今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】

柚ノ木 碧/柚木 彗

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4章 今日もお屋敷も学園もゴタゴタしていますが、働いて・学んで・そして何故か陰謀に巻き込まれつつ何とか奮闘致します。

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 「まぁ、その様な事がおありでしたのですね」



 優雅で優美な淑女。

 大輪の可憐な花。

 いや、文字にしたら華かも知れない。

 私の目の前にいる最近の彼女の印象はこんな感じだ。

 うん、憩いだね。

 レスカ様が聞いたら問答無用で上下に何度も首を振って同意して居る事だろうと思う。その人の名前はユリア・ブルックストン様。この国であるアナジスタ国の可憐な侯爵令嬢が一人だ。

 その高位貴族で私よりも一つ年上の彼女が「うふふ、私はレナちゃんの親友ですの」と優雅に微笑むのだからもう、ね!

 ふにゃんって、なっちゃうよ~!

 勝手に頬が揺るんじゃうよー!



 そして本日、少しは屋敷内がまともに機能し始めたガルニエ館に訪問してくれたのだ。

 当然レスカ様の事前の訪問が何度も(…本当に何度もあったよこの人)行われ駄目だしをし、時に惚気に当てられ(…。)。更にメイドさんや使用人諸共に諸々な精神的なダメージを与え、ついには見事だとまで言わしめた。

 此れにはメイドさんや使用人一同、その場で歓喜を上げたぐらいだ。



 因みに見事だと言われた理由は玄関に見事に咲き誇って居る花々にある。

 送り主は植物に詳しいケイン様だったりする。

 ありがたや~!



「ニキが部屋なら僕は玄関!」



 と、問答無用で美しい花々が贈られて来たのでちゃっかり有効活用させて貰った。ちなみに全てケイン様が御一人で丹精込めて咲かせた花々である。

 凄いの一言だよね。



「ふむ、この白い大輪の百合、カサブランカは実に見事だ」



 恐らくケイン様もレスカ様の件を知っていて贈ってくれたのだろう。

 帰り際に「ケインにお礼を伝えてくれ。そして出来たら私にも一輪欲しいと伝えて欲しい」とちゃっかりと頼んでいたのが、何ともまぁ…



 百合の花ですからね。

 ユリア様の名前とも被るし、大方可憐で高潔な白い花を見て思い出して眺めて居たんだろう。薄っすらと頬染めてたしね~どんだけユリア様に夢中何だか、このストーカーめ。



 そんなユリア様のみ異様に執着するストーカーは兎も角、早速訪問してくれたユリア様は玄関を一度ゆっくりと見渡し、



「御免なさいね、早速レスカが余計な事をしたのでしょう?」



 と、一言。

 その通りです。

 あの第二王子はユリア様様にってヤリヤガッタです。

 実際には口に出して言いませんが。だって実際何も無かった屋敷の玄関が少しは見られる様になったしね。

 ですがユリア様が仰る通りなので黙っていると、



「全くもう、最近私に会いに来ないから一体何処にいらして居るのかと思えば酷いですわ。私もレナちゃんに会いたかったのですのに」



 等と言う発言。

 レスカ様何してるんですかー!ストーカーなのに何こっちに来てるんですかー!駄目でしょそんなんじゃ、ユリア様専属ストーカーの名が廃れるぞ!

 あ、その様に名乗って居ないって?いやいや、ある意味私達には共通の認識ですから。勿論ニキ様ケイン様に私の三人の認識ですが。ああでも最近コレに関しては兄のジーニアスも絡んでいるんだっけ。

 いや、絡むってより被害者かぁ。



「それにしてもこのお花、とても見事ですわ。咲かせたのはケイン様ですわね?」



 はい、その通りです。

 と言うかやっぱり分かっちゃうものなのかな?



「相変わらずあの方の植物に対する腕は素晴らしいですわ」



 と微笑んでおられました。

 が、次に私の部屋を見て一転変わりましたヨ。

 一瞬キョトンとしてから、ふっと柔らかな笑み。



「あら、これは…」



 と。

 うん、大輪の薔薇が室内に沢山飾られて居るモノね。

 しかもメイドさん達が一生懸命手入れ&見栄えが良い様に設置しており、薔薇の角度も何もかも見事だったりする。私だけならこんな風に見事に飾り付けなんて出来ないよ。

 そもそもお花の正面とか角度を向かせるように飾り付けるって言うのが良く分からないし。

 そしてね、ユリア様。

 これはもしかして悟った?悟っちゃった?

 本日相談する気満々だったのもわかります?



「猛アタックを受けてるのですわね」



 はい、その通りです。

 それが現在の頭痛の種なのです。

 しかも薔薇の送り主は言葉は無く、無言で花で埋め尽くして来るモノだから困ってしまうんですよ。

 そしてジーニアス兄さんの機嫌が困った事に連日下降の一途を辿って悪化中。

 ある程度予想は出来て居たんだけど、ディラン兄さんまでジーニアス兄さんの愚痴に付き合わされているらしい。偶々夜、書斎に偶々明かりが付いて居たから見に行ってみたら、延々ジーニアス兄さんがお酒片手にディラン兄さん相手にああだこうだと文句を言ってたんだよねぇ。



「ふふ、私のお父様もレスカと婚約する時はそれはそれは凄かったのですわ」



 父親の様な状態でいる男性って同じなのね、と。

 その時を思い出したのか、ふふふと含むような笑みを浮かべて笑うユリア様。

 最初学園で私が見た当初のユリア様とレスカ様は仲が悪かったけど、確か乙女ゲームの設定では幼い時はそれほどでも無かった筈なんだよね。

 微笑ましかったって記載していた気がする。



 でも何で学園に入ると悪くなっちゃうんだろう?それまではそうでも無かったらしいのに。

 乙女ゲームの強制力って奴なのかな?

 どうなんでしょう?



「レナちゃんはニキ様とケイン様、どちらの殿方に致しますの?」



 ぶふっ。

 何故そうなるっ。



「あら、違いますの?もしかしてフォーカス様ですの?それとも私の存じない殿方を好いておりますの?」



 いやいやいやいや。

 そうじゃなくってですね、と言うかフォーカス様うっかり選んだらオルブロンに殺されるわっ!



「兄さん達にも言ったのだけど、私はまだ13歳の子供なので」



 ジーニアス兄さんの受け売りでもあるけどね。

 前世だと中学生位で、年齢的にはまだまだ小さなお子様ですしね。



「あら、レナちゃんは私と一つしか違いませんですわ」



 確かにそうなんですが。だけど私が貴族の子息と婚約、とか。しかもどちらも高位貴族の子息って辺りが想像できないんだよね。



 それとコレ、ユリア様には言えないけれど…攻略対象者と恋ってのが何か違うって言うか。私はあくまでも乙女ゲームの世界をこっそりと覗きたかっただけで、まさか表舞台、しかも攻略対象者を相手に立つような状況等望んで居ないんですよ。



 何れは何方か良い人と出来たら良いな、とは思うよ?でも今迄はずっともし結婚出来るなら一般男性とだと思って居たんだよね。実家の事もあるから難しいって思っていたけど。だから今のガルニエ家の令嬢って地位にも慣れて居ないし、私はこんな王都に居る幼き時から蝶よ花よと育てられた御淑やかな令嬢では無い。何方かと言うと汗水たらして大地を耕すような、元の領地に居たならばそう言った庶民の働き者と結婚したかったのだ。



 小さい時からこんな夢みたいな事、親父とロドリゲス家の件で望めないと思って居て、一体この世知辛い状況からどうやって逃げれば良いのかと必死に画策していたから尚更の事。



「まぁ、レナちゃんは農民さんがお好きですの?」



 いや、まぁ嫌いでは無いけど。

 何せこっちに転生してから周囲の領民はほぼ農民ばかりだったし、偶に居るのは猟師と年に数回訪れる商人ぐらいだし。それを考えると商人なんてのは無理だろうと思って居たし、(だからシドニー姉さんの事は滅茶苦茶驚いたんだよ)そう考えると後は農民かなとしか考えて無かったし。



 そう言った意味では一番理想に近いのはケイン様だ。

 普段から土を弄って居て、しかも植物に詳しい。

 だけどドキドキさせられるのはニキ様で…。

 更に最近は困った事もあるしって、こっちの相談もしないと為らないなぁ。



「あら、まぁ。もしかしてレナちゃん。ニキ様の事が好きなの?」



「…え」



「レナちゃんのお部屋に”だけ”ニキ様の薔薇がありますわね」



「そ、それはケイン様が”玄関は”って」



「でもお好きなら傍に置いて置こうって思いません事?私はレスカが下さった物は出来るだけ傍に置きたいですから、為るべく自室においておりますわ」



 高価なモノは流石にきちんと閉まっておりますが、と言われてしまい困惑する。



 どうなんだろう。

 部屋にある薔薇達はメイドさん達が飾ってくれたからってのもあるのだけど。

 それに一つだけ部屋に置いてあるラベンダーの鉢はケイン様から頂いた物。それがベットのニキ様の薔薇と反対側に在ったりするんだよね。角度的に此方からだと見え難いのだけど。



「う~んこれはニキ様もケイン様も、レナちゃんを射止めるのはまだまだ先の事なのですのね」



 コテンと小首を傾げて実に可愛らしいユリア様を眺めながら、私はただただ困惑するのだった。























 * * *























「まぁぁぁ…」



 えーと。

 一応先日の王太子様であるガーフィールド様からの謎?の『友人申込書』が来て居ると相談してみたら、あらあらと珍しく口に手を当てて目を見開き驚いている。



「王太子様であられるガーフィールド様ですの?」



 嘘みたいですがそうです、あの王太子のガーフィールド様なんですよ。

 正直ジーニアス兄さんが爵位を頂いた時にチラット見たかな?居たかな?て程度しか知らないのだけどね。



「御話を致しましたの?それとも何方かのご紹介でお知り合いになりまして?」



「ううん、爵位授与の時に居るのをチラって見ただけ」



「それは…」



 あ、絶句した。

 そうだよね~、何せ話した事も無ければそれまで見た事も無い。精々絵本やお話に出て来るおとぎ話の王太子様って感じなのに、何がどうなって居るのやら。

 タチの悪い悪戯かと思っちゃってるんだけどね。



「それで、王太子様から何かしらのリアクションがありましたの?」



 …一応。

 良く分からないんだけど、何故か毎回花を持って来るんだよねぇ…。



「あらあら、それは」



 って、ユリア様口元を抑えて苦笑して居るけど、えーと。



「お部屋には飾っておりませんの?」



 うん。

 だってもうこの部屋には入らないよ?ビッシリとニキ様とケイン様ので一杯いっぱいだもの。この部屋、荷物もまだあまり無いから家具も少ないしね。



 逆に隣の部屋みたいに広い衣裳部屋なんてスッカスカですよ。ドレス何て場所を食うモノは頂いた品の数点しかないですし、見事なスカスカ具合ですよ~。いっそ着なくて良い様に整理したいぐらいだよ。特に天敵のアヤツ…高いハイヒールとか、コルセットとか、コルセットとか、コロセットとか!あ、ワザとコロセットって言いたかったので言い間違いじゃないよ?そんな気分にさせる程な凶悪な天敵って言うだけだからね。おまけにアレを付けると胸が強調されてしまうから物凄くイヤ。

 爵位授与の後のパーティー会場での若い男性共の視線が先ず胸を見て、それから顔を見てって感じで不快過ぎだよ。露骨過ぎだよ。そして一部鼻の下が伸び過ぎだよ!



 くそぅ…強調するドレスなんてもう着たくないぞ~!

 まぁ着なければ為らないんだろうけどね、何せコレが武器になるってユリア様からも言われたしね。女の武器オソロシイ。いっそ其処からロケットパンチでも出れば良いのに。



「もしかして廊下に幾つかありましたお花がそうですの?」



 そうです。

 しかも向日葵に竜胆、ピンクの胡蝶蘭に黄色のゼラニウムにピンクの撫子、極めつけは四葉のクローバー。



「あらあら、花言葉は確か向日葵は「貴方だけを見詰める」竜胆は「誠実」、ピンクの胡蝶蘭は「貴方を愛してます」、黄色のゼラニウムは「予期せぬ出会い」でピンクの撫子「純粋な愛」、四葉のクローバーは「私のものになって」でしたわ」



 うがぁぁぁぁっ!

 重い!

 重いよっ!

 第一王子ってか王太子っ!超重過ぎ!



「お陰で我が屋敷は現在花(植物)屋敷です…」



 花を飾って居るから浅〇の遊園地じゃないヨ?

 でも絵画とか花瓶とか、装飾品を特に飾り付けして居ないから純水に花や植物屋敷状態悪化してるんだよ~!



 ちなみに絵画は屋敷の物置から幾つか発見したのだけど、見た事も無い先代?先々代の御先祖様達の絵ばかりで、家族絵ならまだしも知らない人達ばかりなので飾るかどうかは検討中。どうせなら売る?ってディラン兄さんが言ってるけど、良いのだろうか?私達兄弟姉妹はこう言った事柄はさっぱり分からないので後程ジーニアス兄さんがレスカ様に相談するらしい。それと花瓶とか良く分からない像?みたいなモノも幾つか見付かったので、壊れて無ければ「変なの」じゃ無ければ飾ろうかな?と思って居る。



 …数点変なのがあるのだけど、メイドのヴェロニカさん曰く高価な品らしいので許可があれば売ってしまおうかなって思って居る。だって、気持ち悪いからね…。

 忠実過ぎる程にリアルに形どった魔物の置きモノとか、流石に兄さん二人も固まっていたし。ジーニアス兄さん等「妹達の為に壊すか」って床に叩き付けそうになって、それを見て叫んだヴェロニカさんに止められていたのはご愛敬かな。

「ジーニアスってほんと、妹達大事だよね?」等ディラン兄さんに揶揄われて居たけど、真剣な顔付きで頷いて居たのでディラン兄さんが苦笑して居たのはまぁ…うん、困ったもんだよね。



「でもお嫌いではないのでしょ?」



「花は嫌いじゃないです」



 でもっ王太子の花とかって何で私に持って来るの!

 意味わからないよー!



「うう~ん、世間一般的に女子を口説くには花って言いますわ。それにガーフィールド様はまだお会いして日が浅いでしょうから、花で無難に攻めていらっしゃるのでは」



 だけどね。

 場所!場所を取り過ぎるんだよ~!

 おまけにーっ



「まあ!『私の贈った花を是非部屋に飾ってくれ』とおっしゃったの?」



 はい。

 王太子相手にこう思っちゃいけないのかも知れないけど、正直メンドクサイです。



「という事は此方のレナちゃんのお部屋に王太子様をお通し致しましたの?」



 いえ。

 其処までは一応乙女の端くれとしては流石に。



「リビングで、という事ですのね」



「ガーフィールド様も気を使ってくれたみたいで…」



「ええ、そうね。もしレナちゃんのお部屋に未婚の男女が共に過ごすだなんて、もし世間にばれたら流石に世間体が立たず拙いですわ」



 あ、やっぱり。

 何となくそうじゃないかなって思って居たんだけど、やっぱりそうなんだ。私付きのメイド三名も必死で「お嬢様はまだ貴族社会の常識を分かっておられないと思いますので、失礼ながらも万が一があってはなりませんのであえて言わせて頂きます。良いですか、婚約をしていない殿方と決してお部屋で二人っきりになってはなりません。もしどうしてもその様な事態になりそうになられるなら、ドアは少しでも開けて置いて決して閉めない様にお願い致します」って、口を酸っぱくして言って来たものね。



「困ったわ。それなら尚更急がないと為らないですわ」



 え、何が?



「それは我が家で鍛えて居ます執事の事ですわ」

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NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846

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