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薔薇の意味
しおりを挟む男性だが女性の仕草をするロビィ、は皇宮で心を許せる数少ない人だ。
「久しぶりね!」
ニコリと笑う
「魔獣の気に当てられて大変だったって聞いたわー!心配してたんだからー!もう大丈夫なの??」
ロビィはコチラに来て言う
「大丈夫よ、ありがとう。」
「そぉー?無理しちゃだめよー」
手を自分の頬にあてる。
私の後ろにいるニーナにも話しかける。
「ニーナも大変だったわね!お疲れ様!
あら、エマは?」
「ありがとうございます。
エマはそろそろ来るかと思いますが。」
扉をチラッと見るとまた、ドン!と音がする。
「もー、いやーね!図書館の近くで演習なんてしないでもらいたいわ!!」
ロビィがぷりぷり怒る。
“同感だわ。”
「まぁ、音は多少気にはなるけど大丈夫よ?本を見させてもらうわね。」
怒るロビィに言う。
「ええ!もちろんよ!
私はあの積み上がった本を片付けてるから何かあったら呼んでねー」
さっきロビィが出てきた本の山を指差し言う。
「ええ。ありがとう。頑張って」
ニコリと笑い本棚へ向かう。
“まずは植物の本棚ね…”
キョロキョロと本棚の分類札をみる。
「私もお探ししますよ?」
ニーナが言う。
「いいえ。大丈夫よ。ニーナも好きなものを見ればいいわ。」
そう言うと扉が開く音がしてロビィの声もした。
「あらー!エマ!いらっしゃーい」
「お久しぶりです!ロビィ様!」
どうやらエマが来たようね。
「では、私はエマの所に行ってまいりますね。」
そう言いニーナはエマを呼びながら行った。
“さぁ、薔薇の本…”
植物の札をた見つけ、花の札を見つけ薔薇の本を見つけ出す。
“あった。薔薇図鑑コレでいいかしら。”
本を棚から取り出し窓際に置いてある机と椅子に向かう。
窓際から心地いい日差しが降りそそぎ、外の庭園がみえ庭師が作業をしていた。
椅子に座り本をめくる。
“……。あった。
本数で変わる薔薇の花言葉。”
■999本「何度生まれ変わってもあなたを愛する」
■365本「あなたが毎日恋しい」
■108本「結婚して下さい」
■101本「これ以上ないほど愛しています」
■100本「100%の愛」
■99本「永遠の愛、ずっと好きだった」
素敵な意味を持つ本数が多いわね…
ドキドキと心臓の鼓動が早くなる。
指でなぞりながらカレルドにもらった本数の11本の意味を探す。
50…24…12。次だ。
あった。
■11本「最愛」
999本からなぞってきて何となく
『愛の言葉』だと想像はついていた。
だから鼓動も早くなるのもわかっていた。
カレルドが私に…
そう思うが思いだす。
“1本は白い薔薇。もしその1本は別で考えて赤薔薇は10本で考えると…”
次の10本の意味をみる。
■10本「あなたは全てが完璧」
ふー。長い息を吐き心を落ち着かせようとする。
赤薔薇と白薔薇の意味を探す。
が。
“ない…
白薔薇に意味はなくて1本の薔薇ってだけ?
そんなわけないわね…”
白薔薇のページをみる。
白薔薇の意味。
「純潔」「私はあなたにふさわしい」「深い尊敬」「清純」
“暴君で有名なカレルド殿下が『純潔』ねぇ
『私はあなたにふさわしい』この傲慢さはわかる気がするわね”
そう思いつつ窓の外をみる。
数人の騎士団長が話ながら歩いている。
“演習は終わったのかな。
そう言えば音がいつの間にか止まったわね。”
視線を本に戻す。
ペラペラとめくる。
赤い薔薇かぁ。
赤い薔薇の意味は
「あなたを愛してます」「愛情」「美」「情熱」「熱烈な恋」「美貌」
そう言えば…
“ニーナが言ってたわね。
薔薇は一本づつ増えていったと。”
赤い薔薇の一本の意味は…
■1本 「一目ぼれ」「あなたしかいない」
はぁ。
調べれば調べるほどカレルドのイメージがグチャグチャになる。
“意外とロマンチストなのね。”
フッと笑いが溢れ、本を持ち立ち上がり戻す。
他にも薔薇の本はたくさんある
”2、3冊借りて部屋で読もうかしら。
薔薇の本だけじゃ変よね。
何か小説も探しましょ”
薔薇のことが書いて有りそうな本なを2冊もち小説を探す
本は好きだ。
現実から離れ、非現実が好奇心を掻き立てる。
面白そうな小説を2冊とりロビィのところに行く。
今にも倒れそうなほど本が積み上がっている所を見るとロビィとニーナとエマもいた
「何しているの?」
「あ、お嬢様!ロビィ様のお手伝いを少し」
エマが顔を上げて言う。
「本はもうお選びになられましたか?」
ニーナが立ち上がり私のそばに来た
「ええ。この4冊よ。」
「お持ちしますね。」
本を受け取るとカウンターの方に行った。
私は奥にいるロビィに声をかける。
「ロビィ。本を4冊借りて行くわね。」
「はーい!いつものように記入して持っていっていいわよー!」
ニーナは既に記入していた。
「エマ。そろそろ行くわよ?」
しゃがみ、作業をしているエマに声をかける。
「あ、はい!もうできますので!」
そういい立ち上がる。
「ロビィ様!これコチラに置いておきますねー!」
「ありがとうー!助かったわ!」
ロビィが奥からでてきた。
書き終わったニーナが私の後ろにきた。
「ごんなさいねー、お嬢様の侍女なのに手伝ってもらっちゃって」
ロビィが謝る。
「いいのよ。じゃぁ私は行くわね。また来るわ!」
笑顔でロビィに手を振る。
「ええ!無理しちゃだめよー!」
ロビィも私に手を振る。
エマが急いで扉をあける。
ニーナは私の後ろで本を持ってくれていた。
図書館を出て廊下を歩く。
「演習していたんですね!私が来たときはもう皆さん帰られてる途中で、見られなかったですけど…」
エマが言いながら歩く。
「残念だったわね。」
ニーナが言うと同時に渡り廊下の所に誰が居るのが見えた。
まだ遠くて誰かわならない
歩くスピードを落とし誰かを確認する。
後ろ姿だけど何となく分かった。
“あれは…マルセル殿下?
と、誰か居る。”
、
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