今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】

柚ノ木 碧/柚木 彗

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4章 今日もお屋敷も学園もゴタゴタしていますが、働いて・学んで・そして何故か陰謀に巻き込まれつつ何とか奮闘致します。

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「▲○×■?」

 あ、えーと…

「○×◎?」

 えええーと…何語?これ。

「だから、何なんですか貴女は!」

 えーとぉ…
 眼の前で吠えてる令嬢の言葉はわかる。

 私より恐らく年下かな?それとも同い年位かな?そんな年齢の小さな女の子が先程から食って掛かってくる。それは良い。ぶっちゃけ面倒ならばスルーすれば良いのだし。

 ただなぁ…

「何なの何なのその可愛らしいお顔は!桃色の愛らしい唇は!輝く様な翠色の瞳は!お姉さまに聞いていらした通りですわ、ズルいですお姉さまってば!私もお側で毎日ブラッシングをしたり身の回りの世話をしたり、色々とお使えしたいですわ!」

 先程からのこの台詞。
 このお姉さまっていうのは恐らく私の知り合いだと思われる。更にこの発言から約一名程予想出来る人が居るわけで。

 多分だけど、パーシャさんではないだろうか。

「ええと、貴女は…」

「失礼しました。私パーシャ・スターレットの従姉妹のアドリエンヌ・バレーヌ男爵令嬢ですわ」

 おお、立派なカーテシー。
 それは良いんですけど、いや良くはないけど。
 そしてその娘の背後で「○×□◎」とか、この変な言葉を扱う人々に目線を向ける。ほんっと何語?訛りが入ってるのかなぁ?

「何なんですの、貴女。ユウナレスカ様所かケイン様にニキ様、それにアレクサ様方と言う高貴貴族や王族の方々のお側にいらっしゃると言うじゃありませんの。ご自身の身分を弁えておられませんのね」

 う、ひゃーい、キタキタキタキター!
 典型的な高飛車高慢的な発言をする少女キターーー!

 それがなんと三名。
 とは言え直接高慢に言っているのは二名で、うち一名は戸惑った顔をしているけど付き合って来ているのかな。ああ、これが取り巻きって奴なのかも。

 一人は紫色のドレスを着たちょっと野暮ったい雰囲気の少女。
 何だか背中が曲がって猫背になっているし、化粧も無理矢理派手にしていて幼い顔とのバランスが悪い。家はカモーリから近い場所に住んでいる男爵家令嬢。ちなみに領地は無い。

 もう一人はガリボソで無理でも肉体美を強調して出そうとして失敗している、真っ赤なドレスを着た少女。でもちょっと、当人の容姿からは背伸びをしたようにしか見えない。と言うか細すぎて、ドレスのデザインが浮いて見える。無理して大人に見えるようにしているのかも知れないけれど、これはちょっと無い、かな。どう見てもゆるふわなドレスのが似合うよ。
 此方は準男爵令嬢。


 …あれ?うちと貴族的な身分あまり変わりなくない?
 と言うか、住まいがガルニエ家は王都だから、下手すると家のが上………


「貴族のパーティーでお見かけした事がありませんもの。きっと何処ぞのドが付いてしまう程の身分なのでしょうね」

「ひょっとしたら商人の娘かしら?」


 そしてオホホホと笑う二名。
 それを見て引き攣って一歩下がる戸惑った顔をした残り一名。

 うーんこの場において戸惑った顔をした令嬢、もしかして私の身分わかっているのかな?確かに私は王都でのジーニアス兄さんの爵位を受けた時しか貴族が大勢居る場には出た事無かったけど、成程大勢の貴族が出席するパーティーに出ないとこう言った事態が発生するのか。

 チラリと横に控えて黙っているアドリエンヌさんを見ると、その顔には『コイツ相変わらずね~』と呆れた様な顔付き。
 何時もの事なのかな?

「これはこれはご挨拶が遅れました。私レッティーナ・アルセーヌ・ガルニエで御座います。先日兄であるジーニアスが爵位を頂きまして、私もその時に陛下の元、『ガルニエ』性を名乗らせて貰っております」

 先にあちら側が名乗ってくれたので此方も名乗り。
 ですがカーテシーはありません。
 そして宜しくとも言いません。
 もう一つ言うなら同等、さもなくば下の身分の人にカーテシーはしませんよ?アドリエンヌさんの場合は本来なら同等なのだけど、彼女なりの考えがあるのだと思う。
 何せパーシャさんの身内だし。
 パーシャさんの身内ってだけでこう思えてしまうってのも大分毒されてる気がするけど。

 さて、挨拶言わなくて無視しても良いけど、多分この場合は名乗ったほうがいい。
 って言うか、誰彼構わず喧嘩吹っ掛けてるのかな?それは悪手になるからやめたほうが良いって思うよ。

 特にジーニアス兄さん目当てなら尚更、ね?

「ジーニアス様の妹…」

「嘘…」

 そしてにま~と笑うアドリエンヌさん。
「うん、合格っ」て声。
 試験でも受けてたのかな?私。

 この目の前の二名、先程から会場にいるジーニアス兄さん(其処だけ煌めいて見えるのは、流石乙女ゲームの攻略対象者ってことなのかな)をチラ見したり、頬染めて見詰めていたりしてたから丸分かりなんだよね。
 兄さんも女性に囲まれて居たけど、兄さんの背後で困り顔のアレクサ様の護衛として居るから無碍にあしらう訳にも行かず、かと言って此方にも来れずって感じで何度もこっちを見たりしていた。だからか、ジーニアス兄さんの周囲に居た女性達の眼光が鋭くて怖い。

 恐らくこの三人は、彼処で睨んでいる令嬢方の尖兵って感じなのだろう。

 だからこその下位貴族を差し向けたのだろうし。
 お疲れ様。
 でも失礼な事されたんだからその顔は忘れません。
 ええ、一生ね。

「こ、これは失礼致しましたわレッティーナ様」

「私達挨拶に来ただけですの。これで失礼致しますね」

 さっさと場の空気を読んで退散する二人。
 残り一名は「失礼致しました。どうか悪く思わないよう…」と無難な言葉を残して去っていった。

 今思うと最後の一人は、二名の令嬢が暴走した時の引き止め役だったんだろうなぁ。

「ふふふ、中々の手腕ですわレッティーナ様」

 三名が去った後、口に扇を当ててクスクスと笑うアドリエンヌさん。

「こうなるって分かっていたなら止めて下さいよ」

「嫌ですわ、ふふふ」

「嫌ってね…」

「それにほら、ジーニアス様の取り巻きの令嬢方が私達は先程のトラブルとは無関係って感じで、あの二名の令嬢を牽制し始めましたでしょう?此方の話を聞き耳を立てて、大方レッティーナ様の身分を理解した為に保身に入りましたのよ。ああ言う方はよく検討しないと、下手するとジーニアス様を足掛かりにし、他の高貴な身分のお方に寄り付きますわ」

 ひぇぇぇぇ。
 流石お貴族様恐ろしいっ!

「それでなくてもジーニアス様は第二王子の近衛兵なのですから」

 だって。うわ~流石魑魅魍魎が跋扈する貴族社会。
 兄さん逃げてー、超逃げてー、猛ダッシュで逃げてー。

「ココに居たかレナ」

「レスカ様」

 とか言ってたらその第二王子が脇目も振らずに来たよ。チャッカリとユリアの手を繋いで。相変わらずな唯我独尊で独占欲の塊の様な人だなぁ。
 会場もザワっとしてるの知ってる?

「レナちゃん」

 そしてレスカ様の手を解いてから私に寄るユリア。
 あ~良いなぁお友達って感じで。親友だけどね。って、あれ?ユリアにアドリエンヌさん互いに驚いてる?

「ええええ、誰この超絶美少女!で月の女神様みたいな可憐な少女!レッティーナ様是非!お願い紹介して!」

 いや目の前だろうに、美人なのは同意するが。

「レナちゃん、このお人形さんみたいな可愛らしい子紹介して!」

 お前ら似た者同士かっ。
 珍しい光景に、レスカ様迄驚いて目を丸くしてるじゃないの。
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◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ とある商店街のお茶屋さん
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360

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NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
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