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2.5章

2.5 よく聞いてね。

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今回は短いです。
スイマセンm(__)m

 * * *

 マミュウさんは召喚獣じゃないけど、でもお願い効いてっ!


 止血だけでもいい。
 出来たら傷も治したいけど。

 一回目。途中で元執事に伸ばしていた片手を踏み潰され、あまりの痛みの為に失敗。
 二度目。魔力を込めた時に顎を蹴り飛ばされ、一瞬意識が遠退き失敗。
 三度目の正直!

 何度も蹴られてもウサギは願いを、魔力を籠める。

 お願い!
 お願い!!
 マミュウさんの血止まってぇええっ!
 出来たら少しでも怪我が治ってぇええっ!

 ウサギが必死に指先に願いを籠めて魔力を溜めていると、

「オイ、なんかこのガキ変だな」

「なに悪巧みしてんだっ」

 ガツッと頭部を足蹴にされるが何とか耐える。
 意識が遠退きそうになったが、奥歯を噛み締めて耐える。
 少しでも意識が途絶えたら駄目と魔力を懸命に籠めるウサギに対し、エルフ達は何かを察したのかヤバイとでも思ったのか、先程よりも力を込めて撲ったり蹴りを入れられる。

 痛い。
 凄く痛い。
 でも私を庇ってくれたマミュウさんはもっと痛いの!

 ウサギは気力を振り絞り、全身全霊を指先に籠める。
 お母さんや御姉さんの様に慕っている人を救いたいが為に。

「目が紅く?」

「なんだコイツ気持ち悪い!」

『何だと!』

 エルフ達がざやめくと、黒い犬が慌てた様にウサギを見て声を張り上げる。

『やめろ!離れるんだ!』

「は!何言ってるんだあんた」

 馬鹿にした様にエルフの女は鼻で笑い、グイッとウサギの首を閉めようと服の襟首に手を掛けた瞬間、

 ジュッ

 っと音を立てて女はミイラの様に"干からびた"。

「ギャアア…ア…ア…ァ……ッ」

 干からびた女は元々減っていた生気が全て消え去り、声も徐々に小さくなり、やがてサラサラと音を立てて砂になり崩れ始めた。

「ひいいっ!」

「うわあ」

「何だ!何が起きた!」

「化物!」

 虐待行為をしていたエルフ達が怒りを露に足をあげて蹴ろうとすると、黒い犬が

『やめろ!触るのではない!』

 と制止する。

「何故止める!」

『解らぬのか馬鹿者!』

 エルフ達と黒い犬が口論して居る間にも、ウサギは魔力を必死に籠める。

 出来たらマミュウさん以外にも、この部屋に居て怪我を追ってるキアヌやヒネモスさんにも回復させたいし、キーラちゃんにも魔力の回復をさせたい。
 贅沢な願いかもしれない。
 それをするにはまずマミュウさんの出血を!


 ーーおねえちゃん。

 え?

 不意に聞こえた声にウサギは魔力を籠めながらも驚く。久し振りに聞く弟の声。幻聴かな?

 ーー幻聴じゃないよ。

 ええ?
 エルフ達が口論している方に視線を向けるが弟の姿は無い。まして声は頭の中から聞こえた様な気がする。

 ーー魔力の中にある人格の一部みたいなモノかな?

 どう言うこと?

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