ずっと色黒だと思っていた幼なじみの彼女はダークエルフだと告白された! でもそれがなにか問題あるのかと思っていたら……

ぱぴっぷ

文字の大きさ
上 下
48 / 94

離さないで♥️

しおりを挟む
「わぁ~! シュウちゃんサメさんだよ~! おっきいね!」

「これは……凄い迫力だな!」

 俺達は今、サメの水槽を通り抜けるような通路を歩いている。

 トンネルのような道の回りはすべてガラス張り、足元にもサメが泳いでいる。

 そんな通路を腕を組ながらゆっくりと歩く俺達。

 エリザが上下左右をキョロキョロ見回す、そのたびにむにゅにゅん、むにゅにゅん、とお胸様が俺の腕を行ったり来たり……

 サメにドキドキ、エリザにドキドキしながら通路を進む。

「すごいすごい! ずっと来てみたかったから、私すごく楽しい!」

「エリザって水族館好きだよな~! そりゃ迷子にもなるわな」

「も~! シュウちゃんのイジワル~!」

「今日はエリザが迷子にならないように絶対に手を離さないからな」

「シュウちゃん、ずっと……離さないで♥️」

「エリザ、絶対離さないぞ!」

「シュウちゃん……」

「エリザ……」

 俺達が見つめ合っていると、周りのお客さん、そしてサメ達も俺達の事をチラチラと見ている。

 お客さんは分かるけど、なんでサメまで!?

 サメの水槽はかなりデカイのだが、それでもほとんどのサメが俺達の上下左右に集まって……

「わわっ! サメさん! もう! 私達の事、見すぎだよ? 他のお客さんもいるんだから!」

 エリザがそう言うとサメ達はみんなそれぞれ散っていった。

 えっ!? あのサメ達……

「エリザ、サメと話でも出来るのか?」

「出来ないよ~! うふふ、シュウちゃんったら何言ってるの~?」

「そうか……」

 偶然……だったのかな? そして俺達は次々と別の水槽を見て回った。

「あっ! 今度はクラゲさんだ、こんにちは! 元気?」

 するとクラゲはエリザの近くまで来てフヨフヨと泳ぐ。

「そっかぁ~! クラゲさんも大変なんだね、頑張ってね! うふふ」

 いやいや……エリザ、やっぱり会話してるだろ?

「今度は……ペンギンさん! どうしたの? ……ペンギンさん、そうだね、でもお外の方が暑いよ? ……うん、私は大丈夫だよ!」

 会話してるよね? なんて言ってたの? 俺にも教えて!? 

「エリザ……」

「どうしたの?」

「ペンギンと何話してたんだ?」

「えっ!? ペンギンさんとお話し? ここは暑いからお外に出たいって言うから、お外の方が暑いよ? って教えてあげたの」

「お、おお! やっぱり会話してるんじゃないか!」

「違うよぉ! 何となく私が勝手に思ってるだけだから」

「そうなのか?」

「そうだよ! うふふ、変なシュウちゃん」

 俺が変なのか? ……でもあのペンギンも必死にエリザに何か訴えかけていたような……

 そこにペンギンのところに氷を持っていく飼育員さんが来て、ペンギン達の前に氷を置く。

 するとペンギン達はその氷に飛びつくように群がっていった。

「うふふ、よかったねペンギンさん」

 するとペンギン達はエリザの方を見て、羽をパタパタ、やっぱり会話してる!

 
 今日は水族館に来て、エリザの不思議な能力? を知った俺だった。

 それから最後にエリザが1番楽しみにしていたイルカのショーを見に行った。

「イルカさ~ん! 頑張って~」

 1番前の方に座った俺達、俺に腕を絡めながらショーを楽しんでいた。

 
 高くジャンプするイルカに、エリザまで席から飛び上がりそうにお尻を浮かせたりしていた。
 そんなエリザの可愛い仕草を見ながらショーは進んでいく。

 そして係員から渡されたかっぱを着て、最後にイルカが客席に向かって水をかける。

「きゃ~! シュウちゃん、冷たいね~」
 
「あはは、って! エリザ!?」

「えっ? あ~ん! お胸のところが!」

 係員の人に渡されたかっぱのサイズがいまいちだったのか、サイズはピッタリだったが一部……その、お胸様のところのサイズが合ってなかったのか、パツパツなもんだから……ボタンとボタンの間がすき間になって、そこに水が!

 ショーが終わりかっぱを脱いだら、お胸様のとこだけ濡れて、ちょっと透け……

 エリザを俺の後ろに歩かせ、着替えを取りにロッカーへ行く。

 周りの人、特に男に見られないよう必死にガードをしながら歩き、そして……

「お待たせ! ごめんねシュウちゃん」

「ああ! 大丈夫か?」

「うん、下着まで濡れてたから時間かかっちゃった」

「大変だったな、それじゃあ行くか!」

「うん! うふふ♥️」

 ムニュンと俺の腕を挟むエリザ、あれ? さっきと感触が違うような……

 ま、いっか! よく分からないし!

 そして俺達は水族館を後にした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

【R18】幼馴染がイケメン過ぎる

ケセラセラ
恋愛
双子の兄弟、陽介と宗介は一卵性の双子でイケメンのお隣さん一つ上。真斗もお隣さんの同級生でイケメン。 幼稚園の頃からずっと仲良しで4人で遊んでいたけど、大学生にもなり他にもお友達や彼氏が欲しいと思うようになった主人公の吉本 華。 幼馴染の関係は壊したくないのに、3人はそうは思ってないようで。 関係が変わる時、歯車が大きく動き出す。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

選ばれたのは私ではなかった。ただそれだけ

暖夢 由
恋愛
【5月20日 90話完結】 5歳の時、母が亡くなった。 原因も治療法も不明の病と言われ、発症1年という早さで亡くなった。 そしてまだ5歳の私には母が必要ということで通例に習わず、1年の喪に服すことなく新しい母が連れて来られた。彼女の隣には不思議なことに父によく似た女の子が立っていた。私とあまり変わらないくらいの歳の彼女は私の2つ年上だという。 これからは姉と呼ぶようにと言われた。 そして、私が14歳の時、突然謎の病を発症した。 母と同じ原因も治療法も不明の病。母と同じ症状が出始めた時に、この病は遺伝だったのかもしれないと言われた。それは私が社交界デビューするはずの年だった。 私は社交界デビューすることは叶わず、そのまま治療することになった。 たまに調子がいい日もあるが、社交界に出席する予定の日には決まって体調を崩した。医者は緊張して体調を崩してしまうのだろうといった。 でも最近はグレン様が会いに来ると約束してくれた日にも必ず体調を崩すようになってしまった。それでも以前はグレン様が心配して、私の部屋で1時間ほど話をしてくれていたのに、最近はグレン様を姉が玄関で出迎え、2人で私の部屋に来て、挨拶だけして、2人でお茶をするからと消えていくようになった。 でもそれも私の体調のせい。私が体調さえ崩さなければ…… 今では月の半分はベットで過ごさなければいけないほどになってしまった。 でもある日婚約者の裏切りに気づいてしまう。 私は耐えられなかった。 もうすべてに……… 病が治る見込みだってないのに。 なんて滑稽なのだろう。 もういや…… 誰からも愛されないのも 誰からも必要とされないのも 治らない病の為にずっとベッドで寝ていなければいけないのも。 気付けば私は家の外に出ていた。 元々病で外に出る事がない私には専属侍女などついていない。 特に今日は症状が重たく、朝からずっと吐いていた為、父も義母も私が部屋を出るなど夢にも思っていないのだろう。 私は死ぬ場所を探していたのかもしれない。家よりも少しでも幸せを感じて死にたいと。 これから出会う人がこれまでの生活を変えてくれるとも知らずに。 --------------------------------------------- ※架空のお話です。 ※設定が甘い部分があるかと思います。「仕方ないなぁ」とお赦しくださいませ。 ※現実世界とは異なりますのでご理解ください。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

勇者のハーレムパーティー抜けさせてもらいます!〜やけになってワンナイトしたら溺愛されました〜

犬の下僕
恋愛
勇者に裏切られた主人公がワンナイトしたら溺愛される話です。

処理中です...