65 / 220
恋人 ※注意
しおりを挟む「ほら、皇后から渡すといい。」
陛下が皇后に紙を渡す。
「は!そうだったわ!」
そう言い、私の前に来て紙を渡される。
「今度、皇女が来ることを話したでしょ?
その日アルヤにも謁見室に来て欲しいの。このドレスを着てね。」
そこには皇室のカラーである赤を基調にしたドレスの絵が書いてあった。
「赤いドレスですか…?」
「そうだよ。皇室の一員としてアルヤ嬢を紹介する。その日以外も、どこかに赤を取り入れなさい。舐められたらダメだよ?」
陛下が言う。
「かしこまりました。」
後ろでドレスのデザインを見たカレルドが言う。
「ここ白にしろよ。」
すると、キッと皇后がカレルドを睨む。
「嫌よ!!私とお揃いにするの!!」
「わかったよ!うるせえな。」
“カレルドも皇后様には弱いのね。”
クスッと笑う。
「そう言えば、公表するのか?」
陛下がカレルドに言う。
「まだ、しない。」
「ほぉ、まぁ好きにせぇ。」
「嫌われて、別れるかもしれないもんねー」
皇后ニヤニヤしながら言う。
「話は終わったろ?行くぞ。」
皇后を睨みつけると、カレルドは私の手を引き扉に向かう。
「え!?そんな引っ張らなくても…」
扉の前で急に立ち止まるカレルド。
「口を滑らるなよ。」
少し振り返り言うと、扉を開けて部屋を出る。
「わ、私挨拶してない!」
ゆっくり閉まる扉の奥で、陛下がニコリと手を振っているのが見えた。
「お嬢様!?」
慌てて私達に付いてくるニーナとエマ。
「お前らは部屋にでも戻ってろ。」
歩きながら振り向き私の侍女らに言う。
ピタリと足が止まり、追いかけてくるのをやめた。
まだ引っ張られながら歩く私はカレルドに聞く。
「どこに行かれるのですか!?」
次々と皇宮の侍女らや、騎士とすれ違う。
皆、私達を見ている。
「黙ってついてこい。」
それだけを言われる。
“私の部屋への道じゃない…どこ行くの?!”
この辺は来る機会がないから分からない…
でも、なんとなく見覚えもある。
「…へ!?ここって」
「俺の部屋だ。」
「えぇ!?」
勢いよく扉を開けて部屋に入る。
「あら、坊っちゃん。」
部屋には少しお年を召した侍女がいた。
「出ていろ。」
「まぁまぁ。」
そう言い素早く部屋を出ていった。
引っ張られベットに放り投げられる。
「きゃ!」
起き上がろうとすると、いつの間にか上着を抜いているカレルド上に乗られ、両腕を抑えられる。
「んで?アイツと部屋で何してたんだよ。」
そう言いながら、私が握っていた小袋を、取り上げベット横のテーブルに置く。
「え…えっと…」
「言えないようなことしてたのか?
