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【19】愛情!?困難乗り越え交わす想い
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その夜、俺たちは静まり返った部屋で二人きり、向き合っていた。ほのかな灯りが部屋を優しく照らし、静寂の中でお互いの呼吸が聞こえる。王子は深い眼差しで俺を見つめていた。
「今日……君がさらわれた時、もし間に合わなかったらどうしようって、心の底から怖かったんだよ、ルセル」
彼の言葉は静かだったが、その中に込められた感情の重みが伝わってくるようだった。俺もまた、あの瞬間の恐怖がよみがえり、胸が締め付けられる。
「俺も……襲われた時は生きた心地がしなかったです。でも、王子が来てくれて、本当に救われました」
俺は王子に微笑みながら感謝を伝えた。彼もまた、優しく微笑み返してくれる。
「ルセル……君が無事で本当に良かった。でも、君が自分を囮にしようとしたと知って……正直、怒りを覚えたんだ」
王子の声は震えていた。その言葉に、俺は彼の心の痛みを感じ、胸が苦しくなる。
「ごめんなさい、王子……。俺、自分が囮になるしかないと思って。でも、本当に怖かった……」
涙が溢れ出しそうになるのを堪えながら、彼の手に触れた。彼の温かい手が、俺の手を優しく包み込んでくれる。
「ルセル、もう二度と君をそんな危険にさらさない。君を失うなんて……考えたくもないよ」
王子の真剣な眼差しに、俺は胸が熱くなった。彼の愛情と決意が痛いほど伝わってくる。
「ありがとうございます、王子……。王子がいるから、俺も強くなれて……王子のために、何だって頑張れるんです」
俺の言葉に、王子の瞳が一層深く輝いた。その瞬間、彼の顔が近づき、唇がそっと触れ合う。
「ルセル……君を愛している」
その言葉が耳に入った瞬間、心臓が一気に跳ね上がった。驚きで頭の中が真っ白になる。俺なんかを、王子が愛している……?
「え……?」
驚きで声が詰まる。全身が熱くなっていくのを感じながら、その言葉の真意を確かめたくなった。でも、王子の瞳は真剣で、その輝きは嘘ではないことを物語っている。胸が締め付けられるように痛み、同時に温かい何かが心に広がっていった。
「王子……それは、本当に?」
王子の瞳の奥には、いつも感じていた優しさと愛情が宿っている。
思い返せば、王子の言葉や行動から、ずっとその愛は伝わってきていた。だから、驚きつつも、どこかでそれを理解し受け入れている自分がいる。
「そうだよ、ルセル。君は僕にとって本当に大切な存在なんだ。今回のことがあって、ちゃんと愛を伝えようって思ったんだ」
涙が浮かんできて、視界がぼやける。自分がこんなに愛されているなんて、信じられないことだけれど、嬉しくてたまらない。
「王子……俺は……俺も、あなたを愛しています」
自分の声が震える。でも、その震えは恐れではなく、幸せに満ちたものだった。王子が優しい笑顔で俺を見つめる。
「嬉しいよ、ルセル……ねぇ、名前で呼んでくれないか?」
「な、名前で……? えっと、アルティス様……?」
「アルティスでいいんだよ、ルセル」
王子のことを呼び捨てにしたりして良いのだろうか。でも、彼の優しい瞳を見ていると、その想いに応えたいという気持ちが強くなっていく。戸惑いつつも、勇気を出して名前を呼んでみた。
「じゃあ……ア……アルティス……」
その言葉を口にした瞬間、彼の瞳が輝きを増した。
「ありがとう、ルセル。これからもそう呼んでくれると嬉しい」
王子は、まるで世界で一番幸せな人のように、嬉しそうな顔をしている。俺に名前を呼ばれただけで、こんなに喜んでくれるなんて。その笑顔を見ていると、彼の喜びが自分にも伝染するようだった。名前を呼ぶことでこんなに喜んでくれるなら、これからもっと呼んであげたいと思った。
「ルセル……キスしてもいいかい?」
その言葉に、俺の心臓がまたドキドキと高鳴り始める。お互いに愛し合っていると分かってからのキス……。それがどれほど幸せなものかを考えるだけで、自然と顔が熱くなった。
「はい……もちろん、いいです」
俺の返事を聞いて、王子は優しく微笑み、ゆっくりと顔を近づけてくる。俺も自然と目を閉じて、彼の唇が自分の唇に触れるのを感じた。その瞬間、身体中に温かいエネルギーが広がっていく。
王子の唇は柔らかくて、優しい。二人のキスは、ただ単に心を繋げるだけでなく、聖女と王子の魔力も増幅されることを感じさせる。身体も心も心地よくて、まるで夢の中にいるかのようだった。
キスが終わり、俺は息を整えながら王子の顔を見上げる。彼の瞳も少し潤んでいて、幸せそうな表情を浮かべていた。
「ありがとう、ルセル。今までも君と触れ合うたびに幸せな気持ちになっていたけれど……それ以上に幸せな気持ちがあるなんて、思ってもみなかったよ」
王子の言葉に、俺も心からうなずく。
「俺もです……アルティス。あなたと一緒にいることが、こんなにも幸せだなんて……」
王子は再び微笑み、俺をそっと抱きしめた。その温もりに包まれながら、俺は心からの安堵と幸福感に浸る。王子とこうして愛し合うことで、自分は本当に聖女になることができたのだと思った。
「今日……君がさらわれた時、もし間に合わなかったらどうしようって、心の底から怖かったんだよ、ルセル」
彼の言葉は静かだったが、その中に込められた感情の重みが伝わってくるようだった。俺もまた、あの瞬間の恐怖がよみがえり、胸が締め付けられる。
「俺も……襲われた時は生きた心地がしなかったです。でも、王子が来てくれて、本当に救われました」
俺は王子に微笑みながら感謝を伝えた。彼もまた、優しく微笑み返してくれる。
「ルセル……君が無事で本当に良かった。でも、君が自分を囮にしようとしたと知って……正直、怒りを覚えたんだ」
王子の声は震えていた。その言葉に、俺は彼の心の痛みを感じ、胸が苦しくなる。
「ごめんなさい、王子……。俺、自分が囮になるしかないと思って。でも、本当に怖かった……」
涙が溢れ出しそうになるのを堪えながら、彼の手に触れた。彼の温かい手が、俺の手を優しく包み込んでくれる。
「ルセル、もう二度と君をそんな危険にさらさない。君を失うなんて……考えたくもないよ」
王子の真剣な眼差しに、俺は胸が熱くなった。彼の愛情と決意が痛いほど伝わってくる。
「ありがとうございます、王子……。王子がいるから、俺も強くなれて……王子のために、何だって頑張れるんです」
俺の言葉に、王子の瞳が一層深く輝いた。その瞬間、彼の顔が近づき、唇がそっと触れ合う。
「ルセル……君を愛している」
その言葉が耳に入った瞬間、心臓が一気に跳ね上がった。驚きで頭の中が真っ白になる。俺なんかを、王子が愛している……?
「え……?」
驚きで声が詰まる。全身が熱くなっていくのを感じながら、その言葉の真意を確かめたくなった。でも、王子の瞳は真剣で、その輝きは嘘ではないことを物語っている。胸が締め付けられるように痛み、同時に温かい何かが心に広がっていった。
「王子……それは、本当に?」
王子の瞳の奥には、いつも感じていた優しさと愛情が宿っている。
思い返せば、王子の言葉や行動から、ずっとその愛は伝わってきていた。だから、驚きつつも、どこかでそれを理解し受け入れている自分がいる。
「そうだよ、ルセル。君は僕にとって本当に大切な存在なんだ。今回のことがあって、ちゃんと愛を伝えようって思ったんだ」
涙が浮かんできて、視界がぼやける。自分がこんなに愛されているなんて、信じられないことだけれど、嬉しくてたまらない。
「王子……俺は……俺も、あなたを愛しています」
自分の声が震える。でも、その震えは恐れではなく、幸せに満ちたものだった。王子が優しい笑顔で俺を見つめる。
「嬉しいよ、ルセル……ねぇ、名前で呼んでくれないか?」
「な、名前で……? えっと、アルティス様……?」
「アルティスでいいんだよ、ルセル」
王子のことを呼び捨てにしたりして良いのだろうか。でも、彼の優しい瞳を見ていると、その想いに応えたいという気持ちが強くなっていく。戸惑いつつも、勇気を出して名前を呼んでみた。
「じゃあ……ア……アルティス……」
その言葉を口にした瞬間、彼の瞳が輝きを増した。
「ありがとう、ルセル。これからもそう呼んでくれると嬉しい」
王子は、まるで世界で一番幸せな人のように、嬉しそうな顔をしている。俺に名前を呼ばれただけで、こんなに喜んでくれるなんて。その笑顔を見ていると、彼の喜びが自分にも伝染するようだった。名前を呼ぶことでこんなに喜んでくれるなら、これからもっと呼んであげたいと思った。
「ルセル……キスしてもいいかい?」
その言葉に、俺の心臓がまたドキドキと高鳴り始める。お互いに愛し合っていると分かってからのキス……。それがどれほど幸せなものかを考えるだけで、自然と顔が熱くなった。
「はい……もちろん、いいです」
俺の返事を聞いて、王子は優しく微笑み、ゆっくりと顔を近づけてくる。俺も自然と目を閉じて、彼の唇が自分の唇に触れるのを感じた。その瞬間、身体中に温かいエネルギーが広がっていく。
王子の唇は柔らかくて、優しい。二人のキスは、ただ単に心を繋げるだけでなく、聖女と王子の魔力も増幅されることを感じさせる。身体も心も心地よくて、まるで夢の中にいるかのようだった。
キスが終わり、俺は息を整えながら王子の顔を見上げる。彼の瞳も少し潤んでいて、幸せそうな表情を浮かべていた。
「ありがとう、ルセル。今までも君と触れ合うたびに幸せな気持ちになっていたけれど……それ以上に幸せな気持ちがあるなんて、思ってもみなかったよ」
王子の言葉に、俺も心からうなずく。
「俺もです……アルティス。あなたと一緒にいることが、こんなにも幸せだなんて……」
王子は再び微笑み、俺をそっと抱きしめた。その温もりに包まれながら、俺は心からの安堵と幸福感に浸る。王子とこうして愛し合うことで、自分は本当に聖女になることができたのだと思った。
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