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2 従業員確保
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旅館の準備が着々と進んでいくある日のことーーー暁斗は近くの大きめの街まで足を運んでいた。
知り合いが多いのであまり目立たないようにフードを被って変装をしているがーーー見る人が見れば一発で暁斗だと分かるそれに自信を持って暁斗が向かう先は、奴隷市場だ。あまり、治安が良くない場所だと、奴隷の質も悪いが・・・この世界の奴隷というのは比較的悪くない扱いをされているので、暁斗としても、手っ取り早く人員を増やすにはもってこいなのだ。
しばらく暁斗が奴隷を見て回っていると、厳つい顔をした大柄の男が親しげに話しかけてきた。
「おや・・・久しぶりですな旦那」
「旦那はよしてくれよジェイク」
知り合いの奴隷市場の主の一人であるジェイクはその厳つい顔に似合わず気さくな様子で暁斗に言った。
「本日は何をお求めで?」
「可愛い娘がいれば欲しいんだけどーーーって、どうしたの?」
暁斗の言葉にニヤニヤした表情を浮かべたジェイクに不思議そうに首を傾げる暁斗。そんな暁斗にジェイクはわかったような表情で言った。
「いやー旦那もいよいよ、可愛い奴隷を調教したくなったのかと嬉しくなりましてね」
「誤解にもほどがあるだろ」
「違うのですかい?」
下世話な想像をしているであろう目の前の知り合いに暁斗は簡単に事情を説明すると、納得したようにジェイクは頷いた。
「つまり、その宿屋の人手で可愛い娘が欲しいと?」
「ああ。どうせ接客されるなら、むさい男よりも可愛い娘の方がいいだろ?」
「違いない。それで旦那・・・その宿屋はいくらでヤラせてくれるサービスなんですかい?」
訂正ーーー何もわかっていなかった。いかがわしい店と勘違いするジェイクを何度か熱弁してから納得してもらってからジェイクは少し視線をさ迷わせてから言った。
「とりあえず、今いるのは何人か可愛いのはいますが・・・見てみますか?」
「ああ。頼む」
そうして案内されたのは奴隷の牢屋ーーー奴隷は1日中そこにいるのではなく、客がいる間のみその牢屋に入っているので見せ物小屋のような場所だが、そこには何人かの美少女がならんでいた。
「うちで一番可愛いのはこの辺ですが・・・どうですかい?」
「うーん・・・確かに可愛いけど・・・」
「しっくりこないですかい?」
それに頷く暁斗。確かに美少女ばかりだが・・・皆、接客に不向きなきつめの表情の美少女ばかりなので、イメージとは違ったのだ。
しばらく眺めるがーーーなかなか条件に当てはまる人材は見つからず、暁斗はため息をついた。
「やっぱり、地道に募集するしかないか・・・他にはいないのか?」
「あとは・・・一応、いるにはいるのですが・・・その・・・」
「どうかしたの?」
「いえ・・・かなりどんくさい奴でして、旦那の要望に合うかどうか微妙でして。顔は悪くないのに何の能もなく、トロイので買った客に返品されまくりの曰く付きですが・・・見ますかい?」
何やら訳あり物件のようだが、一応見てみるだけみようと頷く暁斗。
連れていかれたのは、一番隅の小屋で、そこは人通りがまるでなく、閑散としていた。
そんな牢の中に少女はいた。
銀色の髪と狐の耳が特徴的な美少女ーーー彼女を見て暁斗は一目で即決した。
「ジェイク。この子をくれ」
「正気ですかい旦那・・・獣人ですぜ?」
「だからこそだよ」
この世界では、獣人は煙たがられる。人間でも獣でもない中途半端な異形の存在ーーーそれが獣人だが、暁斗としてはそんなことよりも彼女のおっとりした顔に視線がいっていた。
それに・・・ケモミミ好きな暁斗としては、一人は獣人を雇うと決めていたので、個人的な好みでもあったのだ。
戸惑うジェイクに構わず、暁斗は牢屋に近づくと少女に視線をあわせて聞いた。
「ねぇ・・・君の名前は?」
いきなりそう聞かれて戸惑ったような表情を浮かべる少女は、少しおどおどしながらそれに答えた。
「あ、アリス・・・です・・・」
「アリスか・・・うん。じゃあ、アリス・・・今日から俺と一緒にいてくれるか?」
「あの・・・私を買ってくれるのですか?」
驚いたようにそう聞いてくるアリスに暁斗はニッコリと笑って答えた。
「一目で気に入ったからね。今日から俺と一緒にいてくれ」
「・・・!?あ、あの・・・それって・・・」
何やら告白めいた台詞だが間違いではないので、特に訂正せずにそう言うとしばらくしてから少女は控えめに頷いた。
「その・・・どんくさいですが・・・よろしくお願いします・・・」
「よろしくアリス!」
ニッコリと優しく微笑んだ暁斗にアリスは少し頬を赤くしていたのはご愛嬌だろう。
知り合いが多いのであまり目立たないようにフードを被って変装をしているがーーー見る人が見れば一発で暁斗だと分かるそれに自信を持って暁斗が向かう先は、奴隷市場だ。あまり、治安が良くない場所だと、奴隷の質も悪いが・・・この世界の奴隷というのは比較的悪くない扱いをされているので、暁斗としても、手っ取り早く人員を増やすにはもってこいなのだ。
しばらく暁斗が奴隷を見て回っていると、厳つい顔をした大柄の男が親しげに話しかけてきた。
「おや・・・久しぶりですな旦那」
「旦那はよしてくれよジェイク」
知り合いの奴隷市場の主の一人であるジェイクはその厳つい顔に似合わず気さくな様子で暁斗に言った。
「本日は何をお求めで?」
「可愛い娘がいれば欲しいんだけどーーーって、どうしたの?」
暁斗の言葉にニヤニヤした表情を浮かべたジェイクに不思議そうに首を傾げる暁斗。そんな暁斗にジェイクはわかったような表情で言った。
「いやー旦那もいよいよ、可愛い奴隷を調教したくなったのかと嬉しくなりましてね」
「誤解にもほどがあるだろ」
「違うのですかい?」
下世話な想像をしているであろう目の前の知り合いに暁斗は簡単に事情を説明すると、納得したようにジェイクは頷いた。
「つまり、その宿屋の人手で可愛い娘が欲しいと?」
「ああ。どうせ接客されるなら、むさい男よりも可愛い娘の方がいいだろ?」
「違いない。それで旦那・・・その宿屋はいくらでヤラせてくれるサービスなんですかい?」
訂正ーーー何もわかっていなかった。いかがわしい店と勘違いするジェイクを何度か熱弁してから納得してもらってからジェイクは少し視線をさ迷わせてから言った。
「とりあえず、今いるのは何人か可愛いのはいますが・・・見てみますか?」
「ああ。頼む」
そうして案内されたのは奴隷の牢屋ーーー奴隷は1日中そこにいるのではなく、客がいる間のみその牢屋に入っているので見せ物小屋のような場所だが、そこには何人かの美少女がならんでいた。
「うちで一番可愛いのはこの辺ですが・・・どうですかい?」
「うーん・・・確かに可愛いけど・・・」
「しっくりこないですかい?」
それに頷く暁斗。確かに美少女ばかりだが・・・皆、接客に不向きなきつめの表情の美少女ばかりなので、イメージとは違ったのだ。
しばらく眺めるがーーーなかなか条件に当てはまる人材は見つからず、暁斗はため息をついた。
「やっぱり、地道に募集するしかないか・・・他にはいないのか?」
「あとは・・・一応、いるにはいるのですが・・・その・・・」
「どうかしたの?」
「いえ・・・かなりどんくさい奴でして、旦那の要望に合うかどうか微妙でして。顔は悪くないのに何の能もなく、トロイので買った客に返品されまくりの曰く付きですが・・・見ますかい?」
何やら訳あり物件のようだが、一応見てみるだけみようと頷く暁斗。
連れていかれたのは、一番隅の小屋で、そこは人通りがまるでなく、閑散としていた。
そんな牢の中に少女はいた。
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それに・・・ケモミミ好きな暁斗としては、一人は獣人を雇うと決めていたので、個人的な好みでもあったのだ。
戸惑うジェイクに構わず、暁斗は牢屋に近づくと少女に視線をあわせて聞いた。
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「あ、アリス・・・です・・・」
「アリスか・・・うん。じゃあ、アリス・・・今日から俺と一緒にいてくれるか?」
「あの・・・私を買ってくれるのですか?」
驚いたようにそう聞いてくるアリスに暁斗はニッコリと笑って答えた。
「一目で気に入ったからね。今日から俺と一緒にいてくれ」
「・・・!?あ、あの・・・それって・・・」
何やら告白めいた台詞だが間違いではないので、特に訂正せずにそう言うとしばらくしてから少女は控えめに頷いた。
「その・・・どんくさいですが・・・よろしくお願いします・・・」
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ニッコリと優しく微笑んだ暁斗にアリスは少し頬を赤くしていたのはご愛嬌だろう。
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