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日記3 ※胸糞注意
しおりを挟む「手を上げ、立て。」
低く冷たい声が聞こえた。
公爵に剣を突きつける、陛下が1人立っていた。
「皇帝!?」
うわずった声を上げ私から離れる。
陛下の後ろの開いたままの扉から、大勢が見ている。
「いいぞ。」
陛下の声に、お兄様二人が私に駆け寄ってきた。
真っ青な顔をした私を、抱きかかえ部屋から出る。
「もう大丈夫だ!」
「遅くなってすまなかった。」
お兄様たちから声をかけられる。
初めて涙を流すお兄様たちを見た。
お父様は既に騎士により捕らえられ、数分後には公爵も捕らえられ部屋から出てきた。
喚き散らす公爵を無視し、陛下が近づいてきた。
「よく頑張った。」
大きな手で頭を撫でられた。
張り詰めていたものが一気に決壊し、大粒の涙が取り留めもなく流れた。
お父様と、公爵は騎士により連れて行かれ
た。
公爵と関わるようになり、金回りの異変に気づいたお兄様たちは自分らで調べていたらしい。
支援金にしては大金すぎる額に、何か見返りを与えているのではないかと思っていた所に、私の姿を見て感づいたらしい。
遠征先で陛下と偶然会い、陛下の手助けもあり予定より早く切り上げ、途中まで同じ道のりを帰ってきたらしいお兄様たち。
金銭問題も既に陛下に相談していたお兄様たちは、すぐに陛下を呼びに直ぐに出たらしい。
セインお兄様は残り一人にしないようにしていたと後で聞いた。
少し落ち着いた私に、陛下は尋ねた。
「キミにとって、ここで暮らし続けるのは辛いだろう。
治療と療養を名目に、皇宮に来る気はないかい?」
もう、一人で自分の部屋にも入れなくなっていた私。
母が失踪し、公爵との日々が思い出されるシャンドリ邸に未練はなかった。
お兄様たちも行っておいで。との、後押しもあり直ぐに返事をした。
「よろしくお願いします。」
最低限の荷物を持ちセインお兄様と馬車にのり、その日にシャンドリ邸を出た。
こうして11歳で皇宮に迎え入れられた。
12歳の誕生日の2ヶ月前だった。
皇宮に着くと、知らせが既に届いていたらしく皇后、マルセル、カレルド、アノルが出迎えてくれ、アノルの治療を受けていった。
数日後ニーナとエマが来てくれた。
その日から、シャンドリ邸にはあの日まで帰らなかった。
公爵は、未成年買春
お父様は、未成年売春。幇助(ほうじょ)で裁判に掛けられた。
裁判は皇帝が関わっていようと、公平に行われ判断される。
お父様は全て自供し、罪を認めた。
母の捜索でほぼ全ての財産を費やし無くし、困っている所を公爵にお金の支援の話をされた。
私と話したい。だけだった要求がエスカレートして行ったという。
12歳の誕生日。2人で夜を明かす約束が交わされ、前金まで払済みだったらしい。
公爵は認めなかった。
お兄様たちが集め調べた帳簿・私の日記・私に贈ったアクセサリーの一部から、意識の混濁が引き起こされる薬品が染み込ませてあったのが発見され・陛下自らあの日の事を目撃したと、証拠は十分だった。
が、公爵はコレらを全て認めず、伯爵にハメられたなど言い出した。
確かに支援はしたがそれだけだと言い張る。
帳簿はお兄様たちの改ざん、偽装、思い込み。
私の日記は子供のざわ語と
アクセサリーの薬品は、私は贈っただけで作ったわけではないから知らない。
陛下の目撃は、体調不良だった私がよろけ、助けようとしたが自分も転けてしまい誤解されるような体制になったと話した。
長引いた裁判の結果。
長年の売春。金額も異常なほど多く、頻繁だった為、素直に自供したももの
お父様は禁錮15年
公爵は
帳簿の改ざん。
アクセサリーは公爵が所有している工場で作られた物。故意に薬品を使った証拠も、公爵がやったと言う証拠もないが、混入してはおかしい物だった為厳罰になった。
私の日記は、性交した記述もなく確認されず。ただ公爵が会いに来ていた。とされる。
が、異常な公爵の訪問と、私の様子から精神的負担がかかっていたとは認められ、証拠と認められた。
陛下の目撃も、私が悲鳴など声を上げていなく、性交中ではなかった為事故だとなりそうな所を、アノルが『抵抗する事も、悲鳴を上げることさえ出来る状態でなかった。』と証言し、他の医師らも口を揃えて言うため認められた。
性行の有無は確認できなかったが、他の悪事もみつかり、
禁錮5年。罰金。国外追放が言い渡された。
お父様の12歳の誕生日に、2人で夜を明かすと言う証言は、証拠がないためお咎めなしだった。
公爵家に没落されては困る貴族等が、援護に周り納得いかない裁判の結果になった。
今はどうなっているかは知らない。
その後は、ヴェラスお兄様が伯爵を継ぎ、公爵も息子が公爵を継いだと聞く。
目を開け、日記帳を手に取る。
“裁判の為に持ってこられたこの日記帳。
また読むなんて思ってもなかったわね…”
、
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