今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】

柚ノ木 碧/柚木 彗

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6章 今日も隣国はゴタゴタしておりますが、隣国だと乙女ゲームの舞台を鑑賞させて頂けないので萎えています。

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 鋭く光ったモノは予想通り、鋭利な刃物。

 襲撃者によってアレクサ様が斬り付けられそうになり、間一髪の所をマリエルさんがアレクサ様の腕を引いてその場から地面へ。
 マリエルさんは即地面を転がって速攻襲撃者に対応すべくいつの間に取り出したのか、ナイフらしきものを手に持ち反撃。

 尻もちを付いたアレクサ様はその光景を呆然と見ていた。

 アレクサ様って何度も狙われているらしいけど、咄嗟の行動が出来ないみたいだよね。
 今も硬直状態でそのまま固まって居るし。って、これって良くないわ。私だって前世の平和な国育ちのままなら咄嗟の行動なんて出来ないし、今だって訓練しているわけじゃないから素早くは出来ない。だけど転生した環境と某鬼神な兄さんと行動を共にして王都まで逃げて来ただけあって、前世よりは無駄に身体が動くし、動体視力がかなり良いような気がする。

 アレクサ様ってもしかして今まで襲撃に対して護衛を置いていた、とかかな。だから今みたいな場面では対応慣れしていないから咄嗟に動けないとかかも?
 逆にマリエルさんやジン様の行動が早いのは、アレクサ様の護衛をしていたのかもしれない。少なくともジン様が留学するまでは護衛行動をしていた様な気がするし。とすると、その後はマリエルさんが付いていたのかな?
 …あくまでも予想だけどね。

 動けないアレクサ様を横目にジン様が襲撃者に猛反撃。
 襲って来た最初の一人は退治することが出来たけど、一体何処から現れたと言うのか次々と襲撃者に襲われこのままでは不味いと咄嗟にアレクサ様と共にその場を駆け出した。ジン様が逃げろって言うからって言うのもあるし。
 そして何故か買い物を済ませたドミニク君込で。
 無論半透明状態のアレス様も一緒に居るけど、追い掛けているだけな気がする…いや、まぁ、良いけどね?
 何故かと言うと予想以上に強いのよ、ドミニク君。見た目とっても綺麗な美少年なのに、腕だって細いし華奢っぽい。だがしかし!無自覚でドンドン無双をやらかして行ってくれる。
 流石獣人!


 そんなこんななワケで冒頭に戻っちゃうのですよ。
 え、何がって6章目の81話に戻ったわけですよ。


 …この際自分自身の説明にわけがわからなくなって居たりするのだけど、その辺りは深く考えないで置いておこう。
 何故かですか?


 今現在追い掛けられているからぁああああ!

 ヒーヒー…フッフッヒー…いや、その呼吸法今じゃもう古いから!
 前にも言った気がするけど!
 と言うか新しいのを知らないから!
 今って力まないのだっけ?いや、あーええと…どうでしたっけ?
 って現実逃避している間に気がついたらエラいやっちゃエラいやっちゃ良いヨイヨイヨイ♪って感じで、色々あったけど追撃者をアレクサ様ごと失神させ、ドミニク君に向かってサムズアップ。その姿をみてポカーンとしているドミニク君と、爆笑している半透明なアレス様。

 我ながら酷い説明だと思うが(そもそも歌っている場合では無かったのだけど)、今の私が略したらこんな風だと諦めて下さい。

 怒涛の事柄が多すぎて、脳ミソが沸騰しているから無理なのです。
 いや、まぁ、普段から酷いのだけどね…ご、ごほん。

 兎に角予想外のことが多すぎるのよ、今の状態が~!

「クリストファー先生…」

「やあアレクサ、学園以来か。いや、ウィックロー城以来かな」

 うわぁい、やっぱりクリス先生とアレクサ様ってば、学園以外の知り合いでしたーっ!
 しかも『ウィックロー城』って。クリストファー先生ってアナジスタ国の学園の先生の筈なのだけど、どういうことなのかな?
 今の情勢って確か、アナジスタ国と隣国であるウィックロー国は戦争の噂が耐えない状況下だった筈で、アナジスタ国の貴族が大勢通う学校の先生が…いや、過去なら良いのかな?でも城って状況によって不味くないだろうか?
 う、うーん…色々聞いたら巻き込まれる気がするから此処は1つ黙りを貫こう。
 フラグはもう不要なのです。そんなコトより、私は一刻も早くアナジスタ国に帰りたいのよ。とある兄さんがやらかしていそうだしね!勿論とあるって言うのはジーニアス兄さんのコト。いやもう、少し前までやらかしていないよね!?と思っていたけど、もう希望は捨てたわ。絶対に何かしらやらかしている。ええ、絶対に。断言できるっ!
 何せ私がコチラに来て色々ありすぎるのだから、あの兄さんがヤラカシていないって言うのは無理に決まっている。
 きっと人外な境地に陥っている事柄をやらかしている!
 そしてバーネット様に迷惑を掛けている!
 主にカモーリの街の門とか、前回の騒動で捕まえた捕虜とかに迷惑かけていそう。

 …前回ってなんだ…
 今回もそうだけど私ってモブの癖に騒動に巻き込まれ過ぎていない!?

 そう!
 モブの癖に!!

 いやぁ~もう面倒臭い騒動とか巻き込まれたく無いからコレ以上の騒動は結構です~!私は一般市民であって、ただのモブ!
 男爵と言う爵位持ちの癖に一般市民よりも貧乏で、三女で、親の借金のカタの代わりに妾に出されそうになり、三男のジーニアス兄さんと共に王都に逃げ出した娘っ!
 それなのに王都でてんやわんやあって、どういうワケか一転してジーニアス兄さんが男爵家当主になって、ちょっとマシになっただけのモブ!

 それだけで只のって感じでは無くなっているけど、でも私は乙女ゲームではモブ設定でしか無いの~よぅ~!なのに、何故!今目の前で乙女ゲームの萌設定で萌イベントがこの目で見ることが出来ないのよ~!

 …あ、今一年目の秋だから然程無いような、そうで無いような…ぉぅふ。

 いやいやいやいや、見せろ!
 もしくはユウナレスカ様とユリア様の熱々カップルぶりを目の前で見せろ!
 ぶっちゃけるとこのカップルを見るとかなり悶えるから色々とOKしちゃうっ!
 美麗過ぎて目の保養だしね。まぁ、滅茶苦茶当てられるけど…主に、レスカ様に。時々意味わからないぐらいに挑むのよねぇ~あれって何だろ?「ふっふん、ユリアを独占いいだろ」って私に得意げにしなくてもいいのに。
 あれか?レスカ様は猫の子なのか?
 得意げにシャキーンって背を反らして、優雅に尻尾を振っているシャム猫なのか。
 …いや、どっちかって言うと犬かも知れない。
 しかもユリア様限定の。
 ユリア様がいる場合の性格もどっちかと言うと犬よりっぽいし、主に尻尾をユリア様に振りまくりなワンちゃん。普段は猫っぽいけどね。
 こう考えるととっても可愛いけど、その目線は挑戦的なのよね~。
 犬種は何かな?アフガンハウンド?ぬぬぬ…セントバーナードも捨てがたいけど、違うような。けどこれだけは言える。けっしてポメラニアンでは無いと!
 あのつぶらな瞳は絶対に違うわ~どっちかと言うとケイン様っぽいよね。目だけだけど。性格は献身的だし、ラブラドールレトリバーな気がする。大柄な見た目じゃないのだけどね。
 乙女ゲームの時のケイン様ならそのまんまポメラニアンっぽかったけど、こっちの世界でのケイン様はだいぶ違うのよね~。何ていうか、男らしさがある気がする。

 と言うかね、ニキのことだって心配だしで彼処のドアとか窓とかが突然開いて帰国出来ないかな?とか思っちゃうわけですよ~…。勿論そんな魔法なんて無いのですよ、トホホ。
 ニキ不足だわ。
 あのツンツンした髪の毛、一度じっくり触ってみたかったなぁ~。そう言えばパーティーとかの時ってニキは髪の毛を少し撫で付けるようにしていたのよね。乙女ゲームでもパーティーの時には同じ様な髪型だったし。
 何か頭皮に付けていたのかな?いい匂いがしていた様な気がするし、今度聞いてみたいなぁ。

 …はぁ~帰りたい。


 気絶をしても即復活したアレクサ様が起き上がり、両手で身体に付いた埃を叩いて落としている。そして此方を『ジロリ』と。
 ヤメて、此方を睨まないで。そんな目で睨まれたら…

 い た ず ら し た ろ か!

「う、な、何故手をワキワキしている」

「いや、何故ってそりゃね、睨まれたら擽ろうかと思いまして」

「何故睨んだぐらいで擽ろうとする!」

「えぇ~?そりゃ~ねぇ?」

「ねぇじゃねえ!」

 ふはははは、私ちょっとアレクサ様には強気になっているのですよっと。
 隣国の王子様とは言え、拉致された恨みは確りとあるのです。
 だとしたらヤルことは1つ!とは言えこの場で騒ぎを起こすのは宜しくはないので穏便に済む方法を模索したらコレしか無かったのですよ、ふふふのふ。
 擽るのは騒ぎのウチとかは言わないのですよ。
 少なくとも今はね!
 少しでも精神に堪えるがよい!!
 ジリジリとアレクサ様に詰め寄るフリをしながら、そう言えばと言った感じで口を開く。
 ちなみに襲撃者は既にドミニク君がポケットから取り出したハンカチで手首を縛り、猿轡代わりに口に襲撃者が履いていた靴を咥えさせ(…何故それを選んだ…臭いからか?嫌がらせ?)、襲撃者の上着の端部分を切り裂き、口をその切れ端で覆う。
 ついでとばかりに切り裂いた余りの布をでローブ状にしてから足首を縛り付けて居た。
 そして路地裏の幾つも並んでいる樽の裏側に転がし、周囲の目から隠した。

 …どうでもいいのですが、此処何処なのだろうね。
 そしてアレス様の指示だろうな、通りの道から見えないように縛り付けて放置しているのって。

 ドミニク君が冷静に対処している間にコチラも自分のペースを崩さずにアレクサ様に嫌がらせ?の擽りを行使し、一気に気が晴れた。
 これぞストレス発散!
 途端、クリストファー先生がのほほんとした雰囲気と口調で、

「お嬢ちゃんの気が済んだみたいだし場所変えようか。何時までも此処に居るのは宜しくないからね」

 と、背後に何時の間に居たのか。
 襲撃者の一人をその場に音も無く沈ませた。

「え、何時の間に…」

「さっきからいたけど、コイツ気配を完全に断っていたからね。魔法も使っていたようだし、どうやら少し厄介な魔法持ちのようだからお嬢ちゃんコイツの魔力吸っといてくれる?あと、ソコラに落ちている輩もヤッた方が後々の為に良いと思うよ」

 何だろ。
 ヤッた=殺ったに聞こえるのは気の所為だよね?
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NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846

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