20 / 24
王立魔術院編
第20話
しおりを挟む
翌日は王立魔術院の演習場での実際に魔法や体を動かしてのテストだった
ちなみにドルトスさんは結局古巣から帰ってこないらしい
2人ともお願いだから責めるような目で見ないで欲しい
ついでにミシュリーさんは何故か誇らしげなのは何でですかね?
テスト結果から言えば、文字通り人間辞めましたレベルだった
この姿になる前に魔法的には初級魔法しか使えなかったし、一度に込められる魔力も少なかったから属性魔法の威力だけ見ると低かった
それが込められる魔力も増えたお陰で、初級魔法の威力を大幅に超えて中級クラスまで威力が出ていた
魔法に関しては下手すると施設に被害が出そうなので終了、純粋な身体能力のテストに移った
予想はしていたけど、この体のポテンシャルは凄かった
まずは走りについて
やはりこの足の形は走るのに向いているようで、軽く流した程度でもかなりのスピードで走る事が出来た
王立魔術院の演習場はかなり広く、壁沿いを1周すると約1kmほど
軽く流して走って約4分ほど
頑張って2分少々で回れてしまった
ちなみに10周ほど走ったけれどそんなに疲れてないので、持久力も申し分なし
この次点で変な笑いが込み上げてきた
身体強化使えば1周1分切れるんじゃ無いかな?
ジャンプ力も軽い垂直跳びで7~8m、助走を付ければ15mは軽く跳べる
今まで重く感じた重量も、軽々持つ事も出来た
昼休憩の時には、ホントに化け物になったんだなぁとしみじみ思い返してしまったよ
このからだとは出来るだけ短い付き合いでありたいんだけど……
午後からは武具の合わせだ
ミネアさんから冒険者も愛用する者が多い丈夫な生地で作られた服が届いたので早速着替えて演習場に戻ると、入り口付近に10点ほどの剣やメイスが並べられていた
その中の一本はとにかく異彩を放っていた
それは剣というにはあまりにも大きすぎた
ってコレ作ったヤツ絶対に転生者だろ!
しかも日本人の!
アホか!
こんなロマン武器使える人間居るわけ無いだろ!
俺は大好きだけどな!!
「おう、ソイツが気になるか?見る目があるな」
脳内で全力で突っ込みを入れていると、鉢巻きをしたスキンヘッドの筋肉隆々のおっさんに話しかけられた
「貴方は?」
「俺か?俺は魔術院で鍛冶関係を束ねてるアストナーって者だ、よろしくな
竜の兄ちゃん」
「ランディです、よろしくお願いします」
人懐っこい笑顔で握手を求められたので握手に応じる
「話は大体聞いてる。竜の兄ちゃんの使ってた装備は見せて貰った。貴族の見栄なんて無い、実用性重視の玄人好みの良いセンスしてるぜ、それを元にこっちで装備を用意させて貰ったから安心してくれ」
人の時に使っていた装備一式を渡して今の体に合わせて作り直して貰っていたのが間に合ったようだ
店売りの普通の皮鎧一式に急所になる部分を鉄で補強して、裏側に魔方陣を刻印して柔軟性を失わずに堅くして重量の軽減を施した物に、楕円形のバックラーに片手長剣が自分のスタイルだった
金属鎧でガチガチに固めてってスタイルも嫌いじゃ無いけれど自分には合ってなかった
「それじゃまずは防具からだ」
そう言われて用意されていた防具を身につけていく
残念ながら体格だけじゃ無く、物理的に体型が変わったので新調になった
ミネアさんから採寸情報が送られていたので 一般的な皮鎧一式を元に改造したそうで、作業自体はそれほど難しい物では無かったらしい
そうは言っても微調整は必要で、先ほどから言われたとおり動いて調整してを繰り返しているけど、それも30分ほどで終了した
「さてお次は武器だ、とにかく丈夫なのってリクエストだったから幾つか見繕ってきたぞ。なんだったらさっき見入っていた秘蔵の一品でもいいぞ」
「ははは、それは後に取っておきますよ」
最初に手にしたのは前からの愛刀である片手長剣
フォーンツ家と取引のあった鍛冶工房の物で、自分でお金を稼いで貯めて、数打ちの剣の中でも吟味して購入した思い出の品だ
もちろん魔方陣を刻んで強化してある
剣を構え普段練習していた型をこなす
身体能力が上がったお陰で振り回される事は無いけれど、縮んだ体には長すぎるし、何より全力で振ったら壊れるのが判ってしまった
いずれ買い変えなければならないとは判っていたけれど、思い入れのある剣だっただけに残念だった
用意されていた剣を幾つか試した結果、ショートソードを使っていく事にしたけれど、今ある中では強度に不安があるので1本打って貰う事になった
オーダー品の剣なんていったい幾らかかるんだろうと悩んでいたら、それは研究費から出るとアストナーさんに豪快に笑われた
なんでも堅くしなやかな剣を作る名目なそうな
結局デライズ様との模擬戦用の武器は、メイスを選んだ
理由は簡単、長さもちょうど良いし、今ある中では一番強度があったから
後は日が暮れるまでひたすら稽古に励んで新しい武具を馴染ませていった
ちなみにアストナーさんたっての希望で、でっかい剣を持ってみる事に
両手で持ち上げる事も出来たし、なんとか振り回す事も出来た
その姿を見て、研究班の2人は呆れ顔、ミシュリーさんは相変わらずニコニコ、アストナーさんは興奮しっぱなしだった
剣の柄近くに、名が小さく目だたないよう刻まれているのに気がついた
そこには『ザンカントウ』と刻まれていた
やっぱりコレ作ったの日本人だろ!!
