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写真部の日常1
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「なあ、純。ナンパしに行かないか?」
放課後、いつものように部室でオセロをやっていると写真部の副部長の水戸部新吾先輩からそんなことを言われた。
「ナンパってなんですか?」
「なっ!?純、お前・・・ナンパを知らないのか!!」
「えっと・・・はい」
正直に分からないと告げると新吾先輩は可哀想なものを見る目でこちらを見てきた。
「そうか・・・よし!俺が今からお前にナンパとは何かを実践を持って教えてーーー」
「させるか!」
新吾先輩が言い切る前にその顔面に見事に拳が入り先輩は勢いよく壁に激突した。
「まったくあのアホは・・・純大丈夫?」
新吾先輩を思いっきり殴った本人ーーーこの部の部長の松崎理恵先輩は心配そうに僕にそう聞いてきた。
「はい。大丈夫ですが・・・そこの壁に埋まってる新吾先輩は大丈夫なんでしょうか?」
特に何かされたわけでもないので素直に答えつつ、さっきの拳の威力からか壁に思いっきりめり込んでる新吾先輩について聞いてみた。
「あー・・・あの馬鹿は放っておいても平気よ」
「そうなんですか」
理恵先輩がそう言うならそうなのだろう。
僕は対戦相手がいなくなってしまったオセロを放置して鞄から読みかけの本を出そうとーーー
「痛いじゃねぇか!暴力女!」
したところで新吾先輩が起きあがった。
凄い。あれだけの威力のパンチを受けて無傷だなんて。
「誰が暴力女よ!この熟女好きが!」
「熟女が好きで何が悪い!お前には分からんのか!あの熟れた女の魅力・・・大人の女が醸し出す雰囲気が!」
「分からないわよ変態が!だいたいあんたが余計なこと純に教えようとしたのが悪いんでしょうが!」
「余計なことじゃない!これはそう・・・保健体育の授業だ!」
「なわけないでしょ!」
いつものように喧嘩する先輩の二人。
最初の頃は少し困ったけど、最近はこれが二人のコミュニケーションなんだと分かったので僕は気にせず読書を始める。
「こんにちは」
二人の喧嘩をBGMに本を読んでいると遅れてきた部員の一人である天王寺結香さんが静かに入ってきて挨拶をした。
「天王寺さん。用事は終わったの?」
天王寺さんとは同じクラスで隣の席なのでいつもは一緒に部活に行くのだけど・・・今日は何やら用事があると言って遅れてきたのだ。
「ええ。ところで純くん・・・部活では私のことは結香と呼んでくださいと何度もお願いしておりますのに・・・」
「あ、ごめん。教室での慣れがつい・・・」
「でしたら普段から呼んでいただいても構いませんのよ?」
「それはちょっと・・・」
昔クラスメイトを名前で呼んでたらからかわれたからあまり人前では名前呼びはしたくないのだけど・・・
「連れないですね・・・まあ、いいですわ」
にっこりと笑ってから部室での定番のポジションである僕の隣の席に腰を下ろす結香さん。
「あら・・・オセロをやっていたのですか?」
「ん?ああ、さっき新吾先輩とね」
そういえば喧嘩してるから放置したままだった。
「邪魔ならどかすけど・・・」
「大丈夫ですわ。それよりも・・・」
そう言って顔を近づけてくる結香さん。
男相手に無謀すぎないかな?
「な、何?」
「純くん・・・シャンプー変えましたか?」
「分かるの?凄いね・・・うん、そうだよ。前に結香さんが教えてくれたシャンプーにしてみたんだけど・・・」
「そうですか・・・素敵な香りですね。ところで純くんは香水とか詳しいですか?」
「香水?ごめんよく知らないや・・・」
僕の言葉に結香さんはふむふむと頷いた後で少し外すと言って部室を出ていった。
「おい。あれはまた何かするつもりだぞ?」
「あぁ・・・純も気づかずに結香好みにされていってるね・・・」
「シャンプーとか細かいな・・・そろそろ部屋のベッドの柄まで指定されそうだよな」
「流石にそれは・・・まあ、結香が犯罪に走らないように見張る必要はあるかもだけど・・・」
いつの間にか喧嘩をやめていた二人は何やら小声で相談しているようだけど・・・本当に仲がいいね。
そうこうしてると結香さんが戻ってきて隣に座る。
こうして今日も部活が始まる。
放課後、いつものように部室でオセロをやっていると写真部の副部長の水戸部新吾先輩からそんなことを言われた。
「ナンパってなんですか?」
「なっ!?純、お前・・・ナンパを知らないのか!!」
「えっと・・・はい」
正直に分からないと告げると新吾先輩は可哀想なものを見る目でこちらを見てきた。
「そうか・・・よし!俺が今からお前にナンパとは何かを実践を持って教えてーーー」
「させるか!」
新吾先輩が言い切る前にその顔面に見事に拳が入り先輩は勢いよく壁に激突した。
「まったくあのアホは・・・純大丈夫?」
新吾先輩を思いっきり殴った本人ーーーこの部の部長の松崎理恵先輩は心配そうに僕にそう聞いてきた。
「はい。大丈夫ですが・・・そこの壁に埋まってる新吾先輩は大丈夫なんでしょうか?」
特に何かされたわけでもないので素直に答えつつ、さっきの拳の威力からか壁に思いっきりめり込んでる新吾先輩について聞いてみた。
「あー・・・あの馬鹿は放っておいても平気よ」
「そうなんですか」
理恵先輩がそう言うならそうなのだろう。
僕は対戦相手がいなくなってしまったオセロを放置して鞄から読みかけの本を出そうとーーー
「痛いじゃねぇか!暴力女!」
したところで新吾先輩が起きあがった。
凄い。あれだけの威力のパンチを受けて無傷だなんて。
「誰が暴力女よ!この熟女好きが!」
「熟女が好きで何が悪い!お前には分からんのか!あの熟れた女の魅力・・・大人の女が醸し出す雰囲気が!」
「分からないわよ変態が!だいたいあんたが余計なこと純に教えようとしたのが悪いんでしょうが!」
「余計なことじゃない!これはそう・・・保健体育の授業だ!」
「なわけないでしょ!」
いつものように喧嘩する先輩の二人。
最初の頃は少し困ったけど、最近はこれが二人のコミュニケーションなんだと分かったので僕は気にせず読書を始める。
「こんにちは」
二人の喧嘩をBGMに本を読んでいると遅れてきた部員の一人である天王寺結香さんが静かに入ってきて挨拶をした。
「天王寺さん。用事は終わったの?」
天王寺さんとは同じクラスで隣の席なのでいつもは一緒に部活に行くのだけど・・・今日は何やら用事があると言って遅れてきたのだ。
「ええ。ところで純くん・・・部活では私のことは結香と呼んでくださいと何度もお願いしておりますのに・・・」
「あ、ごめん。教室での慣れがつい・・・」
「でしたら普段から呼んでいただいても構いませんのよ?」
「それはちょっと・・・」
昔クラスメイトを名前で呼んでたらからかわれたからあまり人前では名前呼びはしたくないのだけど・・・
「連れないですね・・・まあ、いいですわ」
にっこりと笑ってから部室での定番のポジションである僕の隣の席に腰を下ろす結香さん。
「あら・・・オセロをやっていたのですか?」
「ん?ああ、さっき新吾先輩とね」
そういえば喧嘩してるから放置したままだった。
「邪魔ならどかすけど・・・」
「大丈夫ですわ。それよりも・・・」
そう言って顔を近づけてくる結香さん。
男相手に無謀すぎないかな?
「な、何?」
「純くん・・・シャンプー変えましたか?」
「分かるの?凄いね・・・うん、そうだよ。前に結香さんが教えてくれたシャンプーにしてみたんだけど・・・」
「そうですか・・・素敵な香りですね。ところで純くんは香水とか詳しいですか?」
「香水?ごめんよく知らないや・・・」
僕の言葉に結香さんはふむふむと頷いた後で少し外すと言って部室を出ていった。
「おい。あれはまた何かするつもりだぞ?」
「あぁ・・・純も気づかずに結香好みにされていってるね・・・」
「シャンプーとか細かいな・・・そろそろ部屋のベッドの柄まで指定されそうだよな」
「流石にそれは・・・まあ、結香が犯罪に走らないように見張る必要はあるかもだけど・・・」
いつの間にか喧嘩をやめていた二人は何やら小声で相談しているようだけど・・・本当に仲がいいね。
そうこうしてると結香さんが戻ってきて隣に座る。
こうして今日も部活が始まる。
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