商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

文字の大きさ
上 下
115 / 138

113 顔近いっ!

しおりを挟む
 
 なんて思っていたら、急に真顔の憲真。
 顔近いっ!
 憲真の丹精な顔面偏差値高い顔が近い!
 そんな状態で俺の顔をまじまじと見ないで!先に下着、ぱんつを履かせて!


「愛しています」

「は、はい」


 下がスースーするぅ~って思っている時、愛の告白キタコレ!!
 うっかり動揺してどもっちゃったよ!
 まぁ、その、ごにょごにょ~な行為の最中色々な告白を受けた訳ですが、生憎とっても残念なことにヒートの最中は記憶がパーンッ!と見事なことにぶっ飛んでいまして、ほぼ記憶消失。
 あいうえお順の一番上の単語を上げていたのは覚えているが、意味のない言葉ばかりで我ながら残念。とは言え最中はこんなもんだよね、多分。
 外国人は「Oh」が多いらしいし、人それぞれだろうけど。
 取り敢えず、最中は語録を述べるタイプでは無かったので良かった。
 ん?そんな人居るのかって?

 昔なんかの映画だか時代劇の話だったかで、女性がこの先生きていく上でどうしても金銭が必要になり、身売りをする~と言った件で、「説法とか問答とか、兎に角違うことを考えて身を差し出せばいい」とか何とかいう話を教えた。だが学校や寺子屋などに通ったことが無い女性だったので説法や問答等のことを考えることが出来ず、それならば家の裏に住んでいる男が寝小便をしたとか、近場であった下らない話等を思い出し…ん?

 ちょ、雰囲気っ!何だかピンクーな雰囲気だけど、俺の今の姿!

 全裸なのですってばー!!

 そうして柔らかく握られる俺の片手(右手)。
 ぐぉぉぉぉっ!き、筋肉痛なんだってばっ!

 頬がひくひくしちゃうのは仕方が無いと妥協して下さい。
 俺は今、襲い来る筋肉痛と激闘しているのだから!
 雰囲気大事と我慢しているのだから!

 ぐぐぐぐ、これも憲真のため(多分)。
 第三者がもしこの状況を見たら、愛のなんとやら~って感じの雰囲気だろうけどっ。俺の状況は何処のギャグの世界?っていうぐらい酷いものです。
 もしくはどこのエロ動画。全裸で告白を受けるって!
 全裸なのじゃ~服が着たいのじゃ~ついでに喉が渇いて空腹なのです、ヘルプ!と思っている。
 三流映画か。
 雰囲気壊したくないけど、筋肉痛と下がスースーするのでちょ、ちょっと。
 あ、やば。

 グゥゥゥ~…。

 俺の中からこの雰囲気を刈り取る、堪え性の無い残念状態の腹の虫が鳴った。

 お互い顔を見合わせ、


「…」


 憲真、黙った。
 すまん、これはお腹が冷えたのではなく生理現象だ。
 何せ寝入る直前、記憶が朧気ではっきりとは覚えていないが恐らく朝日が見えたと思っていたので恐らくだが、朝方まで憲真とベッドの上で寝技のオンパレードを繰り広げていたし、そのせいで腹が減った。
 何より喉も乾いたし、ぱんつ~。

 あああ、憲真がごほんごほんと咳き込んでいるっ。
 これって絶対笑いを堪えているな。


「ああもう」


 とか言って苦笑する憲真。
 あーいい表情するなぁ、その顔好き。でも生理現象とか諸々。あと俺、いまだベッドの上で瀕死、違った、筋肉痛で動けない状況で絵面が酷い。見方によっては病人と介護な構図に見えなくもない。
 何度も言うけど俺、すっぽんぽんだけどな!唯一の救いは掛け布団掛けてあるから見えないと言うことだけ。


「眞宮が可愛い」


 そう言うのは憲真ぐらいだよ。

 と言うかその、今小声で眞宮って呼ぶ前に「俺の」って聞こえた気がするのだけど、幻聴かな?気のせい?問い掛けたいけど、もう身も心も捧げたのだから今更な気が。
 俺は憲真のですからねっ。
 運命の番だったとある人のフェロモンにはもう反応致しませんので

 お風呂に入ったのは何時かな。身体べたべたしていないから憲真が拭いてくれたのかな?それともお風呂に入れてくれたのかな?お世話させてしまったなぁ。何だか色々申し訳ない。


「ご飯、お弁当どれが良いのかわからなくて色々購入して来たから。お好み焼きと御握り弁当と焼き魚弁当、どれにする?」


 *

 嵯峨さんの弁当チョイスがw
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

その捕虜は牢屋から離れたくない

さいはて旅行社
BL
敵国の牢獄看守や軍人たちが大好きなのは、鍛え上げられた筋肉だった。 というわけで、剣や体術の訓練なんか大嫌いな魔導士で細身の主人公は、同僚の脳筋騎士たちとは違い、敵国の捕虜となっても平穏無事な牢屋生活を満喫するのであった。

