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第3章
人の目が届かない場所
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「それにしてもこんな辺境の地にディラン王子が足を運ばれるとは思ってもみませんでした。この近くに何かご用がおありで?」
カルミュット子爵がワインを片手にこちらに来た理由をそれとなく探って来た。
今回の社交会は立食パーティーのようで、広間にいくつか大きめの丸机があり、その上には豪華な料理が置かれている。奥には飲み物を提供するスペースもあり、人々は食べ物は机の隅に置かれている皿に乗せ、飲み物は奥に行って個別に頼むという形だ。
この広間にはかなり多くの人間がいて、その全てをさばくのはかなり大変なことのはずなのだが、使用人はかなり優秀らしく、忙しくしつつも十全に対応できている。
そんな会場の中央付近にてカルミュット子爵と私たち6人で話をしている最中である。
「ちょうどこの付近にてモンスターが群生している場所があるようで、私たちはギルドの依頼を受けてこちらに訪れたのです。その道すがら訪れたトークルにてオーランド男爵からカルミュット子爵が近々社交会を開くというお話をお聞きしまして。私も社交会にはあまり出席していなかったので、この際に一度出た方が良いのではないかと考えたわけです。」
笑顔のまま堂々と嘘をつくディラン。
確かにこの街から少し行ったところにモンスターが生息する森や沼地などがあるのだが、ギルドからの依頼が私たちに来たという事実はない。
なぜならこの辺りのモンスターはテラリクス領のギルドを拠点としている下級から中級までの冒険者で十分対応できるほどの強さであり、ディランたちエレアナがわざわざ呼び出されるほどの緊急事態に陥っていることなどないのだ。
しかし、この場にそんな事情に明るいものなどいない。
ギルドは国から独立した1つの国のようなものである。冒険者ギルドや商業ギルドはもちろんのこと、医療ギルドや傭兵ギルドなどの様々なギルドは「ギルド」と呼ばれる国の大使館のような位置付けであり、各ギルドの敷地が国土のような扱いとなっている。
ゆえにギルドに関しての様々な機密は国に開示されることはほとんどなく、またギルドも国に過度な干渉をしないという中立の立場に立っている。
そんなわけで世界各国にギルドが設立できているのだが、冒険者への依頼などは基本的に掲示板に張り出されるので情報を仕入れること自体は非常に簡単なことである。それこそやろうと思えば全ての依頼を確認してディランの言葉の真偽を確認することくらい容易にできるのだ。
ただし、それはやろうと思えばである。
貴族は基本的に庶民の詳細な生活事情などに興味はなく、大まかな全体の状況から自治する街の状況改善を測ったり国政に意見することはあるが、ギルドの依頼について確認を取っていることなどほとんどない。
それこそ自身の街にモンスターが攻めて来るなどの緊急性が伴わない案件ともなれば関心がいくわけもない。
ゆえにディランの嘘も堂々としているだけで見抜かれることなどないのである。
「なるほど。ディラン王子は冒険者としての腕も一流以上であると聞き及んでおります。なんでも彼の巨竜から商人を守り抜いたそうではありませんか。それ以外にも数々の武勇を轟かせるディラン王子一行が来てくださったのであれば我々も一安心というものです。」
大仰な態度をとりつつ心底安堵したような表情を取るカルミュット子爵。
「巨竜からは逃げおおせることで一杯でした。称えられるほどのことでもありませんよ。」
「いえいえ、そんなことはございません。私ならばすくみあがって動けずにいるところをパクリとされるのがオチでしょう。ここにいる精鋭どもも同じようなものでしょう。」
謙遜するディランに過剰に誉めたたえようとするカルミュット子爵。擦り寄ろうとしているところが丸わかりなぶん、周囲で聞き耳を立てている他の貴族たちが早く話をしたそうにソワソワとしている。
「そういえば・・・ディラン王子が組んでいるパーティは4人だったはずですが・・・。」
ひと段落ついたところで一番聞きたかったことだろうことを聞きにきた。
私たちとリィーネは気づかれない程度に冷や汗をかく。繋ぐ手が少し湿り気を帯びる。
「はい。私たちはご存知の通り4人で行動しております。こちらの3人ですね。」
ディランが優雅にルーナたちを示すと、3人は堂に入った礼を取る。
「それでは後ろに控えておられるお二人は・・・。」
カルミュット子爵は言葉を慎重に選びつつ私たちとリィーネに目を向ける。
「ああ。彼女らは知り合いの妻とその娘でしてね、私たちの旅に少し同行することになっているのです。それで二人にはなれない場所ではありますが、将来のために経験を積むという意味でもこちらの社交界に連れて来た次第です。」
爽やかな笑顔で全く動じずに答えるディランは、答え終わると私たちを呼び寄せる。
「カルミュット子爵に挨拶を。」
ディランの言葉に私たちは事前に教えてもらっていた礼をとり、これまた事前に用意していたセルフを口にする。
「ご紹介に預かりました。リーネ=フォスターと申します。」
「同じく、ライム=フォスターと申します。」
短く答える私たち二人をカルミュット子爵はじっと見据え、やがてにこやかな笑みに変える。
「そうですか。フォスターという家名は存じませんが、さぞ高貴なお方なのでしょう。無知な私めをどうかお許しください。」
私たちは二人柔和な笑みを持ってそれに答える。周囲からため息のようなものが聞こえた気がした。
「しかし子供を連れての旅となるとかなり大変でしょう。見たところライム嬢はかなり大人びているようではありますが、モンスターがうようよ潜んでいる外を歩くにはなんとも・・・。」
「彼女はこう見えてかなりの魔法を使うことのできるのです。なので私たちも助けてもらうことがあるくらいですよ。」
「なんと!魔法使いでしたか。まだ年若い身の上でありながらディラン王子らを助けることができるほどの力量を持ち合わせているとは・・・。」
かなり驚いたようだ。これは大仰な態度を取ろうと思って現れたものではなく、本心から出たものだろう。
以前にもこんな話題が出たが、私たちがとっているこの少女の姿はおよそ10歳前後。そんな歳で魔法を十分に扱うことのできる人間はかなり限られる。ルーナのように一流の魔導師となるなど滅多にないのだ。もし扱えたとしてもモンスターなどには歯が立たないくらいであり、ディランたち上級冒険者を助けられるほどの力量となると真に才能のあるものくらいなのである。
実際にはまだ3ヶ月たっているかどうかというところなのだが、それはルーナ曰く信じてもらえないそうだ。
ルーナですら私たちの成長スピードに舌を巻き、未だに信じられないほどである。常識からかけ離れすぎている私たちの成長は話しても信じてもらうことはできないのだ。
「それに彼女も弓を嗜んでいるので、自衛程度であればそこそこできるのですよ。護衛という面も持ち合わせていると私たちとしてはやりやすくて助かっていますよ。」
リィーネは自衛できるどころか、おそらくディランたちの中で一番の力量を持ち、武勇などを語らせればエレアナの数十倍も出てくることだろう。
しかし今は深窓の麗人リーネとしてこの場に出ているということもあり、多少足を引っ張る程度の実力であると言っておいたほうがいい。
なにもここで実力を示すようなことは起こらないだろうから悟られることもないだろう。
「ほうほうそうでしたか。これほどの美人で優秀な方を妻に持つご主人に私もお会いしたいものですな。」
カルミュット子爵は笑いながらそういうと、ふと私たちを見る。どうやら気づいてくれたようだ。
「そういえば我が屋敷にお越しいただいたのは初めてでしたね。流し場はあちらの廊下をお進みいただければ使用人が待機しております。休憩室、及び化粧室はこちらの扉付近におります使用人に言っていただければと思います。」
そう言ってカルミュット子爵は私たちを見てにこっと笑顔を浮かべた。
「それでは私はそろそろ退散するとしましょう。王子に御目通り願う方々はかなりおられますからな。私も挨拶回りがございますので。」
そういうと軽く会釈してから私たちの元を離れようとし、何かを思い出したかのようにまたこちらに戻って来た。
「そういえば何人かライム嬢と歳の近い者があちら側におられますので、大人ばかりで肩身が狭いと感じたならば行かれたほうがよろしいかと。」
そう言って示す場所には確かに10歳から13歳くらいの子供たちが幾人か談笑していた。
「気遣いありがとう。」
「ありがとうございます。」
私が丁寧にお辞儀し、笑顔でそう答えると、少し顔を紅潮させるカルミュット子爵。すぐに軽く首を振って表情を戻し、今度こそ立ち去った。
「さて・・あまり長居はするなよ。」
「了解です。」
周囲に聞こえない程度に小さくした声で言葉を交わした後、私たちとリィーネはそっと流し場の方に向かったのだった。
カルミュット子爵がワインを片手にこちらに来た理由をそれとなく探って来た。
今回の社交会は立食パーティーのようで、広間にいくつか大きめの丸机があり、その上には豪華な料理が置かれている。奥には飲み物を提供するスペースもあり、人々は食べ物は机の隅に置かれている皿に乗せ、飲み物は奥に行って個別に頼むという形だ。
この広間にはかなり多くの人間がいて、その全てをさばくのはかなり大変なことのはずなのだが、使用人はかなり優秀らしく、忙しくしつつも十全に対応できている。
そんな会場の中央付近にてカルミュット子爵と私たち6人で話をしている最中である。
「ちょうどこの付近にてモンスターが群生している場所があるようで、私たちはギルドの依頼を受けてこちらに訪れたのです。その道すがら訪れたトークルにてオーランド男爵からカルミュット子爵が近々社交会を開くというお話をお聞きしまして。私も社交会にはあまり出席していなかったので、この際に一度出た方が良いのではないかと考えたわけです。」
笑顔のまま堂々と嘘をつくディラン。
確かにこの街から少し行ったところにモンスターが生息する森や沼地などがあるのだが、ギルドからの依頼が私たちに来たという事実はない。
なぜならこの辺りのモンスターはテラリクス領のギルドを拠点としている下級から中級までの冒険者で十分対応できるほどの強さであり、ディランたちエレアナがわざわざ呼び出されるほどの緊急事態に陥っていることなどないのだ。
しかし、この場にそんな事情に明るいものなどいない。
ギルドは国から独立した1つの国のようなものである。冒険者ギルドや商業ギルドはもちろんのこと、医療ギルドや傭兵ギルドなどの様々なギルドは「ギルド」と呼ばれる国の大使館のような位置付けであり、各ギルドの敷地が国土のような扱いとなっている。
ゆえにギルドに関しての様々な機密は国に開示されることはほとんどなく、またギルドも国に過度な干渉をしないという中立の立場に立っている。
そんなわけで世界各国にギルドが設立できているのだが、冒険者への依頼などは基本的に掲示板に張り出されるので情報を仕入れること自体は非常に簡単なことである。それこそやろうと思えば全ての依頼を確認してディランの言葉の真偽を確認することくらい容易にできるのだ。
ただし、それはやろうと思えばである。
貴族は基本的に庶民の詳細な生活事情などに興味はなく、大まかな全体の状況から自治する街の状況改善を測ったり国政に意見することはあるが、ギルドの依頼について確認を取っていることなどほとんどない。
それこそ自身の街にモンスターが攻めて来るなどの緊急性が伴わない案件ともなれば関心がいくわけもない。
ゆえにディランの嘘も堂々としているだけで見抜かれることなどないのである。
「なるほど。ディラン王子は冒険者としての腕も一流以上であると聞き及んでおります。なんでも彼の巨竜から商人を守り抜いたそうではありませんか。それ以外にも数々の武勇を轟かせるディラン王子一行が来てくださったのであれば我々も一安心というものです。」
大仰な態度をとりつつ心底安堵したような表情を取るカルミュット子爵。
「巨竜からは逃げおおせることで一杯でした。称えられるほどのことでもありませんよ。」
「いえいえ、そんなことはございません。私ならばすくみあがって動けずにいるところをパクリとされるのがオチでしょう。ここにいる精鋭どもも同じようなものでしょう。」
謙遜するディランに過剰に誉めたたえようとするカルミュット子爵。擦り寄ろうとしているところが丸わかりなぶん、周囲で聞き耳を立てている他の貴族たちが早く話をしたそうにソワソワとしている。
「そういえば・・・ディラン王子が組んでいるパーティは4人だったはずですが・・・。」
ひと段落ついたところで一番聞きたかったことだろうことを聞きにきた。
私たちとリィーネは気づかれない程度に冷や汗をかく。繋ぐ手が少し湿り気を帯びる。
「はい。私たちはご存知の通り4人で行動しております。こちらの3人ですね。」
ディランが優雅にルーナたちを示すと、3人は堂に入った礼を取る。
「それでは後ろに控えておられるお二人は・・・。」
カルミュット子爵は言葉を慎重に選びつつ私たちとリィーネに目を向ける。
「ああ。彼女らは知り合いの妻とその娘でしてね、私たちの旅に少し同行することになっているのです。それで二人にはなれない場所ではありますが、将来のために経験を積むという意味でもこちらの社交界に連れて来た次第です。」
爽やかな笑顔で全く動じずに答えるディランは、答え終わると私たちを呼び寄せる。
「カルミュット子爵に挨拶を。」
ディランの言葉に私たちは事前に教えてもらっていた礼をとり、これまた事前に用意していたセルフを口にする。
「ご紹介に預かりました。リーネ=フォスターと申します。」
「同じく、ライム=フォスターと申します。」
短く答える私たち二人をカルミュット子爵はじっと見据え、やがてにこやかな笑みに変える。
「そうですか。フォスターという家名は存じませんが、さぞ高貴なお方なのでしょう。無知な私めをどうかお許しください。」
私たちは二人柔和な笑みを持ってそれに答える。周囲からため息のようなものが聞こえた気がした。
「しかし子供を連れての旅となるとかなり大変でしょう。見たところライム嬢はかなり大人びているようではありますが、モンスターがうようよ潜んでいる外を歩くにはなんとも・・・。」
「彼女はこう見えてかなりの魔法を使うことのできるのです。なので私たちも助けてもらうことがあるくらいですよ。」
「なんと!魔法使いでしたか。まだ年若い身の上でありながらディラン王子らを助けることができるほどの力量を持ち合わせているとは・・・。」
かなり驚いたようだ。これは大仰な態度を取ろうと思って現れたものではなく、本心から出たものだろう。
以前にもこんな話題が出たが、私たちがとっているこの少女の姿はおよそ10歳前後。そんな歳で魔法を十分に扱うことのできる人間はかなり限られる。ルーナのように一流の魔導師となるなど滅多にないのだ。もし扱えたとしてもモンスターなどには歯が立たないくらいであり、ディランたち上級冒険者を助けられるほどの力量となると真に才能のあるものくらいなのである。
実際にはまだ3ヶ月たっているかどうかというところなのだが、それはルーナ曰く信じてもらえないそうだ。
ルーナですら私たちの成長スピードに舌を巻き、未だに信じられないほどである。常識からかけ離れすぎている私たちの成長は話しても信じてもらうことはできないのだ。
「それに彼女も弓を嗜んでいるので、自衛程度であればそこそこできるのですよ。護衛という面も持ち合わせていると私たちとしてはやりやすくて助かっていますよ。」
リィーネは自衛できるどころか、おそらくディランたちの中で一番の力量を持ち、武勇などを語らせればエレアナの数十倍も出てくることだろう。
しかし今は深窓の麗人リーネとしてこの場に出ているということもあり、多少足を引っ張る程度の実力であると言っておいたほうがいい。
なにもここで実力を示すようなことは起こらないだろうから悟られることもないだろう。
「ほうほうそうでしたか。これほどの美人で優秀な方を妻に持つご主人に私もお会いしたいものですな。」
カルミュット子爵は笑いながらそういうと、ふと私たちを見る。どうやら気づいてくれたようだ。
「そういえば我が屋敷にお越しいただいたのは初めてでしたね。流し場はあちらの廊下をお進みいただければ使用人が待機しております。休憩室、及び化粧室はこちらの扉付近におります使用人に言っていただければと思います。」
そう言ってカルミュット子爵は私たちを見てにこっと笑顔を浮かべた。
「それでは私はそろそろ退散するとしましょう。王子に御目通り願う方々はかなりおられますからな。私も挨拶回りがございますので。」
そういうと軽く会釈してから私たちの元を離れようとし、何かを思い出したかのようにまたこちらに戻って来た。
「そういえば何人かライム嬢と歳の近い者があちら側におられますので、大人ばかりで肩身が狭いと感じたならば行かれたほうがよろしいかと。」
そう言って示す場所には確かに10歳から13歳くらいの子供たちが幾人か談笑していた。
「気遣いありがとう。」
「ありがとうございます。」
私が丁寧にお辞儀し、笑顔でそう答えると、少し顔を紅潮させるカルミュット子爵。すぐに軽く首を振って表情を戻し、今度こそ立ち去った。
「さて・・あまり長居はするなよ。」
「了解です。」
周囲に聞こえない程度に小さくした声で言葉を交わした後、私たちとリィーネはそっと流し場の方に向かったのだった。
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