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第5章
魔導書の研究資料
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ディランの部屋に着いて間もなく、朝食のためにディランだけは部屋を後にした。
「無いとは思うが、部屋を散らかさないようにしてくれ。あと大きな音をたてることもな。朝食の後に間食を部屋に用意させることになっているから、人の気配を感じた際にはすぐに身を隠してくれ。」
基本的には何もないディランの部屋を散らかすことは難しいだろうが、人の気配を読んで身を隠すことには気を払わないといけないだろう。私たちは軽く了承して送り出した。
私たちはボールのように弾むことで今の体では登るのも難しい執務机の上に移動して、袋の中にある私たちと一緒に入っていた魔導書を取り出して広げ、紙と筆記用具を手に取る。
(さて、それでは久しぶりのお勉強タイムとしますか。)
魔導書の表紙を広げると、この本の歴代の所有者の名前がずらり書きこまれているのが目に映る。妙に整った筆跡で、まるでパソコンで打ち込んで印刷したような感じだった。
何十人もの名前が書かれている所有者欄は数ページにわたり、最後のページの最後の部分を見つめる。
(書いた覚えもないのにちゃんと私たちの名前もある。)
(しかもこれ、のーちゃんと私の名前だよ。ライムじゃなくて。)
魔導書は誤魔化すことができないという事なのか、高梨 希・日代 美景と二人の地球での名前がばっちり書きこまれていた。
所有者欄の次のページからは初代の魔導書保有者から順に研究内容が書き込まれていて、なんだか難しい数式や図形、考察などであふれていた。人によって書き方は自由なようで、整然としたものから思いつくままに書き殴られているものまで様々だ。
ただ、総じていえることは、どれもこれも生半可な知識で理解できる研究資料ではないという事だ。私が読んでもさっぱりわからないというのもそうだけれど、まずやろうとしている事のレベルが高すぎるのだ。
初代の魔導書保有者の研究は光魔法と闇魔法を考察していて、どうやらこの両方の魔法をうまく使えば時間を飛び越えたり、戻ったりすることができるのではないかと書いてある。
ルーナの4代前の魔導書保有者は魔法によって手のひらサイズの小世界を生み出すことができないかと思いつく限りの実験をしていて、その結果を改善点と生まれた副産物を加えながら記している。
ルーナ自身の研究は、歴代の保有者からすれば少し保有期間が短かったためか少し薄めである。前半は空間魔法の可能性と、誰でも空間魔法を利用することができるように魔動具を作れないかと考察していて、後半では初代の魔導書保有者や他の先人たちの論を引用しつつ時空間を自由に、あるいは限定的に移動することについて書かれていた。
はっきり言って無茶苦茶だ。そんなことできるわけないだろうと、誰もが考えてしまうような夢。けれど、彼らはその無謀な挑戦を真剣に行って、こうしてきちんとした研究資料として残しているのだ。
ただ、私たちはその夢の完成形を目の当たりにしている。魔法という技術が神の御業と言われるだろうレベルに到達していたその力を、私たちは見ているのだ。
現在の魔法の原型を使う事の出来るヘリアルによって。
ヘリアルは空間魔法を使って私たちやルーナを山の麓まで飛ばしてくれた。ほんの少し手を振ることで空間を歪ませて、その歪みに足を踏み入れるだけで繋げた先に移動できるという、とんでもない力を行使するのだ。
それだけではない。その時は何ともない反応をしていたけれど、ヘリアルが出してくれたココアは、紛れもなく地球で飲んだものだった。カカオに類するものがこの世界にある可能性もあるけれど、いくつもの街を見てきた私たちはあの時に出されたココアと同じものはおろか、似たようなものさえも見かけていなかった。それを事も無げに出したのは、もしかしたら魔法で作り出したからかもしれない。というより、彼にとってみれば取って来るよりもよほど楽な事なのではないだろうか。
神ではないヘリアルではできないことも当然あるとは思うけれど、間違いなくこの魔導書に書かれている事の多くを実現できるだろう。そう考えると、ルーナが転移を体験して受けた衝撃は私たちには想像もできないほどだったのかもしれない。緊急事態でもなければ一人で頭をフル回転させて思考にふけっていたことだろう。
(またヘリアルに会えないかな?)
(会えないことも無いだろうけど、向こうは極力世界に干渉しないようにしてるって言ってなかったっけ。これからもっと深くこの世界と関わることになるかもしれない私たちに簡単に会ってくれるかな。)
(それもそうだね。)
それに何より、私たちはドラゴンから逃れるためになりふり構わずぶっ飛んであの山脈に突っ込んでいって、行き方とか正確な場所なんかは全く分からない。帰りもヘリアルが麓まで送ってくれたのだし、もしかすると所在地がわからないようにという思惑もあったのかもしれない。
なんにしても気軽には会えなさそうだ。
ルーナの研究資料の後は白紙のページが続いていて、ここに次代の魔導書保有者の研究資料を載せることになるのだろうことがわかる。つまり、私たちの研究をここに書き込むことになるわけだ。
(研究って言っても、何について書いたらいいんだろう。)
(うーん。私たちの場合なら元の世界に帰れるように異界転移の研究とか。それともスライムの体から人間になるにはとか。あとはそうね。モンスターを無くすには・・とか。)
美景の最後の提案に、私は心臓が跳ねるような感覚に襲われた。跳ねる心臓なんか持ち合わせていなくても、それぐらいの衝撃を与えられたのだ。
(モンスターを・・無くす?)
(・・・のーちゃん。気にしてるでしょ。あのドラゴンが言った事。)
ドラゴンが言った言葉。多くあれども美景の言うその言葉とは一つをさすとわかっている。
「人間を恨むのも、憎むのも、殺そうと思うのも、いつだって人間だけであった。モンスターの土台として相応しかったのは、その人間の魂であった。」
「争いを望み、暗く染まった人を女神は人と認めない。だからモンスターとして生まれ変わらせた。ただただ人の敵対者として、生ある限り人の世の平和のため、そして女神のために人を襲う怪物として。」
あの時の情景と共に、ドラゴンの言葉が蘇る。振り払うことは叶わず、胸を杭で打ち抜かれるがごとき苦しみに襲われながら、最後の言葉が耳に響く。
「いったい貴様は何体のモンスターを殺めた?」
妙にリアルに聞こえた言葉に反応して、私はすぐさま周囲を窺う。けれど声の主はどこにもおらず、ただの幻聴であったことを理解して胸をなでおろす。
(モンスターの正体が本当にドラゴンの言った通りなのか。それはわからない。けれど、のーちゃんがそのことで心を痛めるなら、私はモンスターを無くす研究をしてもいいと思ってる。)
(美景・・・)
(別にこの世界にいるモンスターをすぐに殺して回ろうなんて言ってないよ。のーちゃんはそれを望まないでしょう?)
(うん。)
(だから、これ以上モンスターが出現しないように。それから本当にモンスターが人間の魂で構成されているのかも合わせて研究するの。モンスターも生き物だから、新しく生まれなければ、後は自然と消えていくだけ。)
美景の言葉は甘く優しくて、全てを美景にゆだねてしまいそうになる。けれど、それをお願いして頑張るのは美景だ。私が頑張っても何の手助けもできずに、結局美景だけに負担を強いてしまう。それだけは嫌で、だから私はすぐに返事ができなかった。
(・・・このことは、また、落ち着いてから・・・。)
(・・・そうだね。何も焦ることはないし、ゆっくり考えよ。)
空気が重くなってしまったのを紛らわすために魔導書をまくって資料を読んでいると、部屋の扉の向こうにある廊下の方から複数の足音が聞こえてきた。
「無いとは思うが、部屋を散らかさないようにしてくれ。あと大きな音をたてることもな。朝食の後に間食を部屋に用意させることになっているから、人の気配を感じた際にはすぐに身を隠してくれ。」
基本的には何もないディランの部屋を散らかすことは難しいだろうが、人の気配を読んで身を隠すことには気を払わないといけないだろう。私たちは軽く了承して送り出した。
私たちはボールのように弾むことで今の体では登るのも難しい執務机の上に移動して、袋の中にある私たちと一緒に入っていた魔導書を取り出して広げ、紙と筆記用具を手に取る。
(さて、それでは久しぶりのお勉強タイムとしますか。)
魔導書の表紙を広げると、この本の歴代の所有者の名前がずらり書きこまれているのが目に映る。妙に整った筆跡で、まるでパソコンで打ち込んで印刷したような感じだった。
何十人もの名前が書かれている所有者欄は数ページにわたり、最後のページの最後の部分を見つめる。
(書いた覚えもないのにちゃんと私たちの名前もある。)
(しかもこれ、のーちゃんと私の名前だよ。ライムじゃなくて。)
魔導書は誤魔化すことができないという事なのか、高梨 希・日代 美景と二人の地球での名前がばっちり書きこまれていた。
所有者欄の次のページからは初代の魔導書保有者から順に研究内容が書き込まれていて、なんだか難しい数式や図形、考察などであふれていた。人によって書き方は自由なようで、整然としたものから思いつくままに書き殴られているものまで様々だ。
ただ、総じていえることは、どれもこれも生半可な知識で理解できる研究資料ではないという事だ。私が読んでもさっぱりわからないというのもそうだけれど、まずやろうとしている事のレベルが高すぎるのだ。
初代の魔導書保有者の研究は光魔法と闇魔法を考察していて、どうやらこの両方の魔法をうまく使えば時間を飛び越えたり、戻ったりすることができるのではないかと書いてある。
ルーナの4代前の魔導書保有者は魔法によって手のひらサイズの小世界を生み出すことができないかと思いつく限りの実験をしていて、その結果を改善点と生まれた副産物を加えながら記している。
ルーナ自身の研究は、歴代の保有者からすれば少し保有期間が短かったためか少し薄めである。前半は空間魔法の可能性と、誰でも空間魔法を利用することができるように魔動具を作れないかと考察していて、後半では初代の魔導書保有者や他の先人たちの論を引用しつつ時空間を自由に、あるいは限定的に移動することについて書かれていた。
はっきり言って無茶苦茶だ。そんなことできるわけないだろうと、誰もが考えてしまうような夢。けれど、彼らはその無謀な挑戦を真剣に行って、こうしてきちんとした研究資料として残しているのだ。
ただ、私たちはその夢の完成形を目の当たりにしている。魔法という技術が神の御業と言われるだろうレベルに到達していたその力を、私たちは見ているのだ。
