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06.魔力回復でもキスされるんですが!?
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部屋に戻ってソファでくつろいでいると、王子が近づいてきた。
「ミノル、ちょっといいかな」
「どうかした?」
「少し確認したいことがあってね」
なんだろう?と首を傾げていると、突然唇を奪われた。
「んっ!?」
驚いて離れようとするが、身体を押さえつけられていて動かせない。そのまま数秒間キスが続く。やがて、ゆっくりと舌が入ってきた。
「んんっ……んぅ……んっ……んんんんんっ」
俺はなんとか逃れようともがくが、王子はびくともしない。
う、嘘だろ……。こんなに力が強かったのか……。
王子とのキスはもう何度か経験していたが、今回はなんだか激しい。脳が痺れるような感覚だ。
それからさらに数十秒ほど続けてから、やっと解放された。
「ぷはぁ……。はぁ……はぁ……」
俺は息を整えながら、必死に呼吸をした。
「はぁ……はぁ……いきなり何するんだよぉ……」
「ふふ、すまないね。君が可愛かったものだから、つい我慢できなくなってしまったんだ」
「そ、そんな理由で……」
「いや、それもあるんだが、じつはしっかり理由があるんだよ」
そう言うと、アルベール王子は再び俺に近づき、俺の右手を手に取った。
「この指輪に魔力の補給ができるかどうか試したくてね」
「指輪に……?」
王子は真剣な表情をしていた。
「私の推測通りなら、この方法が一番効率が良いはずなんだ」
王子の説明によると、指輪の魔法石には大量の魔力を貯めておくことができるが、一度指から外してしまうと空っぽになってしまうらしい。再び満タンにするには、王子が自分の指に装着して魔力を込める必要がある。それには半日くらいかかるし、王子の魔力も一度空になってしまうのだ。
「そこで、指輪を外さずに、直接魔力を込めることができないかと考えたんだ」
「なるほど……」
指輪を外さなければ、減った分だけの魔力を補充するだけで良い。確かにこれは効率が良さそうだ。
「身体に触れているだけでは魔力の補充が出来ないようだから、口づけをしてみたんだ」
「そうだったのか……」
確かに、そういうことなら納得ができる。だが、まさか一日に何度も唇を奪われるとは……。
「まだ満タンになっていないようだから、もう一度試させてもらえるかい?」
「う、うん……」
俺は恥ずかしくなりながらも返事をした。
「ありがとう」
それから、王子は再び俺の唇を奪った。今度は最初から舌を入れられて、さっきよりも激しい。俺はただされるがままになっていた。
そして、ようやく終わったと思ったら、またすぐに口を塞がれてしまう。
それから数分間、ずっとそれを繰り返していた。
「ん……んん……」
直接魔力を流し込まれているからだろうか。普通のキスよりもなんだか気持ち良く感じてしまう。
もうこれ以上は限界だと思った時、ようやく解放してもらえた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
俺は肩で大きく息をしながら、その場にへたり込む。
「どうやら成功したみたいだね」
「うん……」
指輪の魔法石が輝いていた。魔力が満タンになったようだ。
「これから、指輪の魔力を使った時はこうやって補充させてもらうよ」
「うう……分かった……」
俺は全身に力が入らず、そのまま倒れ込んでしまった。
「おやおや、大丈夫かい?」
「うぐぐ、ちょっと立てそうにない……」
「仕方がないな。ベッドまで運んであげよう」
「すまない、頼む……」
俺は王子に支えられて、なんとかベッドにたどり着いた。
「今日は色々と疲れただろう。ゆっくり休むといいよ」
「ああ……ありがとう」
それから、王子と一緒にベッドに入って眠りについた。
翌朝、窓から差し込む光で目が覚めた。横を見ると、王子はまだ眠っていた。俺はそっと起き上がる。
「ん……おはよう、ミノル」
王子も目を覚ましたようで、目をこすりながら起き上がった。
「ああ、おはよ……」
昨日のことが思い出されてしまい、顔が熱くなる。王子の方を見ると、なぜか微笑んでいる。
「ふふっ、どうしたんだい?」
「えっと……なんでもないよ」
王子にじっと見つめられて恥ずかしくなり、慌てて顔を逸らす。
「それより、早く準備しないと朝食に遅れちゃうぞ」
「そうだね。着替えたら食堂に行こうか」
俺達はベッドから出て、服を着替えることにした。
俺は服を脱いで下着姿になる。ふと鏡に映る自分を見て、首筋に赤い痕が付いていることに気づいた。
「これって……」
キスマークだよな……。王子に付けられたのか?しかし、いつの間に付けられたんだろう。全然気付かなかった……。
別に見られたりするような場所じゃないし、別にいいかな、と気にするのをやめた。それに、今はそんなことを気にしている場合ではない。
俺は急いで着替える。ちょうど王子も着替え終わったので、一緒に部屋を出た。
「ミノル、ちょっといいかな」
「どうかした?」
「少し確認したいことがあってね」
なんだろう?と首を傾げていると、突然唇を奪われた。
「んっ!?」
驚いて離れようとするが、身体を押さえつけられていて動かせない。そのまま数秒間キスが続く。やがて、ゆっくりと舌が入ってきた。
「んんっ……んぅ……んっ……んんんんんっ」
俺はなんとか逃れようともがくが、王子はびくともしない。
う、嘘だろ……。こんなに力が強かったのか……。
王子とのキスはもう何度か経験していたが、今回はなんだか激しい。脳が痺れるような感覚だ。
それからさらに数十秒ほど続けてから、やっと解放された。
「ぷはぁ……。はぁ……はぁ……」
俺は息を整えながら、必死に呼吸をした。
「はぁ……はぁ……いきなり何するんだよぉ……」
「ふふ、すまないね。君が可愛かったものだから、つい我慢できなくなってしまったんだ」
「そ、そんな理由で……」
「いや、それもあるんだが、じつはしっかり理由があるんだよ」
そう言うと、アルベール王子は再び俺に近づき、俺の右手を手に取った。
「この指輪に魔力の補給ができるかどうか試したくてね」
「指輪に……?」
王子は真剣な表情をしていた。
「私の推測通りなら、この方法が一番効率が良いはずなんだ」
王子の説明によると、指輪の魔法石には大量の魔力を貯めておくことができるが、一度指から外してしまうと空っぽになってしまうらしい。再び満タンにするには、王子が自分の指に装着して魔力を込める必要がある。それには半日くらいかかるし、王子の魔力も一度空になってしまうのだ。
「そこで、指輪を外さずに、直接魔力を込めることができないかと考えたんだ」
「なるほど……」
指輪を外さなければ、減った分だけの魔力を補充するだけで良い。確かにこれは効率が良さそうだ。
「身体に触れているだけでは魔力の補充が出来ないようだから、口づけをしてみたんだ」
「そうだったのか……」
確かに、そういうことなら納得ができる。だが、まさか一日に何度も唇を奪われるとは……。
「まだ満タンになっていないようだから、もう一度試させてもらえるかい?」
「う、うん……」
俺は恥ずかしくなりながらも返事をした。
「ありがとう」
それから、王子は再び俺の唇を奪った。今度は最初から舌を入れられて、さっきよりも激しい。俺はただされるがままになっていた。
そして、ようやく終わったと思ったら、またすぐに口を塞がれてしまう。
それから数分間、ずっとそれを繰り返していた。
「ん……んん……」
直接魔力を流し込まれているからだろうか。普通のキスよりもなんだか気持ち良く感じてしまう。
もうこれ以上は限界だと思った時、ようやく解放してもらえた。
「はぁ……はぁ……はぁ……」
俺は肩で大きく息をしながら、その場にへたり込む。
「どうやら成功したみたいだね」
「うん……」
指輪の魔法石が輝いていた。魔力が満タンになったようだ。
「これから、指輪の魔力を使った時はこうやって補充させてもらうよ」
「うう……分かった……」
俺は全身に力が入らず、そのまま倒れ込んでしまった。
「おやおや、大丈夫かい?」
「うぐぐ、ちょっと立てそうにない……」
「仕方がないな。ベッドまで運んであげよう」
「すまない、頼む……」
俺は王子に支えられて、なんとかベッドにたどり着いた。
「今日は色々と疲れただろう。ゆっくり休むといいよ」
「ああ……ありがとう」
それから、王子と一緒にベッドに入って眠りについた。
翌朝、窓から差し込む光で目が覚めた。横を見ると、王子はまだ眠っていた。俺はそっと起き上がる。
「ん……おはよう、ミノル」
王子も目を覚ましたようで、目をこすりながら起き上がった。
「ああ、おはよ……」
昨日のことが思い出されてしまい、顔が熱くなる。王子の方を見ると、なぜか微笑んでいる。
「ふふっ、どうしたんだい?」
「えっと……なんでもないよ」
王子にじっと見つめられて恥ずかしくなり、慌てて顔を逸らす。
「それより、早く準備しないと朝食に遅れちゃうぞ」
「そうだね。着替えたら食堂に行こうか」
俺達はベッドから出て、服を着替えることにした。
俺は服を脱いで下着姿になる。ふと鏡に映る自分を見て、首筋に赤い痕が付いていることに気づいた。
「これって……」
キスマークだよな……。王子に付けられたのか?しかし、いつの間に付けられたんだろう。全然気付かなかった……。
別に見られたりするような場所じゃないし、別にいいかな、と気にするのをやめた。それに、今はそんなことを気にしている場合ではない。
俺は急いで着替える。ちょうど王子も着替え終わったので、一緒に部屋を出た。
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