147 / 255
3章 モーザ・ドゥーグの影
匂い
しおりを挟む
何も見えない真っ暗な闇の最中。
血生臭い匂いが部屋中に広がる。
部屋と言ったが、もしかしたら部屋では無いのかも知れない。
かといって外の様な感じもしない。
外なら草木の匂いや土の匂い。
岩が多い場所なら苔むす湿気を帯びた匂い。
乾燥している場合でさえ、独特の匂いがあるし、人がいる場所ならば生活臭等がある。
所がこの場所に漂うのは、嗅ぎ馴れた匂い。
鉄のような独特の匂い。
そして、離れた場所に居る筈の私の靴先に迄広がる血溜まりーー…
真っ暗で見えなかった視界の先。
目が馴れたのか徐々に目に映るその光景。
黒々とした大きな犬が血溜まりの中に転がり。
其処は真っ赤に染まっていた。
私の番(レイン)の心臓に深々と刺さる剣から滴る鮮血でーー
血生臭い匂いが部屋中に広がる。
部屋と言ったが、もしかしたら部屋では無いのかも知れない。
かといって外の様な感じもしない。
外なら草木の匂いや土の匂い。
岩が多い場所なら苔むす湿気を帯びた匂い。
乾燥している場合でさえ、独特の匂いがあるし、人がいる場所ならば生活臭等がある。
所がこの場所に漂うのは、嗅ぎ馴れた匂い。
鉄のような独特の匂い。
そして、離れた場所に居る筈の私の靴先に迄広がる血溜まりーー…
真っ暗で見えなかった視界の先。
目が馴れたのか徐々に目に映るその光景。
黒々とした大きな犬が血溜まりの中に転がり。
其処は真っ赤に染まっていた。
私の番(レイン)の心臓に深々と刺さる剣から滴る鮮血でーー
0
お気に入りに追加
880
あなたにおすすめの小説
私のことを嫌っている婚約者に別れを告げたら、何だか様子がおかしいのですが
雪丸
恋愛
エミリアの婚約者、クロードはいつも彼女に冷たい。
それでもクロードを慕って尽くしていたエミリアだが、クロードが男爵令嬢のミアと親しくなり始めたことで、気持ちが離れていく。
エミリアはクロードとの婚約を解消して、新しい人生を歩みたいと考える。しかし、クロードに別れを告げた途端、彼は今までと打って変わってエミリアに構うようになり……
◆エール、ブクマ等ありがとうございます!
◆小説家になろうにも投稿しております
お花畑聖女は願う
mios
恋愛
頭の中がお花畑の召喚聖女は願う。
「私のことを心から愛し、一番に考えてくれる人と一緒になりたい。」
逆ハーをすでに完成し、誰もに愛された故の贅沢な悩み。
女神は了承し、彼女を一番に考えている人の元に送った。
転生幼女のチートな悠々自適生活〜伝統魔法を使い続けていたら気づけば賢者になっていた〜
犬社護
ファンタジー
ユミル(4歳)は気がついたら、崖下にある森の中にいた。
馬車が崖下に落下した影響で、前世の記憶を思い出す。周囲には散乱した荷物だけでなく、さっきまで会話していた家族が横たわっており、自分だけ助かっていることにショックを受ける。
大雨の中を泣き叫んでいる時、1体の小さな精霊カーバンクルが現れる。前世もふもふ好きだったユミルは、もふもふ精霊と会話することで悲しみも和らぎ、互いに打ち解けることに成功する。
精霊カーバンクルと仲良くなったことで、彼女は日本古来の伝統に関わる魔法を習得するのだが、チート魔法のせいで色々やらかしていく。まわりの精霊や街に住む平民や貴族達もそれに振り回されるものの、愛くるしく天真爛漫な彼女を見ることで、皆がほっこり心を癒されていく。
人々や精霊に愛されていくユミルは、伝統魔法で仲間たちと悠々自適な生活を目指します。
望まれない結婚〜相手は前妻を忘れられない初恋の人でした
結城芙由奈@12/27電子書籍配信中
恋愛
【忘れるな、憎い君と結婚するのは亡き妻の遺言だということを】
男爵家令嬢、ジェニファーは薄幸な少女だった。両親を早くに亡くし、意地悪な叔母と叔父に育てられた彼女には忘れられない初恋があった。それは少女時代、病弱な従姉妹の話し相手として滞在した避暑地で偶然出会った少年。年が近かった2人は頻繁に会っては楽しい日々を過ごしているうちに、ジェニファーは少年に好意を抱くようになっていった。
少年に恋したジェニファーは今の生活が長く続くことを祈った。
けれど従姉妹の体調が悪化し、遠くの病院に入院することになり、ジェニファーの役目は終わった。
少年に別れを告げる事もできずに、元の生活に戻ることになってしまったのだ。
それから十数年の時が流れ、音信不通になっていた従姉妹が自分の初恋の男性と結婚したことを知る。その事実にショックを受けたものの、ジェニファーは2人の結婚を心から祝うことにした。
その2年後、従姉妹は病で亡くなってしまう。それから1年の歳月が流れ、突然彼から求婚状が届けられた。ずっと彼のことが忘れられなかったジェニファーは、喜んで後妻に入ることにしたのだが……。
そこには残酷な現実が待っていた――
*他サイトでも投稿中
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
逃げて、追われて、捕まって
あみにあ
恋愛
平民に生まれた私には、なぜか生まれる前の記憶があった。
この世界で王妃として生きてきた記憶。
過去の私は貴族社会の頂点に立ち、さながら悪役令嬢のような存在だった。
人を蹴落とし、気に食わない女を断罪し、今思えばひどい令嬢だったと思うわ。
だから今度は平民としての幸せをつかみたい、そう願っていたはずなのに、一体全体どうしてこんな事になってしまたのかしら……。
2020年1月5日より 番外編:続編随時アップ
2020年1月28日より 続編となります第二章スタートです。
**********お知らせ***********
2020年 1月末 レジーナブックス 様より書籍化します。
それに伴い短編で掲載している以外の話をレンタルと致します。
ご理解ご了承の程、宜しくお願い致します。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる