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05 裸の付き合い
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「それで、今日はどうだった?俺のことは信用してくれたか?」
「そうだな……今のところは問題ないと思っているよ」
改めて尋ねると、アルクは真剣な眼差しで答える。
「そうか、良かった……」
とりあえずは信用してもらえているようだ。急に消されるようなことは無いと思いたい……。
「でも、だからこそ不思議で仕方ないんだ。君みたいな人が僕の世界を危険に晒すはずがないと思うんだよね」
アルクが首を傾げながら俺を見つめる。
「うーん、本当に全く身に覚えが無いし、どういうことなんだろうな……」
俺は腕を組んで考えてみるが、思い当たることは何もなかった。
「もしかすると、君には何か能力があるんじゃないか?」
「俺に……能力?」
「ああ、それがどんなものかは分からないけれど」
「そんなの考えたことも無かったけど……」
確かに、異世界で俺が大きな力を持つと言われているのなら、何かあるのかもしれない。俺にそんな能力があるなんて、なんだか不思議な気分だ。
「もしそうなら……俺の力でアルクに協力できるかもしれないな」
「そう言ってくれると助かるよ。やっぱり君は優しい人間だね」
アルクは穏やかな表情でこちらを見る。こんな美しい笑顔で褒められると照れるな……。
「ふわぁ……」
そんな話をしているうちに、アルクが眠そうに欠伸をした。
「どうした?疲れたか?」
「うん……今日はけっこう魔力を使ったからかな……」
アルクは目を擦っている。やはりずっと透明化していたせいで疲れているのだろう。
「じゃあそろそろお風呂に入って寝ようか……あ」
俺はそう言ってから、重大なことに気が付いた。
「あの……この手錠って外せないんだよな……」
「え?ああ、そうだけど」
「ってことは、お風呂に入る時も着けたまま……?」
「もちろんだよ」
当然だと言わんばかりのアルクの顔を見て、俺は頭を抱える。
「どうしたんだい?」
俺の様子を見て、心配したようにアルクは声を掛けてきた。
「いや、その、さすがに裸は恥ずかしい……かなって……」
「僕も裸になるんだから恥ずかしいことはないじゃないか」
アルクは不思議そうに首を傾げる。アルクにとっては大したことではないのだろう。
「そ、そうか、そうだな……ははは」
俺が苦笑いを返すと、アルクは察したように微笑んだ。
「安心してくれ、僕は気にしないから」
「いや、だから、俺は気にするんだって……」
どう言っても俺の気持ちは分かってもらえない。これは異世界人だからなのか彼の性格なのか……。イケメン怖い。
というか、アルクも一緒にお風呂に入る気満々のようだ。
「さあ、早く入ろう」
アルクは楽しそうに俺の手を引く。これ以上透明化してもらうのも悪いし、ここは諦めるしかなさそうだ。
「ああ、分かったよ……」
脱衣所に行き、覚悟を決めて服を脱ぎ始めると、アルクは俺の様子をじっと見つめてくる。恥ずかしい。
別に男同士だし恥ずかしがる必要はないのだが、どうしても意識してしまう……。
そのうち、アルクも服をスルリと脱ぎ始めた。均整の取れた美しい身体をしている。まるで芸術品のような美しさだ。
「すごいな……服を着ていると痩せて見えるのに、筋肉がしっかりとついている……」
俺は感心しながら呟く。するとアルクは自分の胸板を触りながら答えた。
「勇者として戦うために、鍛えてきたからね。それなりに力はあるつもりだよ」
「なるほど……」
「でも、君だって凄く良い体つきをしているじゃないか」
「そ、そうか……?」
「ああ、特にこの胸筋なんて……」
そう言いながらアルクは俺の身体をペタペタと触ってくる。
「ちょ、ちょっと待て!いきなり何するんだよ!」
「だって、さっきからなんだか胸を隠しているから気になって」
「いや、それは……」
自分でも気にし過ぎだとは分かっているのだが、俺にはあまり胸を見られたくない理由があった。
「どうしたんだい?何も問題がないなら見せてくれ」
「うぅ……」
これ以上隠すと怪しまれてしまうだろう。アルクの言葉に、俺はしぶしぶ手を下ろしていく。そして、遂に自分の乳首を晒すことになってしまった。
「おお、これは……なんと美しいピンク色なんだ……」
アルクはまじまじと見つめてくる。
「やめてくれぇ……そんなに見ないでくれぇ……!」
そう、俺は乳首がやたらとピンク色なことを気にしていたのだ。何が悲しくて、イケメンに恥ずかしい乳首を凝視されなくてはならないのだろう。泣きたい気分だ。
「形も綺麗で素晴らしいな」
「うぅっ……もう勘弁してくれぇ……!」
羞恥に涙目になっていると、アルクはふむ、と何かを考え込んでいる。なんだか嫌な予感しかしない……。
「そうだな……今のところは問題ないと思っているよ」
改めて尋ねると、アルクは真剣な眼差しで答える。
「そうか、良かった……」
とりあえずは信用してもらえているようだ。急に消されるようなことは無いと思いたい……。
「でも、だからこそ不思議で仕方ないんだ。君みたいな人が僕の世界を危険に晒すはずがないと思うんだよね」
アルクが首を傾げながら俺を見つめる。
「うーん、本当に全く身に覚えが無いし、どういうことなんだろうな……」
俺は腕を組んで考えてみるが、思い当たることは何もなかった。
「もしかすると、君には何か能力があるんじゃないか?」
「俺に……能力?」
「ああ、それがどんなものかは分からないけれど」
「そんなの考えたことも無かったけど……」
確かに、異世界で俺が大きな力を持つと言われているのなら、何かあるのかもしれない。俺にそんな能力があるなんて、なんだか不思議な気分だ。
「もしそうなら……俺の力でアルクに協力できるかもしれないな」
「そう言ってくれると助かるよ。やっぱり君は優しい人間だね」
アルクは穏やかな表情でこちらを見る。こんな美しい笑顔で褒められると照れるな……。
「ふわぁ……」
そんな話をしているうちに、アルクが眠そうに欠伸をした。
「どうした?疲れたか?」
「うん……今日はけっこう魔力を使ったからかな……」
アルクは目を擦っている。やはりずっと透明化していたせいで疲れているのだろう。
「じゃあそろそろお風呂に入って寝ようか……あ」
俺はそう言ってから、重大なことに気が付いた。
「あの……この手錠って外せないんだよな……」
「え?ああ、そうだけど」
「ってことは、お風呂に入る時も着けたまま……?」
「もちろんだよ」
当然だと言わんばかりのアルクの顔を見て、俺は頭を抱える。
「どうしたんだい?」
俺の様子を見て、心配したようにアルクは声を掛けてきた。
「いや、その、さすがに裸は恥ずかしい……かなって……」
「僕も裸になるんだから恥ずかしいことはないじゃないか」
アルクは不思議そうに首を傾げる。アルクにとっては大したことではないのだろう。
「そ、そうか、そうだな……ははは」
俺が苦笑いを返すと、アルクは察したように微笑んだ。
「安心してくれ、僕は気にしないから」
「いや、だから、俺は気にするんだって……」
どう言っても俺の気持ちは分かってもらえない。これは異世界人だからなのか彼の性格なのか……。イケメン怖い。
というか、アルクも一緒にお風呂に入る気満々のようだ。
「さあ、早く入ろう」
アルクは楽しそうに俺の手を引く。これ以上透明化してもらうのも悪いし、ここは諦めるしかなさそうだ。
「ああ、分かったよ……」
脱衣所に行き、覚悟を決めて服を脱ぎ始めると、アルクは俺の様子をじっと見つめてくる。恥ずかしい。
別に男同士だし恥ずかしがる必要はないのだが、どうしても意識してしまう……。
そのうち、アルクも服をスルリと脱ぎ始めた。均整の取れた美しい身体をしている。まるで芸術品のような美しさだ。
「すごいな……服を着ていると痩せて見えるのに、筋肉がしっかりとついている……」
俺は感心しながら呟く。するとアルクは自分の胸板を触りながら答えた。
「勇者として戦うために、鍛えてきたからね。それなりに力はあるつもりだよ」
「なるほど……」
「でも、君だって凄く良い体つきをしているじゃないか」
「そ、そうか……?」
「ああ、特にこの胸筋なんて……」
そう言いながらアルクは俺の身体をペタペタと触ってくる。
「ちょ、ちょっと待て!いきなり何するんだよ!」
「だって、さっきからなんだか胸を隠しているから気になって」
「いや、それは……」
自分でも気にし過ぎだとは分かっているのだが、俺にはあまり胸を見られたくない理由があった。
「どうしたんだい?何も問題がないなら見せてくれ」
「うぅ……」
これ以上隠すと怪しまれてしまうだろう。アルクの言葉に、俺はしぶしぶ手を下ろしていく。そして、遂に自分の乳首を晒すことになってしまった。
「おお、これは……なんと美しいピンク色なんだ……」
アルクはまじまじと見つめてくる。
「やめてくれぇ……そんなに見ないでくれぇ……!」
そう、俺は乳首がやたらとピンク色なことを気にしていたのだ。何が悲しくて、イケメンに恥ずかしい乳首を凝視されなくてはならないのだろう。泣きたい気分だ。
「形も綺麗で素晴らしいな」
「うぅっ……もう勘弁してくれぇ……!」
羞恥に涙目になっていると、アルクはふむ、と何かを考え込んでいる。なんだか嫌な予感しかしない……。
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