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08「やっと素直になったな」*

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「あの、それじゃあ僕も……失礼します」
僕だけされるのは不公平だ。それに、さっきまであんなに気持ち良かったのだから、王子だってきっと同じはずだ。そう思い、恐る恐るズボンに手をかける。
「ルセット!?」
王子は驚いているようだ。無理もない。今まで僕からこんなことをしたことがないので当然だろう。自分でも驚いている。
しかし、ここまで来た以上後には引けない。覚悟を決めて一気に下ろす。
すると、そこには想像以上の大きさのものがあった。
「うわぁ……大きい……」
思わず呟くと、目の前のそれが大きく脈打った。王子の顔を見ると、耳まで真っ赤になっている。
「あ、あんまり見ないでくれ……」
恥ずかしそうにしている姿はとても可愛らしく見えた。いつも余裕たっぷりな王子が照れている様子は新鮮で、とても愛おしい。
「でも……僕もさっき王子にされたことなので、これでおあいこです」
「うっ……」
王子に何も言えなくしたところで、その大きなものを恐る恐る口に含んだ。すると、すぐに苦味を感じる。
「んっ……」
「大丈夫か?無理しなくて良いぞ」
「んっ……いえ……平気です……」
王子に気持ち良くなって欲しい。その一心で頑張る。やり方なんてよく分からないけど、とにかく一生懸命続けることにした。
「んっ……ちゅぷ……はむ……」
舌先でちろちろと舐めると、ピクっと反応する。それが嬉しくて夢中でしゃぶっていると、だんだん大きくなってきた気がする。
「んむ……?」
不思議に思って見上げると、そこには王子の顔があった。目が合うと、彼の顔が赤く染まる。
「ルセット、それは反則だろう……」
「ふえ?何かまずかったですか?」
「いや、むしろ逆というか……」
「え?」
「くっ……もう、我慢できない!」
突然頭を押さえつけられると、喉の奥まで突き入れられた。
「んぶっ!?」
苦しくて涙が出る。だが、王子は容赦なく腰を動かしてきた。
「んぐっ!んぐうぅ……!」
「すまない……でも止まらないんだ」
王子は夢中で僕の口を犯している。何度も奥を突かれるうちに、だんだん慣れてきて頭がぼうっとしてきた。苦しいはずなのに、どこか心地よく感じてしまう自分がいる。
「んぐっ……んむっ……」
「ああ……気持ちいいよ……」
王子の声が掠れてきていた。そろそろ限界が近いのかもしれない。
「ああ……出る……出すよ……全部飲んでくれ……!」
口のナカのものが一層大きくなる。次の瞬間、熱いものが注ぎ込まれた。
「んぶうぅぅーっ!」
喉奥にドクドクと大量の精子を流し込まれていく。あまりの量の多さに窒息してしまいそうになった。
「ごくっ……こく……ごくん……」
なんとか全て飲み干すと、ようやく解放された。
直後、体内に王子の魔力が入ってくるのを感じる。
「あっ!?ああぁぁぁぁぁっ!」
身体中が熱い。全身の血が沸騰しているようだ。あまりの快感に意識を失いそうになるが、かろうじて踏み止まる。
(ああ……なにこれ……すごいぃ……)
全身が敏感になり、どこを触られても達してしまいそうだ。身体中を甘い痺れが駆け巡っている。
「大丈夫かい?急に俺の魔力を流し込んだから辛かったろう」
「はい……すごく熱くて……どうにかなりそうです……」
「可愛いよ、ルセット……」
どちらからともなく唇を重ねた。舌を差し入れると、王子もそれに応えてくれる。口の中にはお互いの精液の味が広がっていたけれど、そんなことは気にならなかった。むしろそれがより興奮を高めていく。
「んぅ……んちゅ……んんっ……」
長いキスで魔法をかけられているような感覚に陥った。思考が蕩けていき、何も考えられなくなる。
「王子……好き……大好きです……」
「ふふっ、やっと素直になったな」
「はい……大好きです」
「嬉しいよ……俺も好きだ……愛してる……」
優しく頭を撫でてくれるその手が温かくて、なんだかほっとした。
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