95 / 113
5章 今日も周囲も人間関係もゴタゴタしていますが、国内の紛争やら暗殺やらで物騒な最中、恋人が出来て戸惑いつつも鑑賞致します。
79,1 船の台所革命
しおりを挟む
「第一回ウィックロー船、台所事情改革を発動致します」
気分はチャンチャカチャーンと謎のバックミュージックをスタートさせております。勿論気分だけで、そんな音は背景としてこの場では無いし、この世界では音楽は数名の本格的な音楽家さん達が奏でる楽団が居ないと無理。
自分で奏でるのは論外で。
口ずさむのは人が居なければ良いけど、現在は私以外にも居るので却下です。
…何故か「楽器なら私が持って来ようか?」とジン様が小さなギターのような楽器を持ってきてくれて、即興で演奏してくれておりますが、それはそれで。と言うか上手いなぁ演奏。
そしてその楽器、ギターやヴァイオリンより弦の数が少ない気がする。
前世のヴァイオリンは確か4本の弦が張られていた気がするけど、ジン様が手にしているのは三本の弦。
「ふふふ、ジンお兄様の趣味ですもの」
にこやかに微笑むマリエルさん。
「この楽器はセタールと言ってウィックロー国の楽器だから、隣国のアナジスタ国では見たこと無いと思うよ?」
何と。
見た目小さなギター、もしくは弦の部分が長くなったウクレレのような見た目の楽器が、前世でも名前だけは聞いたことがある楽器とは。
確かえーと、イラン?の楽器だったような気がする。
名前だけが同じで音とかは違うかも知れないけど、前世でセタールの音は聞いたことが無いので判断はつかない。だが何ともエキゾチックな雰囲気を醸し出す音。
記憶が確かなら、『ペルシア語』でセタールという名前は三弦と言う意味だった。現在―…前世での時代のおよそ250年前に一本追加され、四弦になった筈。
ジン様が抱えているのは三弦だから、原初の楽器に近いのかな。
更に弾いている音楽がまた、曲名は知らないけども優雅に奏でるジン様の姿、更に微かに微笑む口元に惹きつけられる…気がする。
そして何処からか、気障な男だなと言った声が。
背後で半透明化しているアレス様ですね。
部屋のドア付近の壁に絵になるように優雅に佇み、腕を組みながら此方をのんびりと眺めている。
…あれで私の他には誰も見えないと言うのだから驚きだ。
尚、私にはワザと姿を見せて居るのかと思っていたのだけど、此処最近はどうやら違うらしい。
前回姿を表したせいで、どうやら私の魔力を吸う性能のせいか、意識をすれば近場に居ればわかってしまうようになってしまったらしい。それってどんなチートなのよ、私の謎魔法体質。異世界に転生してモブだった時の驚きよりも遥かに驚いたわ。
どうせならもっと役に立つ性能だったら良かったのに。
とは言え所詮物語の端役でしかないモブにはこのぐらいが丁度良いのかも知れない。…十分チートだしね、使い所が難しいけど。
ところで。
何故台所事情革命等と妙に長い漢字を当てはめた言葉を使うかと言うと、なーんとこの船の食事がっ!