言っておくが、今日はまだ疲れてないからな。」
あの日の様にボタンが外されていく。
「ご。ごめんなさい!キスをされました!」
正直に言うとすぐにキスをされる。
「今度からはアイツと2人になった瞬間に指輪を光らせろ。つか、2人になるなよ。」
「わかりました!!だからボタンを取るのはもう辞めてください!」
ギュッと目を瞑る。
「いやだ。」
そう言い首筋にキスをする。
「だ!ダメです!ドレス着ることになったの見てたでしょ!?」
必死に首を振る。
「なら、見えないところならいいんだな?」
ニヤッと笑う。
「そう言う意味じゃ!!」
抱きかかえられ、服をはぎ取られ下着姿にされまたベットに投げられる。
「ええ!?」
両腕で胸を隠し、足を曲げ身体を縮める。
カレルドはネクタイを緩め外しシャツも脱ぎすてる。
初めて見るカレルドの鍛え上げられた身体はキレイだった。
「それで隠しているつもりか?」
近づいてきてカレルドの手が太腿を撫でる。
「ひゃ!」
胸を隠していた手を太腿を触るカレルドの手を退けようと触るが、逆に掴まり抑えられ、顔が近くにくる。
「は、離してください!」
赤い顔をカレルドに向け言う。
「ここまで脱がしておいて、離す男はいないだろ。」
そう言い終わると長いキスをされる。
その間に胸を弄られる。
思わず目をつぶる。
「んん!」
ビクつかせる私を無視して続けられる。
ニヤニヤとした気持ちの悪い大男が思い出され、身体が震える。
涙が溢れてくる。
ようやく唇が離れた。
「や。やめ…」
下着の上から触っていた手が直接肌に触れる。
「やっ!!」
「目をつぶるから、思い出すんだろ。目を開けて俺だけ見とけ。」
ギュッと瞑っていた目をゆっくり開ける。
涙で少し滲んで見てるカレルドが見えた。
「カレルド…」
思わず呼ぶ。
「あぁ。」
いつも険しい顔をしているカレルドが、優しい表現で私を見下ろしている。
胸を弄っていた手が離れ、私の頬にその手が当てられ涙を拭う。
震えが少し収まった気がする。
フッと笑うカレルド。
「終わるなんて思ったら大間違いだ。」
そう言い今度は胸を舐められる。
「きゃ!」
ピク、ピクと反応する身体。
掴まれていた手が離れたかと思うとその手は私の内股を撫で始める。
「やめて…」
口ではそう言うが身体は抵抗をなくしつつあった。
この前と同様、手が下着の中に入れられ敏感な所を優しく撫でられる。
「あ…ぁっ」
漏れる声に段々手つきが激しくなる。
ジンジンと痺れてくる感覚に耐えられなくなる。
「…だめ、もう…」
「何だ?ほら、イケよ?」
また手つきが激しくなり、指が私のなかに入ってくるのが分かった。
「い、いや!」
身体に力が入りビクつかせる。
下着もすべてはぎ取られ裸にされる。
カレルドと素肌が触れ合っていく。
10
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
ヤンデレエリートの執愛婚で懐妊させられます
沖田弥子
恋愛
職場の後輩に恋人を略奪された澪。終業後に堪えきれず泣いていたところを、営業部のエリート社員、天王寺明夜に見つかってしまう。彼に優しく慰められながら居酒屋で事の顛末を話していたが、なぜか明夜と一夜を過ごすことに――!? 明夜は傷心した自分を慰めてくれただけだ、と考える澪だったが、翌朝「責任をとってほしい」と明夜に迫られ、婚姻届にサインしてしまった。突如始まった新婚生活。明夜は澪の心と身体を幸せで満たしてくれていたが、徐々に明夜のヤンデレな一面が見えてきて――執着強めな旦那様との極上溺愛ラブストーリー!
(完結)貴方から解放してくださいー私はもう疲れました(全4話)
青空一夏
恋愛
私はローワン伯爵家の一人娘クララ。私には大好きな男性がいるの。それはイーサン・ドミニク。侯爵家の子息である彼と私は相思相愛だと信じていた。
だって、私のお誕生日には私の瞳色のジャボ(今のネクタイのようなもの)をして参加してくれて、別れ際にキスまでしてくれたから。
けれど、翌日「僕の手紙を君の親友ダーシィに渡してくれないか?」と、唐突に言われた。意味がわからない。愛されていると信じていたからだ。
「なぜですか?」
「うん、実のところ私が本当に愛しているのはダーシィなんだ」
イーサン様は私の心をかき乱す。なぜ、私はこれほどにふりまわすの?
