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88 公開されてしまいました
しおりを挟む盛大に吹き出してしまった。
末明さん、儚げな美少年顔に似合わず露骨。
双子を産んだからあけすけになったのか、それとも同じΩの俺相手だから?
「具体的と言ったじゃん?つーか、エッチの前に結婚でも良いけど、大人同士だから先にエッチじゃねぇ?αとΩだし~。もしくは婚姻届を役所に届けてからでも良いけど。ってコレ結婚と同じか。兎に角早々に番っちゃえば良いじゃん」
「うわああああぁ」
俺が具体的にと言ったからでしたー!
「んーつか、同棲もしちゃえば?結婚前に同棲した方が良いって良く言うし、幾ら俺等Ωだとしても身体の相性だってあるし、性格の不一致とかもあるから」
「ひえぇ」
「あーそう言えば、先にすることあるよね?ね、嵯峨さん?」
「え」
末明さんの視線の先には無表情の嵯峨さんが突っ立っていて…。
「小林さんと、結婚…」
等と呟いて居た。
「まだ早くね?」
等と言ったのは、何時の間にか部屋のドアを開けて来た不破さん。
「そうそう。その前に色々あるでしょ?」
此方も何時の間にかカウンター側に来ていた一戸京夏君。その隣には当然の様に落合君が付き添っていて。うん、京夏君は兎も角、落合君は全く興味が無さそう。
彼はこういう所結構冷静、と言うか京夏君以外はどうでも良いらしい。溺愛度高めだよなぁ。
将来京夏君限定のスパダリになること間違いなし。
そんな落合君はカウンターに居るお手伝いさんにお会計を済ませている。随分とゆっくりして居たようで、此方が奢った分以外にも色々と頼んだ様だ。
主に京夏君がだけど。
「その前、確かにそうだな」
こっくりと頷いた嵯峨さんは俺の方を見て、何故か眼の前で片膝をついてから俺の片方の手を取り、
「小林さん、私と結婚を前提にお付き合いして下さい!」
「え」
「まじか!嵯峨が申し込んだ!」
「プロポーズだ!公開プロポーズだ!」
口笛を吹いて茶化す人、純粋におめでとうという人達が現れて店の中が一気に騒がしくなる。
因みに俺、返事して居ないのだけど。
確かに俺は断るつもりは無いけど、もしかして誰しも俺が断るつもりは無いと思っている?
…その通りだけど!
態度でわかるのか?それともまた無意識に口から「はい」って言っていた?
「小林さんから「はい」って返事出たぞ~!」
あ。
…恥ずかしい。
言っていた様だ。
卒倒していいですかね?え、邪魔になる?
※
「いやいやいや、その前にあるって言ったじゃん。ヤルことあるでしょ!色々と!」
プンスカプンプンという何処か可愛い感じに怒って言う不破末明さん。
長男の晃明君を抱えてご不満です。因みに雪羽ちゃんはご不満なのか、寝かされているベビー布団の上で顔を赤らめ、ぷるぷる…あれ、もしかしておしめを替えないとマズイ?とか思っていたら「ぶふぅ」と言って手足をバタつかせている。一応確認しようかな、って俺が雪羽ちゃんのおしめの確認、しちゃっていいのだろうか?
あ、臭!
これ確実にしちゃったよね?取り替えないと。
「そうだよ~ヤルことあるよ~」
うんうんと頷きながらニヤリと笑う京夏君。
君が「ヤルこと」とか言うと、何だか卑猥なのだけど。
勿論下ネタ的な意味で。
「でもまあ先に店長ちゃんを祝福しようよ。店長ちゃんおめでとう!これで両思いだね!」
わ~パチパチパチ!と口で拍手の音を出しながら、拍手もする京夏君。
「ありがとう?」
そんな京夏君を横目に末明さんに告げ、雪羽ちゃんの紙おむつを替えて貰っております。何せやり方がわからないので。ふむふむ、紙で吹いてから赤ちゃん用のおしりふきウエットティッシュで拭き(ノンアルコール)、最後にパウダー。
紙おむつは袋に入れて、紙おむつ処理ポットへ、と。
成程、参考になります。
暑くなると臭うから注意していると、成程。
「え~何故疑問?」
「公開プロポーズの後速攻で嵯峨さんが居なくなったから、気分が微妙」
そうなのです。
スマホの着信音の後、「御免」と言って速攻で出て行った嵯峨さん。
そうして店内で一人、公開プロポーズを受けた俺に集中する視線。
くっそ恥ずかしい!!
※
遅くなりましたm(__)m
大雨の被害で家の中の片付けやら雨漏りやらはある程度なんとかなったのですが、家の外が…。
まだまだ片付けに時間が掛かりそうです。
8月25日 一部文章修正。ご報告有難うございました。
応援ありがとうございます!
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