46 / 94
私の王子様
しおりを挟む
「ん~! やっと着いたな~!」
「そうだね、でも電車に乗ってる時間もすごく楽しかったよ」
「まあな、2人きりで遠出する事もなかったしな」
電車を降り、とりあえず今日の目的地へ向かうために電車からバスに乗り換えなければいけないのでバス停へと向かう俺達。
「ふふ~ん♪ うふふ~ん♪」
「エリザ、ゴキゲンだな」
「シュウちゃんと旅行、恋人同士で旅行なんて……夢がまた1つ叶って私、すごく嬉しいの、だからゴキゲンになるに決まってるよ」
繋いだ手を大きく振りながら笑顔で俺を見るエリザを見て、俺もより嬉しくなる。
「ええと…… あっ! あそこのバス停だ!」
「本当だ! もうバスが停まってるね」
バス停を見つけた俺達、そしてバスに乗り込む。
「人が結構乗ってるな~!」
「夏休みの人が多いからじゃない?」
空いてる席に座った俺達、2人掛けの席だったので窓際に俺が座り、エリザが通路側に座る。
今日の目的地は水族館、このバスは水族館へ直行のバスなので、あとは着くのを待つだけだ。
「水族館なんて小学生ぶりか?」
「そうだね、シュウちゃん家族と私の家族のみんなで行った時が最後かな?」
「あの時はエリザが迷子になって探したな~!」
「その事は言わないでよ~! だって、イルカさん見てたらみんないなくなっちゃったんだもん!」
「俺が気付いて探しに行ったらイルカの水槽の前で泣いてたもんな」
「も~! でもあの時私を見つけてくれたシュウちゃん…… 私を助けてくれる王子様に見えて…… あ~、やっぱり私の運命の人はシュウちゃんなんだ! って思ったよ♥️」
「そんな大げさな……」
「ううん、大げさじゃないよ、だって、あの時から私の気持ちは変わらないもん! あの時よりもっともっとシュウちゃんの事……」
「エリザ」
「うふふ……私の王子様♥️」
王子様だなんて…… それならエリザは俺のお姫様か? ……なんてな!
俺にもたれ掛かるエリザの手を握り、2人とも思い出に浸っていると……
「お! ここ空いてるぞ」
「……う、うん!」
中学生くらいの男の子と、同じ年くらいの女の子…… その女の子は……
「……あの女の子、ダークエルフだよ」
「やっぱりそうか!」
その女の子は褐色の肌で雰囲気がなんかエリザに似ていると思ったがやっぱりダークエルフだった。
「エル、水族館でよかったのか?」
「うん! ……私はユウくんとならどこでも……」
「何か言ったか?」
「ううん、言ってないよ!」
「ふ~ん、そっか!」
カップル……ではなさそうだな、でも何か少し前の自分達を見てるようだ。
「いや~! 今日は暑いな! エルも色黒だから大変だな?」
「うん…… 太陽に当たるともっと暑くって……」
「それなら窓際に俺が座るからエルはそっちな!」
「……ユウくん、ありがとう」
「それにしても、元々色黒っていうのも大変だな~」
「えっ!? うん…… そうなんだよね、あはは」
あれはダークエルフって事を隠してるんだな、少し前のエリザ……あんな感じだったよな?
そのエリザはというと、俺の手をギュッと握り、前に座った中学生くらいの2人を見つめている。
「ユウくん、夏休みに私なんかと出かけてくれてありがとう!」
「なんかってどういう事だよ! 別に俺はエルが暇そうだから誘った訳じゃないぞ?」
「えっ?」
「エルと水族館行きたいから誘ったんだよ」
「ユウくん!」
「あとな……この際言うけど、エルは俺に何か遠慮してるだろ?」
「えっ? そんな事……ないよ?」
「俺に言いづらい事でもあるのか?」
「……」
「もしかして……エルがダークエルフだって事と関係あるのか?」
「ユウくん!? 何でそれを!」
2人の会話が聞こえてしまってるのだが……
エリザ! そんなに強く手を握ったら痛いから! ちょっと落ち着いて!
多分エリザはこの女の子を少し前の自分と重ね合わせているんだろうな?
「何でって…… 俺達幼なじみだろ? 小学生になった頃におばさんに聞いたからだけど……」
「ママ…… じゃあユウくんはずっと知ってたの?」
「ああ、よく分かんなかったから、図書館に行って『ダークエルフについて』って本を読んだよ」
「あの本を!?」
女の子がビクンとなると同時にエリザもビクンとなってる。
エリザまで……その本には何かあるのか?
「それで……その本を読んで、何か……分かった?」
「ああ」
女の子がビクビクと震えている。
ついでにエリザも……プルプル震えている。
その前に……
エリザ…… 手が痛いです!
その小さくて可愛いお手手のどこにそんな力が!?
そして……男の子が口を開く……
「そうだね、でも電車に乗ってる時間もすごく楽しかったよ」
「まあな、2人きりで遠出する事もなかったしな」
電車を降り、とりあえず今日の目的地へ向かうために電車からバスに乗り換えなければいけないのでバス停へと向かう俺達。
「ふふ~ん♪ うふふ~ん♪」
「エリザ、ゴキゲンだな」
「シュウちゃんと旅行、恋人同士で旅行なんて……夢がまた1つ叶って私、すごく嬉しいの、だからゴキゲンになるに決まってるよ」
繋いだ手を大きく振りながら笑顔で俺を見るエリザを見て、俺もより嬉しくなる。
「ええと…… あっ! あそこのバス停だ!」
「本当だ! もうバスが停まってるね」
バス停を見つけた俺達、そしてバスに乗り込む。
「人が結構乗ってるな~!」
「夏休みの人が多いからじゃない?」
空いてる席に座った俺達、2人掛けの席だったので窓際に俺が座り、エリザが通路側に座る。
今日の目的地は水族館、このバスは水族館へ直行のバスなので、あとは着くのを待つだけだ。
「水族館なんて小学生ぶりか?」
「そうだね、シュウちゃん家族と私の家族のみんなで行った時が最後かな?」
「あの時はエリザが迷子になって探したな~!」
「その事は言わないでよ~! だって、イルカさん見てたらみんないなくなっちゃったんだもん!」
「俺が気付いて探しに行ったらイルカの水槽の前で泣いてたもんな」
「も~! でもあの時私を見つけてくれたシュウちゃん…… 私を助けてくれる王子様に見えて…… あ~、やっぱり私の運命の人はシュウちゃんなんだ! って思ったよ♥️」
「そんな大げさな……」
「ううん、大げさじゃないよ、だって、あの時から私の気持ちは変わらないもん! あの時よりもっともっとシュウちゃんの事……」
「エリザ」
「うふふ……私の王子様♥️」
王子様だなんて…… それならエリザは俺のお姫様か? ……なんてな!
俺にもたれ掛かるエリザの手を握り、2人とも思い出に浸っていると……
「お! ここ空いてるぞ」
「……う、うん!」
中学生くらいの男の子と、同じ年くらいの女の子…… その女の子は……
「……あの女の子、ダークエルフだよ」
「やっぱりそうか!」
その女の子は褐色の肌で雰囲気がなんかエリザに似ていると思ったがやっぱりダークエルフだった。
「エル、水族館でよかったのか?」
「うん! ……私はユウくんとならどこでも……」
「何か言ったか?」
「ううん、言ってないよ!」
「ふ~ん、そっか!」
カップル……ではなさそうだな、でも何か少し前の自分達を見てるようだ。
「いや~! 今日は暑いな! エルも色黒だから大変だな?」
「うん…… 太陽に当たるともっと暑くって……」
「それなら窓際に俺が座るからエルはそっちな!」
「……ユウくん、ありがとう」
「それにしても、元々色黒っていうのも大変だな~」
「えっ!? うん…… そうなんだよね、あはは」
あれはダークエルフって事を隠してるんだな、少し前のエリザ……あんな感じだったよな?
そのエリザはというと、俺の手をギュッと握り、前に座った中学生くらいの2人を見つめている。
「ユウくん、夏休みに私なんかと出かけてくれてありがとう!」
「なんかってどういう事だよ! 別に俺はエルが暇そうだから誘った訳じゃないぞ?」
「えっ?」
「エルと水族館行きたいから誘ったんだよ」
「ユウくん!」
「あとな……この際言うけど、エルは俺に何か遠慮してるだろ?」
「えっ? そんな事……ないよ?」
「俺に言いづらい事でもあるのか?」
「……」
「もしかして……エルがダークエルフだって事と関係あるのか?」
「ユウくん!? 何でそれを!」
2人の会話が聞こえてしまってるのだが……
エリザ! そんなに強く手を握ったら痛いから! ちょっと落ち着いて!
多分エリザはこの女の子を少し前の自分と重ね合わせているんだろうな?
「何でって…… 俺達幼なじみだろ? 小学生になった頃におばさんに聞いたからだけど……」
「ママ…… じゃあユウくんはずっと知ってたの?」
「ああ、よく分かんなかったから、図書館に行って『ダークエルフについて』って本を読んだよ」
「あの本を!?」
女の子がビクンとなると同時にエリザもビクンとなってる。
エリザまで……その本には何かあるのか?
「それで……その本を読んで、何か……分かった?」
「ああ」
女の子がビクビクと震えている。
ついでにエリザも……プルプル震えている。
その前に……
エリザ…… 手が痛いです!
その小さくて可愛いお手手のどこにそんな力が!?
そして……男の子が口を開く……
0
お気に入りに追加
84
あなたにおすすめの小説
本日、私の大好きな幼馴染が大切な姉と結婚式を挙げます
結城芙由奈
恋愛
本日、私は大切な人達を2人同時に失います
<子供の頃から大好きだった幼馴染が恋する女性は私の5歳年上の姉でした。>
両親を亡くし、私を養ってくれた大切な姉に幸せになって貰いたい・・・そう願っていたのに姉は結婚を約束していた彼を事故で失ってしまった。悲しみに打ちひしがれる姉に寄り添う私の大好きな幼馴染。彼は決して私に振り向いてくれる事は無い。だから私は彼と姉が結ばれる事を願い、ついに2人は恋人同士になり、本日姉と幼馴染は結婚する。そしてそれは私が大切な2人を同時に失う日でもあった―。
※ 本編完結済。他視点での話、継続中。
※ 「カクヨム」「小説家になろう」にも掲載しています
※ 河口直人偏から少し大人向けの内容になります
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
冷淡だった義兄に溺愛されて結婚するまでのお話
水瀬 立乃
恋愛
陽和(ひより)が16歳の時、シングルマザーの母親が玉の輿結婚をした。
相手の男性には陽和よりも6歳年上の兄・慶一(けいいち)と、3歳年下の妹・礼奈(れいな)がいた。
義理の兄妹との関係は良好だったが、事故で母親が他界すると2人に冷たく当たられるようになってしまう。
陽和は秘かに恋心を抱いていた慶一と関係を持つことになるが、彼は陽和に愛情がない様子で、彼女は叶わない初恋だと諦めていた。
しかしある日を境に素っ気なかった慶一の態度に変化が現れ始める。
公爵令嬢 メアリの逆襲 ~魔の森に作った湯船が 王子 で溢れて困ってます~
薄味メロン
恋愛
HOTランキング 1位 (2019.9.18)
お気に入り4000人突破しました。
次世代の王妃と言われていたメアリは、その日、すべての地位を奪われた。
だが、誰も知らなかった。
「荷物よし。魔力よし。決意、よし!」
「出発するわ! 目指すは源泉掛け流し!」
メアリが、追放の準備を整えていたことに。
月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~
真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる