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17「一生お前を離さない」
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その後、僕達は国を挙げての盛大な式を挙げた。
式にはたくさんの人が集まってくれた。僕はこの国を守った救世主として讃えられ、王子の伴侶として認められたのだ。そのため、国中の人々が祝福してくれた。
集まってくれた人の中には、僕の両親の姿もあった。母は涙を流していて、父は複雑な表情を浮かべていた。僕は父を安心させようと、王子と恋人繋ぎをしたりして仲が良いところを必死に見せつけた。なぜか父はさらに複雑な表情になっていた。
これからきっと大変なこともあるだろうけど、僕は今、本当に幸せだと思う。
「ルセット……すごく綺麗だよ」
パーティの途中で、王子がこっそりと僕の耳元で囁いた。
「王子も素敵ですよ」
そう答えると、彼は照れくさそうに笑う。
「ルセット、愛している」
「はい、僕も愛しています」
これからもずっと一緒にいよう、と心から誓い、僕は王子の手を握った。
***
そして、結婚式から数日経ったある日の夜のこと――。
「ランヴェルセ王子!今日こそ貴方様から逃げさせていただきます!」
「な、なんでそうなるんだよ!誓ったよね!?一生一緒にいるって!」
「ええ、誓いました!でも、もうこれ以上耐えられません!」
どうして僕がこんなに怒っているのかというと。
「僕、言いましたよね。毎晩毎晩何度も何度も求められては身体が持たないと……」
僕達が結ばれてからというもの、王子が毎日のように僕を求めてくるのだ。
日中も隙あらばイチャイチャしてくるし、夜も僕が気絶するまで抱き潰されている。
「だって……全然足りないんだもん……」
王子は甘えたような声で言う。そんな可愛い顔されたって、これだけは譲れない。
「昨日だって、もう無理って言ってるのに、5回もしたじゃないですか……!」
「ん?違うぞ。お前が気絶してから追加で2回したから、合計7回だな」
「はあぁ!?信じられない……!」
どうりで恐ろしく身体が怠いはずだ。僕が気絶してからもしていたなんて……。
呆れた顔で見上げると、少し気まずそうに目を逸らされた。
「……やっと好きな人を手に入れたから、浮かれてるんだよ……」
「うっ……」
急にこんなことを言ってくるところ、本当にずるいと思う。こんなに素直に好意をぶつけられたら、つい絆されてしまう……。
「それに、魔力の供給も必要なことだし……」
「ううっ……」
確かにそうなのだ。一度膨大な魔力の受け渡しを行ったため、定期的にお互いの魔力を混じり合わせておく必要があるらしい。とはいえ、毎日毎日こんなに行う必要は全く無いはずだけど……。
「……ルセットは嫌なのか?」
ダメ押しとばかりに、王子が子犬のような目で見上げてくる。
「うううっ……嫌ではないですが……身体が持たないんです!」
「ちゃんと手加減するようにするから……!」
「そう言って、この間も朝まで……」
「それは反省してるからさ……」
そう言って、僕の頭を撫でると、キスをしてきた。そして、また押し倒されてしまう。
「ちょっと、ダメですってばっ……」
抵抗しようとするが、あっさりと組み敷かれてしまった。耳元に王子の顔が近づいてくる。
「一生お前を離さない」
「ひぇっ……!」
とどめのクリティカルヒットが直撃した。
さっきまでの駄々っ子のような態度から一転、男らしく迫られて胸が高鳴ってしまう。
結局、流されて受け入れてしまった。
(僕、どんどん王子に弱くなってないか……?)
そんなことを考えながらも、彼に身体を委ねる。とどのつまり、僕も王子にメロメロなのだ。
時々逃げ出したくなることもあるけれど、幸せで甘い日々はこれからも続いていく――。
式にはたくさんの人が集まってくれた。僕はこの国を守った救世主として讃えられ、王子の伴侶として認められたのだ。そのため、国中の人々が祝福してくれた。
集まってくれた人の中には、僕の両親の姿もあった。母は涙を流していて、父は複雑な表情を浮かべていた。僕は父を安心させようと、王子と恋人繋ぎをしたりして仲が良いところを必死に見せつけた。なぜか父はさらに複雑な表情になっていた。
これからきっと大変なこともあるだろうけど、僕は今、本当に幸せだと思う。
「ルセット……すごく綺麗だよ」
パーティの途中で、王子がこっそりと僕の耳元で囁いた。
「王子も素敵ですよ」
そう答えると、彼は照れくさそうに笑う。
「ルセット、愛している」
「はい、僕も愛しています」
これからもずっと一緒にいよう、と心から誓い、僕は王子の手を握った。
***
そして、結婚式から数日経ったある日の夜のこと――。
「ランヴェルセ王子!今日こそ貴方様から逃げさせていただきます!」
「な、なんでそうなるんだよ!誓ったよね!?一生一緒にいるって!」
「ええ、誓いました!でも、もうこれ以上耐えられません!」
どうして僕がこんなに怒っているのかというと。
「僕、言いましたよね。毎晩毎晩何度も何度も求められては身体が持たないと……」
僕達が結ばれてからというもの、王子が毎日のように僕を求めてくるのだ。
日中も隙あらばイチャイチャしてくるし、夜も僕が気絶するまで抱き潰されている。
「だって……全然足りないんだもん……」
王子は甘えたような声で言う。そんな可愛い顔されたって、これだけは譲れない。
「昨日だって、もう無理って言ってるのに、5回もしたじゃないですか……!」
「ん?違うぞ。お前が気絶してから追加で2回したから、合計7回だな」
「はあぁ!?信じられない……!」
どうりで恐ろしく身体が怠いはずだ。僕が気絶してからもしていたなんて……。
呆れた顔で見上げると、少し気まずそうに目を逸らされた。
「……やっと好きな人を手に入れたから、浮かれてるんだよ……」
「うっ……」
急にこんなことを言ってくるところ、本当にずるいと思う。こんなに素直に好意をぶつけられたら、つい絆されてしまう……。
「それに、魔力の供給も必要なことだし……」
「ううっ……」
確かにそうなのだ。一度膨大な魔力の受け渡しを行ったため、定期的にお互いの魔力を混じり合わせておく必要があるらしい。とはいえ、毎日毎日こんなに行う必要は全く無いはずだけど……。
「……ルセットは嫌なのか?」
ダメ押しとばかりに、王子が子犬のような目で見上げてくる。
「うううっ……嫌ではないですが……身体が持たないんです!」
「ちゃんと手加減するようにするから……!」
「そう言って、この間も朝まで……」
「それは反省してるからさ……」
そう言って、僕の頭を撫でると、キスをしてきた。そして、また押し倒されてしまう。
「ちょっと、ダメですってばっ……」
抵抗しようとするが、あっさりと組み敷かれてしまった。耳元に王子の顔が近づいてくる。
「一生お前を離さない」
「ひぇっ……!」
とどめのクリティカルヒットが直撃した。
さっきまでの駄々っ子のような態度から一転、男らしく迫られて胸が高鳴ってしまう。
結局、流されて受け入れてしまった。
(僕、どんどん王子に弱くなってないか……?)
そんなことを考えながらも、彼に身体を委ねる。とどのつまり、僕も王子にメロメロなのだ。
時々逃げ出したくなることもあるけれど、幸せで甘い日々はこれからも続いていく――。
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