現在の魔法の原型を使う事の出来るヘリアルによって。
ヘリアルは空間魔法を使って私たちやルーナを山の麓まで飛ばしてくれた。ほんの少し手を振ることで空間を歪ませて、その歪みに足を踏み入れるだけで繋げた先に移動できるという、とんでもない力を行使するのだ。
それだけではない。その時は何ともない反応をしていたけれど、ヘリアルが出してくれたココアは、紛れもなく地球で飲んだものだった。カカオに類するものがこの世界にある可能性もあるけれど、いくつもの街を見てきた私たちはあの時に出されたココアと同じものはおろか、似たようなものさえも見かけていなかった。それを事も無げに出したのは、もしかしたら魔法で作り出したからかもしれない。というより、彼にとってみれば取って来るよりもよほど楽な事なのではないだろうか。
神ではないヘリアルではできないことも当然あるとは思うけれど、間違いなくこの魔導書に書かれている事の多くを実現できるだろう。そう考えると、ルーナが転移を体験して受けた衝撃は私たちには想像もできないほどだったのかもしれない。緊急事態でもなければ一人で頭をフル回転させて思考にふけっていたことだろう。
(またヘリアルに会えないかな?)
(会えないことも無いだろうけど、向こうは極力世界に干渉しないようにしてるって言ってなかったっけ。これからもっと深くこの世界と関わることになるかもしれない私たちに簡単に会ってくれるかな。)
(それもそうだね。)
それに何より、私たちはドラゴンから逃れるためになりふり構わずぶっ飛んであの山脈に突っ込んでいって、行き方とか正確な場所なんかは全く分からない。帰りもヘリアルが麓まで送ってくれたのだし、もしかすると所在地がわからないようにという思惑もあったのかもしれない。
なんにしても気軽には会えなさそうだ。
ルーナの研究資料の後は白紙のページが続いていて、ここに次代の魔導書保有者の研究資料を載せることになるのだろうことがわかる。つまり、私たちの研究をここに書き込むことになるわけだ。
(研究って言っても、何について書いたらいいんだろう。)
(うーん。私たちの場合なら元の世界に帰れるように異界転移の研究とか。それともスライムの体から人間になるにはとか。あとはそうね。モンスターを無くすには・・とか。)
美景の最後の提案に、私は心臓が跳ねるような感覚に襲われた。跳ねる心臓なんか持ち合わせていなくても、それぐらいの衝撃を与えられたのだ。
(モンスターを・・無くす?)
(・・・のーちゃん。気にしてるでしょ。あのドラゴンが言った事。)
ドラゴンが言った言葉。多くあれども美景の言うその言葉とは一つをさすとわかっている。
「人間を恨むのも、憎むのも、殺そうと思うのも、いつだって人間だけであった。モンスターの土台として相応しかったのは、その人間の魂であった。」
「争いを望み、暗く染まった人を女神は人と認めない。だからモンスターとして生まれ変わらせた。ただただ人の敵対者として、生ある限り人の世の平和のため、そして女神のために人を襲う怪物として。」
あの時の情景と共に、ドラゴンの言葉が蘇る。振り払うことは叶わず、胸を杭で打ち抜かれるがごとき苦しみに襲われながら、最後の言葉が耳に響く。
「いったい貴様は何体のモンスターを殺めた?」
妙にリアルに聞こえた言葉に反応して、私はすぐさま周囲を窺う。けれど声の主はどこにもおらず、ただの幻聴であったことを理解して胸をなでおろす。
(モンスターの正体が本当にドラゴンの言った通りなのか。それはわからない。けれど、のーちゃんがそのことで心を痛めるなら、私はモンスターを無くす研究をしてもいいと思ってる。)
(美景・・・)
(別にこの世界にいるモンスターをすぐに殺して回ろうなんて言ってないよ。のーちゃんはそれを望まないでしょう?)
(うん。)
(だから、これ以上モンスターが出現しないように。それから本当にモンスターが人間の魂で構成されているのかも合わせて研究するの。モンスターも生き物だから、新しく生まれなければ、後は自然と消えていくだけ。)
美景の言葉は甘く優しくて、全てを美景にゆだねてしまいそうになる。けれど、それをお願いして頑張るのは美景だ。私が頑張っても何の手助けもできずに、結局美景だけに負担を強いてしまう。それだけは嫌で、だから私はすぐに返事ができなかった。
(・・・このことは、また、落ち着いてから・・・。)
(・・・そうだね。何も焦ることはないし、ゆっくり考えよ。)
空気が重くなってしまったのを紛らわすために魔導書をまくって資料を読んでいると、部屋の扉の向こうにある廊下の方から複数の足音が聞こえてきた。
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※諸事情によりしばらく連載休止致します。
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