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第一章
私のために争わないで~♪
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「父さん! あいつの事知ってるの!?」
「あいつは……」
盗賊達の後ろから現れた男……見た目は父さんと同い年くらいか? 父さんほどではないがイケメンで、父さんが爽やか系のイケメンだとすると、この男はワイルド系のイケメンだ。
そんな2人の関係が気になるが……
「あいつは……」
「……」
「……」
「……」
「知らない!」
「「えっ!?」」
「見たこともない!」
「父さん! じゃあ今の間は何だったの!?」
「……いや、向こうが知ってるみたいだからどこかで会ったかな~って思ったけど、見たこともないし知らない!」
何だよそれ! 「あいつは……」とかカッコつけた顔で言っといて知らないのかよ!
ふとワイルドイケメンの方を向くと何かプルプル震えてる。
「ユート! 俺の事を知らないだと! ふざけるな! 俺はお前の事をずっと昔から知っている! それにお前を殺したいほど憎んでいる! 俺からすべて奪っておいてまた奪おうっていうのか!!!」
メチャクチャ怒ってるぞ!? それに父さんにすべてを奪われた? どういう事だ? 父さんが人に恨まれるような事をするとは思えないけど……
「僕が奪った? 何の事を言っている! それに僕はお前の事は知らないと言っているだろう!?」
「いいやお前は俺の事を知っている、忘れる訳がないだろう……これを見てみろ!!!」
すると男は懐から何かを取り出した……
何だ……? カードをこっちに見せてきたぞ?
002? 何の番号だ?
すると父さんが驚いた顔をして
「002……だと? ……まさか!」
そして父さんも懐に手を入れて……
「001!? 父さん! このカードって?」
「……これは……」
すると男は笑いだして
「はーっはっは! どうだ!? 思い出しただろう? それで自分が何を奪っていったかを!」
「父さん! このカード何なんだよ! それに何を奪って……」
「ボウズ、俺が教えてやろう! このカードはな……」
「やめろ!」
「このカードは…………」
「マリーちゃんのファンクラブの会員カードだ!!!」
「くっ!」
「「「「「「「…………」」」」」」」
……母さんのファンクラブの会員カード? 何それ?……てか父さん……001って……父さんが母さんのファンクラブに入ってる事すら引くのに、更に1番最初にファンクラブに入ってるって……
まあ父さんが母さんの事を大好きなのは知ってるけど、ここまでくるといくら息子でもドン引きだ……
「父さん……」
「ハル! 何も言わないでくれ! ……ただ母さんにファンクラブが出来たって言われた時にどんな活動なのか気になって……」
「おいおい! ユート!? それだけじゃないだろ?」
「…………」
「言えないなら俺が代わりに言ってやるよ! マリーちゃんがイベントをするって言えばチケットは買い占め、握手会には変装して何回も並んで、限定3名のマリーちゃんとのツーショット写真は他の男が写真を撮れないように身内だけで固めて写真を撮ったり……」
「もうやめてくれ!」
「父さん……」
「ユート! 恥ずかしいからやめなさいって言ってたでしょ? あなたの奥さんなんだから別にいいじゃない!?」
「ソフィア、だけどマリーが……他の男とくっついて写真撮ったり握手したり……黙っていられなかったんだー!!!」
すると本屋の中から
「あら~? ハルちゃん♥️ 帰ってきてたの!? ママ寂しかった~! ハルちゃん、ギュ~♥️」
「か、母さん!」
突然現れた母さんに抱きつかれて、周りのみんなの視線が集まる。
「あら? ユートまでこんな所でどうしたの?ってボロボロじゃない?」
「マリー! ……これは……」
「母さん! 今までどうしてたの? 街がこんなになってるのに!」
「ん~? ママ、ハルちゃんが居なくて寂しかったからあんまり家から出てなかったの、でも今日はこの本屋さんでお仕事があったから……何か騒がしいなぁ~って思ってたけど、ボ~っと歩いてたから気が付かなかったわ!」
「それで仕事って?」
「さっき終わったんだけど、今日ママの写真集の発売日でファンクラブの人限定でサイン会だったのよ♪ それで最初の1人にはサインの他に……なんとママのキスマーク付きなのよ♥️ しかもその場で付けてあげるの♥️ いいでしょ? でもハルちゃんならいつでもOKだけどね♥️」
「いらないよ! ……って事はそれが目当てでみんな本屋に……」
「そうだボウズ! それでみんな昨日から並んでたのに……ユートの野郎がその最初の1冊を貰いやがったんだ! 俺達のマリーちゃんを奪い、それだけならまだしも、ファンクラブとしての活動も奪いやがって! いい加減俺達も我慢の限界だったんだ! だからこの街をメチャクチャにして、ついでにマリーちゃんのグッズを奪ってやったんだ!」
「…………」
思った以上にくだらない理由だな……熱狂的なファンって言うのも困ったもんだ……
父さんも父さんでやりすぎだし。
「あら? あなたよく見たらトウカーじゃない!」
「マリーちゃん! 覚えててくれたんだね!」
ん? この人母さんの知り合いだったのか?
「覚えてるも何も一緒の学校だったじゃない?」
「そうだよ! 俺はあの頃からマリーちゃんの事が……」
「よく私の後ろを付けて回ってたわよね~♪ それに私の机のイスを自分のと取り替えたり、私の上履きを新品に取り替えたり、私の家まで来て洗濯して干してあった私の下着を取ろうとした時もあったかしら? たしか私のパパに見つかって殴られてたっけ? それから……」
母さんの同級生だったのか! それにしても……なんと言っていいのか……
「あの……マリーちゃ……」
「それから私がユートと付き合い始めたら毎日のようにラブレターが入ってたわね♪ ユートとの結婚が決まったらユートを殺すってユートにもカッターの刃入りのラブレターを出してたもんね♪」
「…………」
母さんを付け狙うヤバいやつだろ……母さん、なんであんな楽しそうに話してるんだよ!
「……カッターの刃入り? ……でもあいつはもっと……」
「疑問に思ってるようだなユート! 俺はお前にマリーちゃんを取られてから必死に自分を磨き、ダイエットをしてマリーちゃんにふさわしい男になったんだ! ユート! 俺のマリーちゃんを返してもらうぞ!」
「何だと! マリーは僕の大切な人だ! 僕達は愛し合っているから、お前なんて相手にされない!」
父さんとトウカーって人が今にも殴り合いを始めそうな雰囲気だ! ここで暴れられたら大変な事になるぞ! と思ってると
「やめて~! 2人とも私のために争わないで~♪」
「マリー! 大丈夫だ! 僕は負けないよ!」
「マリーちゃん! 今ユートから君を助けてあげるから」
母さん! 何で2人を煽るような事を言うんだよ!それで何でそんな楽しそうな顔してるんだよ!
「私のために争わないで~♪ だってそんな事したって、私は2人の物にはならないもの♪」
「「えっ!?」」
「だって~♥️ 私はハルちゃんが生まれた時からハルちゃんの物だも~ん♥️ ね~?ハルちゃん♥️ チュッ♥️」
母さんがよく意味の分からない事を言って、俺のほほにキスをしてくる……人前でやめてくれ! 人前じゃなくてもやめてくれ!
って……父さん達の方からものすごい殺気が! 父さん達の方を向けない……
「ボウズ! マリーちゃんに顔が似てるからって、やって良いことと悪い事があるんだぞ!?」
「ハル……お前……分かってるな?」
「ちょっ……! 父さんまで! 母さんがこんな風なのはいつもの事だろ!?」
「「それでも……」」
「そ、それでも?」
「「…………」」
「……」
「「許せん!!!」」
「何で2人息ピッタリなんだよー!!!」
ヤバい! 殺される! 逃げよう!
「ハルちゃ~ん! 頑張って~♥️」
「「逃がさないぞ!」」
「俺は悪くない! だから見逃して~!」
父さんとトウカーに追いかけられる俺をみんなポカーンとした顔で見ている。
「はぁ~、ハルったらまったく何やってるのよ……」
走り回る3人を見てため息をつくソフィア。
その後、遅れて帰って来た父さんの部下やアツシさん達によって盗賊……というか母さんのファンはみんな捕らえられた。
俺は散々追いかけ回され、捕まってボコボコになりそうな所をソフィアと母さんに助けられ何とか助かった……今日はひどい目にあったよ……
「あいつは……」
盗賊達の後ろから現れた男……見た目は父さんと同い年くらいか? 父さんほどではないがイケメンで、父さんが爽やか系のイケメンだとすると、この男はワイルド系のイケメンだ。
そんな2人の関係が気になるが……
「あいつは……」
「……」
「……」
「……」
「知らない!」
「「えっ!?」」
「見たこともない!」
「父さん! じゃあ今の間は何だったの!?」
「……いや、向こうが知ってるみたいだからどこかで会ったかな~って思ったけど、見たこともないし知らない!」
何だよそれ! 「あいつは……」とかカッコつけた顔で言っといて知らないのかよ!
ふとワイルドイケメンの方を向くと何かプルプル震えてる。
「ユート! 俺の事を知らないだと! ふざけるな! 俺はお前の事をずっと昔から知っている! それにお前を殺したいほど憎んでいる! 俺からすべて奪っておいてまた奪おうっていうのか!!!」
メチャクチャ怒ってるぞ!? それに父さんにすべてを奪われた? どういう事だ? 父さんが人に恨まれるような事をするとは思えないけど……
「僕が奪った? 何の事を言っている! それに僕はお前の事は知らないと言っているだろう!?」
「いいやお前は俺の事を知っている、忘れる訳がないだろう……これを見てみろ!!!」
すると男は懐から何かを取り出した……
何だ……? カードをこっちに見せてきたぞ?
002? 何の番号だ?
すると父さんが驚いた顔をして
「002……だと? ……まさか!」
そして父さんも懐に手を入れて……
「001!? 父さん! このカードって?」
「……これは……」
すると男は笑いだして
「はーっはっは! どうだ!? 思い出しただろう? それで自分が何を奪っていったかを!」
「父さん! このカード何なんだよ! それに何を奪って……」
「ボウズ、俺が教えてやろう! このカードはな……」
「やめろ!」
「このカードは…………」
「マリーちゃんのファンクラブの会員カードだ!!!」
「くっ!」
「「「「「「「…………」」」」」」」
……母さんのファンクラブの会員カード? 何それ?……てか父さん……001って……父さんが母さんのファンクラブに入ってる事すら引くのに、更に1番最初にファンクラブに入ってるって……
まあ父さんが母さんの事を大好きなのは知ってるけど、ここまでくるといくら息子でもドン引きだ……
「父さん……」
「ハル! 何も言わないでくれ! ……ただ母さんにファンクラブが出来たって言われた時にどんな活動なのか気になって……」
「おいおい! ユート!? それだけじゃないだろ?」
「…………」
「言えないなら俺が代わりに言ってやるよ! マリーちゃんがイベントをするって言えばチケットは買い占め、握手会には変装して何回も並んで、限定3名のマリーちゃんとのツーショット写真は他の男が写真を撮れないように身内だけで固めて写真を撮ったり……」
「もうやめてくれ!」
「父さん……」
「ユート! 恥ずかしいからやめなさいって言ってたでしょ? あなたの奥さんなんだから別にいいじゃない!?」
「ソフィア、だけどマリーが……他の男とくっついて写真撮ったり握手したり……黙っていられなかったんだー!!!」
すると本屋の中から
「あら~? ハルちゃん♥️ 帰ってきてたの!? ママ寂しかった~! ハルちゃん、ギュ~♥️」
「か、母さん!」
突然現れた母さんに抱きつかれて、周りのみんなの視線が集まる。
「あら? ユートまでこんな所でどうしたの?ってボロボロじゃない?」
「マリー! ……これは……」
「母さん! 今までどうしてたの? 街がこんなになってるのに!」
「ん~? ママ、ハルちゃんが居なくて寂しかったからあんまり家から出てなかったの、でも今日はこの本屋さんでお仕事があったから……何か騒がしいなぁ~って思ってたけど、ボ~っと歩いてたから気が付かなかったわ!」
「それで仕事って?」
「さっき終わったんだけど、今日ママの写真集の発売日でファンクラブの人限定でサイン会だったのよ♪ それで最初の1人にはサインの他に……なんとママのキスマーク付きなのよ♥️ しかもその場で付けてあげるの♥️ いいでしょ? でもハルちゃんならいつでもOKだけどね♥️」
「いらないよ! ……って事はそれが目当てでみんな本屋に……」
「そうだボウズ! それでみんな昨日から並んでたのに……ユートの野郎がその最初の1冊を貰いやがったんだ! 俺達のマリーちゃんを奪い、それだけならまだしも、ファンクラブとしての活動も奪いやがって! いい加減俺達も我慢の限界だったんだ! だからこの街をメチャクチャにして、ついでにマリーちゃんのグッズを奪ってやったんだ!」
「…………」
思った以上にくだらない理由だな……熱狂的なファンって言うのも困ったもんだ……
父さんも父さんでやりすぎだし。
「あら? あなたよく見たらトウカーじゃない!」
「マリーちゃん! 覚えててくれたんだね!」
ん? この人母さんの知り合いだったのか?
「覚えてるも何も一緒の学校だったじゃない?」
「そうだよ! 俺はあの頃からマリーちゃんの事が……」
「よく私の後ろを付けて回ってたわよね~♪ それに私の机のイスを自分のと取り替えたり、私の上履きを新品に取り替えたり、私の家まで来て洗濯して干してあった私の下着を取ろうとした時もあったかしら? たしか私のパパに見つかって殴られてたっけ? それから……」
母さんの同級生だったのか! それにしても……なんと言っていいのか……
「あの……マリーちゃ……」
「それから私がユートと付き合い始めたら毎日のようにラブレターが入ってたわね♪ ユートとの結婚が決まったらユートを殺すってユートにもカッターの刃入りのラブレターを出してたもんね♪」
「…………」
母さんを付け狙うヤバいやつだろ……母さん、なんであんな楽しそうに話してるんだよ!
「……カッターの刃入り? ……でもあいつはもっと……」
「疑問に思ってるようだなユート! 俺はお前にマリーちゃんを取られてから必死に自分を磨き、ダイエットをしてマリーちゃんにふさわしい男になったんだ! ユート! 俺のマリーちゃんを返してもらうぞ!」
「何だと! マリーは僕の大切な人だ! 僕達は愛し合っているから、お前なんて相手にされない!」
父さんとトウカーって人が今にも殴り合いを始めそうな雰囲気だ! ここで暴れられたら大変な事になるぞ! と思ってると
「やめて~! 2人とも私のために争わないで~♪」
「マリー! 大丈夫だ! 僕は負けないよ!」
「マリーちゃん! 今ユートから君を助けてあげるから」
母さん! 何で2人を煽るような事を言うんだよ!それで何でそんな楽しそうな顔してるんだよ!
「私のために争わないで~♪ だってそんな事したって、私は2人の物にはならないもの♪」
「「えっ!?」」
「だって~♥️ 私はハルちゃんが生まれた時からハルちゃんの物だも~ん♥️ ね~?ハルちゃん♥️ チュッ♥️」
母さんがよく意味の分からない事を言って、俺のほほにキスをしてくる……人前でやめてくれ! 人前じゃなくてもやめてくれ!
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「ボウズ! マリーちゃんに顔が似てるからって、やって良いことと悪い事があるんだぞ!?」
「ハル……お前……分かってるな?」
「ちょっ……! 父さんまで! 母さんがこんな風なのはいつもの事だろ!?」
「「それでも……」」
「そ、それでも?」
「「…………」」
「……」
「「許せん!!!」」
「何で2人息ピッタリなんだよー!!!」
ヤバい! 殺される! 逃げよう!
「ハルちゃ~ん! 頑張って~♥️」
「「逃がさないぞ!」」
「俺は悪くない! だから見逃して~!」
父さんとトウカーに追いかけられる俺をみんなポカーンとした顔で見ている。
「はぁ~、ハルったらまったく何やってるのよ……」
走り回る3人を見てため息をつくソフィア。
その後、遅れて帰って来た父さんの部下やアツシさん達によって盗賊……というか母さんのファンはみんな捕らえられた。
俺は散々追いかけ回され、捕まってボコボコになりそうな所をソフィアと母さんに助けられ何とか助かった……今日はひどい目にあったよ……
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