商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~

柚ノ木 碧/柚木 彗

文字の大きさ
90 / 138

88 公開されてしまいました

しおりを挟む
 
 盛大に吹き出してしまった。
 末明さん、儚げな美少年顔に似合わず露骨。
 双子を産んだからあけすけになったのか、それとも同じΩの俺相手だから?


「具体的と言ったじゃん?つーか、エッチの前に結婚でも良いけど、大人同士だから先にエッチじゃねぇ?αとΩだし~。もしくは婚姻届を役所に届けてからでも良いけど。ってコレ結婚と同じか。兎に角早々に番っちゃえば良いじゃん」

「うわああああぁ」


 俺が具体的にと言ったからでしたー!


「んーつか、同棲もしちゃえば?結婚前に同棲した方が良いって良く言うし、幾ら俺等Ωだとしても身体の相性だってあるし、性格の不一致とかもあるから」

「ひえぇ」

「あーそう言えば、先にすることあるよね?ね、嵯峨さん?」

「え」


 末明さんの視線の先には無表情の嵯峨さんが突っ立っていて…。


「小林さんと、結婚…」


 等と呟いて居た。


「まだ早くね?」


 等と言ったのは、何時の間にか部屋のドアを開けて来た不破さん。


「そうそう。その前に色々あるでしょ?」


 此方も何時の間にかカウンター側に来ていた一戸京夏君。その隣には当然の様に落合君が付き添っていて。うん、京夏君は兎も角、落合君は全く興味が無さそう。
 彼はこういう所結構冷静、と言うか京夏君以外はどうでも良いらしい。溺愛度高めだよなぁ。
 将来京夏君限定のスパダリになること間違いなし。

 そんな落合君はカウンターに居るお手伝いさんにお会計を済ませている。随分とゆっくりして居たようで、此方が奢った分以外にも色々と頼んだ様だ。
 主に京夏君がだけど。


「その前、確かにそうだな」


 こっくりと頷いた嵯峨さんは俺の方を見て、何故か眼の前で片膝をついてから俺の片方の手を取り、


「小林さん、私と結婚を前提にお付き合いして下さい!」

「え」

「まじか!嵯峨が申し込んだ!」

「プロポーズだ!公開プロポーズだ!」


 口笛を吹いて茶化す人、純粋におめでとうという人達が現れて店の中が一気に騒がしくなる。

 因みに俺、返事して居ないのだけど。
 確かに俺は断るつもりは無いけど、もしかして誰しも俺が断るつもりは無いと思っている?
 …その通りだけど!
 態度でわかるのか?それともまた無意識に口から「はい」って言っていた?


「小林さんから「はい」って返事出たぞ~!」


 あ。


 …恥ずかしい。
 言っていた様だ。
 卒倒していいですかね?え、邪魔になる?




 ※




「いやいやいや、その前にあるって言ったじゃん。ヤルことあるでしょ!色々と!」

 プンスカプンプンという何処か可愛い感じに怒って言う不破末明さん。
 長男の晃明君を抱えてご不満です。因みに雪羽ちゃんはご不満なのか、寝かされているベビー布団の上で顔を赤らめ、ぷるぷる…あれ、もしかしておしめを替えないとマズイ?とか思っていたら「ぶふぅ」と言って手足をバタつかせている。一応確認しようかな、って俺が雪羽ちゃんのおしめの確認、しちゃっていいのだろうか?
 あ、臭!
 これ確実にしちゃったよね?取り替えないと。


「そうだよ~ヤルことあるよ~」


 うんうんと頷きながらニヤリと笑う京夏君。
 君が「ヤルこと」とか言うと、何だか卑猥なのだけど。
 勿論下ネタ的な意味で。


「でもまあ先に店長ちゃんを祝福しようよ。店長ちゃんおめでとう!これで両思いだね!」


 わ~パチパチパチ!と口で拍手の音を出しながら、拍手もする京夏君。


「ありがとう?」


 そんな京夏君を横目に末明さんに告げ、雪羽ちゃんの紙おむつを替えて貰っております。何せやり方がわからないので。ふむふむ、紙で吹いてから赤ちゃん用のおしりふきウエットティッシュで拭き(ノンアルコール)、最後にパウダー。
 紙おむつは袋に入れて、紙おむつ処理ポットへ、と。
 成程、参考になります。
 暑くなると臭うから注意していると、成程。


「え~何故疑問?」

「公開プロポーズの後速攻で嵯峨さんが居なくなったから、気分が微妙」


 そうなのです。
 スマホの着信音の後、「御免」と言って速攻で出て行った嵯峨さん。
 そうして店内で一人、公開プロポーズを受けた俺に集中する視線。

 くっそ恥ずかしい!!



  ※

 遅くなりましたm(__)m
 大雨の被害で家の中の片付けやら雨漏りやらはある程度なんとかなったのですが、家の外が…。
 まだまだ片付けに時間が掛かりそうです。

 8月25日 一部文章修正。ご報告有難うございました。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

悪役令息を改めたら皆の様子がおかしいです?

  *  ゆるゆ
BL
王太子から伴侶(予定)契約を破棄された瞬間、前世の記憶がよみがえって、悪役令息だと気づいたよ! しかし気づいたのが終了した後な件について。 悪役令息で断罪なんて絶対だめだ! 泣いちゃう! せっかく前世を思い出したんだから、これからは心を入れ替えて、真面目にがんばっていこう! と思ったんだけど……あれ? 皆やさしい? 主人公はあっちだよー? ユィリと皆の動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵も動画もあがります。ほぼ毎日更新! Youtube @BL小説動画 アカウントがなくても、どなたでもご覧になれます。動画を作ったときに更新! プロフのWebサイトから、両方に飛べるので、もしよかったら! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー! ご感想欄 、うれしくてすぐ承認を押してしまい(笑)ネタバレ 配慮できないので、ご覧になる時は、お気をつけください!

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

この俺が正ヒロインとして殿方に求愛されるわけがない!

ゆずまめ鯉
BL
五歳の頃の授業中、頭に衝撃を受けたことから、自分が、前世の妹が遊んでいた乙女ゲームの世界にいることに気づいてしまったニエル・ガルフィオン。 ニエルの外見はどこからどう見ても金髪碧眼の美少年。しかもヒロインとはくっつかないモブキャラだったので、伯爵家次男として悠々自適に暮らそうとしていた。 これなら異性にもモテると信じて疑わなかった。 ところが、正ヒロインであるイリーナと結ばれるはずのチート級メインキャラであるユージン・アイアンズが熱心に構うのは、モブで攻略対象外のニエルで……!? ユージン・アイアンズ(19)×ニエル・ガルフィオン(19) 公爵家嫡男と伯爵家次男の同い年BLです。

【完結済】あの日、王子の隣を去った俺は、いまもあなたを想っている

キノア9g
BL
かつて、誰よりも大切だった人と別れた――それが、すべての始まりだった。 今はただ、冒険者として任務をこなす日々。けれどある日、思いがけず「彼」と再び顔を合わせることになる。 魔法と剣が支配するリオセルト大陸。 平和を取り戻しつつあるこの世界で、心に火種を抱えたふたりが、交差する。 過去を捨てたはずの男と、捨てきれなかった男。 すれ違った時間の中に、まだ消えていない想いがある。 ――これは、「終わったはずの恋」に、もう一度立ち向かう物語。 切なくも温かい、“再会”から始まるファンタジーBL。 お題『復縁/元恋人と3年後に再会/主人公は冒険者/身を引いた形』設定担当AI /チャッピー AI比較企画作品

結婚初夜に相手が舌打ちして寝室出て行こうとした

BL
十数年間続いた王国と帝国の戦争の終結と和平の形として、元敵国の皇帝と結婚することになったカイル。 実家にはもう帰ってくるなと言われるし、結婚相手は心底嫌そうに舌打ちしてくるし、マジ最悪ってところから始まる話。 オメガバースでオメガの立場が低い世界 こんなあらすじとタイトルですが、主人公が可哀そうって感じは全然ないです 強くたくましくメンタルがオリハルコンな主人公です 主人公は耐える我慢する許す許容するということがあんまり出来ない人間です 倫理観もちょっと薄いです というか、他人の事を自分と同じ人間だと思ってない部分があります ※この主人公は受けです

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

処理中です...