豆が沢山入ったスープ(時折乾燥ニンニク入)。
豆と芋類と干しきのこが入った煮物。
豆と芋類と干し肉のスープ。
ビスケット。
パン。
上記5つのみが繰り返して出て来ている。
つまり、5つのメニューしかない。
ぶっちゃけるとパンだけが毎朝きちんと焼かれているので、『ソレだけ』しか食事に楽しみがない。しかも夕飯時はパンが固くなってしまい、朝の柔らかさはすっかり無くなってしまって固くなり、柔らかさを取り戻すにはスープに浸して食べることしか出来なくなる。
そしてパンは前世で言う所のインドのナンにそっくり。
お国柄もあるのだろうけど、ウィックロー国ではイースト菌や酵母菌等を使っていないのでは無いのだろうかと思っている。
アナジスタ国では日本のパンみたいに柔らかな感触ではないが、膨らんでいるしね。一次発酵とかの作業も恐らくしていないのでは無いかな。
更に煮物等の品はどうやら前日の残りに継ぎ足して作って居るようで、正直「…」と言った気分になる。分かっている、この時代の船舶食事事情ってモノがあるのだろうコトも。でもさ、野菜が無いのはまだわかるけど、せめて漬物位知識として入れておかないとこの先不味くない?ザウアークラウト(千切りキャベツと塩などを発酵させた漬け物)とかさ、無いとヤバイでしょ。
『壊血病』とか怖い病を聞いたことあるのだけど…。
ビタミンC不足で起こる病気だった筈。
せめて海の上に居るのだし、釣りぐらいしようよ?魚ではビタミンCは摂取出来ないだろうけど、メニューは増やせるし栄養の偏りは少しぐらい防げる筈。多分だけどね。むしろ希望だけどね!異世界だから前世とは違っている可能性大だからね。
そんなワケで数名の有志を募い、使っていない長い棒を持ってこさせた。何でも洗濯物を干す竿が半分に割れて壊れて使われていないそうで、それならと先端を削ってから比較的丈夫な紐を括り付けた。釣り針は無い為に船にあった裁縫道具から失敬して針を貰い、それを気合(身体強化魔法使用)で曲げて即席の釣り針を作ってみた。ただし返しが無い為に餌を取られてしまう可能性があるため、此方はお試しという形で。更には浮きとか重りが必要だっけ?と思ったが、前世も今世も海で釣りをした事が無い為にわからない。そのため適当に浮き代わりに何故か船の上にあった流木の乾燥した木を削ってから糸に括り付け、有志達に任せてみた。
…何故か、釣りをする!と言ってくれた有志達がキラキラした顔をし、完成した釣り竿もどきと此方を見詰めていたけど。そしてアレクサ様が謝った一件から此方、随分船の中で自由に行動させて貰って居るのだけど。ドウイウコトナンデショウネ。
「うふふ」と言ったマリエルさん、貴女何かしましたか?
「いいえ、ただ単に一国の王子が謝ったのが我が兄が求婚したご令嬢と言っただけですわ」
ふぉぉおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ
チョ、ソレ!
多分ソレが原因っ!
どーりで先日から生温い眼差しで見詰められるからオカシイと思って居たのですよ!
と言うか、船降りてからじゃあ無かったっけ~?!
「思いは早めに言ったほうが良いしね?」
牽制の為にとジン様は此方にウインク付きで言った後、有志達を見ると数名の有志達が目を反らした。
…何だかなぁ。
マリエルさんが幻影魔法を解いた時、おかしいと思ったのですよ。
この船、女性船員極端に少ないって。
そして船員はほぼ男性ばかり。
何だか筋肉隆々のガタイの大きな男…いや、女性がはち切れんばかりの巨大な太ももをミニスカート下に晒している人が居る気がするが、アレは論外で。ついで物凄く胸がパットで強調…うん、多分アレは筋肉だろうけど、一応胸ってことで。
胸筋って言うしね。胸だけに。
…。
髭あるけど。
喉仏あるけど。
音が外れた鼻歌歌って先程髭剃っていたけど。
多分アレは同種という事で。
マリエルさんが物凄く彼、いや彼女には優しく同性として接しているから女性という事で。
Be cool、よし私は冷静だ。
この船に居る間にヤバそうな雰囲気になりそうなら彼、いや彼女の背後に全力で回ろう、うん。
名前知らないけどね!
オトモダチになれそうな気がするよ!
「私が求婚した方に無礼なコトや横恋慕はしないで欲しいな」
とか何とか思っていたら、ジン様からのお言葉がっ。
男性達が一斉に首を縦にブンブンと振っているけど、これで身は守れそうデス。
なんか自意識過剰かも知れませんけどね。だってジン様は私の身の安全のために求婚しただけであって、返事は求めていませんし。
それにね。
私にはニキって人が居るのですヨ。
…怪我大丈夫かな、深手を負っていたけど。ケイン様が居るから大丈夫だよね?ね?
嗚呼早く帰りたい。ニキに会いたいよ…。
気分はチャンチャカチャーンと謎のバックミュージックをスタートさせております。勿論気分だけで、そんな音は背景としてこの場では無いし、この世界では音楽は数名の本格的な音楽家さん達が奏でる楽団が居ないと無理。
自分で奏でるのは論外で。
口ずさむのは人が居なければ良いけど、現在は私以外にも居るので却下です。
…何故か「楽器なら私が持って来ようか?」とジン様が小さなギターのような楽器を持ってきてくれて、即興で演奏してくれておりますが、それはそれで。と言うか上手いなぁ演奏。
そしてその楽器、ギターやヴァイオリンより弦の数が少ない気がする。
前世のヴァイオリンは確か4本の弦が張られていた気がするけど、ジン様が手にしているのは三本の弦。
「ふふふ、ジンお兄様の趣味ですもの」
にこやかに微笑むマリエルさん。
「この楽器はセタールと言ってウィックロー国の楽器だから、隣国のアナジスタ国では見たこと無いと思うよ?」
何と。
見た目小さなギター、もしくは弦の部分が長くなったウクレレのような見た目の楽器が、前世でも名前だけは聞いたことがある楽器とは。
確かえーと、イラン?の楽器だったような気がする。
名前だけが同じで音とかは違うかも知れないけど、前世でセタールの音は聞いたことが無いので判断はつかない。だが何ともエキゾチックな雰囲気を醸し出す音。
記憶が確かなら、『ペルシア語』でセタールという名前は三弦と言う意味だった。現在―…前世での時代のおよそ250年前に一本追加され、四弦になった筈。
ジン様が抱えているのは三弦だから、原初の楽器に近いのかな。
更に弾いている音楽がまた、曲名は知らないけども優雅に奏でるジン様の姿、更に微かに微笑む口元に惹きつけられる…気がする。
そして何処からか、気障な男だなと言った声が。
背後で半透明化しているアレス様ですね。
部屋のドア付近の壁に絵になるように優雅に佇み、腕を組みながら此方をのんびりと眺めている。
…あれで私の他には誰も見えないと言うのだから驚きだ。
尚、私にはワザと姿を見せて居るのかと思っていたのだけど、此処最近はどうやら違うらしい。
前回姿を表したせいで、どうやら私の魔力を吸う性能のせいか、意識をすれば近場に居ればわかってしまうようになってしまったらしい。それってどんなチートなのよ、私の謎魔法体質。異世界に転生してモブだった時の驚きよりも遥かに驚いたわ。
どうせならもっと役に立つ性能だったら良かったのに。
とは言え所詮物語の端役でしかないモブにはこのぐらいが丁度良いのかも知れない。…十分チートだしね、使い所が難しいけど。
ところで。
何故台所事情革命等と妙に長い漢字を当てはめた言葉を使うかと言うと、なーんとこの船の食事がっ!
豆が沢山入ったスープ(時折乾燥ニンニク入)。
豆と芋類と干しきのこが入った煮物。
豆と芋類と干し肉のスープ。
ビスケット。
パン。
上記5つのみが繰り返して出て来ている。
つまり、5つのメニューしかない。
ぶっちゃけるとパンだけが毎朝きちんと焼かれているので、『ソレだけ』しか食事に楽しみがない。しかも夕飯時はパンが固くなってしまい、朝の柔らかさはすっかり無くなってしまって固くなり、柔らかさを取り戻すにはスープに浸して食べることしか出来なくなる。
そしてパンは前世で言う所のインドのナンにそっくり。
お国柄もあるのだろうけど、ウィックロー国ではイースト菌や酵母菌等を使っていないのでは無いのだろうかと思っている。
アナジスタ国では日本のパンみたいに柔らかな感触ではないが、膨らんでいるしね。一次発酵とかの作業も恐らくしていないのでは無いかな。
更に煮物等の品はどうやら前日の残りに継ぎ足して作って居るようで、正直「…」と言った気分になる。分かっている、この時代の船舶食事事情ってモノがあるのだろうコトも。でもさ、野菜が無いのはまだわかるけど、せめて漬物位知識として入れておかないとこの先不味くない?ザウアークラウト(千切りキャベツと塩などを発酵させた漬け物)とかさ、無いとヤバイでしょ。
『壊血病』とか怖い病を聞いたことあるのだけど…。
ビタミンC不足で起こる病気だった筈。
せめて海の上に居るのだし、釣りぐらいしようよ?魚ではビタミンCは摂取出来ないだろうけど、メニューは増やせるし栄養の偏りは少しぐらい防げる筈。多分だけどね。むしろ希望だけどね!異世界だから前世とは違っている可能性大だからね。
そんなワケで数名の有志を募い、使っていない長い棒を持ってこさせた。何でも洗濯物を干す竿が半分に割れて壊れて使われていないそうで、それならと先端を削ってから比較的丈夫な紐を括り付けた。釣り針は無い為に船にあった裁縫道具から失敬して針を貰い、それを気合(身体強化魔法使用)で曲げて即席の釣り針を作ってみた。ただし返しが無い為に餌を取られてしまう可能性があるため、此方はお試しという形で。更には浮きとか重りが必要だっけ?と思ったが、前世も今世も海で釣りをした事が無い為にわからない。そのため適当に浮き代わりに何故か船の上にあった流木の乾燥した木を削ってから糸に括り付け、有志達に任せてみた。
…何故か、釣りをする!と言ってくれた有志達がキラキラした顔をし、完成した釣り竿もどきと此方を見詰めていたけど。そしてアレクサ様が謝った一件から此方、随分船の中で自由に行動させて貰って居るのだけど。ドウイウコトナンデショウネ。
「うふふ」と言ったマリエルさん、貴女何かしましたか?
「いいえ、ただ単に一国の王子が謝ったのが我が兄が求婚したご令嬢と言っただけですわ」
ふぉぉおおおおーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ
チョ、ソレ!
多分ソレが原因っ!
どーりで先日から生温い眼差しで見詰められるからオカシイと思って居たのですよ!
と言うか、船降りてからじゃあ無かったっけ~?!
「思いは早めに言ったほうが良いしね?」
牽制の為にとジン様は此方にウインク付きで言った後、有志達を見ると数名の有志達が目を反らした。
…何だかなぁ。
マリエルさんが幻影魔法を解いた時、おかしいと思ったのですよ。
この船、女性船員極端に少ないって。
そして船員はほぼ男性ばかり。
何だか筋肉隆々のガタイの大きな男…いや、女性がはち切れんばかりの巨大な太ももをミニスカート下に晒している人が居る気がするが、アレは論外で。ついで物凄く胸がパットで強調…うん、多分アレは筋肉だろうけど、一応胸ってことで。
胸筋って言うしね。胸だけに。
…。
髭あるけど。
喉仏あるけど。
音が外れた鼻歌歌って先程髭剃っていたけど。
多分アレは同種という事で。
マリエルさんが物凄く彼、いや彼女には優しく同性として接しているから女性という事で。
Be cool、よし私は冷静だ。
この船に居る間にヤバそうな雰囲気になりそうなら彼、いや彼女の背後に全力で回ろう、うん。
名前知らないけどね!
オトモダチになれそうな気がするよ!
「私が求婚した方に無礼なコトや横恋慕はしないで欲しいな」
とか何とか思っていたら、ジン様からのお言葉がっ。
男性達が一斉に首を縦にブンブンと振っているけど、これで身は守れそうデス。
なんか自意識過剰かも知れませんけどね。だってジン様は私の身の安全のために求婚しただけであって、返事は求めていませんし。
それにね。
私にはニキって人が居るのですヨ。
…怪我大丈夫かな、深手を負っていたけど。ケイン様が居るから大丈夫だよね?ね?
嗚呼早く帰りたい。ニキに会いたいよ…。
20
◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ とある商店街のお茶屋さん
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
新作 BL ※ とある商店街のお茶屋さん
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
お気に入りに追加
2,398
あなたにおすすめの小説

夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?


妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

妻の死で思い知らされました。
あとさん♪
恋愛
外交先で妻の突然の訃報を聞いたジュリアン・カレイジャス公爵。
急ぎ帰国した彼が目にしたのは、淡々と葬儀の支度をし弔問客たちの対応をする子どもらの姿だった。
「おまえたちは母親の死を悲しいとは思わないのか⁈」
ジュリアンは知らなかった。
愛妻クリスティアナと子どもたちがどのように生活していたのか。
多忙のジュリアンは気がついていなかったし、見ようともしなかったのだ……。
そしてクリスティアナの本心は——。
※全十二話。
※作者独自のなんちゃってご都合主義異世界だとご了承ください
※時代考証とか野暮は言わないお約束
※『愚かな夫とそれを見限る妻』というコンセプトで書いた第三弾。
第一弾『妻の死を人伝てに聞きました。』
第二弾『そういうとこだぞ』
それぞれ因果関係のない独立したお話です。合わせてお楽しみくださると一興かと。
※この話は小説家になろうにも投稿しています。

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――
【コミカライズ2月28日引き下げ予定】実は白い結婚でしたの。元悪役令嬢は未亡人になったので今度こそ推しを見守りたい。
氷雨そら
恋愛
悪役令嬢だと気がついたのは、断罪直後。
私は、五十も年上の辺境伯に嫁いだのだった。
「でも、白い結婚だったのよね……」
奥様を愛していた辺境伯に、孫のように可愛がられた私は、彼の亡き後、王都へと戻ってきていた。
全ては、乙女ゲームの推しを遠くから眺めるため。
一途な年下枠ヒーローに、元悪役令嬢は溺愛される。
断罪に引き続き、私に拒否権はない……たぶん。

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる