上 下
22 / 23

おまけ 2

しおりを挟む
 許せない……悔しい!!
 恥ずかしいけど頑張って誘った私を拒否してAVを見ながらオナニー? ふざけないで! 

 どれだけ悩んで、それでも夏輝を取り戻すために努力した私は一体何だったの!? 

 夏輝、そんなにAVが好きなの!? もうここまできたら…… うん、これは浮気されているようなものだよ…… 酷いよ! 

 憎い…… 壊してしまいたい! どうして!? 何で私じゃ駄目なの!? 夏輝! 

 ……もう、駄目なのかな? 仲良く幸せに、そして子供達に囲まれた理想の生活がガラガラと音を立て崩れていくように感じた…… 私の心も……

 こんな惨めな思いをしながら生活しなきゃいけないの? 何も言わず我慢して、夏輝がオナニーするのを見てるだけ…… もう無理!!

 頑張ったよね? もう楽になってもいいよね?

 そして私はベッドに倒れ込み、布団にくるまり夏輝に気付かれないように泣いた。


「行ってきます!」

「行ってらっしゃい、夏輝」

 上手く笑えてただろうか? 何も感じさせないためにいつも通りの私を夏輝に見せていたけど……

 夏輝を見送り、ドアが閉まると私は無表情になり、なるべく早くに大体の家事を終わらせ……

「ナッくん……」

 怒りや不安を紛らわすためにディルドーを取り出しオナニーする。
 徐々に手を動かすスピードが上がり、気持ちのいい部分をグリグリと刺激するとすぐにイッてしまう、だが…… 

「足りない…… ナッくん、足りないよぉ……」

 寂しい…… イッた後に訪れるのはただの虚しさで、それを紛らわすためにまたすぐにオナニーを始めてしまう。

 この日は結局いっぱいオナニーしてしまった…… 激しく夏輝に求めてもらう、虚しい妄想で何度も……

「はぁ……ナッくん、私の何が駄目なのかな? 夏輝とエッチしたいよ……」

 やっぱり夏輝が好き、でもこのままじゃ夫婦として上手くいかないような気がする。

 セックスだけがすべてじゃないって事は十分分かっている……でも……

 身体は夏輝を求めている、夏輝のためにエッチになった私を見て欲しい、そして激しく求めて欲しい……

 相変わらず夏輝はコソコソAVを見てオナニーをしているし、そんな夏輝を見て私もストレス解消をするためにオナニーの回数が増える。

 2人してオナニーばっかり……お似合い夫婦かもね……

 心のヒビがどんどん大きくなる……
 その頃には私の中で黒い感情が出てくるようになった。

 夏輝に私と同じ惨めで悔しくて悲しい気持ちを味わって欲しい…… 夏輝が浮気を繰り返すから悪いんだと思うようになって……

「はぁぁん! ナッくん上手だよぉ! もっと、もっと突いてぇ!」

 AVを流しながらナッくんに抱かれている妄想でオナニーをするのが気持ちいい。

 出会った頃より幼い夏輝を想像したナッくん、私の中でナッくんは心の支えになっていた。

 私より年下で私に夢中…… 私がセックスを教えた可愛い男の子という妄想……

 夏輝の中学生や高校生の頃の写真を見てナッくんと重ね、私だけを一途に求めて、私がいないと何も出来ない男の子……という妄想は、壊れかけた私を癒してくれた。

 もう夏輝の事は言えない……これは私にとって立派な浮気…… 

 今日も私を慰めてくれたナッくんにキスをして、また何事もなかったかのように夏輝の帰りを待つ。

 もうそろそろ……実行するかな? 

 最後のチャンスだよ? 私が妄想とはいえ浮気したと聞いたら夏輝はどうなるのかな? 

 とりあえず最後に夏輝とセックスしたい……
 避妊はしないで中に出して欲しい……

 もし離婚と言われたら諦めよう、最後の1回…… もしも奇跡的に妊娠したら子供のために生きよう、しなかったら……生きてるのが辛いな……

 でもまだチャンスはある、夏輝が怒ったら正直に自分の気持ちを言おう、そんな流れだと素直に思っている事が言えそうだし。

 そして私達夫婦の運命の日。

 結果でいうと……   

 凄かった……

 凄く気持ち良かった……

 夏輝がセックス中に私の変化に気が付いたのは予定外だったけどその結果、夏輝は荒々しくもあるけど激しく私に愛を伝えてくれた。

 初めての中出し、幸せだった……
 愛する人をすべて受け入れるような行為……
 子作りのためじゃない、夏輝の愛を受け取れたような気がした。

 どうしよう、結局嘘だって言えなかった……
 でももう1回…… うん! 私が長い間悩んでたんだから、もう1回くらいなら大丈夫だよね? これは夏輝が私を求めてくれなかったお仕置き…… ごめんね夏輝、でも私、あのセックスがもう1度してみたい。
 となりで疲れ果て寝てしまった夏輝にキスをして、私も久々の幸福感に包まれながら眠りについた。

 今考えたら、ここで謝っていればこんなに私も夏輝も歪んでしまう事はなかったのに、自分の欲望を優先した結果……

 次のセックスはそんなに日を空けず夏輝から誘われた…… 夏輝はまだ私の嘘の浮気話が気になるみたいだ。

 不安と期待が入り交じる何とも言えない夏輝の表情に私はゾクゾクしてしまい、嘘もどんどん過激になっていく。

 何の脈絡もない知らないおじさんという設定の話も信じてしまった夏輝にはビックリしたが、お風呂でセックスしているあのAVを思い出し、夏輝を煽る。

 凄い……久しぶりに明るい所でおちんちんを見たけど、やっぱりナッくんとは違う……

 あんなのでこの前はいっぱい突かれたんだ……
 我慢出来ずおちんちんを手で掴み上下に動かす。

 熱い……それにビクビクしてる…… 夏輝、素敵だよ。
 もちろん浮気話も忘れない、AVで見た内容を色々織り交ぜながら話すと夏輝は興奮してきたのか、怒っているのか分からない表情で私を見つめていた…… あぁ、堪らない! 

 おまんこが濡れているのが分かる、夏輝の表情を見てるともっとイジワルしたくなっちゃう……

 どんどん深みに嵌まっていってる……
 もっと……もっと夏輝とセックスしたい……

 セックスをしながら浮気話をすると、時々怒りながらも激しく腰を動かす夏輝、そんな夏輝が愛おしくなって、やっぱり夏輝が1番だと伝えると夏輝の表情が少し変わる。

 興奮してる? 嬉しいの?
 夏輝をよく見ている私にしか分からないような変化、少し笑った表情を浮かべた後に、夏輝は私の中に射精した。

 今日も良かった……これ、クセになりそう……
 と思っていたら、また夏輝のおちんちんが大きくなり、また腰を振り始めた。

「ひゃあっ! あぁぁぁっ、な、なつき!?」

「絵美! 絵美!」

「うぁぁぁっ、あぁぁぁん! はぁぁぁぁぁ!」

 もう叫びに近い喘ぎ声、奥をズンズンと突かれるたびに走る快感。
 何度もイカされ朦朧とした中、最後に夏輝が私を抱きしめ

「絵美……愛してる……」

 夏輝……あぁ……もうダメかも……
 私はこの瞬間、夏輝に嘘の浮気告白をして激しく求められるセックスに完全にハマってしまった。

 ただ……そんな私と一緒で夏輝も…… 




 今日は浮気話は無しにして、普通に夏輝と愛し合いたいな!

 持ち直し始めた私の心だったが、1度芽生えてしまった性癖はじわじわと、そして確実に私達の心を壊し始めていた。

「うっ、ごめん……」

「大丈夫だよ……疲れてるんだね?」

 今日は普通に愛し合おうと決めていたのだが、夏輝のおちんちんが全然元気にならない……

 どうしてかな? 舐めても手でしごいてもビクともしないなんて…… 

 その日はセックスを諦め、裸で抱き合って眠る事にしたが、夜中に目が覚めると夏輝がいない……

 もしかして……また? 

 そしてこっそり寝室のドアを開けると、項垂れながらビールを飲む夏輝の姿が見えた。

 やっぱり疲れてたのかな? 悪い事したなと思っていると……

「人妻…… NTR…… 何でこんなのが先に出てくるんだよ!!」

 人妻、NTR? 一体何の事…… あっ……

 スマホでエッチな動画を見ながらおちんちんをしごき始めた……
 NTRって、自分の大切な人が他人と、ってやつだよね? そんなのを見ながらオナニーするなんて……

 そっか…… もう普通に愛し合う事は出来ないのかな……

 心のヒビがどんどんと広がり、そして私は歪んでいく……
 
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

異世界でお金を使わないといけません。

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:21pt お気に入り:331

狼は野性を貪りたい

BL / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:233

青い学校

ミステリー / 完結 24h.ポイント:255pt お気に入り:355

奴隷を買うぞ・・異世界煩悩記

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:458

死に戻りの悪役令嬢は、今世は復讐を完遂する。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:42pt お気に入り:407

その人形に魂は宿っていますか?

エッセイ・ノンフィクション / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:3

前代未聞のダンジョンメーカー

ファンタジー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:346

陽キャを滅する 〜ロックの歌声編〜

ミステリー / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:9

えぞのあやめ

歴史・時代 / 完結 24h.ポイント:0pt お気に入り:7

処理中です...