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「さて、アーサー。呼び出した訳はわかるな?」
「ええ、勿論です父上」

そうカッコよく返すけど··········婚約破棄未遂の件だよね?間違ってたら恥ずかしいなぁ·······

「実はあの後あの女を調べたが········訳のわからない戯言ばかり並べてな。お前に心当たりはないか?」
「そうですね·······錯乱してるので精神に異常があるのでは?」

流石に異世界転生とか、乙女ゲームとか言ったら本気で検査を勧められそうだしね。何よりも電波ヒロイン様が予想より電波なのにびっくりだ。まあ、思い込みが激しいのだろう。

「ふむ、まあそれはよい。ところでアーサーよ。いや、貴様は本当にアーサーなのか?」
「·······父上にはそう見えませんか?」
「近頃のお前の行動全てが演技とは思えなくてな。あるいは影武者かと思ったが·······」

これは親の勘なのか?でも、話しても信じて貰えそうにないし、それにアーサーさんの本体乗っ取ったのには変わりないからなぁ。

「私はアーサーですよ。ただ、父上が知ってるアーサーとは違うかもしれませんが」
「········まあ、いい。成長したと考えることにしよう。それに偽物だろが、この国のためになるなら何も言うまい」
「ありがとうございます」

乗り切った······いや、見逃して貰えたのかな?

「それでだ、アーサー。何やら色々動いてるようだが、クレア嬢との結婚は少し待て」
「·······それは国王としてのご命令ですか?」
「そうだな、そういうことにしよう」
「納得しかねますが、まずは理由をお聞きしましょう」

意図が読めずにそう聞くと父上は頷いて言った。

「お前の即位と共に結婚はした方がよかろう。その為の準備期間が必要だと判断したのだ」
「·······そうすると、私は今すぐ父上を王座から引きずり下ろしますがよろしいですか?」
「やはりそうなるか」

面白そうに頷く父上。ここまでは予想通りってことか。

「だから、お前に命じる。クレア嬢と共にフォルクスに迎え。そこでの成果次第でお前を王位につけるかどうかを判断する」
「フォルクスですか。確かあそこは少し前に没落した貴族の領地でかなり辺境ですよね?左遷という意味合いに取れますが」
「なあに、お前はどうやら”未知”の知識を得たようだしな。そこで色々試す傍らクレア嬢との仲を深めるといい」

········この人やっぱり転生に勘づいてる?しかし辺境の地でチートしてこいとはなぁ······まあ、クレアと離れ離れでないのは有難いけど。

「今すぐはお受け出来かねます。クレアの了承を得てからでないと」
「まあ、そうだろうな。私はあくまで玉座への最短を示しただけだ。後は好きにするといい」

意地悪な言い方だが······とにかく、クレアと話さないとね。



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みんなの感想(2件)

きりか
2020.03.29 きりか

なんて面白い~~!!!
クレアたん、可愛い………。更新を、ありがとうございますm(__)m
強制的に家族で引きこもり生活を続け、疲れ気味のところを潤いを与えていただく作品!
本当に、ありがたいです❤️

次の更新を、楽しみにお待ちしております♪

yui
2020.03.29 yui

ご感想ありがとうございます♪
そう言って頂けて嬉しいですぅ(´;ω;`)
皆さんの少しでも潤いになるように甘々でいきます(`・ ω・´)ゞビシッ!!

解除
蓮
2020.03.28

ヒーロー、かっこぇぇ‼️
今後の展開が楽しみです❤️
更新を楽しみにお待ちしてしてまーす✨

yui
2020.03.29 yui

ご感想ありがとうございます♪
そう言って頂けて嬉しいですぅ(´;ω;`)
ガンガン甘くしていきますよぅ( - ̀ω -́ )✧

解除

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