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ちょっと向こうで

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 翌日、学校に向かっている俺達、昨日に引き続きエリザは周囲を警戒して俺にベッタリだ。

「エリっち昨日からどうしたです?」

「シュウちゃんにへんな女が近付かないように守ってるんだよ!」

「へ、へぇー! それは大変です! ……シュウっち?」

「実はな……」

 そして俺は昨日会った金髪の先輩の事と、それからエリザの様子がこの調子だって事を説明した。

「その先輩って、ミーナ先輩っぽいですね」

「ミーナ先輩?」

「結構有名ですよ! 美人だし頭もいいです」

「たしかに美人だったような……まあエリザの方がずっと美人だけどな!」

「また惚気てるです…… あとは、あの先輩は男関係でも有名です」

「男関係?」

「はいです、見るたびに違う男を連れてるみたいです! 学校のイケメンは皆あの先輩に食べられてるらしいです!」

「何だよそれ…… でも昨日も男の人と歩いてたな」

「だからエリっちの言ってる事は外れるです! だってシュウっちはイケメンじゃ……ひっ! え、エリっち!?」

「うふふ、いくらジュリちゃんでも~、シュウちゃんの事をバカにしたら許さないよ? それにシュウちゃんはカッコいいんだから!」

「え? シュウっちは…… いや何でもないです! ゴメンです!」

「うふふ~、ジュリちゃ~ん? ちょっと向こうでお話ししましょ?」

「ひ、ひぇ~! た、助けてです~!!」

 エリザにズルズルと引っ張られていくジュリ、そして2人で教室から出ていってしまった。

 ジュリのやつ…… まあ俺はイケメンでもないし、そのミーナ先輩とかいう人には関わる事はないだろう。

 エリザとジュリが居なくなったので教室で1人机に座っていると……

「シュウくん、先生が生徒指導室に来るよう言ってたよ?」

「えっ?」

 突然話しかけてきたサセ子……じゃなかったサエコ。

 でも生徒指導室? なんか悪い事したか? もしかしてエリザとイチャイチャし過ぎだって言われたりして……

「わかったよ、それじゃあ行ってくるか……」

 そして教室を出て生徒指導室へ向かう。



「ふふっ、あとはミーナちゃんに連絡して~……」

 
 生徒指導室に着いた俺、ノックをして部屋へ入る。

「失礼しま~す…… あれ?」

 誰もいないぞ? そして生徒指導室の中に入ると……

「ふふふっ、いらっしゃいシュウくん」

 ガチャっと鍵が閉まる音が聴こえ振り向くと、そこには……

「えっ……ミーナ先輩でしたっけ? どうして……」

「あら! わたくしの名前を知ってくれてたんですわね? 嬉しいですわ!」

 ふふふっ、と妖しく笑うミーナ先輩に俺は少し寒気がした。

「そ、それで何故ここに? 俺は先生に呼ばれたみたいなんですけど……」

「あれはサエコのウソですわ、あなたを呼び出すための……」

「えっ?」

「あなたに興味がありましたの! でもあの黒まんじゅうが邪魔で……」

「俺に興味?」

「あなた……凄いらしいですわね?」

「えっ、何が……?」

「ふふふっ、これですわ!」

 そして俺の……俺に手を伸ばし、ギュムっとつかむミーナ先輩。

「そ、そこは!」

「あら? 意外と普通…… 刺激があれば変身するのかしら?」

 そしてスリスリぃ~、とするミーナ先輩。

「や、やめて下さ……!! か、体が!」

「逃げようとするから魔法で動けなくしましたわ! それでは……ここをこうして……どうですの?」

「ぐっ!」

「おかしいですわね? 大抵の男ならこれで……」

「や、やめ…… 動け……ない!」

「しょうがないですわね~、じゃあ直接……」

「ちょっと何してんだ、やめろ~!」

「せっかくお待ちしてましたのに何してるって……わたくしはあなたをちょっと味見したいだけですわ!」

「味……見?」

「そうですわ、我々は子供がデキづらい、だから優秀な子孫を残すために色々な男と……それにわたくしは試食コーナーとかバイキングとか大好きですの! だって色々な物をちょこちょこ食べれる所がいいですわよね~、ふふふっ♪」

「何言ってるんだあなたは…… ていうか子供がデキづらい?」

「あら? あの黒まんじゅうと一緒にいるからてっきりあなたは気付いてるのかと思いましたわ」

「何が……?」






「わたくし……エルフですのよ?」

「えっ? エルフ……?」

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