ちなみにドルトスさんは結局古巣から帰ってこないらしい
2人ともお願いだから責めるような目で見ないで欲しい
ついでにミシュリーさんは何故か誇らしげなのは何でですかね?
テスト結果から言えば、文字通り人間辞めましたレベルだった
この姿になる前に魔法的には初級魔法しか使えなかったし、一度に込められる魔力も少なかったから属性魔法の威力だけ見ると低かった
それが込められる魔力も増えたお陰で、初級魔法の威力を大幅に超えて中級クラスまで威力が出ていた
魔法に関しては下手すると施設に被害が出そうなので終了、純粋な身体能力のテストに移った
予想はしていたけど、この体のポテンシャルは凄かった
まずは走りについて
やはりこの足の形は走るのに向いているようで、軽く流した程度でもかなりのスピードで走る事が出来た
王立魔術院の演習場はかなり広く、壁沿いを1周すると約1kmほど
軽く流して走って約4分ほど
頑張って2分少々で回れてしまった
ちなみに10周ほど走ったけれどそんなに疲れてないので、持久力も申し分なし
この次点で変な笑いが込み上げてきた
身体強化使えば1周1分切れるんじゃ無いかな?
ジャンプ力も軽い垂直跳びで7~8m、助走を付ければ15mは軽く跳べる
今まで重く感じた重量も、軽々持つ事も出来た
昼休憩の時には、ホントに化け物になったんだなぁとしみじみ思い返してしまったよ
このからだとは出来るだけ短い付き合いでありたいんだけど……
午後からは武具の合わせだ
ミネアさんから冒険者も愛用する者が多い丈夫な生地で作られた服が届いたので早速着替えて演習場に戻ると、入り口付近に10点ほどの剣やメイスが並べられていた
その中の一本はとにかく異彩を放っていた
それは剣というにはあまりにも大きすぎた
ってコレ作ったヤツ絶対に転生者だろ!
しかも日本人の!
アホか!
こんなロマン武器使える人間居るわけ無いだろ!
俺は大好きだけどな!!
「おう、ソイツが気になるか?見る目があるな」
脳内で全力で突っ込みを入れていると、鉢巻きをしたスキンヘッドの筋肉隆々のおっさんに話しかけられた
「貴方は?」
「俺か?俺は魔術院で鍛冶関係を束ねてるアストナーって者だ、よろしくな
竜の兄ちゃん」
「ランディです、よろしくお願いします」
人懐っこい笑顔で握手を求められたので握手に応じる
「話は大体聞いてる。竜の兄ちゃんの使ってた装備は見せて貰った。貴族の見栄なんて無い、実用性重視の玄人好みの良いセンスしてるぜ、それを元にこっちで装備を用意させて貰ったから安心してくれ」
人の時に使っていた装備一式を渡して今の体に合わせて作り直して貰っていたのが間に合ったようだ
店売りの普通の皮鎧一式に急所になる部分を鉄で補強して、裏側に魔方陣を刻印して柔軟性を失わずに堅くして重量の軽減を施した物に、楕円形のバックラーに片手長剣が自分のスタイルだった
金属鎧でガチガチに固めてってスタイルも嫌いじゃ無いけれど自分には合ってなかった
「それじゃまずは防具からだ」
そう言われて用意されていた防具を身につけていく
残念ながら体格だけじゃ無く、物理的に体型が変わったので新調になった
ミネアさんから採寸情報が送られていたので 一般的な皮鎧一式を元に改造したそうで、作業自体はそれほど難しい物では無かったらしい
そうは言っても微調整は必要で、先ほどから言われたとおり動いて調整してを繰り返しているけど、それも30分ほどで終了した
「さてお次は武器だ、とにかく丈夫なのってリクエストだったから幾つか見繕ってきたぞ。なんだったらさっき見入っていた秘蔵の一品でもいいぞ」
「ははは、それは後に取っておきますよ」
最初に手にしたのは前からの愛刀である片手長剣
フォーンツ家と取引のあった鍛冶工房の物で、自分でお金を稼いで貯めて、数打ちの剣の中でも吟味して購入した思い出の品だ
もちろん魔方陣を刻んで強化してある
剣を構え普段練習していた型をこなす
身体能力が上がったお陰で振り回される事は無いけれど、縮んだ体には長すぎるし、何より全力で振ったら壊れるのが判ってしまった
いずれ買い変えなければならないとは判っていたけれど、思い入れのある剣だっただけに残念だった
用意されていた剣を幾つか試した結果、ショートソードを使っていく事にしたけれど、今ある中では強度に不安があるので1本打って貰う事になった
オーダー品の剣なんていったい幾らかかるんだろうと悩んでいたら、それは研究費から出るとアストナーさんに豪快に笑われた
なんでも堅くしなやかな剣を作る名目なそうな
結局デライズ様との模擬戦用の武器は、メイスを選んだ
理由は簡単、長さもちょうど良いし、今ある中では一番強度があったから
後は日が暮れるまでひたすら稽古に励んで新しい武具を馴染ませていった
ちなみにアストナーさんたっての希望で、でっかい剣を持ってみる事に
両手で持ち上げる事も出来たし、なんとか振り回す事も出来た
その姿を見て、研究班の2人は呆れ顔、ミシュリーさんは相変わらずニコニコ、アストナーさんは興奮しっぱなしだった
剣の柄近くに、名が小さく目だたないよう刻まれているのに気がついた
そこには『ザンカントウ』と刻まれていた
やっぱりコレ作ったの日本人だろ!!
0
お気に入りに追加
5
あなたにおすすめの小説
最愛の側妃だけを愛する旦那様、あなたの愛は要りません
abang
恋愛
私の旦那様は七人の側妃を持つ、巷でも噂の好色王。
後宮はいつでも女の戦いが絶えない。
安心して眠ることもできない後宮に、他の妃の所にばかり通う皇帝である夫。
「どうして、この人を愛していたのかしら?」
ずっと静観していた皇后の心は冷めてしまいう。
それなのに皇帝は急に皇后に興味を向けて……!?
「あの人に興味はありません。勝手になさい!」
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
いじめられ続けた挙げ句、三回も婚約破棄された悪役令嬢は微笑みながら言った「女神の顔も三度まで」と
鳳ナナ
恋愛
伯爵令嬢アムネジアはいじめられていた。
令嬢から。子息から。婚約者の王子から。
それでも彼女はただ微笑を浮かべて、一切の抵抗をしなかった。
そんなある日、三回目の婚約破棄を宣言されたアムネジアは、閉じていた目を見開いて言った。
「――女神の顔も三度まで、という言葉をご存知ですか?」
その言葉を皮切りに、ついにアムネジアは本性を現し、夜会は女達の修羅場と化した。
「ああ、気持ち悪い」
「お黙りなさい! この泥棒猫が!」
「言いましたよね? 助けてやる代わりに、友達料金を払えって」
飛び交う罵倒に乱れ飛ぶワイングラス。
謀略渦巻く宮廷の中で、咲き誇るは一輪の悪の華。
――出てくる令嬢、全員悪人。
※小説家になろう様でも掲載しております。
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
政略より愛を選んだ結婚。~後悔は十年後にやってきた。~
つくも茄子
恋愛
幼い頃からの婚約者であった侯爵令嬢との婚約を解消して、学生時代からの恋人と結婚した王太子殿下。
政略よりも愛を選んだ生活は思っていたのとは違っていた。「お幸せに」と微笑んだ元婚約者。結婚によって去っていた側近達。愛する妻の妃教育がままならない中での出産。世継ぎの王子の誕生を望んだものの産まれたのは王女だった。妻に瓜二つの娘は可愛い。無邪気な娘は欲望のままに動く。断罪の時、全てが明らかになった。王太子の思い描いていた未来は元から無かったものだった。後悔は続く。どこから間違っていたのか。
他サイトにも公開中。
【完結】悪役令嬢に転生したけど、王太子妃にならない方が幸せじゃない?
みちこ
ファンタジー
12歳の時に前世の記憶を思い出し、自分が悪役令嬢なのに気が付いた主人公。
ずっと王太子に片思いしていて、将来は王太子妃になることしか頭になかった主人公だけど、前世の記憶を思い出したことで、王太子の何が良かったのか疑問に思うようになる
色々としがらみがある王太子妃になるより、このまま公爵家の娘として暮らす方が幸せだと気が付く
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる