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エリザの昔話 その1
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保育園に行きたくないな……
私は保育園に行くのが憂鬱だった。
「ママ~、私保育園行きたくないよ!」
「え~? どうしたの~?」
「みんな、私が黒いから、黒糖まんじゅうとか言われるの……」
「そうなの~? じゃあシュウくんに会えないね~?」
「えっ!? ……やっぱり行く!」
「あはは、じゃあ保育園行こうね~♪ 大丈夫だよ~? シュウくんに助けてって言ったら~?」
「……シュウちゃんはいつも助けてくれるけど……」
「そうなの~? じゃあママからもシュウくんにお願いしておくね~?」
「ダメ! シュウちゃんは私の……」
「大丈夫だよ~、シュウくんの事は取らないから心配しなくても~」
「ダメったらダメ! だってシュウちゃん、ママの事好きだもん!」
「そんな事ないよ~!」
すると家のチャイムが鳴り、声が聞こえてきた。
「エリザ~! 保育園行くぞ~!」
「あっ! シュウちゃんが来た! は~い、ちょっと待ってて~!」
「うふふ~、じゃあ保育園行こうね~」
そして外に出るとシュウちゃんとアヤノおばさまが待っていた。
「おっす! おはようエリザ!」
「おはよう! シュウちゃん、アヤノおばさま♪」
「おはようシュウくん、アヤノちゃん」
「おはようアリサおばさん!」
「おはよう、それじゃあ行きましょ? エリちゃん、アリサちゃん」
そしてシュウちゃんと手を繋ぎ保育園に向かう。
この行きと帰りが私にとって幸せな時間だった。
シュウちゃんは何も言わなくても自然に私の手を引いて歩いてくれる。
「あらあら! 2人とも仲良いわね」
「そうだね~、シュウくんがいてくれるから保育園に行ってくれるからね~」
「あら? どういう事?」
「エリザったら、保育園で黒糖まんじゅうとか言われるから行きたくないって~」
「何ですって!? こんな可愛いエリちゃんを! シュウ! そんな事言った子はぶっ飛ばしてやりなさい!」
「分かってるよ母ちゃん!」
「あはは~、危ない事言ってるね~、シュウくんも暴力はダメだよ~?」
「分かってるよアリサおばさん! いい事思いついたから今日試してみるんだ」
「シュウちゃん?」
「エリザは気にしなくて大丈夫だぞ?」
「危ない事はやめてね? シュウちゃんがケガでもしたら私……」
「心配するな! そんな事しないから♪」
そう言って私の頭を撫でてくれるシュウちゃん。
あ~、やっぱりシュウちゃん……好き♥️
目が♥️になってる私を見て笑うママとアヤノおばさまをよそに私達は保育園に着いた。
ママ達と別れて私達のクラスに入る。
すると私が入るとすぐクラスにいた男の子が私を指差して
「おい、黒糖まんじゅうが歩いてきたぞ~!」
するとその男の子の友達も一緒になって。
「あ~! 黒糖まんじゅうのお化けだ~! 逃げろ~!」
「今日も真っ黒な、できたて黒糖まんじゅうだ~!」
クラスに入る時点でもう泣きそうな私、するとシュウちゃんは私の背中をポンと押し、一歩踏み出した私の前に跪いた。
「お前達、頭が高いぞ! 女神様が来て下さったのだぞ!?」
えっ!? シュウちゃん? 女神様って何?
軽く混乱してる私に続けてシュウちゃんは言う。
「お前達、これを見ろ!」
「シュウ、何言って……えっ!?」
私を黒糖まんじゅうとか言ってた男の子達やクラスのみんなが集まってくる。
そしてシュウちゃんが取り出したのは……
「何だこれ! ゴリゴリくんの当たり棒にガムの当たり……そしてこれは……金のデビルん!!」
シュウちゃんが取り出したのはお菓子の当たり棒などだった。
……でも一体何をするつもりなんだろう?
「シュウ! これはどうしたんだ?」
「これは……女神エリザ様と一緒にお菓子を買いにいったら当たったんだ!」
「「「「な、何だって~!?」」」」
「それに……これを見ろ!」
「そ、それは……!」
「伝説の……四つ葉のクローバー!!」
「そうだ……これもすべて女神エリザ様と一緒にいた時に見つけたんだ! そんな幸運の女神様を……黒糖まんじゅうなんて! お前らバチが当たるぞ!」
「し、シュウ……それはたまたまだろ?」
「……いいや、お前、自分の靴下を見てみろ!」
「靴下? それが何だって……あっ! 靴下に穴が!」
「そしてお前、今日の弁当箱を開けてみろ!」
「弁当箱? ……あ! お、俺の嫌いなピーマンがたっぷり!?」
「……そうだ、お前達は女神様をバカにしたから天罰が下ったんだ!」
「そ、そんな!?」
「どうしたらいいんだ!?」
「それは俺みたく女神エリザ様に頭を下げて、毎日拝むんだよ!」
「め、女神様! お許し下さい!」
「女神様! すいませんでした! だからピーマンだけは……」
えっ? えっ? 今まで黒糖まんじゅうとか言ってた男の子達が……頭を下げて、手を合わせて私を拝んでくる!
シュウちゃん!? 私にそんな力はないよ?
するとシュウちゃんは私の方を見て親指を立ててきた。
シュウちゃん……それは強引だよ……
でもその日から私を黒糖まんじゅうと言う人はいなくなった。
たまたまだけど私を拝んで、いい事が続いたみたいで、その内私が保育園に行くとみんな私を拝むようになってしまった。
シュウちゃん……これはこれでめんどくさいよ~!
ただシュウちゃんが私を助けるために考えてくれた事だから文句なんて言わない。
それどころか私はますますシュウちゃんの事が好きになってしまった。
責任取ってよ? シュウちゃん♥️
私は保育園に行くのが憂鬱だった。
「ママ~、私保育園行きたくないよ!」
「え~? どうしたの~?」
「みんな、私が黒いから、黒糖まんじゅうとか言われるの……」
「そうなの~? じゃあシュウくんに会えないね~?」
「えっ!? ……やっぱり行く!」
「あはは、じゃあ保育園行こうね~♪ 大丈夫だよ~? シュウくんに助けてって言ったら~?」
「……シュウちゃんはいつも助けてくれるけど……」
「そうなの~? じゃあママからもシュウくんにお願いしておくね~?」
「ダメ! シュウちゃんは私の……」
「大丈夫だよ~、シュウくんの事は取らないから心配しなくても~」
「ダメったらダメ! だってシュウちゃん、ママの事好きだもん!」
「そんな事ないよ~!」
すると家のチャイムが鳴り、声が聞こえてきた。
「エリザ~! 保育園行くぞ~!」
「あっ! シュウちゃんが来た! は~い、ちょっと待ってて~!」
「うふふ~、じゃあ保育園行こうね~」
そして外に出るとシュウちゃんとアヤノおばさまが待っていた。
「おっす! おはようエリザ!」
「おはよう! シュウちゃん、アヤノおばさま♪」
「おはようシュウくん、アヤノちゃん」
「おはようアリサおばさん!」
「おはよう、それじゃあ行きましょ? エリちゃん、アリサちゃん」
そしてシュウちゃんと手を繋ぎ保育園に向かう。
この行きと帰りが私にとって幸せな時間だった。
シュウちゃんは何も言わなくても自然に私の手を引いて歩いてくれる。
「あらあら! 2人とも仲良いわね」
「そうだね~、シュウくんがいてくれるから保育園に行ってくれるからね~」
「あら? どういう事?」
「エリザったら、保育園で黒糖まんじゅうとか言われるから行きたくないって~」
「何ですって!? こんな可愛いエリちゃんを! シュウ! そんな事言った子はぶっ飛ばしてやりなさい!」
「分かってるよ母ちゃん!」
「あはは~、危ない事言ってるね~、シュウくんも暴力はダメだよ~?」
「分かってるよアリサおばさん! いい事思いついたから今日試してみるんだ」
「シュウちゃん?」
「エリザは気にしなくて大丈夫だぞ?」
「危ない事はやめてね? シュウちゃんがケガでもしたら私……」
「心配するな! そんな事しないから♪」
そう言って私の頭を撫でてくれるシュウちゃん。
あ~、やっぱりシュウちゃん……好き♥️
目が♥️になってる私を見て笑うママとアヤノおばさまをよそに私達は保育園に着いた。
ママ達と別れて私達のクラスに入る。
すると私が入るとすぐクラスにいた男の子が私を指差して
「おい、黒糖まんじゅうが歩いてきたぞ~!」
するとその男の子の友達も一緒になって。
「あ~! 黒糖まんじゅうのお化けだ~! 逃げろ~!」
「今日も真っ黒な、できたて黒糖まんじゅうだ~!」
クラスに入る時点でもう泣きそうな私、するとシュウちゃんは私の背中をポンと押し、一歩踏み出した私の前に跪いた。
「お前達、頭が高いぞ! 女神様が来て下さったのだぞ!?」
えっ!? シュウちゃん? 女神様って何?
軽く混乱してる私に続けてシュウちゃんは言う。
「お前達、これを見ろ!」
「シュウ、何言って……えっ!?」
私を黒糖まんじゅうとか言ってた男の子達やクラスのみんなが集まってくる。
そしてシュウちゃんが取り出したのは……
「何だこれ! ゴリゴリくんの当たり棒にガムの当たり……そしてこれは……金のデビルん!!」
シュウちゃんが取り出したのはお菓子の当たり棒などだった。
……でも一体何をするつもりなんだろう?
「シュウ! これはどうしたんだ?」
「これは……女神エリザ様と一緒にお菓子を買いにいったら当たったんだ!」
「「「「な、何だって~!?」」」」
「それに……これを見ろ!」
「そ、それは……!」
「伝説の……四つ葉のクローバー!!」
「そうだ……これもすべて女神エリザ様と一緒にいた時に見つけたんだ! そんな幸運の女神様を……黒糖まんじゅうなんて! お前らバチが当たるぞ!」
「し、シュウ……それはたまたまだろ?」
「……いいや、お前、自分の靴下を見てみろ!」
「靴下? それが何だって……あっ! 靴下に穴が!」
「そしてお前、今日の弁当箱を開けてみろ!」
「弁当箱? ……あ! お、俺の嫌いなピーマンがたっぷり!?」
「……そうだ、お前達は女神様をバカにしたから天罰が下ったんだ!」
「そ、そんな!?」
「どうしたらいいんだ!?」
「それは俺みたく女神エリザ様に頭を下げて、毎日拝むんだよ!」
「め、女神様! お許し下さい!」
「女神様! すいませんでした! だからピーマンだけは……」
えっ? えっ? 今まで黒糖まんじゅうとか言ってた男の子達が……頭を下げて、手を合わせて私を拝んでくる!
シュウちゃん!? 私にそんな力はないよ?
するとシュウちゃんは私の方を見て親指を立ててきた。
シュウちゃん……それは強引だよ……
でもその日から私を黒糖まんじゅうと言う人はいなくなった。
たまたまだけど私を拝んで、いい事が続いたみたいで、その内私が保育園に行くとみんな私を拝むようになってしまった。
シュウちゃん……これはこれでめんどくさいよ~!
ただシュウちゃんが私を助けるために考えてくれた事だから文句なんて言わない。
それどころか私はますますシュウちゃんの事が好きになってしまった。
責任取ってよ? シュウちゃん♥️
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