今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】

柚ノ木 碧/柚木 彗

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6章 今日も隣国はゴタゴタしておりますが、隣国だと乙女ゲームの舞台を鑑賞させて頂けないので萎えています。

番外 隣家の小さな御令嬢

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 前ガルニエ伯爵のご当主様。私が生まれる前に亡くなり、長いこと人が居なかった空き家状態の伯爵家に人が入りました。


 前ガルニエ伯爵様は、我が屋敷に居る執事が言うことには貴族としては少し風変わりな方だったと言う。
 生前から自身の血筋の者は開拓のために遠い地に向かってしまった、今も元気にしているだろうか?と口にしつつ、会うことは諦めていた。
 それは年齢のためか、それとも何か理由があったのでしょうか。
 隣接した我が家の執事に暇になると御茶においでと誘い、最後に会った遠縁の人々の思い出話を優しげな眼差しを浮かべながら語らい、伯爵家の使用人達と共に同じ席について御茶をしていたと言う。

 伯爵家のご当主が使用人達と同じ席について御茶だなんて、本来ならば宜しくは無いのだろうけど。
 私はほんの少しだけ羨ましく思っていた。


 ※


 初めまして、私ガルニエ伯爵邸の横に昔から館を構えているとある子爵家の御令嬢ですわ。
 年齢はガルニエ伯爵邸に住んでいらっしゃるお嬢様、オルブロン様と同い年で8歳となります。
 そのオルブロン様、ええと…確かつい最近自身のお兄様でいらっしゃる、伯爵家ご当主のジーニアス様へ養女とな、なり…おなり?なり申した?うん?あらら?

 …。
 すいません私、社交界等の事柄をお勉強中でして、貴族のお嬢様としての言い方が慣れませんの。
 それでも高位貴族では無く下位貴族である子爵家ですのでまだマシと言えるでしょう。

 と、王都に来てから私に付いた家庭教師が言っておりました。

 何でも家庭教師の言うことには、王都の高位貴族の御令嬢は3~4歳辺りから家庭教師が付いておられる方が多いのだとか。それを聞いた瞬間、思わず「うはぁ」と項垂れてしまいましたら、家庭教師に目の前で盛大に溜息を吐かれてしまいました。
 どうせ田舎者の子爵家ですよ、チクショウ。

 あら、私ってばつい本音が。


 王都ではガルニエ伯爵邸の横ですが、家の大きさも規模も違いますし爵位も違います。
 おまけに、私つい最近まで領地でとてものびのびと過ごしておりました。

 私のことは良いのです。
 それよりも大事なことがあります。


 ちょっと聞いて!お隣の伯爵家ご当主様が今王都で話題のジーニアス・アルセーヌ・ガルニエ様だなんて!!


 …はっ!


 私としたことがはしたない。
 そうして、私確かに最初のうちははしゃいで居たのですよ?
 ええ、最初のうちは、ですが。

 そりゃあ今もはしゃいで居ますけどね?
 何せ顔面偏差値が高すぎる人が隣の家って浮足立つでしょう?例え全く関心など向けられない子供の私でも。ついでに言うと、我が家の使用人達…メイドどころか何故か男性陣もソワソワしておりますが。それはきっと王都でおこった事柄から英雄となったジーニアス様に憧れていらっしゃるからでしょう、ええ、きっとそうね!

 ふふ、私知っているのです。
 何が、ですか?
 それはねー…隣の伯爵家にはなんとぉ!


 この国の王位継承権を持つ、第二王子様が来るのです!

 いやいやいやいや、何故!?とか思ってしまいましたよ。理由はよく知らないのですが、恐らくジーニアス様の妹君が関係していらっしゃるのかしら?
 私、初めて隣の伯爵家に第二王子であられるユウナレスカ様が来られた時、思わずガン見してしまいましたよ。ええ。勿論門の影からこっそりです。
 子供ってこういう時便利なのですよ?身長が低いから物陰に入り込むと意外と気が付かれないのです。ふっふっふ…。ですからコッソリと覗かせて頂きました。最高ですわ、うふふふ。

 そうしてですね、ガルニエ伯爵様の妹様。
 なんと、なんとぉお!
 騎士団長の嫡男。
 魔法大臣の嫡男。
 その両名がいらしている!!

 え、どういうこと?
 ガルニエ伯爵家の妹君って確かオルブロン様の上のお姉様で、えーと…レッティーナ様だよね?13歳と聞いたから、学園はまだ通っていない年齢の筈。
 とか何とか思っていたら、あれぇ???
 ガルニエ伯爵家の庭にちっちゃな女の子?幼児?え、ジーニアス様お子様いたの???

 ショックを受けていたら、我が家の執事が呆れながら、「あのお嬢様はジーニアス様の妹君様である、デュシー様のお嬢様ですよ」と。

 ふぉぉ、それって、それって…!
 お茶会でちょっと前に話題に登っていた、複雑な事情の人ですよね?

 これ以上は言いませんって顔をして執事がスッと例をして問答無用で私の前から去って行っちゃいましたけど、これってまぁ子供である私には言いたくないことと言うことよね。
 お、おし、いや、よおーし、私見なかった事に致します。いえ、聞かなかったことで良いのかしら。うん、あのちっちゃい子が可愛いで了解致します。察しはつくけど。付きたくはないけど。スルーって大事よね、うんうん。
 側に居た私付きのメイドが微妙な顔付きで此方を見ていますがスルー致しましょう。

 とか思って数日経過していたら。


 何故、何故隣のガルニエ伯爵家に我が国の第一王子様が訪問していらっしゃるのですかー!?

 あの顔面偏差値高得点野郎は第一王子ですよね!?

 第一王子に野郎って言っては駄目と執事に叱られてしまいました。
 つ、つい、その興奮してしまいまして、ほほほ…。
 そんな冷たい眼差しを向けないでよ、我が家の執事よ。私変な性癖は無いから。
 8歳の令嬢が性癖等と発言するものではありませんと再度怒られました。いやーだってーうちのメイド達が隣の伯爵家に鼻血出す変わった性癖のメイドが居るってよく言うからー。
 よく叱っておきますって言われちゃったよ。御免、我が家のメイド。でも君達ちょっと無駄話多すぎだから。良い機会だから叱られなさい。

 さて、本日もこっそりと隣の伯爵家を覗きますか。
 いやー最近ジーニアス様が不在で、ちょっとイケてるかなー?ジーニアス様みたいなキラキラ加減が無くて落ち着くよね。と言う感じのジーニアス様の兄上である、ディラン様を覗くのが楽しい。偶にデュシー様のお子様のティナちゃんを庭で肩車してあげていて、何だかお父様みたい。うん、良い。
うちのお父様が霞むよ。
フツメンだからな…。

 こうして考えると顔面偏差値高得点な人も観察しているだけなら良いけど、ほのぼの系男子のほうが落ち着くなぁ。婚約するならこういう男性が良いかも。
 ま、子爵令嬢だから中々いいお話とか無いけどねー。
 うちそんなにお金無いしー。
 田舎娘だしー。
 がさつだしー。

 く。
 見ていろ!今にイイ男捕まえて…!

 とか思っていたらさ。
 お隣のガルニエ伯爵家の末娘のオルブロン様。
 毎日のようにスッゴイ綺麗な年上の、素晴らしく大人の色気を纏ったイイ男と手を繋いで夕刻帰宅して来るのだけど!お見送りですって、てか、王弟の末息子であるフォーカス様じゃないですかー!
 どういうこと?
 ねぇ、どういうこと?
 思わず側に居た執事に聞いてみたら、「頑張りましょうね、お嬢様」って。

 8歳。
 まさか、小さなおこちゃまである年齢でこの世の無常を悟ってしまいましたわ…。

 お父様誰かいい人見繕って下さい、切実に。



 ※


 作者が諸々年月経ち過ぎて忘れているので無理矢理オサライ←

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◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ とある商店街のお茶屋さん
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360

BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600

NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
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宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)

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