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騎士団見学
しおりを挟む斬処刑の言葉に、侍女らからまた悲鳴があがった。
「なぜお前らが怖がるんだ?聞いただけなら怯える必要ないだろ?」
カレルド威圧的な声が聞こえる。
皇女は自分の侍女らを見て、何やら話している。
「申し訳ございません。誰に聞いたか覚えてないようです。」
“見た方から聞いたとか言っといて。覚えてないか…まぁ、いいか。”
「そうですか。では思い出したらお知らせ下さいませ。」
「わかりました。行くわよ。」
そう言い、皇女は侍女らを引き連れ歩いてきた廊下を帰っていった。
ふぅ…。
“疲れた…。”
一息つくと、マルセルが顔を覗き込んできた。
「お見事。」
「あまり嬉しくないですね。」
「ごめんよ。
あんな感じで俺の話を聞かなかったんだ。
丁度、廊下を歩くのが窓から見えたから連れてきちゃった。
あと、香水の香りがキツくて限界だった。」
はははっと笑うマルセル。
「いや、連れて来ないでくださいよ…」
「あれでよかったのか?徹底的に詰めてた方が今後大人しくなりそうだが?」
カレルドが言う。
「いいんです。やり過ぎると被害者ぶって変な噂たてられそうですし…
まだ、2ヶ月程顔を合わせる機会がありますしね。」
左横のカレルドの顔を見る。
「ふぅん。」
「あぁ言うの見るとつくづく思うよ。
俺、男でよかった。ってね。」
マルセルが後ろから抱きつかれ、それを見たカレルドに睨まれる。
「あー。アルヤの香りがする…
落ち着く…」
顔を私に埋められる。
「ふぇ!?やめてくださいよ!
そして、私を睨まないでくださいよ!」
マルセルとカレルドに言う。
「おい。」
カレルドがマルセルを睨みながら言が。
「何だよ。散々俺の前でやってきた癖に。」
てか、1週間アルヤ連れ回すんだろ?
ずるーい。俺もついていこうかなー」
また私に顔を埋めながら言う。
「チッ」
舌打ちしたと思えば、カレルドは立ち去って行ってしまった。
「あの…離してくれませんか?」
「えー。もうだめ?」
そう言いながらも離してくれ、マルセルの方を向く。
「ならさ、ちょっと散歩に付き合ってよ?」
ニコッと笑い手を差し出される。
「あ、それなら…」
マルセルの手を取る。
「騎士団の訓練を見て回りたいだなんて、アルヤは面白いこと言うね。
別に良いもんじゃないよ?」
外を歩きながらマルセルに言われる。
「全騎士団の方々に私の部隊の募集がされたそうなので、少し気になっていたんです。」
「既にすごい応募数だよ。アルヤが顔見せたらまた応募数が増えそうだね。」
「え、そうなのですか?」
「一昨日、俺が見たときは応募の紙の束がこれくらいだったよ。」
と。親指と人差し指で厚さを表す。
「そんなに!!?」
驚く私をみて笑うマルセル。
「ははは。俺も応募しようかなー」
「ふふ。何故そうなるのですか。」
話ながら、訓練の邪魔にならない所から眺め見て回るが、私とマルセルを見て団長が挨拶に来る。
軽く話をし、また次の騎士団を見に行くを繰り返す。
「やっぱり邪魔でしたかね?」
「そんな事ないよ。見られて悪いような事してなしい。俺の管轄は特にね。」
「第一騎士団だけじゃないのですか?」
「三.五.七騎士団も俺の管轄だよ。
四.六.八はカレルドの管轄だね。」
「八?七までかと思ってました。」
「知らなくても無理ないよ。国境周辺にいて魔獣が他国に出るのを防いでる部隊だならね。会う機会なんてないよ。」
“そうなんだ…”
「さぁ。最後は第一騎士団訓練場です。
どうぞごゆっくり。」
マルセルが手を広げ見せる。
“最後に自分の騎士団もってきたわね“
「ふふ。ありがとうございます。」
見渡すと、ドイムが剣を振るう姿が見えた。
“側近でも訓練するのもなのかしら?”
視線に気付いたのか、私達を見てお辞儀をしすぐに戻る。
「何だかいつも避けられてるような気がするんですよね…
私何かしたのかしら…」
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