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101 特別?
しおりを挟む結局、お米はスーパーで購入しようということになり、また二人で外に買い物に出た。
お米を購入するのを忘れているなんてお互い何をしているのだろうかと顔を合わせて苦笑したりしたが、何となくだけどいい思い出になった気がする。と言うか、京香君なら「ゲームの好感度アップイベントか!」とか言い出しそう。
行きの時は驚いたエレベーター。出て行く時は普通の使い方だった。
一階へのボタンを押すだけ。
つまり、鍵を使わなくても極々普通に一階へと降って行ったということ。
専用の鍵を使うのは部屋に帰る時だけで良い様だ。
不思議な気分。
ほんの少しの事だけど、また一つ嵯峨さんのことを知った。
これって他の人は知らないのでは無いだろうか?少なくとも嵯峨さんの家に招かれなければ知りえないこと。
特別?
何だか勝手に頬がニマニマと緩んでしまいそうになるのを何とか引き締める。ポーカーフェイスは無理そうだけど、無理やり頬を引き締める。寿限無寿限無、五劫の擦り切れ。
回砂利水魚の…いや違う、回してどうする。
海砂利水魚の水行末・雲来末・風来末って、そうじゃない。
落語を思い出してどうする。
……何だか落ち着いて来たな。
先程とは違うことを考えると人間冷静になるっていうことだな、多分。俺が変なだけかも知れないけど。
脱線していた話の内容を戻そう。
お米はこの先嵯峨さんが炊けるかどうかわからないので10キロや5キロを購入しても勿体無いということで(炊飯器のスイッチさえ押したことが無いって、嵯峨さん一体今まで何を食べて生きていたのだろう…)、スーパーで売っていた2キロのお米を購入。
足りなかったらまた買いに行けば良いし、余ったら俺が全部炊いてから冷蔵庫か冷凍庫に保存して貰えばいいしね。
冷凍庫なら自然解凍かレンジで解凍して貰えば良いし。
解凍の仕方とか、後でメモして渡しておけば大丈夫。調理器具は無かったけれど、オーブンレンジはあったからそれぐらいは出来るはず。
などと考えていたら嵯峨さんがお総菜コーナーに視線を何度か向けていた。
もしかして普段、ご飯は此処で購入しているのかな。
「此処のお惣菜、結構美味しそうですね」
「ええ、何時も此処のお惣菜やお弁当を…」
うん、そうだと思った。
うちの店、夜とかは開いていないからね。そのかわり朝早めに開いているけど。本業はお茶屋なので、夕飯までは出来ない。主に仕入れの問題で。
それに午後からはお茶の発注とか発送とかの作業があるから、どうしてもずっと店に張り付いて居るわけにはいかない。こう見えて、我がお茶屋は小学校とか幼稚園や保育園等にお茶を卸しているので。とは言っても師匠のお陰でなんですけどね。
「ばれました?」
気まずそうに此方を伺う嵯峨さん。
視線が上から覗き込んで来る。身長差結構あるよねぇ…。
俺、こう見えても167センチあるのに。男のΩだからβの平均男子より低いらしいけど、それでも低い方では無いはず。勿論高い方でも無いけど。
そう考えると嵯峨さんって日本人にしては高身長だよね、足も長いし。如何にもαって感じ。その癖結構低姿勢だから…先日みたいな変な女性に目を付けられてしまうのかな。
少なくとも俺が知っているαって高圧的な所があるから、普通のβとか俺みたいなΩだと委縮してしまうことがあるのだけど、嵯峨さんは意図的に威圧するのを抑えている様に見える。気を使っているだけかもしれないけど、何か意味があるのかもしれない。
意味があるのなら、何時か教えてくれないかな。
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