異世界の平和を守るため、魔王に抱かれています!?

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03 勇者、魔王とご対面

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「ここが魔王城か……」
魔王城は禍々しい雰囲気を放っていた。周りの木々は枯れ果てており、草一本生えていない。
魔王の影響というのは凄まじいようだ。確かに、これが世界中に広がれば大変なことになるだろう。
一緒に来た王様の側近は、立っているのがやっとといった感じでふらついている。
「大丈夫ですか?」
「はい……すみませんが、ここから先は勇者様一人で進んでください。並の人間はこれ以上近づけないのです……」
「分かりました、行ってきます」
「勇者様、どうか、ご武運を……」
側近と別れて、俺は魔王城に足を踏み入れた。中は薄暗くて不気味な様子だったが、しばらく進むうちにだんだん目が慣れてくる。
やがて、大きな扉が見えてきた。おそらく、あれが魔王の部屋なのだろう。
いよいよだ。扉に手を当てると、扉が音を立てて開く。
中に入ると、そこは広い空間になっていた。薄暗くてよく見えないが、奥の方に大きな影が見える。あれが恐らく魔王だろう。その手前には、不自然にベッドが置いてあった。

「よくぞ来た、勇者よ……」
近づいて行くと、低い声が響く。
「お前が魔王か……」
「いかにも。我が魔王である。勇者よ、会えて嬉しいぞ……」
魔王は玉座に座ってこちらを見下ろしていた。赤い瞳が妖しく輝いている。
「ど、どうもはじめまして……」
つい丁寧にお辞儀をしてしまうと、魔王が笑いだした。
「クッ……フハハッ!緊張しているのか?顔を上げよ、勇者よ」
俺は恐る恐る顔を上げて、息を飲む。
魔王の顔は、驚くほど美しかった。切れ長の目に、通った鼻筋、薄い唇。髪は艶のある黒で、肌は透き通るように白い。まるで人形のようだ。
「さぁ……もっと近くに来い……」
言われるままに魔王に近づく。近くで見ると、ますます綺麗な顔をしていた。
「すごい、綺麗……」
思わず呟く。すると、魔王は一瞬驚いたような表情を浮かべた後、ニヤリと口角を上げた。
「ほう……我の顔は好みか?」
「えっ!?あっ、その……」
しまった、と思った時にはもう遅い。魔王はくつくつと笑いながら俺のことを見つめている。恥ずかしくて視線を逸らした。
……なんだか調子が狂う。魔王とは、もっと威圧的な怖いやつだと思っていたのに。思っていたよりずっと話しやすそうだ。
「遠慮せずとも良いぞ。好きなだけ見るが良い……」
魔王にじっと見詰められてドキドキしてしまう。
「あ、いや、その……俺いきなりこの世界に召喚されて、色々よく分かってないんだけど……」
「ああ……、こんなことに巻き込んですまないと思っている。だが、この世界を救うために、どうしてもお前が必要なのだ……」
そう言うと、魔王は申し訳なさそうに目を伏せた。
あれ、魔王、めっちゃいいやつじゃないか……?魔王自ら、世界を守ろうとしているような発言だ。
「もちろん、その覚悟は出来てるよ」
「本当か?ありがとう……」
魔王は嬉しそうな表情を見せた。その様子は普通の人間のように見える。
こんな魔王にだったら抱かれてもいいかも――なんて思ってしまった。
「では、早速始めようか」
魔王がゆっくりと立ち上がる。身長は2メートル近くあるだろうか。黒いマントの下には何も身に着けておらず、裸だった。彫刻のような肉体が露わになっている。筋肉質でありながら、しなやかな美しさも兼ね備えていた。思わず見とれてしまう。
「あっ……!?」
魔王が一歩踏み出した瞬間、俺の心臓が激しく高鳴った。何だこれは……。鼓動がどんどん早くなっていく……。
見ると、魔王も苦しそうな表情をしていた。白い肌がほんのりと紅潮している。
「うぐっ……!」
「うわっ!?」
お互いの身体が近づいた途端、強烈な快感に襲われた。あまりに強い刺激に、頭がおかしくなりそうになる。
「なんだこれ、身体が熱い……」
俺はその場にへたり込んでしまった。一体どうなっているんだろう。
魔王を見ると、俺よりもさらに辛そうにしている。
「魔王、大丈夫か……?」
心配になって声をかけると、魔王は荒い息をしながら答えた。
「大丈夫ではないな……今にもココが爆発しそうだ……」
「え!?それって、まさか……」
俺は恐る恐る魔王の股間に目を向け、驚愕する。そこには、信じられない程大きくそそり立った肉棒があった。
「うおっ……」
あまりの大きさに息を飲む。長さ30センチ近くはあるだろう。太さは俺の腕くらいだ。亀頭は赤黒く染まっており、グロテスクな形をしている。
ビキビキと音が聞こえてきそうなほど血管が浮き出ており、時折ピクンと脈打っていた。
これが、魔王のイチモツなのか……デカすぎる。
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