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本編後
僕の年上の奥さん
しおりを挟む「か~のんちゃ~ん可愛いですね~」
語尾に♪が付いているような錯覚を覚える。
ちなみにこの場所は学校で。
更に言うと高校の進路指導室と言う室内で。
かのん(花音)ちゃんと言われている小さな赤ん坊の女の子は、来年の春に高校を卒業する湯川久仁彦の実の娘だ。
産んだのは僕と同居している阿久津帆貴さん。
僕の母親の元彼氏だったが、人の良い彼は僕の生みの親である母親に騙されて都合の良い金蔓とされ、本命で某会社のお金持ちの社長である新しい彼氏をゲットした途端、何も言わずに学校へ行っている間に僕を捨てていった。
しかも阿久津帆貴さんの住んでいた部屋を滅茶苦茶にして。
我が母の恩を仇にして返す非道っぷりに呆れ返り、呆然としていた時に部屋の主である帆貴さんが帰宅した際、気が動転していた僕はただただ申し訳なくて謝ることしか出来なかった。
その時に気が付いた。
この人が僕の『運命の番』であると。
一騒動があった後、いや、運命の番であると言いつつ彼の優しさに付け入る様なことになってしまったが何とか側に居ることが出来、帆貴さんと出会ってから最初のヒートの時にかなり警戒されたが何とか同意を得ることが出来た。
出来たら出来たで二人して一気にタガが外れ、帆貴さんのヒートが収まるまで丸3日。軽い食事とか風呂にトイレ以外、部屋から一歩も出ない状態で抱き潰してしまった。
結果、愛娘が出来てしまったのである。
お陰で帆貴さんには「学校卒業したら婚姻届を出そうな」と言われ、高校を中退して働きに出ようとしていた僕に「言っとくけど、俺お金あるから。高校中退したら結婚は無しにするからな?」と言われ、「ホレ」と帆貴さんが今まで稼いで来た金額が記載されている貯金通帳を見せられて驚いた。
桁。
桁が…8桁。
他の信用金庫や別の銀行の通帳なども同じく数字の桁がかなりある通帳を見せられ、「爺さんの管理していたマンションとかアパートとかの不動産があるから心配するな」と言われ、「そんなことより人間、衣食住!生きていく上でとても大事!旦那は俺に美味しいご飯と掃除が行き届いた住心地がいい部屋、それから綺麗に洗濯された衣服の提供を求む!」等と懇願されてしまった。
気分は家政婦件身体の関係がある…うーんなんだろう?
居候?同居人??それとも愛…いや、恋人だよな。
帆貴さんは僕のこと「旦那」と言ってくれるけど、未成年者で学生の僕はまだまだ子供。身長は帆貴さんを追い抜いているけどそれだけ。顔だって幼さが完全には抜け切っていない。
とても残念な状態。
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