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決闘
しおりを挟む数秒睨み合いついに始まった。
お互い走り近づく。
剣が交わる前に、お互いの稲妻が先に接触し大きな音をたて砂煙が舞う。
キンッキンッ!と砂煙の中から金属音がする。
風が吹き砂煙で見えなかった2人が見えた。
距離を置いている。
地鳴りがして巨大な火柱が立つ
水がその火柱を蛇の様にクルクルと登り、締め付け一気に火柱が消えたと思うとすぐさま剣が交わる音をがする。
カレルドがマルセルを水のカーテンで覆ったと思ったら、ドーム状になり雷を打つがギリギリで逃げられる。
紐場になった炎がカレルドを捉えようとするが華麗に避ける。
火の玉が数個マルセル近くに落ち砂煙が舞う。
カレルドの周りに水玉ができ先が尖るように凍っていき砂煙に突き刺さる。
「おー、氷なんかもできるのか。
すげーなー。」
陛下が頬杖しながら言う。
「初めて見ましたね。」
と、皇后。
いとも簡単に出すから何処からが凄いのかわらない。
砂煙からマルセルが出てきて、雷がカレルドに向かってくるのをカレルドも雷で防ぐ。
バン!っと音がし金属音が連続して聞こえる。
大きな砂埃は中々引かず金属音とたまに見える炎や水、雷が光る。
観衆からも
『みえねーぞ!』とヤジが飛ぶ。
すると陛下がパチンっと指を慣らすと風が吹いたのだろう。
一気に砂煙が晴れる。
「邪魔するな!クソ親父!!」
そんな言葉が金属音がなる2人の所から聞こえる。
「おと、怒られてしまったな」
笑う陛下。
クソ親父なんて陛下に言うのは1人しか居ない。
姿が見える様になり歓声は大きくなる。
あちこちと走りまわり広場がボロボロになっていく。
地面が焦げている所や、大きな水溜りが出来ているところ。
地割れしている所まである。
すでに決闘をはじめて30分は立っている。
勢いは留まることを知らず心臓に響く攻撃が続く。
「今回の喧嘩は長いなー。飽きてきた。」
あくびをしながら陛下は2人を眺める。
「あら!アルヤがかかってるんだもの!
当然よぉー!」
皇后と陛下は話をしながら大喧嘩中の息子を見守る。
“なんでそんなにゆっくり出来るのだろうか…”
カレルドのマントを握りしめる
なんて思っていると歓声が沸く。
水溜りにマルセルの足が入るところを見逃さなかったカレルドは、泥水でマルセルの足に絡みついた。
泥水の粘土が高いのか、風で捕まっているのかわわからないがマルセルの動きを封じた。
すぐに水を先端が尖る様に凍らせマルセルの周りに囲み捉えた。
「そこまで!」
陛下の声が響く。
カレルドは持っている剣を高々とかかげる。
大歓声がカレルドを祝福する
流石に疲れたのかカレルドはその場で、剣を杖にする様にしゃがみ込んだ。
「おや、ここまで戻る元気もないようだな。仕方ない、迎えに行くか。」
陛下が面倒くさそうに言う。
「私もいきますわ。」
皇后が言い。私も素早く言う。
「私も!」
「足元ぐちゃぐちゃだから気を付けてな」
陛下は皇后の手を取り行く。
私はニーナと2人の元へ向かう。
壇上を降りて実際歩くと攻撃の凄まじさが分かる。
気持ちがはやり歩きにくいにも関わらず小走りになる。
「お嬢さま!危ないですから!」
ニーナの言葉に耳を貸さず進む。
「殿下!!」
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