これは大好きな男性に心をかき乱された女性が悩んで・・・・・・結果、幸せになったお話しです。(元さやではない)
因果応報的ざまぁ。主人公がなにかを仕掛けるわけではありません。中世ヨーロッパ風世界で、現代的表現や機器がでてくるかもしれない異世界のお話しです。ご都合主義です。タグ修正、追加の可能性あり。

女官になるはずだった妃
夜空 筒
恋愛
女官になる。
そう聞いていたはずなのに。
あれよあれよという間に、着飾られた私は自国の皇帝の妃の一人になっていた。
しかし、皇帝のお迎えもなく
「忙しいから、もう後宮に入っていいよ」
そんなノリの言葉を彼の側近から賜って後宮入りした私。
秘書省監のならびに本の虫である父を持つ、そんな私も無類の読書好き。
朝議が始まる早朝に、私は父が働く文徳楼に通っている。
そこで好きな著者の本を借りては、殿舎に籠る毎日。
皇帝のお渡りもないし、既に皇后に一番近い妃もいる。
縁付くには程遠い私が、ある日を境に平穏だった日常を壊される羽目になる。
誰とも褥を共にしない皇帝と、女官になるつもりで入ってきた本の虫妃の話。
更新はまばらですが、完結させたいとは思っています。
多分…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

虐げられた皇女は父の愛人とその娘に復讐する
ましゅぺちーの
恋愛
大陸一の大国ライドーン帝国の皇帝が崩御した。
その皇帝の子供である第一皇女シャーロットはこの時をずっと待っていた。
シャーロットの母親は今は亡き皇后陛下で皇帝とは政略結婚だった。
皇帝は皇后を蔑ろにし身分の低い女を愛妾として囲った。
やがてその愛妾には子供が生まれた。それが第二皇女プリシラである。
愛妾は皇帝の寵愛を笠に着てやりたい放題でプリシラも両親に甘やかされて我儘に育った。
今までは皇帝の寵愛があったからこそ好きにさせていたが、これからはそうもいかない。
シャーロットは愛妾とプリシラに対する復讐を実行に移す―
一部タイトルを変更しました。
傲慢令嬢は、猫かぶりをやめてみた。お好きなように呼んでくださいませ。愛しいひとが私のことをわかってくださるなら、それで十分ですもの。
石河 翠
恋愛
高飛車で傲慢な令嬢として有名だった侯爵令嬢のダイアナは、婚約者から婚約を破棄される直前、階段から落ちて頭を打ち、記憶喪失になった上、体が不自由になってしまう。
そのまま修道院に身を寄せることになったダイアナだが、彼女はその暮らしを嬉々として受け入れる。妾の子であり、貴族暮らしに馴染めなかったダイアナには、修道院での暮らしこそ理想だったのだ。
新しい婚約者とうまくいかない元婚約者がダイアナに接触してくるが、彼女は突き放す。身勝手な言い分の元婚約者に対し、彼女は怒りを露にし……。
初恋のひとのために貴族教育を頑張っていたヒロインと、健気なヒロインを見守ってきたヒーローの恋物語。
ハッピーエンドです。
この作品は、別サイトにも投稿しております。
表紙絵は写真ACよりチョコラテさまの作品をお借りしております。
(完結)「君を愛することはない」と言われて……
青空一夏
恋愛
ずっと憧れていた方に嫁げることになった私は、夫となった男性から「君を愛することはない」と言われてしまった。それでも、彼に尽くして温かい家庭をつくるように心がければ、きっと愛してくださるはずだろうと思っていたのよ。ところが、彼には好きな方がいて忘れることができないようだったわ。私は彼を諦めて実家に帰ったほうが良いのかしら?
この物語は憧れていた男性の妻になったけれど冷たくされたお嬢様を守る戦闘侍女たちの活躍と、お嬢様の恋を描いた作品です。
主人公はお嬢様と3人の侍女かも。ヒーローの存在感増すようにがんばります! という感じで、それぞれの視点もあります。
以前書いたもののリメイク版です。多分、かなりストーリーが変わっていくと思うので、新しい作品としてお読みください。
※カクヨム。なろうにも時差投稿します。
※作者独自の世界です。

【完結】6人目の娘として生まれました。目立たない伯爵令嬢なのに、なぜかイケメン公爵が離れない
朝日みらい
恋愛
エリーナは、伯爵家の6人目の娘として生まれましたが、幸せではありませんでした。彼女は両親からも兄姉からも無視されていました。それに才能も兄姉と比べると特に特別なところがなかったのです。そんな孤独な彼女の前に現れたのが、公爵家のヴィクトールでした。彼女のそばに支えて励ましてくれるのです。エリーナはヴィクトールに何かとほめられながら、自分の力を信じて幸せをつかむ物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる