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しおりを挟む「店長さんデート!?」
「今晩は、お久し振りですね店長さん。お買い物ですか?」
何だか随分と対象的な台詞が聞こえて来る。
「あーいや、店とか家で使う物の買い物をね」
と言うと、イケメン風な男子生徒の子が「成程、荷物持ちさせているのですね」と苦笑。
おいおい、図星だけど。
事実だけど。
俺のショルダーバッグの中にも買い物した商品はあるが、嵯峨さんがドンドン重い物を問答無用で引き受けてしまっているので、俺も甘えてしまって持たせてしまった。申し訳ない。
そう思って嵯峨さんの方へ口を開きかけると、
「俺が好意でしているので」
と一言。
「勿論少しでも小林さんに好印象を与える為です」
嵯峨さん、其処で胸を張って言っちゃう?言い切っちゃう!?と言うぐらいにエッヘンと胸を張って笑っている。えええ、この人いい人じゃん。いい人過ぎて、確かに好感度は上がっちゃう。
でも口にしたら駄目じゃん。
嵯峨さんって結構茶目っ気あるなぁ。
「それ言っちゃ駄目なやつ」
思わず一刀両断で切り離す台詞を言うと、
「おや、駄目でしたか?少しでも好意を持って欲しかったのですが」
なんて凄い台詞が飛び出した。
うん、俺目が点です。そうしてニコリとイケメンの笑顔。
やっべ、心臓が一瞬ドキッとしちゃったよ。何このイケメン心臓に悪い。
「うひょおおおおおお~!聞いたか、聞いたかひろ!!俺もそんな台詞言われてみたい!」
うひゃあ!と悶えるようにしながら、α?な男子生徒がその場でジタバタしている。
いや、それαな子が言う台詞で、言われる方では無いのでは?と一瞬だけ思ったが、ジタバタしている男子生徒を穏やかで優しい笑みを讃えながら見詰めている「ひろ」と呼ばれた男子生徒は、
「私ももっともっと京夏に好意を持って欲しいけど?」
と言って微笑む。
途端に「ひょ」と変な声が上がった「京夏」と呼ばれた子は、沸騰でもしたのかと言う位に瞬間的に赤面し、
「ふぉ、おう…」
と言って、その場で俯いてもじもじ。
うわぁ久し振りに見たよ、青い春だ…。学園に居る時は何度か見たことはあるけれど、最近身近には滅多に無かったからなあ…不破さんと末明さんは別枠だけど。朝っぱらからうっかり見てしまうと、その日午後までお腹いっぱいになってしまうけど。ウラヤマけしからんって気分に陥るけど、同時にもっとやれーって気分にもなってしまうけど。
個人的には応援しているもんね、憧れの不破さんとそのお嫁さんの末明さんのカップルさんを。
横に居る「ひろ」と呼ばれた彼は、「京夏可愛い…」とうっとりと眺めている。
何だろうご馳走様と言う台詞しか出て来ない。
もしくはお腹いっぱいです。
これから家に荷物を置いてから夕飯へと嵯峨さんオススメの店に向かうつもりなのに、胸焼け…げふぅ。夕飯入るかなぁ。
兎に角それじゃと挨拶をして荷物を置くために家へ足を向けると、
「またお店行きますね!」
「今度はオススメのお茶を購入します」
という声。
茶化された気はするが、いい子なのだろうなぁと笑って笑顔で「待ってるよ」と返事をした。
俺の横に居る嵯峨さんが、荷物を置いたらちょっとだけ散歩でもしませんか?と言って来たのは、俺みたいに高校生カップルに当てられて胸焼けをしたからだろうか。
※ ※ ※
再度登場、一戸京夏と落合行広αカップル。ベタベタ砂糖よりドロ甘いカップルは、今日も周囲に生ぬるい温度を発生させておりますw
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◇◆◇◆◇ 更新中のお話 ◇◆◇◆◇
新作 BL ※ 商店街のお茶屋さん~運命の番にスルーされたので、心機一転都会の下町で店を経営する!~
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/192520360
BL ※ ある日突然Ωになってしまったけど、僕の人生はハッピーエンドになれるでしょうか
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/488408600
NL ※ 今日も学園はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。【連載版】
https://www.alphapolis.co.jp/novel/789277952/571182846
宜しかったら見て頂けると嬉しいです(*´ω`*)
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