ずっと色黒だと思っていた幼なじみの彼女はダークエルフだと告白された！ でもそれがなにか問題あるのかと思っていたら……

浮気？

「シュウちゃん、お・き・て♥️」

　朝、目が覚めると……

　愛しのエリザの顔が目の前に。

「おはようエリザ」

　そして俺はエリザをギュっと抱き寄せ、おはようのキスを……

「んっ？　エリザ？」

「うふふ、シュウちゃん寝惚けてるの？　朝ご飯出来てるから降りてきてね？」

　俺は寝惚けて枕にキッスしてた……

　エリザはエプロン姿で俺の顔を覗きこんでいる。
　エプロン姿のエリザ……　いい！　毎日起こされたい！

「シュウちゃん、枕と浮気？　うふふ、私にもしてくれないの？」

「えっ？　ああ、おはようエリザ……」

「ん……♥️　それじゃあ早く降りてきてね♪」

　そして俺はベッドから出てリビングへ降りていく。

「おはよう……って、父ちゃんと母ちゃんは？」

「２人でデートだって、日帰りで温泉に行くからって、朝早く出てったよ」

「そっか……　おお！　美味そうだな」

「うふふ、いっぱい食べてね」

　エリザが作ってくれたのは和食で、ご飯にみそ汁、焼き鮭と卵焼きにあとはおひたしなどが並べられていた。

　俺は朝ご飯にはやっぱり白いご飯が食べたい派なので、こういう朝ご飯はすごく嬉しい。
　多分エリザも俺の好みを知っているから、用意してくれたんだと思う。

「いただきます！」

「はい、どうぞ」

　エリザに見つめられながら食べる。
　あ～、このみそ汁……やっぱり美味い！

「美味しいよエリザ、ありがとう」

「うふふ、どういたしまして」

　何か幸せだな……　エリザと結婚したら毎朝こんな美味しい物を食べさせてくれるのかな？

　俺の心も胃袋もエリザにガッチリ捕まれている。

　俺もエリザに何かしてあげたい、だから今日は目一杯楽しませて、喜ばせてあげたい。

　そしてご飯を食べ終わり、デートの準備をする。
　俺の用意は早々に済んでしまったので、今はエリザの準備が終わるのを待っている。

「お待たせ～、シュウちゃんどうかな？」

　エリザに声をかけられ振り向く……

　そこには女神様がいた。

　いつも学校では眼鏡をかけ、あまり目立たないようにしてるが、今日は眼鏡を外し、うっすらと化粧をしている。

　化粧をしなくても可愛いらしいエリザだが、化粧をする事で可愛さに加え、綺麗さも増していつも以上に魅力的だ。

　それに白のワンピースが褐色のエリザにとても似合っていて清純さも出ていて……

　つまり女神だ、俺の女神エリザ様が来て下さったんだ！

「……女神様！」

「うふふ、シュウちゃん何それ？」

「とても美しくて可愛いよエリザ……」

「ありがと、シュウちゃんもカッコいいよ」

　そして、恋人同士になってから初めてのデートに行く。

　俺達は腕を組み歩いていると、チラチラと男性がエリザの事を見ている。

　やっぱりエリザは可愛いから目立つんだろうな。
　学校では地味で目立たないようにしてるから、もったいないよな。

「エリザは可愛いから男の人がチラチラ見てくるな」

「……そうだね、あまりいい気分じゃないな……」

「どうして？」

「……シュウちゃんは私が他の男の人にチヤホヤされてたら嬉しい？」

　エリザが他の男に……そう言われるとなんか嫌な気分になってきた。
　エリザは俺の……　

「嬉しくない……　もしかして学校では地味にしてるのって……」

「そうだよ？　私はシュウちゃんが見てくれるだけでいいの、他の男の人に話しかけられても嬉しくないから、だからあまり話しかけられないように、眼鏡をかけて本を読んでるフリをしてるんだよ？」

　そうだったのか……　俺はてっきり人見知りなのかと思ってたよ。

「それにあの眼鏡だって、伊達眼鏡なんだよ？」

「えっ！？　そうだったのか？　……あれ？　じゃあ席替えの時、黒板が見えないって……」

「うふふ、それは……シュウちゃんと近くになるための、ウ・ソ♥️」

「エリザ……　その為にクリス先生を……」

「……シュウちゃん？　デートしてる時に他の女の話？」

　他の女って……　でもエリザから黒いオーラが見え隠れしてるから何も言えない！

「そんなつもりじゃ……ゴメン、エリザ」

「キスしてくれたら許してあげる」

「……分かったよ」

　今日のエリザは口紅をしているから、ピンク色の唇がプルプルして見えて……

「ん……♥️　うふふ、シュウちゃん」

　そしてエリザは俺の腕に、更にギュっと抱きつく。

　そうしてる内に俺達は、今日の目的地のデパートに着いたのだった。