【BL】男なのになぜかNo.1ホストに懐かれて困ってます

猫足
BL
「俺としとく? えれちゅー」 「いや、するわけないだろ!」 相川優也(25) 主人公。平凡なサラリーマンだったはずが、女友達に連れていかれた【デビルジャム】というホストクラブでスバルと出会ったのが運の尽き。 碧スバル(21) 指名ナンバーワンの美形ホスト。博愛主義者。優也に懐いてつきまとう。その真意は今のところ……不明。 「僕の方がぜってー綺麗なのに、僕以下の女に金払ってどーすんだよ」 「スバル、お前なにいってんの……?」 冗談? 本気? 二人の結末は? 美形病みホスと平凡サラリーマンの、友情か愛情かよくわからない日常。

【BL】国民的アイドルグループ内でBLなんて勘弁してください。

白猫
BL
国民的アイドルグループ【kasis】のメンバーである、片桐悠真(18)は悩んでいた。 最近どうも自分がおかしい。まさに悪い夢のようだ。ノーマルだったはずのこの自分が。 (同じグループにいる王子様系アイドルに恋をしてしまったかもしれないなんて……!) (勘違いだよな? そうに決まってる!) 気のせいであることを確認しようとすればするほどドツボにハマっていき……。

村人Aが勇者の裏で、

ヤマノ トオル/習慣化の小説家
ファンタジー
「号外!!号外!!」 伝書係が大声をあげて村中を駆け回る。 その紙面にはこう書かれていた。 [勇者様、魔王城へ向けて出発] 昨今、魔物の悪行が繰り広げられているこの世の中を変えるため、セイギーノ王国の王子様であるフラペチーノ様が魔王討伐のために城を出られたとのことだった。 遂にこの日がやってきた。 その号外を読んだタイクーツ村の村民であるアッパレーは心躍らせていた。 フラペチーノ様は生まれた瞬間から魔王討伐のために育てられている、と聞かされたことがあった。 勉学、武術、剣術、魔術、、、その全てを魔王を倒すために叩き込まれているのだ。 誰もがフラペチーノ様が魔王を倒してくれると期待していた。 だが、アッパレーだけは違った。 魔王討伐のために鍛錬を積むフラペチーノ様の存在を知った数年前から、アッパレーも鍛錬を始め、今日この日を待ち侘びていたのだ。 「勇者様と共に、魔王討伐に行ってきます!」 アッパレーは大きな木こり斧を担いで、広場に集まる村人たち達に対し、声高らかに言い放った。 この物語は愚直な村人アッパレーが魔王討伐に向かう勇者様御一行を追いかけ、奇跡を起こす心温まるファンタジーです。

騎士団長を咥えたドラゴンを団長の息子は追いかける!!

ミクリ21
BL
騎士団長がドラゴンに咥えられて、連れ拐われた! そして、団長の息子がそれを追いかけたーーー!! 「父上返せーーー!!」

日本一のイケメン俳優に惚れられてしまったんですが

五右衛門
BL
 月井晴彦は過去のトラウマから自信を失い、人と距離を置きながら高校生活を送っていた。ある日、帰り道で少女が複数の男子からナンパされている場面に遭遇する。普段は関わりを避ける晴彦だが、僅かばかりの勇気を出して、手が震えながらも必死に少女を助けた。  しかし、その少女は実は美男子俳優の白銀玲央だった。彼は日本一有名な高校生俳優で、高い演技力と美しすぎる美貌も相まって多くの賞を受賞している天才である。玲央は何かお礼がしたいと言うも、晴彦は動揺してしまい逃げるように立ち去る。しかし数日後、体育館に集まった全校生徒の前で現れたのは、あの時の青年だった──

Ωだったけどイケメンに愛されて幸せです

空兎
BL
男女以外にα、β、Ωの3つの性がある世界で俺はオメガだった。え、マジで?まあなってしまったものは仕方ないし全力でこの性を楽しむぞ!という感じのポジティブビッチのお話。異世界トリップもします。 ※オメガバースの設定をお借りしてます。

主人公のライバルポジにいるようなので、主人公のカッコ可愛さを特等席で愛でたいと思います。

小鷹けい
BL
以前、なろうサイトさまに途中まであげて、結局書きかけのまま放置していたものになります(アカウントごと削除済み)タイトルさえもうろ覚え。 そのうち続きを書くぞ、の意気込みついでに数話分投稿させていただきます。 先輩×後輩 攻略キャラ×当て馬キャラ 総受けではありません。 嫌われ→からの溺愛。こちらも面倒くさい拗らせ攻めです。 ある日、目が覚めたら大好きだったBLゲームの当て馬キャラになっていた。死んだ覚えはないが、そのキャラクターとして生きてきた期間の記憶もある。 だけど、ここでひとつ問題が……。『おれ』の推し、『僕』が今まで嫌がらせし続けてきた、このゲームの主人公キャラなんだよね……。 え、イジめなきゃダメなの??死ぬほど嫌なんだけど。絶対嫌でしょ……。 でも、主人公が攻略キャラとBLしてるところはなんとしても見たい!!ひっそりと。なんなら近くで見たい!! ……って、なったライバルポジとして生きることになった『おれ(僕)』が、主人公と仲良くしつつ、攻略キャラを巻き込んでひっそり推し活する……みたいな話です。 本来なら当て馬キャラとして冷たくあしらわれ、手酷くフラれるはずの『ハルカ先輩』から、バグなのかなんなのか徐々に距離を詰めてこられて戸惑いまくる当て馬の話。 こちらは、ゆるゆる不定期更新になります。

処理中です...