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【27】発覚!?二人の愛の魔力
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それから、俺たちは朝食のために王宮の広間へと向かった。昨夜から甘い時間がずっと続いていて、俺の心はなんだかふわふわしている。まるで夢の中にいるみたいで、現実感が薄い。
ふと横を見ると、王子が俺を見下ろして優しく微笑んでいた。その微笑みに胸がドキッと高鳴る。昨日の夜、そして今朝の出来事が、まるで甘い夢の続きのように蘇った。
王子と手を繋ぎながら歩いていると、彼の温もりが指先から身体の奥深くにまで伝わり、幸せな気持ちで満たされる。気づけば、俺の頬は自然と緩んでいた。こんなにも満たされた気持ちを味わえるなんて――以前の俺には想像もつかなかったことだ。
広間に入ると、そこにいた王宮の人々が一斉に俺たちを見つめ、柔らかな笑みを浮かべて敬意を示すように一礼する。その様子がどうにも普段とは違って見えて、俺は戸惑いを覚えた。
「アルティス、なんだかみんな、妙に優しい目で俺たちを見てませんか?」
俺がそう小声で問いかけると、王子も少しだけ困惑した表情を浮かべた。俺の手をそっと握り返し、軽く頷く。
「確かに……なんだか様子が違うな」
二人でそんなことを話していると、突然、国王が広間に現れた。彼の後ろには何人かの側近が続いており、彼らもまた微笑みを浮かべている。国王は俺たちの方に歩み寄り、落ち着いた声で語りかけてきた。
「昨夜のこと、よくやってくれた、二人とも」
「昨夜の……こと?」
俺は首をかしげた。王子も同じように戸惑った表情を浮かべている。国王は微笑みを崩さずに続けた。
「二人が愛し合ったことで、膨大な魔力が発生し、それが王国全体に伝わったのだ。その力のおかげで、我が国の守りはさらに強固になったのだよ」
その言葉に、俺の顔は一瞬で真っ赤に染まった。恥ずかしさと驚きが込み上げ、言葉を失ってしまう。
「え、えっと……あの……」
俺はしどろもどろになりながら言葉を探したが、何も言えずに口を閉じた。隣を見ると、王子も同様に顔を赤らめ、少しぎこちなく視線を逸らしている。
国王は俺たちの様子を見て、ますます穏やかな表情を浮かべた。
「恥じることはない。むしろ誇りに思うべきだ。二人が愛し合ったことで、この国はより強くなった。民も、それを喜んでいるよ」
その言葉に、俺は少しだけほっとしたものの、やはり恥ずかしさは拭えなかった。俺たちが昨夜過ごしたあの甘い時間が、こんな形で知られてしまうなんて……。
広間を進む俺たちに、次々と敬意を示すように頭を下げる貴族たちの姿が目に入る。彼らの視線がどこか熱っぽく、俺たちのことを何か特別なものを見るかのように感じられて、胸の奥がざわついた。
「アルティス……これ、本当に国中に伝わってるんですか……?」
俺は小声でつぶやき、周囲の視線から逃げるように彼に顔を寄せた。
「そうみたいだね……」
王子は、少し頬を赤らめながら微笑む。その顔には、普段の冷静な表情とは違い、恥じらっている様子が浮かんでいた。王子が自分と同じように照れている姿を見ると、少しだけ気持ちが楽になる。
「恥ずかしいですね……本当に……」
言葉に詰まりながら、俺は昨夜の甘美な瞬間を思い出してしまった。あのひとときを他の誰かが知っているなんて……とてもじゃないけど、まともに顔を上げられない。
そんな俺の困惑を察したのか、王子はそっと俺の手を包み込むように握りしめた。その温もりが、じんわりと心を落ち着かせてくれる。
「ルセル、僕たちの愛は、何も恥じるようなものじゃない。むしろ、君が僕を愛してくれていることを、堂々と国中に誇りたいくらいだ」
王子の真っ直ぐな言葉に、俺の顔はますます赤くなった。彼が言っていることは正しい――頭では分かっていても、どうしても照れくさくて、素直に受け止めることができない。
「そうは言っても……やっぱり恥ずかしいです」
小さな声で呟くと、王子はふっと柔らかな笑みを浮かべた。その笑顔には、まるで俺の心を見透かしているかのような優しさが宿っている。
「そうだね。僕も……恥ずかしいよ。でも、君と一緒なら、不思議と勇気が湧いてくるんだ」
そう言いながら、王子は俺の手をそっと引き、まるで誰にも邪魔されない場所にいるかのように、俺にだけ見せるような穏やかな微笑みを浮かべた。その瞬間、俺は胸の奥がじんと温かくなり、心がふわりと軽くなる。
その様子を見ていた国王が、再び穏やかな声で話しかけてきた。
「誇りに思ってよいのだよ、二人とも。君たちの絆が国を支える礎となり、民の希望となる。愛し合うことは、何よりも強い力を生むのだから」
国王の言葉は優しく、けれど重みをもって広間に響いた。俺はその言葉に、心の奥が温かく満たされるのを感じる。これがただの恥ずかしい出来事ではなく、俺たちの絆が国の未来にとっても意味あるものだと――そう思えるようになった。
王子が俺の手をさらに握り締め、そっと微笑む。広間に集まっている者たちも、俺たちに向けて温かい視線を送っていた。照れくささが完全に消えたわけではないが、心に少しずつ落ち着きが戻ってくる。
「ルセル、共にこの国を守っていこう。そして、君の側にいられることを……いつまでも誇りに思うよ」
王子の言葉に、俺はそっと頷き、彼の温かい手をしっかりと握り返した。これからも二人で、この国と愛を育んでいけるのだと思うと、胸の中が優しい希望で満たされる。
王子と共に歩むこの未来を信じ、俺は彼に向かって微笑んだ。
ふと横を見ると、王子が俺を見下ろして優しく微笑んでいた。その微笑みに胸がドキッと高鳴る。昨日の夜、そして今朝の出来事が、まるで甘い夢の続きのように蘇った。
王子と手を繋ぎながら歩いていると、彼の温もりが指先から身体の奥深くにまで伝わり、幸せな気持ちで満たされる。気づけば、俺の頬は自然と緩んでいた。こんなにも満たされた気持ちを味わえるなんて――以前の俺には想像もつかなかったことだ。
広間に入ると、そこにいた王宮の人々が一斉に俺たちを見つめ、柔らかな笑みを浮かべて敬意を示すように一礼する。その様子がどうにも普段とは違って見えて、俺は戸惑いを覚えた。
「アルティス、なんだかみんな、妙に優しい目で俺たちを見てませんか?」
俺がそう小声で問いかけると、王子も少しだけ困惑した表情を浮かべた。俺の手をそっと握り返し、軽く頷く。
「確かに……なんだか様子が違うな」
二人でそんなことを話していると、突然、国王が広間に現れた。彼の後ろには何人かの側近が続いており、彼らもまた微笑みを浮かべている。国王は俺たちの方に歩み寄り、落ち着いた声で語りかけてきた。
「昨夜のこと、よくやってくれた、二人とも」
「昨夜の……こと?」
俺は首をかしげた。王子も同じように戸惑った表情を浮かべている。国王は微笑みを崩さずに続けた。
「二人が愛し合ったことで、膨大な魔力が発生し、それが王国全体に伝わったのだ。その力のおかげで、我が国の守りはさらに強固になったのだよ」
その言葉に、俺の顔は一瞬で真っ赤に染まった。恥ずかしさと驚きが込み上げ、言葉を失ってしまう。
「え、えっと……あの……」
俺はしどろもどろになりながら言葉を探したが、何も言えずに口を閉じた。隣を見ると、王子も同様に顔を赤らめ、少しぎこちなく視線を逸らしている。
国王は俺たちの様子を見て、ますます穏やかな表情を浮かべた。
「恥じることはない。むしろ誇りに思うべきだ。二人が愛し合ったことで、この国はより強くなった。民も、それを喜んでいるよ」
その言葉に、俺は少しだけほっとしたものの、やはり恥ずかしさは拭えなかった。俺たちが昨夜過ごしたあの甘い時間が、こんな形で知られてしまうなんて……。
広間を進む俺たちに、次々と敬意を示すように頭を下げる貴族たちの姿が目に入る。彼らの視線がどこか熱っぽく、俺たちのことを何か特別なものを見るかのように感じられて、胸の奥がざわついた。
「アルティス……これ、本当に国中に伝わってるんですか……?」
俺は小声でつぶやき、周囲の視線から逃げるように彼に顔を寄せた。
「そうみたいだね……」
王子は、少し頬を赤らめながら微笑む。その顔には、普段の冷静な表情とは違い、恥じらっている様子が浮かんでいた。王子が自分と同じように照れている姿を見ると、少しだけ気持ちが楽になる。
「恥ずかしいですね……本当に……」
言葉に詰まりながら、俺は昨夜の甘美な瞬間を思い出してしまった。あのひとときを他の誰かが知っているなんて……とてもじゃないけど、まともに顔を上げられない。
そんな俺の困惑を察したのか、王子はそっと俺の手を包み込むように握りしめた。その温もりが、じんわりと心を落ち着かせてくれる。
「ルセル、僕たちの愛は、何も恥じるようなものじゃない。むしろ、君が僕を愛してくれていることを、堂々と国中に誇りたいくらいだ」
王子の真っ直ぐな言葉に、俺の顔はますます赤くなった。彼が言っていることは正しい――頭では分かっていても、どうしても照れくさくて、素直に受け止めることができない。
「そうは言っても……やっぱり恥ずかしいです」
小さな声で呟くと、王子はふっと柔らかな笑みを浮かべた。その笑顔には、まるで俺の心を見透かしているかのような優しさが宿っている。
「そうだね。僕も……恥ずかしいよ。でも、君と一緒なら、不思議と勇気が湧いてくるんだ」
そう言いながら、王子は俺の手をそっと引き、まるで誰にも邪魔されない場所にいるかのように、俺にだけ見せるような穏やかな微笑みを浮かべた。その瞬間、俺は胸の奥がじんと温かくなり、心がふわりと軽くなる。
その様子を見ていた国王が、再び穏やかな声で話しかけてきた。
「誇りに思ってよいのだよ、二人とも。君たちの絆が国を支える礎となり、民の希望となる。愛し合うことは、何よりも強い力を生むのだから」
国王の言葉は優しく、けれど重みをもって広間に響いた。俺はその言葉に、心の奥が温かく満たされるのを感じる。これがただの恥ずかしい出来事ではなく、俺たちの絆が国の未来にとっても意味あるものだと――そう思えるようになった。
王子が俺の手をさらに握り締め、そっと微笑む。広間に集まっている者たちも、俺たちに向けて温かい視線を送っていた。照れくささが完全に消えたわけではないが、心に少しずつ落ち着きが戻ってくる。
「ルセル、共にこの国を守っていこう。そして、君の側にいられることを……いつまでも誇りに思うよ」
王子の言葉に、俺はそっと頷き、彼の温かい手をしっかりと握り返した。これからも二人で、この国と愛を育んでいけるのだと思うと、胸の中が優しい希望で満たされる。
王子と共に歩むこの未来を信じ、俺は彼に向かって微笑んだ。
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