87 / 113
5章 今日も周囲も人間関係もゴタゴタしていますが、国内の紛争やら暗殺やらで物騒な最中、恋人が出来て戸惑いつつも鑑賞致します。
73
しおりを挟むやっちゃった感いっぱいだなぁ。
只今レッティーナ・アルセーヌ・ガルニエは非常に窮しております。
困難に行き詰まって困り果てている状況です。
何せこの揺れ具合、そして時折聞こえる波の音と塩の匂い、いや海の匂いかな。
多分だけど、私がいる場所は船の中だと思われるのですよ。何故思われるって言うのかですって?それはね、私の真正面ってば牢屋並の鉄格子ィーッ!
外の様子等分からないのですよー!
何故こうなったし!
「何かこの子余裕じゃない?」
そして驚いている貴公子、もとい乙女ゲームの攻略対象者である私との接点が極端に無かった人その1、隣国ウィックロー国のジン・アメイジング様が正面を向いて椅子に大股開いて腰掛けていらっしゃる。
これさ、パーシャさん見たら大興奮していそうだよね~。
鼻血吹き出して「美少年の大股開きー!」って叫びそう。
ほんっと、あの人は酷い意味で面白い。
お蔭で貧血気味で酷い時があるから、近頃の我が家ではジーニアス兄さんがパーシャさんのいる場所では、お酒飲んだ時でも仲良くディラン兄さんと肩を組むようなこととか避けるようになってしまったのよね。変な妄想垂れ流すから、
因みにニキとケイン様にもやらかしたのよね、パーシャさん。レスカ様がニキとケイン様に「これで私の気持ちがわかっただろう…」って言って二人を労っていた辺り、パーシャさんの被害が広がる一方。
因みに女性は管轄外らしく、私とユリアが仲良くしていても特に何も無い。多分。
パーシャさん自身も「あ、私ソッチ方面はからっきしなので」って言ってスルーしていた。成程、あの妙な変態気質は好みの範疇から外れると発揮しないらしい。
有り難い。
とは言え時折ひきつけみたいに震えていることがあるから油断ならない。何時発作が出るか、怖すぎるわっ!
どうでも良いけどジン様ちょっと幾ら何でも寛ぎ過ぎじゃない?
しかもその椅子、背もたれが私のほうを向いている。つまりジン様が行儀悪い椅子の座り方をしているってワケなのですが。
何と言うかこうしてみると中学生みたいだな~。しかもワザとやっている感が出まくっていて、悪ガキっぽくしている様に見える。
はい、現在のジン様の印象がコレ。
『無理矢理ボク悪ガキっぽくしてま~す』って言葉にするとこんなイメージ。
しかも慣れていない感じが凄まじい。
時折棒読みになっているみたいだし。
恐らく自身を騙して作り出したキャラクターを演じるの、慣れていないのだと思う。
そして必死なアメイジング様から少し離れた所に私が先程顔面殴打をしちゃった相手であり、海に落ちて溺れかかり、更には鼻の骨が折れちゃったアレクサ様が顔面に大きくガーゼを貼り付けた状態で此方を睨みつけて来る。
でもね、怖くありませんよーだ。
ニキにした仕打ちは許さないのよ!ああもう、腹が立っているのだからね!
次接触したら今度は腹部に身体強化MAXにして重ねがけし、正面から60発ぐらい殴打してやるのだから!
気分は殺る!です。
フンだ。
そんな気合を入れて『キッ!』と睨みつけたらジン様が引き攣った笑いを浮かべていた。ついでにアレクサ様、後ろに半歩下がったな。
見逃さないからね!
ヨ・ワ・ム・チめ!
「チッ何だこの女」
レッティーナですよーだ。何だではありませんよ、可愛らしいって誇りに思っている名前なのですよ。母様が頑張ってつけてくれたのですからねー!クソ親父は付ける気も無かったらしいけど!あの馬鹿親父禿げろ―っ!
ジトリと眼光鋭く更に睨み付けるとアレクサ様が目を反らした。
この人意外と精神弱いよね。
押しに弱そう。
「流石『鬼神』の妹君ってことかな」
嫌な呼び方だなぁジン様。
ちなみに先程からこの鉄格子の向こう側から声を掛けられてはいるけど、私からは返事をしていない。何故かと言うと…
「ふんっ、眼光鋭くしてもその『沈黙の首輪』がある限り何も出来まい」
はい、向こうから理由を話してくれました。
私の首に付けられている首輪ってそういう名前なのね。そしてこの首輪、その名前の通り先程から一切声が出せない。更には魔力を発生させないようにしているらしい。
ま、らしいなぁ~ってだけだけどね。
だーって、今現在この首輪の効力は一切発揮出来て居ないから。
『沈黙』効果も、『魔力発生停止』効果も全てぶち壊しました、はい。
フッフッフフフフ…
私が壊せた理由は、領土にいたジージ達に昔習ったのよね。
「良いかいレナちゃん。ジージやエルロン達の事をよーく聞くのだよ」
「はーい!」
この時私はとても小さかった気がする。
でも今は当時の年齢とかは関係ないよね。
「大抵の魔道具は、特に『魔力発生停止』効果がある魔道具は身体の表面を覆って魔力を使う力を停止させる」
「うんうん」
「そこで逆転の発想だ」
「ぎゃくてんー?」
「そう。身体の表面を覆うなら、身体の内部から魔道具の効果を突き破ればいい。特にレナちゃんは儂等には無い魔法があるよね?」
「あるー」
「うんうん、良い子だ。だからね、もし【緊急事態】が起こったら、もしくは悪者に『魔力発生停止』効果があるものを付けられたら、内側から仕掛けられている魔法を打ち破るか、もしくは…「わかったー!魔力をエイってやって『吸収』しちゃえばいいのねー!」そう、良く分かったね」
「えへへ!」
という訳で、昔話を思い出して本当に身体の内部から『エイってやって吸収』してみたら、小さくパキンッと微かな音が為ったのは少し前。
そんなワケで現在この部屋の二名程度なら暴れられると思うけど、この場所ってウィックロー国の船の中らしいのよねぇ。何せ二名も隣国の王子やら高位貴族のお坊ちゃまがこの部屋に居るって言う辺り、どう考えてもビンゴだと思う。
しかもやたらと手に持ったナイフを此方に投げつけて来るアレクサ様。そのナイフを尽く魔法で弾いて行くジン様。良いのかそれで。
サラッと平然とした顔で、
「目の前で可愛い女性を傷付ける行為は止めてくれる?」
なんて言って止めている辺り、色んな意味で大物だなぁジン・アメイジング様。
相手はウィックロー国の第一王子だよね?嗚呼、あえて王子『様』と、『様』は付けませんよ。拉致監禁。更に現在は両手に拘束具が付けられていて、天井から手がぶら下がっているなんて苦行を強いられている状態。はい、床に足はギリギリで届いているけどずっと立ちっぱなしで腕は痛いし手首は痛いしで死ぬ!今は良いけどこのままだとトイレー!どうするのよ、死ぬよ!羞恥で私死んじゃうよ!それとも乙女の事情見る気なの!?ばかー!変態―!
そんな状態なので尊敬などしておりませんから、『様』等付けません。
ならば恨み辛み諸々を念入りに目に力を込め、いつもの調子、さん、ハイ!!
禿げろー!
十代相手に聞かないだろうけど、これがヤラナイ等出来るはずが無い。
いや、無理!
将来禿げろーっ!
今直ぐごそっと抜け落ちて禿げろー!
「何かスゲー恨みが籠もった目で見られてうぜぇんだけど」
「女性を虐げるからですよ」
「僕の鼻をへし折り、股間を強打した女だからな。それぐらいやり返さないと気が済まん」
「だから恨まれるのです。女性は大事に優しくしないと」
「はっ!何を馬鹿なことを。女など邪魔だ」
「それを貴方のお母様に言えますか?」
「…っ!!」
ん?アレクサ様のお母様って…
「母上の事を口に出すな、ジン」
おろ、急に冷静に?アレクサ様にとってお母様、国母様は精神的な障害となっているってコト?そう言えば、アレクサ様のお母様であるウィックロー国のお妃様は公の場には姿を何十年も表して居ない。
その事はアレクサ様が今も王太子に馴れない事にも関係している。
…筈。
ううん、駄目だ。乙女ゲームでも正確な情報が出て居なかった。その代り流石現実世界。学園内で幾つか噂が飛び交って居たのよね。
主に厨房で聞いていたのですけども。
昼食時って皆口が軽いよね~。
中には荒唐無稽な事柄も多く含まれていたのだけど…
例えば。
アレクサ様のお母様は、アレス様の父親であるノア様の元恋人であった。
ウィックロー国の国王が強引に割って入ってノア様達の恋仲を引き裂き、略奪。
その時既にアレクサ様のお母様のお腹の中には子供が…
そして現在行方不明のノア様、アレス様のお父様は未婚。
…あれ?うわ、もしかしてコレってほぼ真実!?
ノア様が未婚なのは最近知った。
そしてアレス様は実子、の筈。
養子だと余程の身分と高成績に性格上の問題等を審査されて、合格していないとレスカ様の接近候補として居ない、筈。そう、その筈だ。
…確かに高成績だし身分もいいし、オマケに女子に好かれる容姿だけど…
性格がーっ!
いや、乙女ゲームとは既に違ってきているのだから、ゲーム中のような殺人鬼一歩手前なんて事には…ち、違うよね?いや、最近会っていませんからわかりませんけど。と言うか行方不明で見掛けてもイナイけど。
そして目の前のアレクサ様。
悪態付いている態度は乙女ゲームの劣化版アレス様にしか見えない。
恐らくコッチがアレクサ様の本性なのだろうけど、あれ…今気がついたけど、名前も二人共似通って居るよね?あれ、何で?
ええと。
ああ、もうっ!ゲームの事を思い出してヒントをと思ったけれど、その先が霞んで思い出せない。と言うより情報があったのかどうかも分からない。
余りにも似すぎている名前。
目元や容姿が以前は雰囲気が全く違っていて分からなかったけれど、今は纏う雰囲気が一変してしまい所々似ている。
そして何より父親の職務放棄・隣国への亡命(?)。
アレス様の失踪に、アレクサ様の豹変。
不確かな情報と現在の状況を重ねて浮かぶ事柄は…。
アレクサ様とアレス様ってもしかして血を分けた兄弟なのかな?
だとしたらアレクサ様がゲーム版アレス様の劣化版な状態なのも頷ける。
という事は、アレス様は乙女ゲームのように厄介な殺人鬼にはならない?
少なくとも心は壊れていないという事だけでも御の字だよね?
これで皆の恐怖の暗殺劇の運命から逃れられるっ!
「おいジン」
「はいはい」
「俺は向こうに行っている。後は任せた」
「ああ、それじゃ数名女性隊員を此方に寄越してくれる?彼女あのままだとトイレにも行けないだろう?」
うわぁー!
ジン様有難う御座います!これはあれだね、前世で言う所のふぇ、ふぇ…なんだっけ?フェルト?違った。フェミニスト?
…単に女性に優しいだけだったりして。それでも嬉しい!トイレもだけど、彼方此方擦り傷だらけだから傷の部分を水だけでもいいから清潔にしたいのよね。この時代の破傷風、現代と違ってとても怖いのです。
「チ、しかたねーな」
「女性には優しくがモットーだよ、アレクサ様?」
「わかったよ、仕方無いな。けど首輪は外すなよ。それと手を外すなら足枷を追加だ」
「あのね、アレクサ様。相手はうら若くか弱き女性だよ?」
「か弱きは合わないだろう。その女は油断ならない。私がボコボコにやられたのをわかっているだろうが」
「はいはい、了解。心配性だねぇ」
ボコボコにやられたのだから、今度からもっと真面目に訓練してよ?とジン様が呟くと、アレクサ様が、
「五月蝿いジン」
と文句を言いつつ顰め面。
この二人案外気安い間柄なのかも知れない。学園内ではそのような姿等見たことは無かったけれど、もしかしたら警戒して互いを避けていたのかも。
スタスタとアレクサ様の足音が部屋、いや、牢屋から離れて行く音。聞き耳を立てて居ると、じ~と何処か楽しそうに見詰めて来るジン様の視線。
なに?と思ってそちらに視線を移すと、
「その服替えないと駄目だね、彼方此方切れて君の肌が所々大事な部分が見え隠れしている」
え!?
咄嗟に声に出しそうになり、慌てて見える範囲を確認すると…
ぎゃああああああっ!
横!胸の横側が完璧に素肌が見えているよー!ちょ、何マジマジと見ているのですかドスケベ―ッ!
いやああああっ!見ないでー!
ニキにもまだ…ゲフッ!
「あはは、ゴメンゴメン。君が余りにも堂々としているから魅入っちゃったよ」
そう言って視線が!
ちょっと!さっきよりガン見ってどういう事なの!コラァ!
「うーん眼福だね」
ヤメてぇ!イメージぶっ壊れるから!て言うのかソコで笑わないでっ!
弄っているのか?そうなのね!
「君、面白いね?婚約しているの?彼氏居るの?」
唐突に思い出したけど。
そう言えばジン様って…女ったらしだったのでしたー!
何処の乙女ゲームの設定にもあるように、フェミニストで女性に優しいけど目の奥は酷く冷たくて、そして何度か逢瀬を繰り返すと唐突に飽きて別れてしまう。
ジン様の場合見目が良いのと人当たりが良いので今迄難なく過ごせていたけど、ヒロインとの高感度が上がると発生するのよね…過去の女との確執アーンド、殺傷劇。
心を病んでしまった女性がヒロインと歩いている姿を見て、ジン様に襲い掛かるって事件。その時さえジン様は笑顔を浮かべていて、瞳の奥は酷く…冷たくて、寂しそうにしていた。
残念ながらこの人の攻略は一度サクッと攻略しただけなので少しだけしか覚えていないのだけど、ジン様が寂しそうにしていた理由はウィックロー国の情勢と彼の家庭環境にある。
が、今はそんな事はどうでも良い。
自分の今の状況が不味いのですよ!
「フフ、話せない、だったね?…なんて。首輪の効果切れているのでしょ?どうやったか知らないけど、今は私だけだからね。話して良いよ」
え。
やーだバレてら~。
「見ないで下さい」
何処が、とは言わない。
だって困ったことにガン見だものー!
「ええー?眼福なのに」
「あのね…蹴り飛ばしますよ?」
「そう来るか、流石『鬼神』の妹君は過激だね?」
「変態」
「あっはっは、そう来るか。成程、これは確かに高位貴族の子息達が夢中になる筈だ。周囲にこんなにハッキリ文句を言う令嬢等居ないだろうしね」
「…何が言いたいのですか」
言っときますけどね、私は【モブ】ですよ。
乙女ゲーム中名前さえ出て来ないモブ中のモブ!そんな私が夢中になどさせるわけ無いでしょう~!レスカ様とは悪友だし、ケイン様とはまぁ、うん。ゴメン。コレしか言えない。ニキ様は…何だか最初からグイグイ来ていたから最初よく分からなかったのだけど。
あ、今もよく分からないや…。
「ん?いや~面白いなって思ってね。で、さ。ニキ・モイストとの関係を解消して私を婚約者にしない?」
は、いーーーー!?
12
◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ とある商店街のお茶屋さん
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
新作 BL ※ とある商店街のお茶屋さん
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
お気に入りに追加
2,398
あなたにおすすめの小説


妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢
岡暁舟
恋愛
妹に正妻の座を奪われた公爵令嬢マリアは、それでも婚約者を憎むことはなかった。なぜか?
「すまない、マリア。ソフィアを正式な妻として迎え入れることにしたんだ」
「どうぞどうぞ。私は何も気にしませんから……」
マリアは妹のソフィアを祝福した。だが当然、不気味な未来の陰が少しずつ歩み寄っていた。

悪役令嬢が美形すぎるせいで話が進まない
陽炎氷柱
恋愛
「傾国の美女になってしまったんだが」
デブス系悪役令嬢に生まれた私は、とにかく美しい悪の華になろうとがんばった。賢くて美しい令嬢なら、だとえ断罪されてもまだ未来がある。
そう思って、前世の知識を活用してダイエットに励んだのだが。
いつの間にかパトロンが大量発生していた。
ところでヒロインさん、そんなにハンカチを強く嚙んだら歯並びが悪くなりますよ?

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

〖完結〗死にかけて前世の記憶が戻りました。側妃? 贅沢出来るなんて最高! と思っていたら、陛下が甘やかしてくるのですが?
藍川みいな
恋愛
私は死んだはずだった。
目を覚ましたら、そこは見知らぬ世界。しかも、国王陛下の側妃になっていた。
前世の記憶が戻る前は、冷遇されていたらしい。そして池に身を投げた。死にかけたことで、私は前世の記憶を思い出した。
前世では借金取りに捕まり、お金を返す為にキャバ嬢をしていた。給料は全部持っていかれ、食べ物にも困り、ガリガリに痩せ細った私は路地裏に捨てられて死んだ。そんな私が、側妃? 冷遇なんて構わない! こんな贅沢が出来るなんて幸せ過ぎるじゃない!
そう思っていたのに、いつの間にか陛下が甘やかして来るのですが?
設定ゆるゆるの、架空の世界のお話です。

妹に傷物と言いふらされ、父に勘当された伯爵令嬢は男子寮の寮母となる~そしたら上位貴族のイケメンに囲まれた!?~
サイコちゃん
恋愛
伯爵令嬢ヴィオレットは魔女の剣によって下腹部に傷を受けた。すると妹ルージュが“姉は子供を産めない体になった”と嘘を言いふらす。その所為でヴィオレットは婚約者から婚約破棄され、父からは娼館行きを言い渡される。あまりの仕打ちに父と妹の秘密を暴露すると、彼女は勘当されてしまう。そしてヴィオレットは母から託された古い屋敷へ行くのだが、そこで出会った美貌の双子からここを男子寮とするように頼まれる。寮母となったヴィオレットが上位貴族の令息達と暮らしていると、ルージュが現れてこう言った。「私のために家柄の良い美青年を集めて下さいましたのね、お姉様?」しかし令息達が性悪妹を歓迎するはずがなかった――

婚約者に毒を飲まされた私から【毒を分解しました】と聞こえてきました。え?
こん
恋愛
成人パーティーに参加した私は言われのない罪で婚約者に問い詰められ、遂には毒殺をしようとしたと疑われる。
「あくまでシラを切るつもりだな。だが、これもお前がこれを飲めばわかる話だ。これを飲め!」
そう言って婚約者は毒の入ったグラスを渡す。渡された私は躊躇なくグラスを一気に煽る。味は普通だ。しかし、飲んでから30秒経ったあたりで苦しくなり初め、もう無理かも知れないと思った時だった。
【毒を検知しました】
「え?」
私から感情のない声がし、しまいには毒を分解してしまった。私が驚いている所に友達の魔法使いが駆けつける。
※なろう様で掲載した作品を少し変えたものです

冤罪から逃れるために全てを捨てた。
四折 柊
恋愛
王太子の婚約者だったオリビアは冤罪をかけられ捕縛されそうになり全てを捨てて家族と逃げた。そして以前留学していた国の恩師を頼り、新しい名前と身分を手に入れ幸せに過ごす。1年が過ぎ今が幸せだからこそ思い出してしまう。捨ててきた国や自分を陥れた人達が今どうしているのかを。(視点が何度も変わります)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる