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2.5章
閑話 精霊と面倒ごと
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瞼を閉じている状態でもほんのりと明るさを感じる。
昨夜遅くまで書類や手紙の返事を書き、レインとはあまり触れ合って無かったなと少し寂しく思う。
今日はその分構えるだろうか。
グリンウッドの抗争が終わり、城の修理や改造等まだまだ手が掛かるらしく一階から二階へ上がる出入り口は閉ざしたままなのだが、近頃は新人である執事見習い達が頑張って居るせいか、特に不審者達が侵入して来たと言う様な事は無い。
おまけに料理人見習いとして入って来たキアヌが、見習い達の戦闘訓練(執事とは言え、護衛も兼ねる為に執事見習いは全員訓練を受ける)に自主的に混じって来るようになった。
何でも「御嬢様を、皆を守る事が出来無かった」と言う理由で。
でも私はそうでは無いと思って居る。
キアヌは魔力切れを起こして気絶したキーラを庇って大火傷を負ったと聞いて居るし、何だかんだ行って精一杯レインや皆を守る為に行動して居たと、ヒネモスやレインから聞いて居る。
そう言えばキーラと言えば、早朝の執事見習い達の訓練に混じって居るとか。魔力切れになら無い程度に魔力を残し、体術でも闘える様になりたいと混じって居るらしい。
キーラの兄のリアムが苦言を漏らしていたな。
「訓練終わったら、今度俺が組み手の相手させられるんですよ」
ーーと。
本を見ながら実験台にさせられるとか。
私も昔フローやアニタに散々やられたからわかる。
特にフローは魔法や精霊魔法までブチ込んで来るから冷や汗モノだった。遠慮なく火炎魔法を放つモノだから、周囲が火事を起こさない様にヒヤヒヤモノだったんだよな。
…今も余り変わって居ないが。
頑張れリアム。兄の試練だ。
としか言えんな…
マミュウ達が旅立ってからもう一ヶ月にもなる。
ミトラ姉上から無事にファンダムに付いたと連絡があったが、クラフトマスターが義足製作開始をしたと聞いてから音沙汰が無い。
変わりに火の精霊達がやたらとレインに会いに来て、向こうにどういう様子だったと伝えて居る様だが、向こうの様子は話してくれない。
…火の精霊達は基本、猪突猛進なので自分達の用事意外頭に無いから聞いても無駄な事が多いのだが。昨夜も来た火の精霊に一応聞いてみたら、私達の様子だけ見て速攻でばいばーい!と帰っていった。
相変わらずマイペースな様だ。
さて。思考するのはそろそろ止めよう。
目を見開いてーー…
目の前に居る愛し子に破顔する。
スヤスヤと寝息を立てている口は少し開き、可愛らしい唇が時折動く。何か食べている夢でも見ているのだろうか。モグモグ動かす様は何だか見ていて面白い。
時折動くせいか艶やかな銀髪は頬に掛かり、幼いながらも色気を醸し出す。
「可愛い…」
頬に掛かった髪の毛を手に持ち、柔らかな感触を楽しむ。
可愛くて愛しい。
何千年もの長い間触れ合う事も、言葉を交わすことも出来なかった私の番。
髪の毛を手櫛で鋤き、穏やかな寝息を立てているその顔を見詰める。
レインの召還獣によって怪我は全て無くなったが、唐突に眠りに落ちてしまう様になってから結構たつ。
今の彼女もその状態だろうか。
今着ている服は寝間着では無い。
と言う事は、夜中に添い寝をしに来たと言う訳ではない。
最近は土の妖精と眠って居るようだし、それに…
竜王がウサギの耳元に手を掛けると、まるで「だめー!」と言う様に小さな光の珠が幾つも飛び出して来る。
「髪の毛を鋤いて居るだけだから心配するな」
と声を掛ければ「ほんとう?」と言う様な素振りでくるくる回り始める。
この光の珠はレインが第十一番目となり、傷が癒えてから産まれて来たレインの属性である星の精霊達だ。
今までこの星が誕生し、レインが産まれた時以来のこの属性の精霊の誕生に、今この星に棲む人々は動揺したり、歓喜したり、冷静に観察したりと様々な状態になっているらしい。
とは言えこの星の精霊達は基本的に数が少なく、また小さな子なのでこの城から外に出ないらしく、また出たとしても何かしらの比較的大きな他の属性の精霊達がベッタリくっついて居るらしく、滅多に見れない様だ。
お蔭で他国から見たいと遠回しに告げる手紙が舞い込んで来ており、返事が大変だ。
最も政治的な意味合いでは無いだけましで、大統領のパウル等「アホみたいな数が来て泣ける!」と、先日来た折り苦言を漏らしていた。酷いのは「寄越せ」と言うアホな国もあるらしいが(しかも和の国だ…)。
「お?」
目の前を他の星の精霊達よりも大きい光の珠が舞う。
どうやらオハヨと言っているらしい。
「御早う、タマ」
ぷるぷると前後動き出すこの精霊には名がある。
始めて産まれた時にレインが「タマちゃん」と名付けた。
お蔭で他の精霊よりも大きくなり、恐らくこの子は星の精霊の筆頭になるのでは無いかなと思う。
ーー初期の子を除いて。
そう言えばレインの属性の初期の子は、精霊と言うより獣の様な大きな白い犬の形になっていたな。第一と第三第四、そして第十一のレインがこの世から消えたその日のうちに姿を消してしまって居たが。
まさかな。
先日の城の内部に居り、レイン達を襲ったと言う黒い犬。
少し調べた方が良いかも知れない。
さて。
私の前に並んだ他の星の精霊達にも挨拶をし、ベットから起き上がると、
「あれ、寝ちゃった」
ふぁ~と口許に手をやり、小さく欠伸をしながらレインが上体を起こす。
「御早うレイン」
「おはようごじゃいましゅ…」
むにむにと目を手で擦り、まだ眠いのかふらふらしている。
「無理せずにまだ眠って居ても良いぞ?」
何時もとは違う部屋のクローゼットから着替えを取り出して戻って来ると、今度はベットに座ったままの姿勢で船を漕いでいるレインに驚く。
小さな精霊達がレインが倒れない様に、傾いて居る向きに居て支えて居る。
「レインほら、眠るならちゃんと横になってだな。精霊達に負担をかけさせてるぞ?」
精霊達からレインを受け止め、ゆっくりとベットに横にならせると、
「うん。ごめね~」
と言った瞬間眠りに落ちた。
どうやらここ暫く起こしている瞬間寝落ちでは無い様だ。
部屋の中を手持ちぶさたに動き出した精霊達が私の着替えを手伝い出し、くるくると舞う。脱いだ寝間着に潜り込んだと思ったら、今度は空中で折り畳んでふらふら舞って居る。どうやら私が着替え終わるのを待っている様だ。
「いいぞ」
着替え終わってから言うと、部屋のドアを開けて廊下に居たメイド、アンバーに「洗濯物です」と届けてくれる。
「あら?届けてくれたの?有り難う」
アンバーが目を点にして星の精霊達に話し掛けるとぷるぷると嬉しそうに動き出す。
「あ、竜王様御早う御座います。この子達は中々お利口ですね」
確かに火の精霊達と比べると聞き分けがかなり良い。その分甘えん坊で、御手伝い等何かしたくて堪らない様だが。
「御早うアンバー。彼女は眠くて仕方無いみたいでな、もう少し寝かせてやってくれ」
「畏まりました。竜王様、朝食はどうなさいますか?」
「出来たら彼女と食べたいのだが、三十分程待っても起きなければ先に頂く事にする。其れまで執務室に居るから、珈琲を1つ頼む」
「分かりました。ああ、竜王様。早朝からパウル大統領からの手紙が来ております。その件でヒネモスがお話がしたいとのことです」
「解った。執務室迄呼んでくれ」
「はい」
一礼をして去って行く背中を見て、面倒事だろうなと内心吐息を吐いた。
昨夜遅くまで書類や手紙の返事を書き、レインとはあまり触れ合って無かったなと少し寂しく思う。
今日はその分構えるだろうか。
グリンウッドの抗争が終わり、城の修理や改造等まだまだ手が掛かるらしく一階から二階へ上がる出入り口は閉ざしたままなのだが、近頃は新人である執事見習い達が頑張って居るせいか、特に不審者達が侵入して来たと言う様な事は無い。
おまけに料理人見習いとして入って来たキアヌが、見習い達の戦闘訓練(執事とは言え、護衛も兼ねる為に執事見習いは全員訓練を受ける)に自主的に混じって来るようになった。
何でも「御嬢様を、皆を守る事が出来無かった」と言う理由で。
でも私はそうでは無いと思って居る。
キアヌは魔力切れを起こして気絶したキーラを庇って大火傷を負ったと聞いて居るし、何だかんだ行って精一杯レインや皆を守る為に行動して居たと、ヒネモスやレインから聞いて居る。
そう言えばキーラと言えば、早朝の執事見習い達の訓練に混じって居るとか。魔力切れになら無い程度に魔力を残し、体術でも闘える様になりたいと混じって居るらしい。
キーラの兄のリアムが苦言を漏らしていたな。
「訓練終わったら、今度俺が組み手の相手させられるんですよ」
ーーと。
本を見ながら実験台にさせられるとか。
私も昔フローやアニタに散々やられたからわかる。
特にフローは魔法や精霊魔法までブチ込んで来るから冷や汗モノだった。遠慮なく火炎魔法を放つモノだから、周囲が火事を起こさない様にヒヤヒヤモノだったんだよな。
…今も余り変わって居ないが。
頑張れリアム。兄の試練だ。
としか言えんな…
マミュウ達が旅立ってからもう一ヶ月にもなる。
ミトラ姉上から無事にファンダムに付いたと連絡があったが、クラフトマスターが義足製作開始をしたと聞いてから音沙汰が無い。
変わりに火の精霊達がやたらとレインに会いに来て、向こうにどういう様子だったと伝えて居る様だが、向こうの様子は話してくれない。
…火の精霊達は基本、猪突猛進なので自分達の用事意外頭に無いから聞いても無駄な事が多いのだが。昨夜も来た火の精霊に一応聞いてみたら、私達の様子だけ見て速攻でばいばーい!と帰っていった。
相変わらずマイペースな様だ。
さて。思考するのはそろそろ止めよう。
目を見開いてーー…
目の前に居る愛し子に破顔する。
スヤスヤと寝息を立てている口は少し開き、可愛らしい唇が時折動く。何か食べている夢でも見ているのだろうか。モグモグ動かす様は何だか見ていて面白い。
時折動くせいか艶やかな銀髪は頬に掛かり、幼いながらも色気を醸し出す。
「可愛い…」
頬に掛かった髪の毛を手に持ち、柔らかな感触を楽しむ。
可愛くて愛しい。
何千年もの長い間触れ合う事も、言葉を交わすことも出来なかった私の番。
髪の毛を手櫛で鋤き、穏やかな寝息を立てているその顔を見詰める。
レインの召還獣によって怪我は全て無くなったが、唐突に眠りに落ちてしまう様になってから結構たつ。
今の彼女もその状態だろうか。
今着ている服は寝間着では無い。
と言う事は、夜中に添い寝をしに来たと言う訳ではない。
最近は土の妖精と眠って居るようだし、それに…
竜王がウサギの耳元に手を掛けると、まるで「だめー!」と言う様に小さな光の珠が幾つも飛び出して来る。
「髪の毛を鋤いて居るだけだから心配するな」
と声を掛ければ「ほんとう?」と言う様な素振りでくるくる回り始める。
この光の珠はレインが第十一番目となり、傷が癒えてから産まれて来たレインの属性である星の精霊達だ。
今までこの星が誕生し、レインが産まれた時以来のこの属性の精霊の誕生に、今この星に棲む人々は動揺したり、歓喜したり、冷静に観察したりと様々な状態になっているらしい。
とは言えこの星の精霊達は基本的に数が少なく、また小さな子なのでこの城から外に出ないらしく、また出たとしても何かしらの比較的大きな他の属性の精霊達がベッタリくっついて居るらしく、滅多に見れない様だ。
お蔭で他国から見たいと遠回しに告げる手紙が舞い込んで来ており、返事が大変だ。
最も政治的な意味合いでは無いだけましで、大統領のパウル等「アホみたいな数が来て泣ける!」と、先日来た折り苦言を漏らしていた。酷いのは「寄越せ」と言うアホな国もあるらしいが(しかも和の国だ…)。
「お?」
目の前を他の星の精霊達よりも大きい光の珠が舞う。
どうやらオハヨと言っているらしい。
「御早う、タマ」
ぷるぷると前後動き出すこの精霊には名がある。
始めて産まれた時にレインが「タマちゃん」と名付けた。
お蔭で他の精霊よりも大きくなり、恐らくこの子は星の精霊の筆頭になるのでは無いかなと思う。
ーー初期の子を除いて。
そう言えばレインの属性の初期の子は、精霊と言うより獣の様な大きな白い犬の形になっていたな。第一と第三第四、そして第十一のレインがこの世から消えたその日のうちに姿を消してしまって居たが。
まさかな。
先日の城の内部に居り、レイン達を襲ったと言う黒い犬。
少し調べた方が良いかも知れない。
さて。
私の前に並んだ他の星の精霊達にも挨拶をし、ベットから起き上がると、
「あれ、寝ちゃった」
ふぁ~と口許に手をやり、小さく欠伸をしながらレインが上体を起こす。
「御早うレイン」
「おはようごじゃいましゅ…」
むにむにと目を手で擦り、まだ眠いのかふらふらしている。
「無理せずにまだ眠って居ても良いぞ?」
何時もとは違う部屋のクローゼットから着替えを取り出して戻って来ると、今度はベットに座ったままの姿勢で船を漕いでいるレインに驚く。
小さな精霊達がレインが倒れない様に、傾いて居る向きに居て支えて居る。
「レインほら、眠るならちゃんと横になってだな。精霊達に負担をかけさせてるぞ?」
精霊達からレインを受け止め、ゆっくりとベットに横にならせると、
「うん。ごめね~」
と言った瞬間眠りに落ちた。
どうやらここ暫く起こしている瞬間寝落ちでは無い様だ。
部屋の中を手持ちぶさたに動き出した精霊達が私の着替えを手伝い出し、くるくると舞う。脱いだ寝間着に潜り込んだと思ったら、今度は空中で折り畳んでふらふら舞って居る。どうやら私が着替え終わるのを待っている様だ。
「いいぞ」
着替え終わってから言うと、部屋のドアを開けて廊下に居たメイド、アンバーに「洗濯物です」と届けてくれる。
「あら?届けてくれたの?有り難う」
アンバーが目を点にして星の精霊達に話し掛けるとぷるぷると嬉しそうに動き出す。
「あ、竜王様御早う御座います。この子達は中々お利口ですね」
確かに火の精霊達と比べると聞き分けがかなり良い。その分甘えん坊で、御手伝い等何かしたくて堪らない様だが。
「御早うアンバー。彼女は眠くて仕方無いみたいでな、もう少し寝かせてやってくれ」
「畏まりました。竜王様、朝食はどうなさいますか?」
「出来たら彼女と食べたいのだが、三十分程待っても起きなければ先に頂く事にする。其れまで執務室に居るから、珈琲を1つ頼む」
「分かりました。ああ、竜王様。早朝からパウル大統領からの手紙が来ております。その件でヒネモスがお話がしたいとのことです」
「解った。執務室迄呼んでくれ」
「はい」
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