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面白いよね!

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「皆様、今日の準備もあともう少しで終わりです、最後まで頑張りましょう!」

「……」

「何かお困りですか? 私も手伝いますよ?」

「……なあエリザ、あのジュリ気持ち悪いんだけど」

「うふふ、ジュリちゃんに呪いをかけると清らかな心になっちゃうんだよ? 私そんなつもりじゃなくて、変な事ばっかりしてないでちゃんとしなさいって想いを込めただけなんだけど、この間呪いをかけたらジュリちゃんがああなっちゃって……面白いよね!」

「面白いか? ちゃんとしすぎのジュリは気持ち悪いってわかったよ、いつものジュリで丁度いいんだな……」

 みんなに声をかけ作業を手伝うジュリ、行く先々でみんな顔を引きつらせながらも何も言えずに作業を進める。

「だけどビキニアーマーはないよな~!」

「私は絶対着ないよ? でも……確かママが昔ビキニアーマーを着てる写真を見せてくれたような……」

「アリサおばさんが!?」

「うん……たしか、パパがとっても喜んだとかなんとか……」

 アリサおばさんのビキニアーマー姿……
 でも褐色の肌に銀色の髪、スタイルもスラッとしてるから似合いそうだな。

 エリザのビキニアーマー姿……
 想像すると……色々ヤバそう、特にお胸様が……

 俺はビキニアーマーよりメイド服……チャイナドレスもよさそう、スク水なんて着られた日には…… 

「シュウちゃん?」

「へっ? え、どうしたエリザ?」

「うふふ~」

「な、なんだよ?」

「エッチ♥️」

「え、あ……」

「でも……シュウちゃんになら何でもしてあげる♪」

「エリザ?」

「遠慮しなくていいからね? うふふ」

「……」

 そんな事言われたら……ってダメだ! 今は文化祭の準備中なんだ! 考えるのは帰ってから……ってそういう事でもない!

 一旦忘れて準備に集中しようとするのだが、頭の中に現れる色々なエリザに翻弄され集中出来ない!
 となりでは何も言わないが俺の顔を見てニコニコ笑うエリザ。

 するとさっきのパンフレットを見ていた女子達が

「ウエディングドレスみたいのがあるよ? マミ子ちゃんにはこれがいいんじゃない?」

「えっ? 私はそんな……ただでさえみんなに迷惑かけてるのに……」

「そんな事ないよ! それにせっかくコスプレ喫茶なんだから気にしないで着なよ、ガリ田くんはタキシード着て、2人で写真撮りなよ?」

「2人で結婚写真……」

「あはは! マミ子ちゃんもその気になってきたでしょ? じゃあ決まりね!」

 そんな会話を聞いていると、俺の腕に絡めていたエリザの手に少し力が入った。

 エリザはマメ子達を見つめているので無意識だろうが、なんとなく羨ましいんだろうな、という事は伝わってきた。

「俺達も近いうちに撮る事になるよ」

「えっ、シュウちゃん?」

 無意識だったからビックリしたようなエリザだったが、すぐに嬉しそうな顔になる。

「うん、私もいつか……」

「そうだな、今回はアイツらが主役だから、今度は俺達の番かな?」

「うん! 私、楽しみにしてるね!」

「ああ!」

 そんな笑顔のエリザが可愛くて思わず頭を撫でていた。
 嬉しそうに目を細めるエリザ、そして周りにいたクラスメート達が

「あっちもこっちもバカップル……」

「私も彼氏欲しい……」

「胸焼けしてきた……」

 今日の作業を終え、俺達の住むアパートへ帰宅する途中、少し遠回りして帰りたいとエリザが言うので一緒に着いていく。

「シュウちゃん、ここ懐かしくない?」

「ああ……久しぶりに来るな」

 そこは家から少し離れた所にある公園で、その隅にある山に穴のあいたような遊具の中で幼稚園の頃、よくエリザのおままごとに付き合っていたのでよく覚えている。

「あの頃の私にとってここが私とシュウちゃんのマイホームのつもりだったの、シュウちゃんが旦那さんで私が奥さん、入り口から入ってきてただいまって言うシュウちゃんを迎え入れるのがすごく好きだったな~!」

「そうか、でもどうしてここへ?」

「カリ田くんとマミ子ちゃんを見てたらふと思い出して来たくなったの、あの2人もミーナ先輩も結婚して家庭を持つんだな~って思ったら私……」

「エリザ……」

「シュウちゃん、私、なんか焦ってたみたい、シュウちゃんと婚約者までなれたのに、でもここに来て少し落ち着いたかな? あの頃の私の夢がどんどん現実になってきてるんだなって分かったから」

「そうか……」

「ありがとシュウちゃん、帰ろ?」

「ああ」

 そして公園を後にしてアパートへ帰る。

 エリザと手を繋ぎ、歩いているエリザの横顔をチラッと見て俺は

「エリザ、前にも言ったけどこれからエリザの思っていた夢をどんどん叶えていこうな? 俺はずっと一緒にいるから」

 そしてエリザの手をギュッと握ると嬉しそうな顔をしたエリザが握り返してくれて、

「うん! うふふ♪」

 満面の笑みのエリザが俺を見つめてくれる。

 そして俺達はゆっくりとしたペースで歩き家に帰った。
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