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ドイムと香り

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「何だかいつも避けられてるような気がするんですよね…
 私何かしたのかしら…」

「ドイムの事?」

「ええ…。」

「ああ…。アルヤが何かした訳じゃないから大丈夫だよ。」

何かを知ってそうな言い方をするマルセルを見る。
「何か知っているのですか?」

マルセルは私を見て笑顔をみせ言う。
「ドイムはアルヤの事好きだったんだよ。」

「えぇ!?」
思いもしなかった事を言われて驚く。

「あまりにもキミを目で追うから、見るなって言ったから避けるような仕草になるんだろうね」
はははっと笑うマルセル。

「えっと。反応に困るのですけど…」

「はは。まぁもう何年も前の話だし、今どうか知らないけど悪気は無いんだ、許してあげて。」

「は、はい…」
“そんな人が、側近でいいの?”
そう、思ったがそれは私が決めることではない。

フッと。エノワールを思い出す。
“エノワールもこの前あった時、よそよそしく感じたけど…”

後ろにいるニーナを見る。
“…そうだとしたら、ニーナはあげられないわね。”
目が合い、首を傾げるニーナに笑顔をみせる。





部屋まで送ってもらいながら、他愛のない話をする。

「私の香水ですか?」

「そ!アルヤが1週間いない間寂しいからアルヤの香りで我慢しようと思って!」
無邪気に笑うマルセルに言われる。

「ふふ。なんですかそれ。香水は持ってはいますが、使ってませんよ?」

「え!?使ってないの!?」

「はい。パーティとか大勢の方の前に出るときに少し手首に付けるときはありますけど。」

「なのにそんないい香りするの!?」

「ふふ。ありがとうございます。
エマのおかげなんですよ。」

「侍女の?」

「はい。強い香りが苦手な私の為に、入浴剤だったりに香りを調合してくれてるんです。」

「その香りなのか。」
マルセルもエマを見る。

丁度、部屋の前に着く。
「入浴剤でよければ、少しお分けできますけど?」

「いいの?」

「はい。」
ニコリと笑いエマ見る。

「すぐにお持ちします!」
そう言い部屋に入ってすぐに持って出てきた。

「ありがとう」
エマから受け取り、マルセルに渡す。

「ほぉ…すごいね。使わせてもらうね。」
関心しながら受け取り眺め、エマに言う。

「はい!ありがとうございます!」

「ありがとうねー。」
そう言いながら嬉しそうにマルセルは帰っていった。





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