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2.5章
2.5 お願い効いてっ!
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□■□注意
残虐な描写があります。
苦手な方は御注意下さい。
* * *
side.ウサギ
ケホッと1つ咳をする。
途端ゴボゴボと喉の奥から血が溢れ、また咳き込む。
ぺっと吐き出したのは真っ赤な血。
内蔵何処かやられたのかな。
冷たい床に横たわったまま、ウサギは全身アチコチから鈍い痛みーー…既に痛すぎて痛覚が可笑しく為っているのか、それとも加護のお蔭なのか。額から血が流れて来ているし手足からも出血があるが、お腹が一番痛いので蹲る。
「何で死なないんだよっ」
「妬ましい!」
「こんなのが竜王の番なのか」
「気持ち悪い娘ね!」
ウサギにとって見れば、元は美しかったであろう金髪や赤い髪のエルフ達のが酷く気持ち悪く見える。病気で衰弱した様な青白い肌で、時折肌がどす黒くすんでおり、鬱血している。おまけに暫くまともな食事も採れて居ないのか、酷く痩せこけており、手足には謎の湿疹や異臭がする。恐らく風呂にも入って居ないのだろう。髪の毛にはフケやシラミがわいて居る。
おまけに所々に謎の瘤やら膿の様なモノがあり、其処からジクジクとした音が時折哭いていて、汚ならしい液体が流れて居る。
病気なのかな?痛くないの?
ウサギはそう思ったが、口に出す気は無いし出すつもりも無い。
"エルフとは痩身秀美で等身が高く、とても美しい一族である。"
ウサギが読んだ絵本には大抵この文字が書かれて居るが、今ウサギが対面しているエルフ達はとてもそうとは言えない。
今の姿は秀美では無く、醜美と言う言葉がピッタリ当て嵌まる。
その中でも特に黒く窪んだ目付きのイカれた様子の長身の男ーー…ウサギの記憶が正しければ、以前この古城に勤めて居た筈の元執事(ウサギが室内で帽子で遊んで居たら注意してきた)だと思われるエルフが、別れた時よりまるでボロ雑巾の様な酷い容姿となり、罵声をウサギに浴びせながらひたすら蹴りを入れて来る。
「何でこんなチビにこんなに大量の加護があるのだっ」
私には1つも加護等無いのに!と言われても困る。
ウサギとてどうして加護があるのか知らないし(竜王はウサギを寵愛しまくり過ぎてて別)、「精霊王」の加護はどうして付いたのかは知らないし、「女神の加護」は恐らく人間になった原因の腕輪が関係してるんじゃ無いかなって思うし、「土の精霊の加護」は多分赤ちゃんが原因だと思う。今も小さな声で「まま、ままっ」って泣き声が聞こえて来る。
ドスンと一層強く蹴り上げられ、ウサギの口の中から歯が数本根っこから取れたらしく、勢いよく飛び出て来る。
それをエルフ達は笑って「穢い」と罵る。
そんなエルフ達の事などウサギはどうでも良かった。
何故ならウサギのすぐ横には、片足を切断され大量の血を流して倒れて居るマミュウが、魔力欠乏を起こして倒れて居るキーラが、そのキーラを庇って背中に大火傷を作って倒れ付して居るキアヌが、そして腕の中に居る土の精霊を庇って血だらけで倒れ伏しているヒネモスが視界に写ったからだ。
そしてウサギはと言うと、今だエルフの男に蹴られながら意識も朦朧としつつ事態を見つめていた。
「なんてしぶとい奴」
「致死性の毒を喰らったのにまだ息がありやがる」
今度はエルフの女らしい奴が、暫く洗って居ない汚ならしい髪を振り乱して蹴りを入れて来る。
ドンッと言う衝撃がウサギの腹に与えられ、壁に激突する。
「御嬢…さま…っ」
ウサギが激突した音に我に返ったのか、マミュウが必死にウサギの方に顔を向け、次いでエルフ達に歯を剥き出した様で悔しげに涙を流しつつ威嚇する。
良かった、マミュウさん生きてる。
ウサギはその事に安堵を覚えると共に、エルフ達がマミュウの意識が戻った事に気取らぬ様に、一番近くに居た先程ウサギを蹴り飛ばした女のエルフの足に必死に腕を伸ばしすがり付いた。
「ぎゃあっ!」
途端悲鳴を上げて女は慌ててウサギの腕を振り払おうと形振り構わず暴れ、また周囲に居たエルフ達に怒濤の様な罵声を浴びせられながらもすがり付く。
駄目。これ以上マミュウさん達に手は出させないものっ
毒と怪我で意識は朦朧とするが、エルフ達に足蹴にされるのはまだ平気。死なないから。
でも、あれは駄目。
部屋の一角で悠然と佇む真っ黒い犬。
あの黒い犬が来てから形勢があっという間に逆転された。
隠し通路を通って居る時にエルフ達に襲われたが、ウサギの召喚獣が迎撃し、あっという間に襲って来たエルフ達の半数を薙ぎ倒し、エルフ達が狼狽え慌て出した瞬間に事態は逆転した。
『召喚は術者の意識を朦朧とさせれば良い』
空間に突如黒い霧が発生したかと思った瞬間、ウサギの喉仏に霧の中から現れた黒い犬が噛み付き、途端二匹の召喚獣、ジャッカロープのくーちゃんにアルミラージのみーちゃんが姿を消し、黒い犬にウサギを人質の様な形を取られた者達は手を出す事敵わず、なし崩し的になぶり殺しと迄は行かないが、半殺し迄にはなった。
それでもキーラは隙を次いでウサギを救おうとしたし、そんなキーラにエルフが致死性が高い魔法を放った時にキアヌは庇い、ヒネモスは腕の中に居る土の精霊を庇いながらも抵抗し、マミュウに至っては斬り付けられたウサギを庇って片足を切断された。
そしてウサギはどんなに殴られても蹴り飛ばされても加護が強いせいかエルフ達では大した怪我を与える事が出来ず、黒い犬が何故だか苦々しげにエルフ達に毒薬を渡してウサギに無理矢理投与した。
そのせいかは解らないがエルフ達が蹴ると当初よりもウサギに怪我を追わす事が出来る様になり、嬉々としてエルフ達がウサギを囲って殴る蹴るの暴行を与えたが(何故かその光景を黒い犬は見たく無いのか目を背けていた)、少し間が空くと水の加護が発生して怪我が軽減する。
その度に再度同じ様な残虐極まりない行為をウサギに課すが、また同じく竜王の加護が発生して少しだけ回復する。
辛い、なぁ…
でも駄目。
ウサギはエルフの女の足に離すものかと腕に力を入れ、必死に考える。
キーラちゃんは多分大丈夫、だけどキアヌは早く患部を冷やさないと不味い。マミュウさんだって出血が酷い。顔色だってどんどん青ざめて居る。これって授業で習った出血多量で危ないんだよね。
チラリと黒い犬の方を見れば此方を見て居ない。
エルフ達は私を蹴るのに忙しいのか、私を見ているのかどうか解らない。召喚師として召喚獣の回復は出来るって習ったけど、やった事は無い。まして召喚獣にでは無く、マミュウさんに出来るだろうか?
殴られ蹴られながらも指先に魔力を込める。
一瞬黒い犬が此方を向いた気がして慌てて黒い犬を伺うが、目線は剃らされていた為にそのまま継続する。
どうか、マミュウさんの出血止まって…っ!
口の中で小さく召喚獣達様の回復魔術を唱え、マミュウさんへと向ける。
マミュウさんは召喚獣じゃないけど、でもお願い効いてっ!
残虐な描写があります。
苦手な方は御注意下さい。
* * *
side.ウサギ
ケホッと1つ咳をする。
途端ゴボゴボと喉の奥から血が溢れ、また咳き込む。
ぺっと吐き出したのは真っ赤な血。
内蔵何処かやられたのかな。
冷たい床に横たわったまま、ウサギは全身アチコチから鈍い痛みーー…既に痛すぎて痛覚が可笑しく為っているのか、それとも加護のお蔭なのか。額から血が流れて来ているし手足からも出血があるが、お腹が一番痛いので蹲る。
「何で死なないんだよっ」
「妬ましい!」
「こんなのが竜王の番なのか」
「気持ち悪い娘ね!」
ウサギにとって見れば、元は美しかったであろう金髪や赤い髪のエルフ達のが酷く気持ち悪く見える。病気で衰弱した様な青白い肌で、時折肌がどす黒くすんでおり、鬱血している。おまけに暫くまともな食事も採れて居ないのか、酷く痩せこけており、手足には謎の湿疹や異臭がする。恐らく風呂にも入って居ないのだろう。髪の毛にはフケやシラミがわいて居る。
おまけに所々に謎の瘤やら膿の様なモノがあり、其処からジクジクとした音が時折哭いていて、汚ならしい液体が流れて居る。
病気なのかな?痛くないの?
ウサギはそう思ったが、口に出す気は無いし出すつもりも無い。
"エルフとは痩身秀美で等身が高く、とても美しい一族である。"
ウサギが読んだ絵本には大抵この文字が書かれて居るが、今ウサギが対面しているエルフ達はとてもそうとは言えない。
今の姿は秀美では無く、醜美と言う言葉がピッタリ当て嵌まる。
その中でも特に黒く窪んだ目付きのイカれた様子の長身の男ーー…ウサギの記憶が正しければ、以前この古城に勤めて居た筈の元執事(ウサギが室内で帽子で遊んで居たら注意してきた)だと思われるエルフが、別れた時よりまるでボロ雑巾の様な酷い容姿となり、罵声をウサギに浴びせながらひたすら蹴りを入れて来る。
「何でこんなチビにこんなに大量の加護があるのだっ」
私には1つも加護等無いのに!と言われても困る。
ウサギとてどうして加護があるのか知らないし(竜王はウサギを寵愛しまくり過ぎてて別)、「精霊王」の加護はどうして付いたのかは知らないし、「女神の加護」は恐らく人間になった原因の腕輪が関係してるんじゃ無いかなって思うし、「土の精霊の加護」は多分赤ちゃんが原因だと思う。今も小さな声で「まま、ままっ」って泣き声が聞こえて来る。
ドスンと一層強く蹴り上げられ、ウサギの口の中から歯が数本根っこから取れたらしく、勢いよく飛び出て来る。
それをエルフ達は笑って「穢い」と罵る。
そんなエルフ達の事などウサギはどうでも良かった。
何故ならウサギのすぐ横には、片足を切断され大量の血を流して倒れて居るマミュウが、魔力欠乏を起こして倒れて居るキーラが、そのキーラを庇って背中に大火傷を作って倒れ付して居るキアヌが、そして腕の中に居る土の精霊を庇って血だらけで倒れ伏しているヒネモスが視界に写ったからだ。
そしてウサギはと言うと、今だエルフの男に蹴られながら意識も朦朧としつつ事態を見つめていた。
「なんてしぶとい奴」
「致死性の毒を喰らったのにまだ息がありやがる」
今度はエルフの女らしい奴が、暫く洗って居ない汚ならしい髪を振り乱して蹴りを入れて来る。
ドンッと言う衝撃がウサギの腹に与えられ、壁に激突する。
「御嬢…さま…っ」
ウサギが激突した音に我に返ったのか、マミュウが必死にウサギの方に顔を向け、次いでエルフ達に歯を剥き出した様で悔しげに涙を流しつつ威嚇する。
良かった、マミュウさん生きてる。
ウサギはその事に安堵を覚えると共に、エルフ達がマミュウの意識が戻った事に気取らぬ様に、一番近くに居た先程ウサギを蹴り飛ばした女のエルフの足に必死に腕を伸ばしすがり付いた。
「ぎゃあっ!」
途端悲鳴を上げて女は慌ててウサギの腕を振り払おうと形振り構わず暴れ、また周囲に居たエルフ達に怒濤の様な罵声を浴びせられながらもすがり付く。
駄目。これ以上マミュウさん達に手は出させないものっ
毒と怪我で意識は朦朧とするが、エルフ達に足蹴にされるのはまだ平気。死なないから。
でも、あれは駄目。
部屋の一角で悠然と佇む真っ黒い犬。
あの黒い犬が来てから形勢があっという間に逆転された。
隠し通路を通って居る時にエルフ達に襲われたが、ウサギの召喚獣が迎撃し、あっという間に襲って来たエルフ達の半数を薙ぎ倒し、エルフ達が狼狽え慌て出した瞬間に事態は逆転した。
『召喚は術者の意識を朦朧とさせれば良い』
空間に突如黒い霧が発生したかと思った瞬間、ウサギの喉仏に霧の中から現れた黒い犬が噛み付き、途端二匹の召喚獣、ジャッカロープのくーちゃんにアルミラージのみーちゃんが姿を消し、黒い犬にウサギを人質の様な形を取られた者達は手を出す事敵わず、なし崩し的になぶり殺しと迄は行かないが、半殺し迄にはなった。
それでもキーラは隙を次いでウサギを救おうとしたし、そんなキーラにエルフが致死性が高い魔法を放った時にキアヌは庇い、ヒネモスは腕の中に居る土の精霊を庇いながらも抵抗し、マミュウに至っては斬り付けられたウサギを庇って片足を切断された。
そしてウサギはどんなに殴られても蹴り飛ばされても加護が強いせいかエルフ達では大した怪我を与える事が出来ず、黒い犬が何故だか苦々しげにエルフ達に毒薬を渡してウサギに無理矢理投与した。
そのせいかは解らないがエルフ達が蹴ると当初よりもウサギに怪我を追わす事が出来る様になり、嬉々としてエルフ達がウサギを囲って殴る蹴るの暴行を与えたが(何故かその光景を黒い犬は見たく無いのか目を背けていた)、少し間が空くと水の加護が発生して怪我が軽減する。
その度に再度同じ様な残虐極まりない行為をウサギに課すが、また同じく竜王の加護が発生して少しだけ回復する。
辛い、なぁ…
でも駄目。
ウサギはエルフの女の足に離すものかと腕に力を入れ、必死に考える。
キーラちゃんは多分大丈夫、だけどキアヌは早く患部を冷やさないと不味い。マミュウさんだって出血が酷い。顔色だってどんどん青ざめて居る。これって授業で習った出血多量で危ないんだよね。
チラリと黒い犬の方を見れば此方を見て居ない。
エルフ達は私を蹴るのに忙しいのか、私を見ているのかどうか解らない。召喚師として召喚獣の回復は出来るって習ったけど、やった事は無い。まして召喚獣にでは無く、マミュウさんに出来るだろうか?
殴られ蹴られながらも指先に魔力を込める。
一瞬黒い犬が此方を向いた気がして慌てて黒い犬を伺うが、目線は剃らされていた為にそのまま継続する。
どうか、マミュウさんの出血止まって…っ!
口の中で小さく召喚獣達様の回復魔術を唱え、マミュウさんへと向ける。
マミュウさんは召喚獣じゃないけど、でもお願い効いてっ!
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