ずっと色黒だと思っていた幼なじみの彼女はダークエルフだと告白された! でもそれがなにか問題あるのかと思っていたら……

ぱぴっぷ

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うふふふふ♪

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 朝、目が覚めると身体が動くようになっていた。

 良かった~! 呪いだっていうからちゃんと解けるのか心配だったよ!

 そして俺の横にはエリザがまだ寝ていた。

 昨日寝る前に泣いていたエリザ、身体が動かないから抱き締めてやれなかった。

 身体が動くようになった俺はすぐに横で寝ているエリザを抱き締める。

「んっ……えっ? ……シュウちゃん?」

「起こしちゃったか? ごめんなエリザ、ただもう少しこうしててもいいか?」

「シュウちゃん……」

 エリザも俺の背中に腕を回し抱き締めてきた。

「エリザ……」

「シュウちゃん……大好き」

「俺も大好きだ……」

 ベッドの中でしばらく抱き締め合う俺達。
 エリザの体温、エリザのニオイ、そしてエリザの鼓動……すべてが愛おしい。

「シュウちゃん……もうそろそろ起きないと……」

「もう少し……もう少しだけ……」

「うふふ……いいよ」

 そして俺達は母ちゃんに起こされるまで、お互いを離さないままでいた。


「アンタ達!? 完璧遅刻じゃない! も~ナニしてたのよ?」

「ただ一緒に寝てただけだよ」

「うふふ♪」

「どうしたのエリちゃん? ずいぶんゴキゲンね?」

「ええ、うふふ」

「気になるわね! エリちゃん教えてよ~」

「アヤノおばさま? うふふ、また夜にでもお話しましょ?」

「今じゃダメなの~!? 気になる~!」

「母ちゃん…… さて遅刻だけどそろそろ行くか!」

「うん、シュウちゃん」

 そして学校に向かう俺達。
 エリザは俺の腕にしがみつき、鼻歌まで歌っている。

「エリザ、本当にゴキゲンだな?」

「だって、シュウちゃんが愛してるって言ってくれたし、朝だってあんなに甘えてくれて……私、幸せすぎて」

「エリザ……」

「シュウちゃん……」

 遅刻確定の登校なのに俺達はゆっくりと、そして時々キスをしながら2人だけの時間を過ごした。

 ちなみに外なので知らない人はチラチラといる。
 おばちゃんに冷やかされるし、若い兄ちゃんには舌打ち、それでも俺達は気にしない。

 恋は盲目っていうけど俺達はお互いしか見えてなかったのかも知れない。

 学校に着いた俺達を、玄関で先生方が待ち構えていたのにも気付かなかった。

「お、お前達! 校門に入ってからもチュッチュ、チュッチュと……いい加減にしろ!」

「まったく! クリス先生のクラスの生徒は……コイツらもそうだが、あの優等生の2人も……」

「……すいません! すいません!」

 教頭と学年主任、そしてその後ろで怒られているクリス先生。

 俺達が堂々とチュッチュしながら学校へ来たせいで怒られているのか……
 クリス先生、ゴメン!

「お前達みたいな生徒がいるから風紀が乱れるんだ!」

「そうだ! 教頭先生のおっしゃる通りだ!」

 この2人……俺の事はともかく、エリザの事までバカにしてるのか?

 悪いのは俺達だが、あの言い方……
 そう思っていたら横からものすごく黒いオーラが!

「……ひっ!?」

 クリス先生が後ずさるが、教頭と学年主任は気付いていない。

「うふふふふ♪ 教頭先生も学年主任もよっぽど気が合うみたいですね、そんなにラブラブなら…… えい!」

 まさか! こ、これはエリザの呪い!?

「な、何を! ……これは!」

「あ、ああ! か、身体が!」

「学年主任!」

「教頭!」

 ブチューー♥️♥️

「ギャーー!!」

「……うふふふふ♪」

「……こ、これはヒドイ」

 うぇ~!! 教頭と学年主任が!!

 オヤジ同士のキッスはキツイ!!

 しかもここは表で色々な教室からまる見えだ!

 ブチューー♥️ チュッチュッチューー♥️ 

 エリザの呪いのおかげでオヤジ同士のキッスを朝から見せられて気分は最悪だ!

「クリス先生? もう教室に行っていいですか?」

「……は、はひぃ! どうぞお通り下さい! エリザ様!」

「うふふ、ありがと先生」

 そして俺の方を向くと同士に、エリザから出ていた黒いオーラは消え失せ、いつもの可愛いエリザが俺に笑いかけてきた。

「それじゃ行こう、シュウちゃん」

「お、おう!」

 また腕を組んで学校の中に入っていく。

 ちなみにあの2人は、他の先生が引き離しにくるまでずっとチュッチュしてたみたいだよ?

 絶対にエリザを怒らせないようにしようと、心の中で誓う俺だった。
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