ!! 最近芸能界に復帰して、綺麗なったと話題の……

 これはもしかしてチャンスなのでは? 吉備に紹介してもらって、最先端のファッションやメイク、美容の秘訣を教えてもらえば…… アイツを見返せる!!
 
 よし! 今は忙しそうだから、明日学校で吉備に頼んでみよう! とりあえず団子は買って帰ろ。
  
「またな、吉備」

 会計をして挨拶したが、アイツ、あたしに気付いてないな? ……最近学校サボりがちだったし、一ヶ月くらい前はまだ地味な格好していたから分からなかったのかもしれないな、まあいいや。



「っ!? ……美味っ」

 帰ってから団子を一口食べてみると、驚くほど美味かった……

 シンプルな団子のはずなのに、食感と味は格別、あと…… 懐かしさを感じて、荒んでいた心が癒されるような団子だ。

 ……あれ? なんであたし、泣いてるんだ? うぅっ! 涙が溢れてくる…… 止まれ! せっかく美味しい団子なのに…… 


 その後すぐに吉備とHATOKOに会わせてもらう約束をした、あのアホ男を見返すためのアドバイスをもらうつもりだ。

 しかし、それよりも吉備と作った団子が気になっている自分がいた。

 泣いてある程度スッキリしたのか、アドバイスよりも帰りに団子をいくつ買って帰ろうか、なんて考えてしまっていた。

 しかし、アドバイスをもらえる状況じゃなくなった! 吉備のやつも二股ヤローだったなんて!

 あたしの目の前でこれ見よがしに二人を両サイドに侍らせているし、HATOKOや吉備の幼馴染も満更じゃなさそうにピッタリとくっついてやがる!

 あぁ、もう! どいつもこいつも……

 すると吉備の幼馴染が団子を持ってきてくれた。
 えっ? タダでいいの? しかも好きなだけ食べていいって!? やったー! へへへっ、いただきまーす!

 ……HATOKOと幼馴染があたしの食べているところをジーっと見てる。

 うん、やっぱり…… 美味しい…… やべっ、また泣きそうになってきた。

 安心する味ってこういうのを言うのかな…… はぁ、お父とおっ母に会いてぇな。

 あぁ、くそぅ…… ぐすっ、涙が出てきた。

「ふふっ」

「うふふっ」

 な、何だよ二人とも! ……笑顔なんだけど、目がちょっと怖いんだよ!

 でも、二人に色々言われて気が付いた。
 やっぱりあたし、無理してたんだ。

 夢だった都会暮らしも上手くいかず、あげくに変な男に引っ掛かって…… 大人しく田舎に居れば、こんな思いをしなくて良かったのに。

 でも不思議だ…… この団子を食べていると、少しだけ幸せな気分になる、綺麗になって見返すとかもどうでも良くなって……

 すると、吉備を残して二人に別の部屋に連れて行かれたあたしは……
 
「で、ここからが大事なお話なんですけど、私に綺麗になる秘訣を聞きたかったんですよね?」

「……ああ、だけど今は何だかどうでもいい気分だけど」

「ふふっ、猿ヶ澤さん、もし良ければ桃くんのおだんご、食べてみない? きっと浮気した彼氏なんかどうでも良くなるし、もっと幸せになれるよ?」

「団子? いや、今食べたけど……」

「うふふっ、桃太さんのおだんごはもっと美味しいですよ?」

「私達もやみつきなんだぁ、だからね? 私達と一緒に『桃くんのおだんご』食べよ?」

 何の話かは分からなかった。

 団子? やみつき? 幸せになれる……

 えっ? ちょっと、そこはご飯を食べるような場所じゃ…… えっ? 吉備!? えっと…… あぁっ!! な、な、何してんだよ! えっ、あっ…… すごっ……

 綺麗……


 あ、あたし!? い、いや、遠慮しとくよ! えっ、あっ、やめっ…… あぁぁっ!!


 







 ◇


「おーっす!おはよう、今日からバイト、よろしくな!」

おはよう、今日からで…… 大丈夫なのか?」

「おう! 元気と体力だけが取り柄だからな!」

「それならいいけど」

「えへへっ、おはよ、きーちゃん」

「ちい、おはよう」

「うふふっ、おはようございます、輝衣ちゃん」

「みい、今日からよろしく」

 桃太んちで今日からバイトを始めることになった。
 あんな男の知り合いがいるバイト先なんて行きたくないし、桃太と少しでも長く居るために…… な。

 何があったかって? ……ただ、おだんごを食べさせてもらっただけだよ。

 それにしても、ちいもみいも、あたしをダシに使いやがって…… 自分達が美味しくおだんごを食べたかっただけじゃないのか!? ……でも、気持ちは分かるけどな。

 桃太のおだんごを一度食べたら……

 幸せ過ぎて、あたしもすっかりハマっちゃった。

 ……さて、あたしもバイト頑張ってご褒美に、桃太のおだんご、一つ貰わないとな!
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

ママと中学生の僕

キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。

幼馴染と話し合って恋人になってみた→夫婦になってみた

久野真一
青春
 最近の俺はちょっとした悩みを抱えている。クラスメート曰く、  幼馴染である百合(ゆり)と仲が良すぎるせいで付き合ってるか気になるらしい。  堀川百合(ほりかわゆり)。美人で成績優秀、運動完璧だけど朝が弱くてゲーム好きな天才肌の女の子。  猫みたいに気まぐれだけど優しい一面もあるそんな女の子。  百合とはゲームや面白いことが好きなところが馬が合って仲の良い関係を続けている。    そんな百合は今年は隣のクラス。俺と付き合ってるのかよく勘ぐられるらしい。  男女が仲良くしてるからすぐ付き合ってるだの何だの勘ぐってくるのは困る。  とはいえ。百合は異性としても魅力的なわけで付き合ってみたいという気持ちもある。  そんなことを悩んでいたある日の下校途中。百合から 「修二は私と恋人になりたい?」  なんて聞かれた。考えた末の言葉らしい。  百合としても満更じゃないのなら恋人になるのを躊躇する理由もない。 「なれたらいいと思ってる」    少し曖昧な返事とともに恋人になった俺たち。  食べさせあいをしたり、キスやその先もしてみたり。  恋人になった後は今までよりもっと楽しい毎日。  そんな俺達は大学に入る時に籍を入れて学生夫婦としての生活も開始。  夜一緒に寝たり、一緒に大学の講義を受けたり、新婚旅行に行ったりと  新婚生活も満喫中。  これは俺と百合が恋人としてイチャイチャしたり、  新婚生活を楽しんだりする、甘くてほのぼのとする日常のお話。

僕(じゃない人)が幸せにします。

暇魷フミユキ
恋愛
【副題に☆が付いている話だけでだいたい分かります!】 ・第1章  彼、〈君島奏向〉の悩み。それはもし将来、恋人が、妻ができたとしても、彼女を不幸にすることだった。  そんな彼を想う二人。  席が隣でもありよく立ち寄る喫茶店のバイトでもある〈草壁美頼〉。  所属する部の部長でたまに一緒に帰る仲の〈西沖幸恵〉。  そして彼は幸せにする方法を考えつく―――― 「僕よりもっと相応しい人にその好意が向くようにしたいんだ」  本当にそんなこと上手くいくのか!?  それで本当に幸せなのか!?  そもそも幸せにするってなんだ!? ・第2章  草壁・西沖の二人にそれぞれの相応しいと考える人物を近付けるところまでは進んだ夏休み前。君島のもとにさらに二人の女子、〈深町冴羅〉と〈深町凛紗〉の双子姉妹が別々にやってくる。  その目的は―――― 「付き合ってほしいの!!」 「付き合ってほしいんです!!」  なぜこうなったのか!?  二人の本当の想いは!?  それを叶えるにはどうすれば良いのか!? ・第3章  文化祭に向け、君島と西沖は映像部として広報動画を撮影・編集することになっていた。  君島は西沖の劇への参加だけでも心配だったのだが……  深町と付き合おうとする別府!  ぼーっとする深町冴羅!  心配事が重なる中無事に文化祭を成功することはできるのか!? ・第4章  二年生は修学旅行と進路調査票の提出を控えていた。  期待と不安の間で揺れ動く中で、君島奏向は決意する―― 「僕のこれまでの行動を二人に明かそうと思う」  二人は何を思い何をするのか!?  修学旅行がそこにもたらすものとは!?  彼ら彼女らの行く先は!? ・第5章  冬休みが過ぎ、受験に向けた勉強が始まる二年生の三学期。  そんな中、深町凛紗が行動を起こす――  君島の草津・西沖に対するこれまでの行動の調査!  映像部への入部!  全ては幸せのために!  ――これは誰かが誰かを幸せにする物語。 ここでは毎日1話ずつ投稿してまいります。 作者ページの「僕(じゃない人)が幸せにします。(「小説家になろう」投稿済み全話版)」から全話読むこともできます!

高身長お姉さん達に囲まれてると思ったらここは貞操逆転世界でした。〜どうやら元の世界には帰れないので、今を謳歌しようと思います〜

水国 水
恋愛
ある日、阿宮 海(あみや かい)はバイト先から自転車で家へ帰っていた。 その時、快晴で雲一つ無い空が急変し、突如、周囲に濃い霧に包まれる。 危険を感じた阿宮は自転車を押して帰ることにした。そして徒歩で歩き、喉も乾いてきた時、運良く喫茶店の看板を発見する。 彼は霧が晴れるまでそこで休憩しようと思い、扉を開く。そこには女性の店員が一人居るだけだった。 初めは男装だと考えていた女性の店員、阿宮と会話していくうちに彼が男性だということに気がついた。そして同時に阿宮も世界の常識がおかしいことに気がつく。 そして話していくうちに貞操逆転世界へ転移してしまったことを知る。 警察へ連れて行かれ、戸籍がないことも発覚し、家もない状況。先が不安ではあるが、戻れないだろうと考え新たな世界で生きていくことを決意した。 これはひょんなことから貞操逆転世界に転移してしまった阿宮が高身長女子と関わり、関係を深めながら貞操逆転世界を謳歌する話。

処理中です...