俺が聖女なわけがない!

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【25】濃密!?結ばれる二人の熱い夜⑤*

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「ルセル……いいかい?」
王子は念を押すように聞いてきた。俺は小さくうなずくと、両手でシーツをぎゅっと握りしめる。それを確認した王子は、何度か先端を擦り付けた後、ゆっくりと腰を進め始めた。
「んっ……」
指とは比べ物にならないくらいの質量に、思わず息が詰まる。しかし王子がゆっくりと時間をかけて解してくれたおかげで、痛みはそれほど感じなかった。むしろ、やっと一つになれるのだという喜びの方が大きいかもしれない。
「ルセル……苦しい……?」
心配そうな声で聞かれ、俺は慌てて首を横に振る。王子はほっとしたように微笑んだ後、さらに奥へと腰を進めてきた。
「あっ……んんっ……」
強い圧迫感が押し寄せ、思わず声が漏れる。王子は一旦動きを止めると、優しく頭を撫でてくれた。
「大丈夫? もう少し力抜けるかな……?」
俺は言われるままに深く呼吸をした。そうすると幾分か楽になった気がする。それを感じ取ったのか、王子はまたゆっくりと腰を動かし始めた。
「あっ……ああっ……」
王子のものがナカで動くたびに、自分のものとは思えないような声が出る。恥ずかしさに手で口を押さえると王子はその手を取り去り、代わりに唇を重ねてきた。
「んんっ……んっ……」
口内を舌で蹂躙され、思考が蕩けていく。それと同時に体の力が抜けたようで、一気に奥まで貫かれてしまった。
「んむぅんんんんっ……!」
目の前がチカチカして叫びそうになったが、唇を塞がれていて声が出せない。すると、王子はそっと唇を離して囁いた。
「はぁっ……全部入ったよ」
「はあっ……あぁんっ……」
王子がゆっくりと腰を動かすたび、全身に甘い痺れが走る。初めてなのにこんな感覚になってしまうなんて。そう思いながらも、自然と腰が揺れ動いてしまう。
「ルセル……可愛い」
そう言って笑う王子の顔はとても綺麗で見惚れてしまった。うっとりしていると、さらに激しく責め立てられる。
「あっ……ああっ……!」
強すぎる快楽から逃れたくて身を捩ろうとするが、しっかりと押さえ込まれていて動けない。それどころか余計に深く入り込んでしまった気がする。
「あっ……だめぇ……そんなにされたらおかしくなるぅ……」
泣きながら訴えると、王子は俺を安心させるように優しく微笑んでくれた。それにドキッとして、ついナカを締め付けてしまう。すると、王子のものがさらに大きくなったような気がした。
「くっ……そんなに締め付けないでくれ……」
王子は苦しげにそう言うと、動きを止めて俺をぎゅっと抱きしめる。落ち着こうとしているのだろうか。俺もなんとか締め付けないように気をつけようとするが、王子に抱きしめられるとどうしても体が反応してしまう。
「んっ……ふぅ……っ」
王子のものは、俺の奥深くに入り込んだままビクビクと脈打っていた。それを意識してしまい、余計に感じてしまう。
しばらくそのままの状態で抱き合っていたが、やがて王子はゆっくりと腰を動かし始めた。
「あぁっ……!」
最初はゆっくりだった動きは次第に激しくなっていく。肌と肌がぶつかる音と結合部から聞こえる水音が部屋中に響き渡っていた。その音にさえ興奮してしまい、さらに感じてしまう。
「あっ、ああっ! ああぁんっ!!」
あまりの激しさに耐え切れず大きな声が出てしまい、慌てて口を押さえる。だが王子はそれを許してくれなかった。俺の手を口元から引き剥がすとそのままベッドに押さえつける。そして耳元で囁いた。
「可愛い鳴き声、もっと聞かせて……」
そう言うと同時にさらに強く打ち付けてくる。あまりの衝撃に一瞬意識を失いかけたが、すぐに引き戻されてしまった。そして今度は首筋や胸元に口づけを落とされる。時折強く吸われて痕を残されたのが分かったが、抵抗する気力など残っていない。むしろもっとつけてほしいと思ってしまうほど、頭の中は快楽に支配されていた。
「あっ、あんっ……アルティス、すごいっ……気持ちいい……」
俺は無意識のうちに自分から腰を振っていた。それに応えるように王子の動きも激しくなっていく。
「ルセル……愛してる……っ」
「あっ……あぁっ……俺もっ、愛してる……!」
俺は思わずそう口にしていた。それを聞いた王子は俺の両脚を抱え上げ、より深く挿入してくる。
「ルセル、出すよ……っ!」
「んっ、出してぇ……! いっぱい中に欲しい……!」
俺が叫ぶと同時に、王子のものがドクンと脈打つのを感じた。熱いものが注ぎ込まれる感覚に、全身が震えるほどの幸福感に包まれる。それと同時に俺も絶頂を迎えた。
「あっ……ああああっ……!」
俺はビクビクと体を震わせながら精を放った。信じられないくらい気持ちがいい。ナカにドクドクと注がれるのを感じながら、自分も長い射精をする。快感で体が痙攣し、王子のものをきゅうきゅうと締め付けてしまった。
「くっ……すごいな……」
王子は苦しげに呟くと、俺をぎゅっと抱き締める。彼も小刻みに震えながら腰を動かしていた。まだ射精が続いているのだろう。俺のナカで王子のものがずっと脈打っているのを感じる。
「あっ……すごい、まだ出てる……」
「ルセル……ごめん、もう少しこのままで……」
そう言うと王子は再び唇を重ねてきた。舌を絡ませ合いながら俺は王子の背中に腕を回して抱き返す。
「んっ……んんっ……!」
口内を貪られながらゆるゆると腰を動かされ、頭がおかしくなってしまいそうなほど気持ちがいい。
魔力が溶け合って、二人の魔力の波長が同じになっていくのを感じる。気持ち良くて幸せで、まるでこのまま一つになってしまうかのような錯覚に陥るほどだった。

そのまましばらくの間、俺たちは繋がったまま抱き合っていた。
やがてゆっくりと唇を離すと、唾液が糸を引いて落ちる。
「ルセル……大丈夫?」
心配そうに顔を覗き込んでくる王子に俺は小さく微笑んで見せた。
「うん……すごく気持ちよかった……」
そう答えると王子も嬉しそうに笑ってくれた。そして俺の額に軽く口付ける。
「よかった……僕もだよ……」
王子は小さく息を吐くと、ゆっくりと性器を引き抜こうとした。その感覚に思わず甘い声が漏れてしまう。
「ん……ぁっ」
ずるりと抜けていく瞬間、身体が震えるほどの快感に襲われてシーツを強く握りしめた。栓を失ったそこから、どろりとしたものが流れ出してくる感覚に小さく身体を震わせる。
「あっ……んっ……」
慌てて手で押さえると、王子の出した濃厚な精液が手の中に溜まって溢れていく。その量の多さに思わず赤面してしまった。
「すごい……アルティスの、いっぱい……」
俺が呟くと王子は照れたように頬をかいた。その表情が可愛くて胸がきゅんとする。
「ごめんね……ルセルが可愛いから我慢できなくて……」
「ううう……っ」
可愛くなんてないと言おうと思ったが、恥ずかしくなって俯いてしまう。こんなに美しくて完璧な王子が、俺なんかに興奮して、たくさん出してくれたんだと思うと嬉しくて仕方がなかった。
「……嬉しい……」
小さな声でそう告げると、彼は優しく微笑む。
「ルセルは優しいね」
王子にゆっくりと頬を撫でられる。その手つきはとても優しく温かくて心地よかった。しばらくされるがままになっているうちに、だんだん眠くなってきてしまう。
「ルセル、眠いの?」
「うー……ん……」
眠いけれど、お互いの出したもので身体中がベトベトだ。このまま眠るわけにはいかない。
それにまだ王子とくっついていたいという気持ちもある。どうしようか迷っていると、王子が俺の頭をそっと撫でてくれた。
「あとは僕に任せて、ルセルはゆっくり休んで」
「でも……」
言葉に詰まる俺を、王子は優しく見つめ、そして額に軽く口づけをする。そのまま俺の身体をそっと抱き寄せ、その腕の中で守るように包んでくれた。
「気にしないで、このまま眠って大丈夫だよ」
「うん……」
王子の体温が心に染みわたり、緊張がふっと解けていくのを感じる。その温もりがまるで波のように、俺の中の疲れを少しずつ溶かし流していった。安心して身を委ねると、まぶたが重くなり、意識がゆっくりと遠のいていく。
「……おやすみ、ルセル」
最後に耳に届いた王子の声は、優しくて心地よくて、俺の心を穏やかに満たしてくれた。
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